2021年05月31日

2021年4月の〔Lichtope / 万年筆談話室〕開室日 ----------------------  常設の ペン先調整 / 万年筆修理工房

談話室_Lichtope_開室_2021-043月30日〜4月30日Lichtope / 万年筆談話室営業日/開室時間左図のとおりです。


34月もCOVID-19対策としてLichtope万年筆談話室も完全予約制を継続します。



万年筆談話室 
は Lichtope と たこ吉ペンクリニック からなっています。


Lichtope は萬年筆研究会【WAGNER】の調整師である〔たこ娘〕さんのセレクトショップです。営業日は左列をご覧ください。

書き味調整や研出しも行っています。ただしメーカー保証期間中の万年筆は調整/研出しを行う事によって保証がされなくなる可能性がありますので、事前にご相談下さい。

お問い合わせフォームこちらです。(画面の下の方までスクロールしてください)


ご来店ご希望の方はご来店希望日時をお問い合わせフォームにご記入の上、〔送信する〕を押して下さい。混み合いそうなときには時間調整させていただきます。

対面調整をご希望の方は希望内容(日時、開始時刻、症状、依頼本数など)をお問い合わせフォームにご記入の上、〔送信する〕を押して下さい。



なを動画を使った 遠隔調整 は常時行っています。お問い合わせフォームからお申し込み下さい。お問い合わせフォームは こちら です。

直接 info @ mituo.co.jp  にメールしていただいてもかまいません。


Online Store には こちら から入れます。(カード決済もPayPal決済も可能)



他店では入手できないLichtope限定品(万年筆/インク)もあります!



会員登録やメルマガ登録/削除も簡単に行えますので、お気軽に 
e来店 してみてください。


たこ吉
ペンクリニックについて
 
 


たこ吉ペンクリニックには事前予約が必須です。pelikan_1931 @yahoo.co.jp まで、ご希望日と時間帯、修理・調整内容をお知らせ下さい。

予約確認メールが届いてからおいでください。時間調整した上で予約確定メールをお送りします。

お預かりして修理・調整することは可能ですので、お持ち込み本数の制限はありません


たこ吉ペンクリニック基本的に対面調整/修理ですので、当日中にお返しします。お時間の無い場合はお預かりします。


〔修理/調整料金の目安〕


(01)インクフローや書き味の改善など、大幅な研磨を伴わないパーソナライズ   1,000円 
    パーソナライズは下記の研出し/修理とは別料金です。パーソナライズ(書き味調整)は下記全てに付加されます。

(02)一段階の研出し(BB
➡B、B➡M、M➡F、F➡EF)   1,000円

(03)二
段階の研出し(BB➡M、B➡F、M➡EF   2,000円

(04)三
段階の研出し(BB➡F、B➡EF   3,000円

(05)ペンポイントの形状変更 その1(オブリーク化、オブリーク
➡通常)   2,000円

(06)ペンポイントの形状変更 その2(ソフト化:ちとソフトン/ウェバリー、ハード化:らすポス/ポスティング
   2,000円

(07)UEF(超極細への研出しとパーソナライズ:M
➡UEF、F➡UEF、EF➡UEF   3,000円

(08)縦書き用(鉈形状)への
研出しとパーソナライズ:BB➡まさかり、B➡ふと鉈、F➡ほそ鉈、SF➡チビ鉈) 2,500円

(09)横
書き用への研出しとパーソナライズ:Stub化:F/M/B/BB、超絶化:B/M   2,000円

(10)本体の分解清掃(完全分解後清掃して再度組み立てる)
 1,000円

(11)鍍金剥がれの再鍍金(ロジウム鍍金ペン先の研出しの場合には、この料金が追加となります)
 1,000円

(12)ペン先曲がりの調整(かかった時間に連動)
 2,000円〜5,000円

(13)部品交換を伴う修理(テレスコープ吸入式のOリング化、レバーフィラーのサック交換etc.)
 部品代(1,000円〜5,000円)+技術料(1,000円〜5,000円)

(14)上記以外(お見積もりします)



万年筆談話室の地図〔万年筆談話室〕の 場所 :東京都港区三田1-10-10 三田グリーンハイツ 209号室 (エレベーターを降りて正面突き当たりの部屋)


 電話
03-5476-0361 (出られない場合は、留守番電話にメッセージを入れてください)  
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2021年05月15日

2021年5月15日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 表定例会@浜松町 *** 将来日付でのご案内 ***

日時:515日(  10:3016:30 開場10:00  ペンクリ会員限定( 開催日当日会員登録された方も調整を受けられます )

場所:東京都立産業貿易センター 浜松町館 4F 第1会議室 住所:東京都港区海岸1-7-1


2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく! 
 

入会申込書 V3


新規入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。

会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への
会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。

入会資格は〔万年筆が好き!〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。


記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。 
  
18未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね!

コロナが収まるまで、N御大や紙様のミニ講演は中止しますが、今回は軟調ペンの研究会を有志で行います。

様々な柔らかいペン先を持つ万年筆を持ち寄って、その性質と理由を解明する研究会です。

密にならないよう少人数で行いますが、興味のある方にはその場で出た仮説をお送りします。(会員限定)

ちなみに換気は完璧な会場!ペンクリはアクリル板越しで行います。

ランチのお店に不自由しない便利で素敵な会場で〜す!

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2021年05月01日

2021年5月1日(土)は 第12回 y.y day @神戸・元町 *** 将来日付でのご案内 ***

今年のy.y dayは下記要項で開催します。

第12回 y.y day

日付 5/1 土曜日

場所:兵庫県民会館 10F 福

時間:10時〜16時30分

入場料: 1家族 2,000円 1人でも家族4人でも同じ

詳細は SNSでご確認を! 
y.y pen club で検索されたし。
  
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2021年04月18日

HAROの回転吸入式ボールペン/ローラーボール?

@01昨日、蒲田で開催された裏定例会で、妙な物を入手した。入手したのは、言わずと知れた紙様のブース。

この怪しい筆記具については紙様の2018年8月に詳細な解説が載っている。

https://ameblo.jp/kamisama-samasama/entry-12399328151.html

最初に見たときはPelikan 100の青軸かと思ったが、クリップが違うので笑ってしまった。

半一族の方々は,一度は見せていただいているようで、感激も無かったようだし、拙者も興味は薄かったのだが・・・

あまりの書き味の良さに買ってしまった。そして、まったく後悔していない。いままでで一番書き味の良いボールペン/ローラーボールじゃ。


@02@03左画像のように回転吸入式でインクを吸い込む。

最初、どこからインクを吸うのかなぁ?と疑問だったが紙様のBlogでわかった!

なるほど、そういう手があったか!これには脱帽じゃ。

絶対にボタ落ちの無いボールペン/ローラーボールといえる。ところで、ボールペンとローラーボールの本質的な違いは何なのかなぁ?


@04先端部のボールのところから、吸入した万年必要インクが出てくるのだが、この書き味が独特で面白い。

ガラスペンほど当たりが硬くなく、萬年筆よりもぬめ〜っとしている。

そしてどんなに捻って書いても、超高速筆記してもインクが追随してくれる。

従って英語のサインを超高速で書くときなどには実に良い。萬年筆ならかすれてしまうような箇所もこいつを使えば絶対にかすれない。

なんか、似たような筆記具があったような気がするのだが、思い出さない。

これじゃない?というのがあったら、コメント欄からアドバイス下され。  
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2021年04月17日

初めて開催した萬年筆研究会【WAGNER】裏定例会@蒲田

萬年筆研究会【WAGNER】の裏定例会は、ここ何年かは大宮と横浜で開催されてきた。

大宮会場は、後片付けがいらないので便利、横浜会場は中華街が近くて宴会に便利・・・ということで変更しにくかったのだが、コロナのせいで風向きが変わった。

いずれの会場も窓が開けられないので、換気が難しく感染リスクが高いという弱みがあった。

これは名古屋のウィンクあいちも同じ。中途半端に新しいので、窓が開かない・・・

先日の名古屋大会は昔使っていた名古屋国際センターに移して開催した。ただ、となりが来年入学する幼稚園年長組を対象にしたランドセル予約会で超密だったのは誤算。

今回の蒲田の会場は三ヶ月前以降しか予約できないので、はっきりと日程を決めにくいのが困りものだが・・・

コロナ対策としては万全! 窓を開けると空気がピューピュと入ってくるし、ドアも二カ所開放に出来る。

これは長いお付き合いになりそうじゃ!近隣においしい食べ物屋もたくさんあるし!

何よりも、ゴミ出しが自由なのが助かる。しかも、本日の申込書を持参したら、何故か7月の申込書も作ってくれていた。よく気が利く!

蒲田大会とは言うものの、参加者は三島大会とほぼ同じ!そう75%以上が半一族であった。

プラチナ萬年筆が作っていたエバーシャープ・スカイラインのコピー商品には口があんぐり!

レバーが無いところ以外はスカイラインのデッドコピー!

そしてキャップを開けるとペン先はSheaffer巻きペン先のデッドコピー!

戦後の復興期は、日本も必死で米国に追いつこうとしていた。すなわち米国が模範で理想という時代だったのだろう。

この時期はなんでもありだったようで、現在の中国製萬年筆と同じようにコピー商品で値段は格安、品質は酷い?というものでも売れた。

いや、現在の中国製萬年筆はけっこう品質も良いので、復興期の日本よりははるかに出来の良い萬年筆を作っている。侮ってはいけない!

本日は珍しく〔紫好きん〕さんもいらっしゃった。紫軸にしか興味が無いかたなので見せていただくと・・・

プラチナ・プレジデントの紫軸に、レオナルドの紫軸というのを持ってきて下さった。

海外のどこかの販売店の限定品かもしれない。よくぞ見つけたなぁ〜といつもながら感心!

そうこうしているうちに、ふとたこ娘さんの方を見ると、半一族に半な萬年筆の仕組みを教わったり、半なペン先の修理を嬉々としてやってる。

ゾンビ好きのたこ娘さん、ゾンビに食われてゾンビになるかのように、半一族に囲まれて立派な?〔半〕予備軍!

萬年筆研究会【WAGNER】に限り、〔たこ娘〕を〔たこ娘〕に仮変更したのだが・・・半一族に入れるかどうかの判断を出来るのはつきみそう先生ただ一人!

さて、まだ仮免許の〔たこ娘〕は、めでたく?〔たこ娘〕になるのか?それとも〔たこ娘〕に戻るのか? 実に楽しみじゃ。
  
Posted by pelikan_1931 at 21:36Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2021年4月17日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 裏定例会 in 蒲田 *** 将来日付でのご案内 ***

日時:417日( 10:3016:30 開場10:00  ペンクリ会員限定開催日当日会員登録された方も調整は受けられます)

場所:大田区産業プラザ 1階 A会議室   住所:東京都大田区南蒲田1-20-20

2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく! 

 

入会申込書 V3


新規入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。

会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への
会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。

入会資格は〔万年筆が好き!〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。


記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。 
  
18未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね!

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2021年04月16日

解説【萬年筆と科學】 その57 の代わりに 【反響】 (アーカイブ 2007年11月)

この記事を見て、萬年筆の普及は地道に一人ずつやる方が効果が高いのかもしれないと思った。

SNSでわーっと広めるのが一般的になったが、物としての萬年筆ではなく、萬年筆への愛を知らせるには、やはり一人ずつ・・かもな。


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どう自分を勇気づけても【萬年筆と科學】その57でBlogを書くのは楽しくないので、止めることにする。何も新発見の無い章をまとめてみても楽しくないのでな。

今回は、趣を変えて【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】の反響をお伝えしてみよう。昨日はおもしろい事があった。

会社の昼休み後、外線からデスクに電話が入った。取ってみると、元外人さんから・・・今は日本に帰化している人。日本語もペラペラ。

今度ぅ、友人のお祝いに何かプレゼントしようと、ずと考えていたのですが、あのペン!ペン!の本を読んで、萬年筆に決めましたぁ。

でもぅ、萬年筆にぃは好みや、書〜き味というのがあるの知りましたぁ。東京では、どこが買うの良いですかぁ?
】・・・記憶通りに書いた・・・

京都から上京して買うならぁ、丸善オアゾが便利ですよぅ】・・・なんとなく拙者も英語イントネーションの日本語になってしま〜ぅ・・・不思議ぃじゃ・・・

おぅ、マ〜ルゼンですかぁ・・・。イトゥヤはどうですかぁ?あそこはダ〜メですかぁ?

伊東屋でも大丈夫ですよ。プレゼントなら相手の人を上手に日本語で表現できれば、良い物を選んでくれるでしょう

おぅ、ありがと。

彼は日本語を自由自在には読めないはずだが、それでも【書いた人が皆幸せ】ということは伝わったのじゃろう。

同じパーティで本を差し上げた、女性常務にその話をメールで伝えたら、折り返し以下のようなメールをいただいた。だいぶ略すが・・・

やっぱり、あの本を読むと誰でも万年筆が欲しくなるんですね。

私、ご紹介いただいたアメ横の○■△◎◆に行く前にペリカントレドM700を入手してしまいました。

26日にも○■△◎◆に行って見てきましたがその時は見るだけでインクを買うにとどめました。

その話をしたら友達も欲しくなったらしく、昨日■△デパートの万年筆売り場に行ったそうです。

でもM700もM900も置いて無かったとのこと。

ペリカン日本(株)はアメ横のそばにあるそうですね。

その友達を○■△◎◆に連れて行こうと思っています。


拙者はペリカン日本(株)がアメ横にあるとは知らなかった。萬年筆初心者の人に教わることも多い。

拙者は自分で調整が出来るので、店頭販売されている定番モデルの書き味に変化が出た事などには疎い。

そういう情報は日頃から試し書きさせてもらいながら検討している人の方が情報量が多い。

よく三現主義【現物、現場、現実】というが、萬年筆の最前線は店頭じゃ。やはり店頭に行かなければ潮流は読めない。インターネットにへばりついて購入しているだけではダメ。

現場に行ったり、現場に行っている人の話を聞かないと時代に取り残されてしまう。

WAGNERの定例会などは、最新の情報が必ず入ってくる。これが貴重じゃ。

情報提供者はその価値に気付かないで、ボソっと言ったことが、蜂の巣をつついたような大騒ぎになることもある。だからエキサイティング!

ともあれ【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】は読んだ人の何倍もの萬年筆愛好家を生んでいるのは間違いない!
 
  
Posted by pelikan_1931 at 22:57Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2021年04月15日

【 Montblanc Monte Rosa 14C-EF インクが出ない・・・ 】(アーカイブ 2009年9月)

萬年筆関係のビジネスを活性化させるには、流通する萬年筆の本数を増やすと同時に、一本の万年筆が一生のうちに何度売り愛されるかも重要なファクターだ。

すなわち何度人手に渡るか?しかし、いやになって手羽したり、購入したものの、壊れていたり、書き味が気に入らなかったりもする。

だからこそ、修理や書き味調整をするお店や調整師のニーズがあるのじゃ。

下に述べた、萬年筆の婚活エステをやるのが萬年筆研究会【WAGNER】かな?




2009-09-19 01今回の依頼品は、その昔、拙者が修理したもの。それに不具合が出たので再修理というものじゃ。

こういうケースでは、昔と今との修理技術の差を知ることが出来て面白い。

今回のケースでは、以前ならその程度で満足していたものが、今では信じられないほど雑な修理であったと気付いた!

この歳になっても少しずつは進歩していると知るのは悪い気はしない。


2009-09-19 022009-09-19 03これが以前の修理状況。悪くない。当初は自分がやった調整とは気付かず、素晴らしいなぁ・・・と驚いていた。

ちゃんと仕上げにペン先を金磨き布で磨いてあるし、ペンポイントも角研ぎにしてある。依頼者の好みを知り尽くした調整・・・と驚いていた。

強いて言えば、先端部がラクダの瘤のようになっている部分を見て、とりあえず拙者のほうが腕が上だわい!と安心していた。


2009-09-19 04
2009-09-19 052009-09-19 06ところが横顔をみて、拙者の修理物だと気付いた。ペン芯の先端部を丸く削ってある。

これはペン芯先端部が痛んでいた際、傷口部分を消し去るために除去して丸めるという外科手術。

機能的には問題はないのだが、見映えが悪い。外科手術をやるにしても、今ならもう少し綺麗にやるなぁ・・・と感じた。

この画像ではわかりにくいが、実はペンしとペン先との間に隙間が出来て、インクが出ない症状があるとのこと。

多少の隙間であれば問題はないはずなのだが、インクによっては渋いケースもあるので、ペン先とペン芯との密着度を上げる必要がありそうじゃ。

またペンポイントの調整も、いまならもう少し見映えを良く出来る。やはり過去の作品とのベンチマーキングは、今を知り、今後の方向性を見極める上では非常に重要じゃな。


2009-09-19 07ペン芯は思い切って交換することにした。上が先端部を削ってしまったもので、下が交換用ペン芯。

交換用はフラットフィードじゃ。以前、依頼者から頂いたジャンク品のNo.142?から抜き取ってあったペン芯を移植することにした。


2009-09-19 08まずは先端部のスリットを多少拡げた。これで書き出しの筆圧が低くてもとりあえずは紙にインクが付く。

実はこれだけでインク切れと勘違いする症状は解決するはずなのだが、念には念を入れて、ペン芯を密着させる作業に入った。


2009-09-19 092009-09-19 10最近ではヒートガンを使うようになったので、ペン芯を反らせたり曲げたりが自由に出来るようになった。

以前は熱湯を使っていたので作業時間がかかりすぎると、お湯の温度が下がって面倒だったが、今では非常に楽。

ヒートガンは持ち運びには不便だが、作業効率は格段に上がる。自宅での調整にはピッタリだが、ペンクリに持っていくのは骨が折れる。

ましてや飛行機には持ち込むのは憚られる。テロに使えそうな形状をしているのでな・・・

角張っていたペンポイントの仕上げをやや丸く仕上げた。書き味に差はないが、見映えを良くするためにな。何故か?

書き味が良いだけではなく、ため息が出るように美しい形状にしたかったから。

これは依頼者の元へ帰れば、そのままお嫁にいくはず。いわば婚活エステ。この磨き上げられたモンテローザが誰の元へ行くのか楽しみ!

そしていつか、また再会したいものじゃ。一人の人に死蔵されるよりも、いろんな人にVintage萬年筆の妙味を楽しんでもらいたい。

そういう意味でも調整済萬年筆の回転率を高めるのは大賛成。

出来ればその萬年筆が出来た当時に想定したベストの書き味を再現して流通させるようにして欲しい。

それでこそがVintage萬年筆を楽しむ王道だと信じている。




【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1.5h 修理調整1h 記事執筆1.5h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 
  
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2021年04月14日

【 Waterman ル・マン 100 オペラ 18K-M ひっかかり 】(アーカイブ 2009年5月)

このBlogを書いた2009年時点では、今と比べればインクの種類ははるかに少なかった。まだラメ入りインクなど特殊インク扱いされていた。

入っているラメが大きく、乾燥しやすい溶剤に入れられていると、一晩くらいでペン芯のスリットで固まってしまうこともあるようだ。

スリットにびっしりとラメが詰まったペン芯にもたまにお目にかかる。

従ってラメや顔料の入ったインクで楽しむ場合は、一日たりとも休ませず、頻繁に使うか・・・

詰まったら洗浄する覚悟で使えば良い。特にペン先とペン芯を分解しなくても洗浄できる場合もある。

ただ1週間も放置して固まらせたら、そう簡単には元に戻らないかもしれない。

拙者はアイドロッパー式の万年筆にラメ入りの深海を入れているが、1週間使わなくても詰まらない。

ようは万年筆とインクの相性は微妙なので、先人の経験を参考にして決めた方が良いと思う。

回転吸収式にラメを入れて詰まらせたらお掃除大変でっせ。スケルトン軸なら見えるだけに余計気になってしまう。

今回紹介するハート穴が丸いル・マン100用のペン先は、拙者にとって最初の高級万年筆だった。

しかしスリットがO脚だったため、急いで書こうとするときには、必ずインクが出なかった。しかたなく、トントンとしてから書き始めざるを得ず、非常なストレスを感じていた。

そのせいで、もっとまともな万年筆を探して旅に出たのだが・・・100%満足する万年筆には会えなくて、とうとう調整の道に足を踏み外したのであった。

しかし最後に書いてある、証券用インクはないなぁ・・・あまりに危険で!




2009-05-23 01今回の依頼品はWaterman オペラ。これは拙者も大好きで何本も購入した。現在では一本を残して全てお嫁に行ったかな・・・

初めて輸入筆記具カタログに掲載された時には6万円だったはず。それでも安いと感じたものじゃ。

拙者が黒のチェイス柄が好きなのは、このオペラから刷り込まれたのは間違いはない。そのあとのParker グリニッジでトドメを挿された感じかな・・・


2009-05-23 022009-05-23 03症状はペン先が多少ひっかかるのと、インクフローが悪いこと。

左画像でわかるとおりかなり強く寄っていた。手でエラを反らそうとしても無駄!非常に戻りの良いペン先なのじゃ。

これには参った・・・何度やってもスリットが開かない!ものすごい力で寄っている。こんなに寄りの力が強いル・マン100型のペン先は初めて!


2009-05-23 042009-05-23 05それでは首軸から外して・・・と思ったが、コレが抜けない。ヒートガンで炙ってもビクともしない!

しかたなく80度くらいのお湯につけて、5分に一回くらいコンバーターでお湯を上げ下げすること数回を繰り返して40分後にやっと抜けた!

ペン先は第二世代で、丸いハート穴付き。この世代まではペン先は柔らかい。

ただし切り割りがO脚状になっている個体もあり、そうなるとインクが切れる。

ハート穴があるということは、ここから空気を入れることを意味するが、この部分に不具合があるのか、筆記途中で急にインクが切れる症状が出る個体もある。

次の世代のペン先からは問題が消滅したようじゃ。


2009-05-23 062009-05-23 07ペン先をペン芯と分離したことによって調整はずいぶん楽になった。特にペン先のスリットを拡げる作業などはまったく能率が違う。

画像でわかるように腹開き気味に調整したが、首軸に挿さったままでは手の施しようがない・・・。

それにしても時間のかかった調整であった。研磨などはすぐに終わるが、左右のバランス、寄りなどにこれほど苦労したのは初めて。


2009-05-23 082009-05-23 09こちらが横顔。二段上の横顔画像と比べれば違いがわかろう。

依頼者の筆記角度に合わせてペンポイントの斜面角度を大きく変えた。これでヌラヌラの書き味が実現できる。

もしベースがBやLだったら、よりいっそうぬらぬら感が増したであろう。

ル・マン100系は首軸先端部に弱点があった。金鍍金部品なのだが、この鍍金がハラハラとフケのように剥がれ落ちる。そうすると、その下の真鍮部分が劣化しはじめて小汚くなる。

それが気になる人は、コンバータではなく、カートリッジを装填して使ってるようじゃ。

Watermanのカートリッジはコンバーターよりもはるかに容量が多いので、色さえ気に入れば絶対にお奨め!

最近、国内外で新作インクがどんどん出るが、あらゆる環境下でテストされたものではないので、かなり危険なものもある。

ただ、分解清掃方法がわかっていれば、怖い物はない。たとえ証券用インクを誤って入れた萬年筆でも救出可能じゃ。こころおきなくインクをお楽しみ下され。
 
  
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2021年04月13日

萬年筆研究会【WAGNER】表定例会@御徒町における PenHood 会長のスピーチ (アーカイブ 2013年7月)

COVID019の影響で、現在では韓国と日本の間を自由に行き来する事は出来ないが、2013年時点では本当に自由に行き来が出来た。

交通の便が良いので、短い用事なら日帰りも可能(ただし運賃は2日以内の滞在だと割高)。

拙者は東京からソウルに一泊して翌日のソウルペンショーに参加し、その日の夜に台北に渡り、翌日の台南ペンショーに出席したこともある。

ソウルも台北は、飛行機を使う限りは、松江よりの気軽に行ける場所だった。

一昨年の秋の泉筆五宝展には、PenHoodの会長と調整師2名がいらっしゃり、会長がParker 51の調整をたこ娘さんに依頼された。

相手が誰だ知らなかったたこ娘さんは、なんなく調整して会長から感謝されていたが、拙者はとなりでドキドキしてた。

Parker 51というハンドルネームを持つ、世界最大の万年筆愛好家団体(会員数2万人以上)の会長が差し出したParker 51の調整!

しかも万年筆関係の著書も多く、メディア出演も多いParker51さん。

おそらくは韓国の若い調整師に、たこ娘さんの調整の所作を見せたのであろう。

ソウルペンショーでのペンクリは、主として修理が中心で書き味調整はそれほど多くなかったはずだ。

2013年頃に拙者がペンクリを行った時には書き味調整のみと言うペンクリが珍しかったのか、1日に50人以上来てくれた。

日本語が話せる若者も多く、感謝の言葉を日本語で紙に書いてくれた中学生も。

なんでも日本製のアニメで日本語を覚えたと言ってたな。

万年筆の世界は、文化交流があってこそ面白いのだなぁ〜と改めて感じた。

物を売るペンショーよりも油を売るペンショーの方が面白いのかもな。




昨日開催された萬年筆研究会【WAGNER】表定例会@御徒町には、海外からの参加者も大勢いらっしゃった。

・ 韓国からいらっしゃったPenHood会員の方 10名

・ 日本留学中の韓国籍WAGNER & PenHood会員の方 1名

・ ベトナムにお住まいで日本帰国中に参加いただいた方 1名 

・ 米国にお住まいで日本帰国中に参加いただいた方 1名  

・ スペイン国籍で日本にお住まいの方 1名

★合計14名  

また初参加の日本人の中に、1人で参加された14歳の中学生、16歳の高校生もいらした。

合計63人の方々が参加された萬年筆研究会【WAGNER】@御徒町では、14:00ちょうどに、PenHoodの会長であるParker 51さんからスピーチをいただいた。

一週間ほど前に依頼し、3日前までに原文を提出していただき、通訳の方に日本語化していただいていたものじゃ。

そのスピーチ内容があまりにすばらしかったので、Parker 51さんに了解いただき、ここに掲載することにした。


こんにちは! 私は韓国の万年筆クラブ、ペンフードの会長を務めているパーカー51です。


今回の訪問は2010年にWAGNERの訪問から始まったペンフードとWAGNER両国親善の交流から更に発展し、今年はペンフードがWAGNERの定例会に訪問する事になりました。


ペンフードとWAGNER、皆が万年筆が好きな人達です。


国が違い、環境が違っても万年筆を好きだという気持ちが今日の出会いにつながる原動力になったのだと思います。


この度、快く招待して下さったWAGNERの会長と、毎回交流の度に言葉の壁という不便さがある中でご尽力下さる双方の会員の方々に限りない感謝を申し上げます。


万年筆の誕生は人間が理想的な筆記具を持ちたいという欲望から始まりました。


そして数百年人間と共にあり、最高の筆記具に進化しました。


万年筆は重力と毛細管、慣性、張力、そして毛細管現象と言う正確な科学(サイエンス)の原理により筆記が出来る訳ですが、それが美しくなければこの様に長い間人間と共にある事は出来ませんし、だからこそ最高の筆記具と言えるのだと思います。


では万年筆のどの点が美しいのでしょうか?

ペン先、軸、キャップ、クリップ。

私は外観だけでなく万年筆の内側に品性があると考えます。


これは例え話なのですが、時速150キロの豪速球を打ち返せるプロ野球選手のコンパクトにまとまっているスウィングを見た時に美しいと言う思いを抱く様になりました。


これはボールを打つ時に無駄な力が無く最短の時間でバットがボールに当たる時のみ可能な事です。


この美しいスウィングというのは数万回の練習と数多くの試行錯誤を通して完成されたものです。

万年筆もこれと同じだと思います。


百年間の努力と試行錯誤があり、正しく作られてよく調整された
万年筆で書かれた線、即ちそれは文字と言う事ですが、それはどんな筆記具より美しいと言うだけでなく書く時に力がいりません。


これは以前からもそうでしたが、これからもずっとそうだと思います。

 

私達はそういう品性を持つ素晴らしい筆記具を愛する素晴らしい仲間達です。


これからも
ペンフードWAGNERとの友好が末長く続くよう願っています。

 

ありがとうございました。

 
ペンフード代表 パーカー51    パクジョンジン 



今回の二次会は3時間半以上となり、義兄弟の契りをかわし、11月の韓国 Pen Show に招待された萬年筆研究会【WAGNER】会員もあったもよう。

また釜山から博多での萬年筆研究会【WAGNER】に参加されたいという方も!

拙者も11月の韓国Pen Show では、ペンクリだけではなく、スピーチもやるように(しかも原稿は3日前提出)依頼された。

今回のParker 51さんのスピーチのように格調高くはならないが、(言い出しっぺの責任として)今後とも両国(りょうこく)の萬年筆愛好家が集う場は提供していきたいと考えている。 
  
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2021年04月12日

ペリカンが作ったクロスの万年筆(アーカイブ 2005年11月)

いまとなっては下の記事の信憑性は怪しいのだが、最近はセーラーがクロスの18金ペン先を作っているという都市伝説がある。

モデル名はクロス・ピアレス125という極太万年筆。このペン先の形状は、まぁ、セーラーに似てなくはない。

ペン芯を見ればわかるのだが、実物を見たことが無いのでなんとも・・・

ちなみに、タウンゼントの方は下の記事の時代と同じ形状なので、記事が正しいとすれば、Pelikanと同じメーカーが作っていることになるが・・・どうなのかな?



クロスはボールペンのメーカーとして有名だが、実はずいぶん前から万年筆も作っている。

1990年ごろの何の変哲も無い万年筆を使っていたが、実に書き味が良かった。

特別なモデル名も無く、18金無垢、14金無垢、14金張、純銀、10金張が金ペン付き。

そのほかにクラシックブラック、サテングレイ、クローム軸に万年筆がラインナップされていた。こちらはスチール製ペン先付き。

拙者は14金張の軸でBニブ付を使っていたが、デザイン的にイカサないのに、書き味はヌルヌルで絶品に調整出来た。

柔らかいペン先ではないので調整も楽だった記憶がある。何よりキャップの嵌合(かんごう)がしっかりしているのが気に入っていた。

その後、写真のタウンゼント・シリーズが出たときには目を疑った。それまでの機能一本やりで無駄の無いデザインから見ると、実にぼんやりとしたデザインに思われた。

各部の作りにも精巧さがなく、キャップなんぞはすぐに嵌合が甘くなる予感がした。

従ってほとんど気にもしなかったのじゃが、写真のジェイドグリーン軸が発売された時には目を奪われた。


2005-11-24 AM Cross_Townsent_Jade_18K_Bあまりにも綺麗な翡翠色!思わず一本買ってしまった。

しばらくはペンケースに収まっていたのだが、パーカー・ペンマンのエメラルドグリーンのインクが手にはいると同時に稼動が始まった。

クロスで一番秀逸なデザインのものはどれか?それはコンバーター!クロスのコンバーターのデザインは世界一だと思う。本当に美しい!

そのコンバーターに吸入されたエメラルド・インクはどぎつい色ではあるが、翡翠色軸と妙にマッチしており手放せない一本になっておった。

ある時Fountain Pen Inks A Samplerを見ていたら、Crossのインクが記載されていない。著者に問い合わせたらPelikanとまったく同じだから省いてあるとのこと。

な〜んだ、CrossのインクはPelikanが作っていたんだ!とわかった数日後、Monolith6さんから、CrossとPelikan M400のペン先はj形状が同じではないかとの指摘メールが来た。


インクの件があったので、ピンと来て分解してみると、形状はまったく同じ、ペン芯は一部違う部分もあるが、ほとんど同じとわかった。

ここにきてCrossの万年筆関係はPelikan社が請け負って作っていると確信した。ずいぶん前のことじゃ。

タウンゼントのペン先は最近のM400のペン先と同じで、書き味がボケている。しかし素性が同じであればたこ吉調整を施せば書き味が激変するはず。

さらに軸が長いのでM400よりも蛸調整の恩恵を受けやすい。これはぜひ実験してみたいもんじゃ。

タウンゼントのBの書き味に満足がいかない人がいれば、お申し出下され。必ずや書き味は変えられますぞ!   
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2021年04月11日

【 Pelikan M1000 緑縞 18C-3B 】(アーカイブ 2007年2月)

下記で紹介した【万年筆ミュージアム】は、当時は万年筆愛好家にかなり反発を食らっていた。コレクションの自慢本と断定する人もいた。

しかし解釈によってはためになると思ったので、敢えて肯定的意見を述べていたのだ。

そしてM1000だが、この時代のM1000は抜いたペン先をソケットに押し込む際に腕の筋肉が切れる?ほどには硬くなかったようだ。

今ではM1000のペン先調整がくると、かなりドキドキする。利き腕の左腕を3度ほど痛めたからなぁ〜。直るのに一回やると半年かかった。


2007-02-02 01今回の依頼品はPelikan M1000。症状は寝かせて書くときにイリジウムの腹が一部ひっかかる感じがするとか。既に一度筆記角度に合わせて調整してある万年筆。

従って微調整の範疇でことたりる・・・が、筆記者の現状の筆記角度の変化に合わせてインクフローまで見直すことにした。

拙者もM1000のキングコブラ付を愛用していたのだが、軸の取り回しが出来なくて、軸とペン先とに分けて嫁がせた。

筆記時19僂砲覆襪茲Δ閉垢ぜ瓦好きで、かつ、極太軸が好き!という拙者じゃが、どうしてもM1000が手に合わなかった。

M1000もM1050もキャップを後ろに挿すと、ペンに振り回される感じになり、結局キャップを挿さないまま筆記していた。

実は上記こそが拙者に軸のバランスの大切さを教えてくれたエピソード。

M1000もM1050(バーメイルキャップ)も手に合わないのに、マルガリータ(純銀軸)は手に合った。

軸の許容範囲が普通の人より数倍は広い拙者じゃが、M1000だけが何故か極めてバランスが悪く感じていた
・・・

おそらくは握った際の親指と人差し指の輪の中心に重心が来ないのが原因だと思う。

拙者が無造作に握った位置が、どうしても心地よくない場所になってしまう。市井の調整人としてははずかしい事実じゃ。

しかも重心が後ろにある方が好きなのにもかかわらず、M1050よりはM1000の方が手に合う・・・

原因は想像がついたのだが納得はまだしていない。重心位置は【長時間萬年筆を握る人にとっては極めて重要】と実感させてくれたM1000。

書き味なんて調整でねじ伏せられるという傲慢な考えを、自分自身の経験から否定せざるを得なかったエピソードじゃ。

現在、母の四十九日の準備で帰省しているが、乗り物に乗車している時間で【万年筆ミュージアム】を初めて通読した。

著者の渡辺氏が解き明かした【個々の限定品をそれぞれをどのように訴求すればより広いマーケットの消費者を取り込めるか】という分析はさすが専門家だけあってすばらしい。

メーカーや販売店はぜひ彼の意見に耳を傾けてマーケットを刺激する商品開発を続けて欲しい。

出来ることなら、萬年筆の装飾だけではなく内部構造や素材からも手抜きを無くしてくれれば言うことは無い。

渡辺氏の意見は【ヲタク】である我々に警鐘を鳴らしてくれている。これにはハッとした。萬年筆よりもはるかに実用性の乏しい【蒸気機関車】にもヲタクは多い。

部品を集める人から写真を撮る人、はたまた乗車して楽しむ人、ゲージの上を走らせて楽しむ人・・・さまざまじゃ。

決定的に違うのは【ヲタク】相手の商売で成り立っているのが【蒸気機関車】の分野。そこでは一般の人の支持も集めている。

新商品がまったく無い【蒸気機関車】の分野でビジネスモデルが成り立つ・・・萬年筆に当てはめれば【ヲタク】の描く理想郷が見えてくる。

Vintageや中古品しか無くなった萬年筆の中古品を扱う業者がたくさんあり、また専用の修理工具、修理部品を製造する会社も存在する。

ミニチュア模型【さしずめミニ檸檬?】も販売され、萬年筆自作キットも販売されコンテストが行われる。それらが文化行事となり一般人も多数参加する・・・


そういう文化をまったく醸成する努力をせず、メーカー批判を繰り返しているばかりでは【ヲタクが萬年筆業界をダメにする】と言われても仕方あるまい。

ヲタクが業界を支配する道はただひとつ。ヲタクの購買力を上げる事。ヲタク関連の売上が50%を超えれば業界はヲタクと協業出来る。

【古いものにしか良い物が無い】と言ってばかりいないで、現行品をどう一般の人に訴求するかまで考えないと業界にとって役に立つ【ヲタク】にはなれない。

【ヲタク】一人一人が萬年筆の宣伝マンとなって、萬年筆のすばらしさを普及しなければならないのじゃ。

では渡辺順司氏も気付いていない萬年筆のすばらしさとは? 【筆記角度の自由度】

ボールペンやローラーボールは現在のところ、スイートスポットが狭い。同じ角度で筆記しないと字がうまく書けない。筆記具に使われる感じになる。

ところが万年筆は(カスタマイズすれば)筆記角度フリーと言ってよいほど自由度が高い。

また完全なるローテク製品の為、自分でのメンテナンスも楽じゃ。いや楽になるように作るべき。

単なる筆記具としてではなく、いじって楽しいおもちゃでもあるような嗜好品に昇華させればマーケットは広がるだろう。

萬年筆業界はいまだに【萬年筆】をブラックボックス化しようとしている。栄華を誇った時代に顧客クレームに閉口した経験からだろう。

ブラックボックス化は、萬年筆にクレームをつけた人の意見を集約した結果であって、萬年筆を楽しもうという人の意見の集約ではない。

こうなったのは良い意見のフィードバックをしてこなかった利用者と、良い意見を収集する仕組みを持たなかったメーカーの共同責任。

【お客様相談室】の企業における位置づけが【クレーム対応窓口】では前向きな意見は集まらない。

【伺い状】の仕組みが復活すれば前向きの意見も出てこよう。これはメーカー側の努力。

【ヲタク】側の努力は、とにかく現行品をたくさん買い、魅力を回りに知らせる事。そして見込みのある人にだけ、こっそりとVintage物を教えてあげることじゃ。

現在Vintage物は安い。1950年代No.146が現行No.146の定価よりも安く入手出来る事の方が異常!

相場は購買者が決めるとすれば、ヲタクが購買者を増やす努力をしていないから相場が上がらない。

根底には【友人は欲しいが、競合者は増やしたくない】というさもしい考えがある。ここは一番、萬年筆業界の理想郷を目指して、ファン拡大に走ろうではないか!

そういう気持ちにさせてくれた事、さらには、萬年筆を取り巻く文化的背景などを説明してくれた【万年筆ミュージアム】には感謝したい。

渡辺氏の本意は副題にある【歴史と文化に触れるモノ造り】をしよう!という事。

この書籍は【個々の万年筆をどう訴求すればよいか?】というメーカー/販売店に対するアドバイス本と考えるのが妥当じゃ。

渡辺氏が作り手/売り手を啓発するとすれば、ヲタクである我々は使い手側を啓蒙しなければならない。

対象が数万倍あるので大変じゃが、一歩ずつやるしかなかろう。まずは啓蒙書としての【私の選んだこの一本】を手始めに、利用者を増やす努力をしなければならない。

このBlogを毎日欠かさず読む人は約600人。まずはその人たちから、周りへの普及活動をして欲しい。

その為には【安くて書き味の良い万年筆を持つこと】が普及活動の第一歩じゃ。とりあえず2月中にもう一本現行品(限定品はダメよ)をゲットせよ!


2007-02-02 02さて本題だが、この固体はペン先がやや前に出ている。M1000は元々書き味が柔らかいので、それほどペン先を前に出す必要も無い。

これは少し下げてみよう。ペン先のスリットは多少詰まっているのと、ペン先に段差が出来ている。

柔らかいペン先はちょっとした事で段差が出来やすいので、頻繁に調整を繰り返しながら使う事が必要じゃ。もちろん自分で微調整出来るようにならないとな。


2007-02-02 03M1000は下のように完全分解可能。これを分解する器具も裏定例会で実習をした後で紹介しよう。

Pelikanの場合、ペン先をはずすのがNo.149より簡単なので、完全分解する機会はほとんど無い。インクがピストンより後ろに回った場合だけじゃ。


2007-02-02 04こちらはペン先をはずした状態。インクカスなどは付着しておらず綺麗!まだそれほど長期間使ってはいないようじゃな。

柔らかいペン先の割りにインクフローが悪いので多少の魔法が必要!スリットを拡げるだけではなく、書き味を多少締まった状態にする。

こうしておかないとM1000はどんどん締りが無い書き味になっていくからな。


2007-02-02 05こちらが魔法を施したM1000のペン先。画像ではわかるわけがないなと思いつつ掲載したが・・・・やはりわからんなぁ。

スキャナーに載せる際、CCDに対して45度の角度にするとこのような画像になる。

上の画像と比較すると多少違って見えるはず。ペン先を多少とも立体的に表現出来るのじゃ。


2007-02-02 06こちらは横から見た画像。イリジウムの研ぎを見て欲しいのじゃが、腹の引っ掛かりが無いように研磨した。

もちろん、インクフローも良く締りのある柔らかい書き味になっている。実際に筆記してみるとまるで筆で書いたような筆跡になる。

アレアレ?拙者の手にも合うなぁ・・・ 冒頭でM1000は苦手と書いたのに・・・・
 
  
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2021年04月10日

【 Montblanc No.149 開高健モデル 高筆圧対応化 】  (アーカイブ 2006年8月)

今から15年ほど前の記事だが、今とは最終形の姿がずいぶんと違う。

当時は書き味が良くなることがメインで、本来あるべき姿は追求していなかったようだ。

今なら仕上げ時点で、EFの先端部をここまでは拡げない。

ていうか、調整前のスリットの開き具合の方が好きじゃな。見かけだけなら。

その位置を生かしながら、別の方法で高筆圧対応をしたであろう。

それに・・・この当時は開高健モデルの定義も曖昧だったな。またキムワイプを使うという発想もなかったようだ。




2006-08-30 01今回は、高筆圧でゆっくり筆記する人からの依頼じゃ。物はMontblanc No.149の1970年代物。

穂先が鋭角な三角形であり、且つ斜面を内側に削りこんだ形状をしている。従って穂先の弾力は大きい。

ペンを寝かせて筆圧をほとんどかけないで書く人に取っては夢のような万年筆じゃが、筆圧が強いと【船酔いになりそう】と表現した人もいるくらいイライラしてしまう。

いわんや筆記角度が合ってないと最悪!


2006-08-30 02今回の依頼品をインクを入れたまま拡大してみると、インクはペン先までうまく誘導されている。

ペン先の位置は絶妙に思われるが、ペン先を捻って書きながら筆圧を強くすると、ペン先とペン芯の位置がずれてしまう。

ようするに首軸とペン芯+ペン先の厚さにギャップがありすぎて、多少緩い状態じゃ。

これにはもう少しペン先を首軸に押し込まねばならないが、これ以上押し込むと首軸から出ているペン先の部分の格好が悪い。

格好を悪くさせないままペン芯を首軸に押し込むには、イリジウムとペン芯先端の距離が離れる事になる。その余地はあるだろうか?


2006-08-30 03ペン先の裏側から撮影すると、ペン芯は多少前に出すぎじゃ。

インクフローの安定だけを望むのならコレでよいが、ペン芯をもう少し首軸に押し込まないとだめだな。

ペン先を上から見た場合に、多少でも角度が傾けばペン芯がペン先からはみ出したように見える。

拙者はこれが大嫌い!上から見た時にペン芯のはみ出しは排除したい。それにはペン芯先端より可能な限り先までペン先を出すのがポイントじゃ。


2006-08-30 04左はペン先を横から見た図。ペン芯は1970年代初期のもの。

この後のモデルからは、ペン芯が上下段に分かれている【スリット】が入っている。

このスリットはペン先とペン芯との密着度を簡単に上げられる画期的な発明だが、大多数のメーカーが気付いていなかったようじゃ。

ペン先を首軸に押し込む前に、ペン芯の上下段の間をこじ開けるようにしたまま熱湯に入れると、ワニの口のようにペン芯の上下段が分かれる。

その上にペン先を乗せて首軸に突っ込むと、ペン先のスリットは左右に大きく開いたまま装着される。

この状態ではインクは出ないので、そのままペン先を根元まで熱湯につける。とペン先が戻ろうとする力に柔らかくなったエボナイトが負けて、だんだんとスリットが狭まってくる。

ちょうど良いスリット間隔になったところで冷水につけて、それ以上の変形を止める。これで、ペン先とペン芯を密着させることが出来るのじゃ。


2006-08-30 05残念ながらこのモデルのペン芯には上下段のスリットが無いので、上記のような半自動での【密着】は出来ない。

それにしても美しいペン芯じゃ。一言注意しておくが、外してしまったペン芯をティッシュで拭くのは厳禁。

ティッシュの繊維がペン芯の溝やフィンに絡まってインクフローを悪くする原因になる。

ハンカチ王子が使うようなタオルっぽいものも奨められない。昔からある白いコットンのハンカチがベストじゃ。

外した状態のペン先を見ると、左右の段差がある。これがゴリゴリとした書き味の原因。

またペン先のスリットが先端で密着している為、インクの出が悪い。その為に、さらに筆圧をかけてインクを出そうとするので、ますます書き味が悪くなっていたのじゃ。


2006-08-30 06そこでまず、ペン先イリジウムの段差を矯正。その後左右のエラを上に軽く反らすようにしごいてスリット間隔を空ける。

しかしこのまま装着するとインクが先端まで流れないので、ペン先の裏側のハート穴から先端に向けてツボ押し棒でしごいて、ペン先が猫背になるようにする。


2006-08-30 07その状態を上から見たのが左じゃ。上の図で開いていたペン先先端が再度閉じている。

こうやって猫背にすることによって、強い筆圧に耐えられるパワーをペン先に与える。

次にペン芯の先端から2冂度を熱湯につけ、指で上に反らすように力を入れる。上下段スリットのあるペン芯と違い、そう簡単には反らないが、根気よくやれば多少は反る。


2006-08-30 08その反ったペン芯のうえに先ほどのペン先を乗せて首軸に突っ込んだ状態が左の画像じゃ。

押し込んだ時点では反ったペン芯に押されてもっと先端は開いていた。

その状態のまま首軸の直前までを熱湯に浸し、多少は反りを取るように指で押すなどしてスリット間隔が絶妙の状態になったと判断した時点で冷水で冷すのじゃ。

上から2番目の画像と比較するとほんの少しペン先が首軸に押し込まれている状態であることがわかろう。筆圧が強い人は穂先を短くした方が書きやすいと感じる事が多いようじゃな。


2006-08-30 09 これは裏側から見た画像。上から3番目の画像と比較するとイリジウム先端からペン芯がかなり後退している。

表に出ているペン芯の溝の数で比較すると、調整前は17個、調整後は15個の溝じゃ。

溝2個分:約2个軸内に収められたことになる。それによってニブとペン芯は軸内で強く固定され、少々の筆圧をかけてもずれる事はない。

調整とはイリジウムを研磨したり、スリット間隔を開くことだけではなく、猫背化 / 鳩胸化なども含めた総合的なものじゃ。

この万年筆の調整をペンクリでやれば、約5分で終了。それで今回紹介した方法でやる場合の90%程度の状態にはなる。

ただしあと10%を追求すれば、やはり完全分解して部品レベルでの調整をする必要がある。

仕上げとして金磨き布とペーパーによる5分程度の仕上げをして、今回の3時間調整は終了した。書き味は・・・・細字のNo.149としてはこれ以上無い状態となった!
  
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2021年4月10日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 中部地区大会 in 名古屋 *** 将来日付でのご案内 ***

日時:410日( 10:3016:30 開場10:00  ペンクリ会員限定開催日当日会員登録された方も調整は受けられます)

場所:名古屋国際センター 4階 第3研修室   住所:愛知県名古屋市中村区那古野1-47-1 

2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく! 

 

入会申込書 V3


新規入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。

会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への
会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。

入会資格は〔万年筆が好き!〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。


記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。 
  
18未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね!

  続きを読む
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2021年04月09日

WAGNER 2021 限定万年筆 は 5月末に登場!

2021-04-09左は、過去のWAGNERの限定万年筆の一部で、全てプラチナ製!

あれ?WAGNER 2020が無いぞ!と気づいた人もいるかも?

実は自分用のものまで売ってしまったのじゃ。ただし、米国向けの2本はEMSが開始するまでずーっと待っているので手元にはある。

既に所有権が移転しているものを撮影するわけにはいかないので、ここには掲載しないことにした。

WWAGNER 2020に引き続き、たこ娘プロデュース!

昨日、仕上げ前行程前のプロトタイプが到着した。

〔相当評判良いですよ〕とのメッセを受けていたので期待していたのだが・・・期待を上回る出来。

これに最終仕上げを施したらどこまで良くなるんだろう!と期待に胸が膨らむ。

さらにはペン先の刻印が超可愛い! 図柄で見た時には・・・え〜?と思っていたのだが、出来上がると素晴らしい!

WAGNER限定品史上最高の(ペン先の)出来だと思う。

ペン先の太さはMのみで、販売本数はWAGNER 2020と同じ。

当然、今年も珍しい研ぎを施すオプションも用意している。

プラチナのMは近年、実に出来が良いので、研ぎ出しのベースとして最適なのじゃ。

今年は図柄が素晴らしいので、背中側まで削り込むバトラフやペン先を反らすウェバリーはやめておくことにした。

研ぐのは面倒なのだが、M-StubやM鉈研ぎが良いのではないかと思う。

UEFへも(たこスペ超不細工)で研ぎ出せるし、全面スイートスポットの超絶Mも用意する。

さらには左利き用の研ぎも用意する予定じゃ。といっても一般的な押し書き用。

その他の左利きの方へは、いったん何もしない状態でお求めになってから、遠隔調整?で対応しま〜す。

ただ、今年のモデルは、使わないまま飾っておくのも選択肢に入るほど可愛い!

5月末頃に最終製品が出来たら、数を区切って販売します。

最初はLichtopeのオンラインショップで30本(何もしない状態のペンポイント)

次はWAGNER会員・会友の方向けに各種の研ぎを施すオプション付きで販売。

次にペントレ用の枠として20本(各日10本)を確保。

最後が一般の方への販売となる。WAGNER 会員・会友向け販売の場合は購入本数に制限をつけないので、一般の方への販売本数がどれだけ残るかは不安・・・

もちろん海外のWAGNER会員の方も購入可能でーす! お楽しみに!
  
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2021年04月08日

まん延防止等重点措置期間中の萬年筆研究会【WAGNER】定例会について

まん延防止等重点措置が東京都に出そうです。期間は4月12日(月)から5月11日(火)まで。

基本的には拙者が県を跨いで移動してイベントを主催する事はしない。

そこは東京都からの要請に真摯に対応したい。

この期間中のWAGNER主催イベントは4月17日に開催される〔裏定例会@蒲田〕のみ。

蒲田駅(といっても京急蒲田駅)近くの会場なので、住所は東京都大田区南蒲田1-20-20。

すなわち主催者である拙者が県を跨いで移動するわけではないので、予定通り開催する。

ただし、直前になって感染者数が膨大(数倍)に増えたり、緊急事態宣言が再発令されれば即時中止とする。

過剰には反応しないが、まん延防止には出来るだけ協力するというスタンスでーす。

拙者の住んでいる麻布十番周辺でもマスクをしていない人がいないわけではない。

しかし日本人は子供以外は100%がマスクを着用している。

マスクを着用していない人は全てが外国人。

〔アゴマスクでスマホみながら大声でしゃべりながら歩いている〕か、〔ノーマスク・ジョギング〕か、〔スポーツバイク〕。

日本人は、そのどれに対してもマスクで臨んでいる。

結局は大声、ノーマスクでの会食をすることが一番のリスクなのだろう。

当分4人を超える宴会は出来そうもないな。はぁ〜
  
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2021年04月07日

筆記具関連四方山話 【 My Pen of The Year 2010 】(アーカイブ 2010年12月)

実はTWSBIは2010年のペントレ用に注文したのだが、直前までなかなか到着しないのでやきもきした。

理由を問い合わせると、表面処理に納得がいかないので、何度も作り直しているとのこと。

不満足というものを見せてもらったが、良品とまったく区別が付かなかったので、その状態のまま送ってもらった。

ずーっと待っていたらあと半年ほどは遅れていたのかもしれない。胃がシクシクと痛くなったのを覚えている。

いずれにせよ、品質改善には並々ならぬ意欲を燃やす会社であることは、数年前に工場見学してわかった。

書斎館で会った若者が、実は社長で、お父上が会長。会長は日本で働いていた事があり、日本語もペラペラ。

会長部屋の机の上には、趣味の文具箱が読みかけで置かれていたのが印象的であった。



そろそろ今年の My Pen Of The Year を考える時期が来た。

数えるのがイヤになるほど購入した萬年筆の中からただ1本を選ぶというのは酷な話。そこでカテゴリー別に分けて考えることにした。



【1】長い間探し続けていたが、2年続けて入手出来た萬年筆

   ★Dupon't タージマハール 18K-M   2本目

発売された年の年末、書斎館の女性の方から個人の持ち物として見せていただいてからずっと捜していた物。

海外相場は3000ドルを超えていて、それでも欲しかったが毎回競り負けていた。そこを昨年運良くWAGNER会員からペントレで当時の価格で譲っていただいた。

今年、さらにもう一本に国内オークションで出会いゲット!なんと2本目も入手出来た!拙者最愛の萬年筆だが、まだどちらにもインクを通せないでいる。



【2】本年もっとも酷使した萬年筆(本年購入)

   ★WAGNER 2010 SP2  18C-BB

調整によってインクフローを改善した後の書き味はこの世の物とは思えないほど。試筆した人はみな、ワーワーと言葉にならない音を発するのみ。

これだけは入手してから自宅にいる日には毎日使った。これは拙者の萬年筆人生で初めての快挙。そろそろここから抜け出さないと次のステージに行けないかも?



【3】本年もっともエネルギーを使った萬年筆(本年購入)

   ★TWSBI Diamond  530 カラー軸 

TWSBIのオーナーと真夏に、クーラーの無い書斎館のテラスで見せてもらった時に惚れ込み、なんとしても欲しい!と210本注文。

なかなか出来なくてヤキモキしたが、出来てみればしばらくは日本独占販売?の趣!やっと今週海外でも発売されたが、WAGNER向けが初ロットだったよう。

210本全てが箱入りだったので、運搬に非常にエネルギーを使いました・・・(冗談)。本当は、ユーザの事を最も考えてくれている萬年筆!という称号が適切であろう!


こうやって整理すると、My Pen of The Year は、透明軸を含むTWSBI Diamond 530 となる!おめでとう!TWSBI
  
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2021年04月06日

1986年の【The Pen】 ・・・ モンブラン その1〜4

拙者の疑問が解けないのが【インク瓶セット】。いったい用途は何なのかなぁ?・・・なんて記事の中に書いてある。

実は、この【インク瓶セット】と同じ物を万年筆談話室で使っている。用途は調整後のペン先の書き味確認。

拙者はインクを全て抜いてからペン先調整を行い、調整後はインクをつけて試し書きをする。その際に役に立つのがこのインク瓶セット。

黒い樹脂の部分にルーペを置くようにしている。でないといつもルーペを捜すことになるのでな・・・



2006-10-10 012006-10-10 022006-10-10 03 今週からしばらくの間、原則火曜日に1986年の【The Pen Catalogue '86】をブランド毎に何回かに分けて掲載する。

拙者は1983年の末から万年筆を購入し始めたので、当然、1984年、85年のカタログも販売店からもらっていた。

ただし年度が変わるとポイと捨てて、新しい年度のカタログと交換していた。ちゃんと保存していればなぁ。


1986年度のカタログではMontblancが最初に記載されている。

当時は現在のようなアルファベット順ではなく、ある意図で並べられていたようだ。

販売実績か、カタログ掲載に払った協力金か、輸入筆記具協会への会費の多さか・・・良くわからない。

ただ、過去の【THE PEN】の傾向を見ていると、販売本数かなぁ?と想像する。

いずれにせよ、最初に掲載されたのが当時のNo.1輸入ブランドだと考えれば間違いなかろう。

以前はParker、Sheafferに次いでNo.3ブランドだったMontblancがついにNo.1の座に上りつめたのじゃな。


ちなみに掲載順は、Montblanc、Parker、Sheaffer、Cross、Waterman、Pelikan、Aurora、Lamy・・・・・じゃ。

当時はPelikanはNo.6ブランドだったわけか・・・ まだM800を発売していないとはいえ、M500やM600は既に発売していたので、急上昇中だったはずじゃな。


当時のMontblancはNo.149、No.146を除けば、比較的安価なラインが中心。しかも森山さんを擁したダイヤ産業の品質管理部隊は既に稼動していた。

おそらくは売れに売れていたじゃろう。安くて書き味が良いわけだから、Montblancのブランド価値はずいぶんと上がっていたはず。


拙者のル・マン100【6万円】よりも後輩のMontblancNo.221【1.2万円】の方が滑らかで、柔らかい!のを知ったときは相当ショックを受けた。

それからMontblancを買いまくり、調整に手を出していったわけじゃ。1986年はそうなる直前の時期。


この2頁にある万年筆は全て購入した。一番のお気に入りはSラインのホワイト軸。3本は購入した記憶がある。

ただしペン先がスチール製だったので、ノブレス用のペン先を購入して付け替えて使っていた。まだ削りはやってなかった。


太字や極太を選ぶなんて考えが無かったのが返す返すも残念!当時は万年筆に関する情報はムック本くらいしかなかった。

しかも薀蓄はほとんど無し。迷い、さまよい無駄な買い物をいっぱいした。


今の時代の人にはそういう経験をして欲しくないので、Blogを始め、WAGNERを立ち上げた。

かなりおせっかい情報も多いが、拙者の暗黒の時代を皆に経験させたくない為なので大目に見てくだされ。


2006-10-17 01この見開きの2頁には、拙者にとって懐かしい筆記具が満載。見ていてつい顔がほころんでしまった。

1986年1月発売予定と言っておきながら発売が遅れてしまったレオナルド! どれを買うか悩みすぎて、とうとう買わなかった。

当時のレフィルの性能がもう少し良ければチタン・ゴールド仕上げを買ったじゃろう。


結局はレオナルドを止めて、ル・マン100のボールペンにした。当時はWatermanの黒のレフィルの方が色が濃かったのが心変わりした理由。

Sラインのローズシルバーも持っていたが、軸が滑ってしっかりとHold出来なくて困った。

癇癪を起こして首軸部分だけ残して捨ててしまった・・・・ 

当時はカタログにある万年筆を全て買うという野望に燃えていたころなので、使い勝手を気にせず購入し後で後悔するという愚行を繰り返していた。

おかげで万年筆を見る眼が肥えたのは事実じゃ。明らかなハズレは掴まなくなった。


この頁の最後に出ている2色ボールペンは流行った!猫も杓子も持っていた記憶がある。会社の文房具置き場に忘れ物として10本くらい置いてあるのを見た時は感心したものじゃ。

たった200人の部署で10本の忘れ物。いったい何人が持っていたのか?あるいは会社のイベントか何かで配布したのか?


2006-10-17 02比べてみると、Sラインもチタノもノブレスも首軸から先の構造はまったく同じ。Montblanc暗黒の時代じゃ(拙者が勝手にそう呼んでいるだけ・・・)

No.1124のノブレスは持っていた。14金ロジウム仕上げで、ペン先と胴体+キャップで色の破綻が無い!

というのが唯一の購買理由だったが、ペン先の裏にもロジウム鍍金されている為か、インクフローが非常に良く、かなり愛用した。

どこで購入したのか日記にも一切記載が無いところを見ると、衝動買い兼ついで買いじゃろう。この書き味は拾い物じゃった。


このNo.1124用の14金ペン先をNo.1120の軸に取り付けたらかっこ良いのに・・・・当時はそこまで思いつかなかった!

ノブレスを見ていて、相当にCROSSを意識しているなと感じる。

ボールペンのレフィル性能も、ペンシルの機構もCROSSと遜色無いのだが、なにかMontblancはダサイ!という印象を持っていた。

今、思い返して見れば、Montblancにはシンプルさが足りなかったようじゃ。


  Keep IStupidly Simple!   ・・・・ KISS


2006-10-24 012006-10-24 02このカタログのNo.149はハイブリッドかな?首軸先端は1970年代のものだが、クリップは80年代じゃ。

No.146は全ての部品が80年代に合っている。No.149はいろいろな部品を組み合わせて生きながらえていたのかもしれない。

それにしてもマイスターシュテュックがクラシックやノブレスより後の頁で扱われているとはな・・・寂しい限りじゃ。

リアルタイムでこのカタログを見ていた20年前、No.144の赤軸を見て、【いくら何でもこれはないだろう!】と叫んでしまった。

赤い胴軸に黒い首軸なんてのはデザイン上の破綻!こんな事をやっていたから会社が傾いたんだ!と声を上げたくなった。

利用者がそんな万年筆を使いたいだろうか?

さすがに最近では色合わせはほとんどのメーカーでやられている。

プラスティック金型というのもあるらしいので、何種類もの色軸を安く作ることが出来るようになったのかもしれない。

ペン先の種類の中に、開高健モデルの角型Mが入っていない。

やはりあれは特殊なペン先か?それとも単にBが細いだけか・・・疑問は深まるが、それが最も柔らかい書き味だったのは事実。

事実は事実として、真実はどうだったのか知りたいものじゃ。

拙者の疑問が解けないのが【インク瓶セット】。いったい用途は何なのかなぁ?

No.149のインクを吸わせるには容量が少ないように思われる・・・まさか浸けペン用ではあるまいし、、、ということで実物を持っている人がいたら、容積や用途を教えて欲しい。

このままでは死に切れない! 何とか完全にボケるまでに真実を知りたい・・・

Montblanc No.149にとっては、この時代は(今から考えれば)黄金時代。

柔らかい書き味のNo.149としては、この時代のものが絶品。戦前のNo.149は骨董品として対象外にするという前提での話じゃよ。

ここにあるほかにはBBBやO3Bも欧州では販売されていたらしい。それらは極太書きというよりも、イタリック文字を書くカリグラフィーを主たる目的として開発されたもの。

O3Bは今でもペン先交換で入手可能。サイン用にニーズは高いようじゃ。

拙者の個人的な好みで言えば、超極太ニブはPelikan M800が良い。M〜BはMontblanc No.149が書きやすい。こればっかりは嗜好の世界で、普遍的な解は無い・・・



2006-10-31 012006-10-31 02 この2頁を眺めていると【The Art Of Writing】というキャッチフレーズが空虚に思える。

企業向けのデスクセットはなかなか魅力的だと思うが、安っぽいペンケースやメモパッド、名刺入れやキーホルダーなどはイタイ!

この時代のものと、最近のモンブランブティックの品々を比べると天と地ほどの差がある。

さすがにブランド化した後のMontblanc製品はデザインも作りも秀逸じゃ。

もっともMontblanコレクターにとってはこの時代のGoodsは宝物。実用品として販売されたので、良い状態で残っているものが極端に少ない。

また、当時は周辺Goodsを集める趣味が確立されていなかった事もあって、ごっそりと買い集めていたコレクターも少なかろう。

この分野はコレクターが放出するか、デッドストックが文具店の廃業によって出てこない限りお目にかかるチャンスは少ない。

モンブラン・ペントレイというのは良い!これは今すぐにでも欲しい。ただしペントレイとしてではなく、玄関のコインケースとして使用したい。

これだけ大きければ小銭も掴みやすいじゃろう。最近玄関でお金を払う機会が増えている。

100円ショップのコインケースに硬貨別に整理して保存しているが、なんとも情緒が無い。

やはりさりげなくジャラジャラとかき分けながら硬貨をピックアップしたいものじゃ。

【キーホルダーギフトセット】を眺めていて思ったが、2006年10月末日の時点で、このセットが売られていたとする。

二色ボールペンとキーホルダーのセットで4,000円。さて御主は買いますかな?

拙者なら迷わず買いじゃ!このキーホルダーはしょぼいが、将来3,000円の価値は出そう。価格は1,000円。これは買い!


モンブラン・デスクセットの立方体のブロック。丸い穴が2個開いている。

大きさが違うようだが、これは何故だろう?セットになっているボールペンなら小さいほうの穴でもゆるゆるのはず。不思議じゃ・・・・

ひょっとしてNo.149かNo.146あたりでも挿しこむ事を想定して作ってあったのかな?いずれにしても文鎮代わりに2〜3個欲しい!

特にカードスタンドは葉書のインクを乾かすのに重宝しそう。これが入手出来れば葉書を書いても良いな。

またクリップボックスは、調整時の確認用に使うインク壷に良さそう。一々インク壜のキャップを捻るのが面倒。

これだけ重い?ブロックであればひっくり返る心配も無いしな。

ただしアルミニウム製なので、内部をブロックしておかないとインクの酸で溶けてしまいそう。それもまた面白いが・・・
 
  
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2021年04月05日

【 Pelikan 玄武 18C-M(P.F) DEROSA研ぎへ! 】 (アーカイブ 2012年8月)

この時代のペンクリは、依頼者と研ぎ師の真剣勝負の感があった。気を抜くとやられてしまうので、両者ともに気を抜かないで立ち合っていた。

それに比べると、最近のペンクリはかなり啓蒙的になっている。

依頼者の要望が無理なら、何故無理なのかを教えてあげる。また代替案があれば研ぎ方+使い方もアドバイスする。

さらには各ブランドの歴史や社長の人となり、会社の体質にまで話を脱線させながら情報発信している。

業界事情を知れば知るほど、その業界にのめり込んでしまうのは明白だからな。

〔万年筆の高みに堕ちる〕を標榜する萬年筆研究会【WAGNER】の会長としては、調整師はいわば高みへのリクルーター!

甘い言葉を紡いで、人を万年筆の高みへ誘う奴が調整師なのじゃ。お気をつけ遊ばせ!



1今回の依頼品はPelikan 玄武。四神シリーズは実は5本ある。青龍、朱雀、白虎、玄武、麒麟じゃ。そのなかで玄武は【亀】としう扱い。

緑好きのミドラーにとってはたまらない逸品!・・・だと思うが、この斑(まだら)模様が好きではないというミドラーもいる。

拙者はParker センテニアル・マーブルグリーンと並んで大好きな緑の斑模様なのだがな。

実際に四神を日常的にガシガシ使っている人は萬年筆研究会【WAGNER】内でもそう多くはない。ところがこの玄武は使い込まれている。

未使用の玄武は、全て機械彫りということもあり、指で表面をなぞると刻印のエッジがピリピリと指の腹に引っ掛かる感じ。

それにひきかえ、この玄武では表面のバーメイルは適度に摩耗し、指当たりも非常にまろやかになっている。

使い込んでエッジがすり減ったライカM4ブラックペイントのような感じで実に良い!


234ペン先は過去に拙者が一度研いでいる。その時にはペン先とペン芯を分解せずに研いだはず。

ペン先の模様刻印の先端部とペン芯の位置をそろえるのが拙者の分解調整だが、この玄武ではペン芯がやや前に行っている。

また左端画像にあるようにPF刻印の一部が首軸に隠れている。よほど特殊な場合を除いては分解調整においてこの位置には設定しない。

スリットの間隔、研ぎ、段差調整などはしっかりと拙者好み。

じつは依頼主のDEROSA氏は【DEROSA研ぎ】といわれる形を持っている。通常はXX研ぎといえば、研いだ人の名前をつける。

100歩譲っても研ぐ人が名付けるのだが、【DETOSA研ぎ】は研いでもらう人が名付けたもの。この発想は意表をついていておもしろい。

まるでインク工房でインクの名前を購入者が名付けるのといっしょ!


56ではDEROSA研ぎってなに?といえばStub調Italicとでもいうような形状。左画像はいずれも調整前の状態。

ペン先をそっと紙に下ろしたときに、フッとインクが紙につくというP.Fニブの弾力を最大限に生かした研ぎで実に気持ち良い。

DEROSA氏も一度は試してみたが、どうしても紙を45度くらい傾けた状態で刻み込んでいくDEROSA書きには、やはりDEROSA研ぎが良い!ということでの改造依頼じゃ。 


7まずは、スリットを少しだけ拡げた状態の全体画像。美しいなぁ!

特にP.Fニブの形状の美しさは現行品とは比べられない!書き味はどうにでも調整出来るが、形はいかんともしがたい。


89こちらがDEROSA研ぎに改造した後のペン先。

本来はBから研いだ方が良い感じになるのだが、今回はMからということで、通常よりも紙に当たった時のインク量を増やすためにスリットを少し拡げた。

そして先端部は1200番の耐水ペーパーを5儚僂離乾爛屮蹈奪の上に敷いて、視線をペンポイントの頂点と平行にして目視確認しながら スッパリと研いだ。

これはやや丸みを帯びたペンポイントを上から見ても、横から見てもエッジが立った状態にするため。


10こちらが横顔。実際にはもっとエッジが立っている。研磨直後のペンポイントにインクをつけて字を書くと、線を引く度にエッジが引っ掛かる。

この引っ掛かりを少し残したまま、横が超極細、縦が中太程度にほんの少しだけ研磨するのじゃ。

初めて依頼を受けると泣きそうになるだろうが、もう長い付き合いなのでDEROSA研ぎ・・・といえばわかるようになった。

本来は調整師と依頼者の関係はこういうのが望ましい。ペンクリ行脚するとどんどんペンポイントの残量が少なくなってしまうからな。



【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
  
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2021年04月04日

【 Pelikan M800 ブルー オー 'ブルー 18C-3B やはり・・・ 】(アーカイブ 2010年11月)

時代と共に調整方針も変化していくことの良い事例。

ソケットの溝の浅い方にセットするのが拙者流。


なんで書いてあるが、現在の拙者の調整ではソケットの溝の深い方にセットする。すなわちPelikanの標準と同じ。

そして昔ほどペン先を前に出さないが、標準よりは少しだけ前に出している。

どれくらい出すのかは、実際の拙者の調整を受けて判断されたし。



2010-11-10 01今回は拙者の持ち物。Pelikan M800 ブルー オー 'ブルーじゃ。このモデルは天冠が金属製になった。悲願達成!といえようか。

海外オークションを見ると、M400、M600、M800ではキャップが金属製天冠付きに変わったものが販売されはじめている。

M300やM1000も変わっていけばいいなぁ・・・と思う反面、今のも悪くないと思い始めてきた。

モデルチェンジすると、前のモデルが懐かしくなるのかな?


2010-11-10 022010-11-10 03今回は販売店でペン先を3B付きにかえてもらった。

PFニブから刻印無しに変わった直後の3Bニブはペンポイントが薄くなり、筆記角度が高いと十分な字幅を出す調整が難しかった。

ところが最近はペンポイントが厚みを増してきており、なかなか良いという噂を聞いたので購入してみた。

PF刻印無しの3Bニブは久しぶりに見る。M800系の3B付きは20本以上はあるはずだが、PF無しは今回のものだけ!


2010-11-10 042010-11-10 05たしかにペンポイントは厚いのだが、PF刻印付きのものと比べると、形状が違う。

PF刻印付きの物は先端部まで厚かったが今回のものは、右側画像のように先端部に向けて先細りになっている。Stubに研ぐのでなければ手間が省けてGood!


2010-11-10 06問題は、最近のPelikanにありがちな背開きと左右の段差。最近ペンクリに持ち込まれた新品のMシリーズは大半がこういう状態!

今までは店頭でペン先交換してこうなったのだと信じていたが、今回は拙者が扱い方を何度も伝授した店からの購入。

よもや忘れていることはあるまい。ということは、出荷時点からこうなっていたと考えられる。ダメじゃん!


2010-11-10 07これを直すには、ソケットからペン先とペン芯を外し、まずはペン先のエラを外側に曲げる。

そして背開きを直すためにツボ押し棒でゴシゴシと擦る。これはゴムブロックの上でやるとやりやすい。

口で説明するのは面倒なので、ぜひ萬年筆研究会【WAGNER】のペンクリで拙者の作業を見て下され。

背開きが直ったら、今度は段差修正。ハート穴から先端部まで左右のスリット部分に段差が無いか?までチェックすること。

ペンポイント先端部だけ辻褄が合っていてもダメ。ハート穴から先が全て揃っていることが重要。

そのペン先をペン芯に乗せて段差が出るようならペン芯に問題がある。ペン芯を少しずつサンドペーパーで研磨しながら先端部の高さを合わせていく。

ペン芯とペン先をソケットに挿込み、首軸に装填してからペン先先端部の高さを強引に合わせると、調整戻りが起こりやすい。

自然体で左右が合うまで根気よくペン先とペン芯の相性を合わせていくのじゃ。金ペン堂風にいえば【ペン先とペン芯を結婚させる】じゃ。


2010-11-10 082010-11-10 09まずはスリットを拡げた。調整前はペンポイントの下側左右が衝突し、上側だけが開いていた。

背開きを直したことによってスリットが均一に開いた事がよくわかろう。

ペン先はごく僅かに前に出ているように見えるが、これは誤差の範囲。実はソケットに突っ込む位置を180°変えてある。

ソケットの溝の浅い方にセットするのが拙者流。

限定品などで図柄とペン先の向きがある場合以外はほとんどのケースで溝の浅い方にセットしている。


2010-11-10 10こちらが横顔。形状変化目的での研磨はしていない。エッジ取りと表面荒しの為に数種類のペーパーで少し擦っただけ。

これで書き味は激変する。PF刻印無しの3Bニブ、これなら甲種合格



【 今回執筆時間:2.5時間 】 画像準備1修理調整0.5記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 
  
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2021年04月03日

地元主催の九州地区大会 11月28日(土)(アーカイブ 2009年11月)

本日は萬年筆研究会【WAGNER】九州地区大会@博多だった。

コロナのせいでずいぶんと久しぶりのような気がした。

最近のWAGNERの傾向として、新しく参加される方が増え、既存会員の方の参加が少なくなってきているようだ。

基本的に万年筆愛好家の集まりなので、ラメインクを万年筆に入れているのは拙者だけ・・・

変節を嘆く人も、笑う人もいるのが面白い。

今回はたこ娘さんも親方も、東京でのイベントに参加のため、調整師は拙者一人。トイレにも行けないほど忙しかった。

下の案内を見ると、あきらかに60歳以上を年寄り扱いしてる。この時、拙者57歳!今は68歳。

年寄りになって気づいたのは、年寄りは結構元気!ストレスが会社員より少ないからだろう・・・

それにしても、WAGNER終了後、居酒屋で大騒ぎしていたんだな・・・懐かしい。

今日は、終了後、空港へ直行だものな・・・



来たる11月28日(土)
は 萬年筆研究会【WAGNER】の 地元主催の九州地区大会 【一般参加歓迎】
 
日時:11月28日(土)9:30〜17:30

場所:アクロス福岡 6階 604会議室

住所:〒810-0001 福岡市中央区天神1丁目1番1号  電話:092-725-9111(代表)

地図:http://www.acros.or.jp/access/img/mp_print.pdf
 

参加費:18歳未満は      無料

    本籍が海外の方    
¥1,000

     所帯を共にする方   ¥1,000/人  ご夫婦で参加なら ¥2,000/所帯 】

    18歳〜25歳は    
¥1,000

    26歳〜59歳は    
¥2,000

    60歳以上は      ¥1,000

定例会参加にあたっては個人情報住所/氏名/電話番号/メアド)の開示をお願いします。匿名での参加は出来ません。

この個人情報は他の会員からの要望があっても公開しませんし、取り次ぎもしません。

WAGNERへの新規入会を受け付けています。参加資格は【萬年筆が好き】であることだけ!

内容:
ペンクリ
ミニペントレ

  1.
ペンクリタイム 10:00-16:30  会員限定!  それ以降に持ち込まれた物は後日返却

  2.
情報交換: めったにお会いできない方々との情報交換

  3.
ミニ・ペントレ: お嫁に出しても良い 萬年筆 や 関連Goods があれば値札を付けて集団見合い

17:30WAGNER終了後、近辺の居酒屋で二次会、その後現地宿泊者は心ゆくまで痛飲を!

  
Posted by pelikan_1931 at 23:54Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2021年4月3日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 九州地区大会 in 博多 *** 将来日付でのご案内 ***

日時:43日( 11:0016:00 開場10:30  ペンクリ会員限定開催日当日会員登録された方も調整は受けられます)

場所
エイムアテイン博多駅前貸会議室5I   住所:福岡県福岡市博多区博多駅前3-25-24 八百治ビル5階

2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく! 

 

入会申込書 V3


新規入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。

会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への
会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。

入会資格は〔万年筆が好き!〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。


記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。 
  
18未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね!

  続きを読む
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2021年04月02日

2021年4月3日(土)は、萬年筆研究会【WAGNER】九州地区大会@福岡のリターンマッチ!

2021-04-024月3日は左画像の八百治ビルの5階にある会議室で九州地区大会のリターンマッチ!

詳細は http://pelikan.livedoor.biz/archives/2021-04-03.html をご覧下さい。

2月27日(土)に予定されていた博多大会中止にともない、スケジュール変更しました。

会場は初めて使うところですが、博多駅から徒歩5分なので、新幹線組の人にも便利です。

開場は10:30ですが、30分間はセットアップで、調整やミニペントレが始まるのは11:00からです。

コロナ下の開催ということで、懇親会等はやりませんし、会場内での飲食も禁止です。

静かに、楽しくやりましょうね!
  
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2021年04月01日

筆記具関連四方山話 【 発掘されたラベル 】(アーカイブ 2011年4月)

WAGNER 2007 インクは、Gary さんが調合した古典インク。最高級の薬品や染料を使い、凝りに凝って作った。

それにこの凝ったラベルを貼った瓶は60ml入り。5L作って一瞬で完売。

その後も毎年のように作り、一時はソウルペンショーでも一瞬で完売。そう韓国での限定インクブームのはしりとなったのが、このインクかも?

万年筆関係の流行は韓国の方が日本よりも3年から5年は早い。

ソウルペンショーではプラチナのミクサブルインクを使ったインク工房が早い時期から行われていたし、belomoのルーペの流行も数年日本より早かった。

でもラベルまで凝った限定インクはこのWAGNER インクの方が確実に早かったように記憶している。

萬年筆研究会【WAGNER】との共同開催で〔第一回のソウルペンショー〕が実施されたのは2010年だった。このインクが作られたのは2007年!



2011-04-11 012011-04-11 02昨日、スキャナーの後ろ側に落ちた紙の山(中には萬年筆もあった!)をかたづけていたら・・・

WAGNER 2007用のインクラベルを発掘した。これを作成するには莫大な工数がかかっている。

まずはポンちゃんがイラストを起こす。それをパイタンさんとaurora_88さんが特殊な処理をしたインクラベルに印刷する。

素人が入手できるものではなく、プロの世界の産物なのじゃ。それほど気合いを入れて作ったもの。

当初はラベルは一種類のはずだったのだが、ポンちゃんがノリでいろいろ作ってくれた。


2011-04-11 032011-04-11 04こちらは当時の調整師ラベル。左が拙者で右はらすとるむさん。

当時の拙者はキャップを外す際に右手でキャップをつかみ、力のある左手で軸を捻っていた。

そういう癖をうまく見抜いて書かれている。

またらすとるむさんは右目にルーペをはさみ、左手にヤスリを持ってどう削ってやろうかと思案している様子。

こちらも上出来!ただ左手にヤスリを持っていたか、右手にヤスリを持っていたかは定かでは無い。

ぜひご本人からの回答を待ちたい。らすとるむさんは、最近慶事が予定されているらしく、家の改装に余念が無い。

数十匹の猫に荒らされた家を大改装しているらしいが・・・またすぐに荒らされるのではないかな? 

2011-04-11 052011-04-11 06そして極めつけがこちらの2枚。左側は文鎮王子!

70g以上の萬年筆は文鎮倶楽部に入会できるが、文鎮王子は手持ちの萬年筆のほとんどが文鎮倶楽部入り!ということでこの称号を得た。

ここ2年ばかり見かけないが元気かな?一説によると職業は傭兵で、カダフィ大佐の信頼が厚かったとも聞いた。

無事であれば良いのだが・・・

この文鎮王子のイラストが最も完成度が高かったような気がする。ちゃんと王子様らしく肩の飾りも見事!拙者もこちらの衣装を着せてもらいたかったなぁ・・・

そして誰もが最高傑作と呼ぶのが右側!敢えて名前を言わずとも萬年筆研究会【WAGNER】参加者なら誰でもわかる。

最短時間で書き上げたそうだが、書くのに必要な時間とインパクトは無関係とよくわかる逸品じゃ。

その後、拙者が作った〔おっちゃんコイン〕のデザインの原型もこちらじゃ!
  
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2021年03月31日

【 Montblanc No.264 14C-M 生贄 】(アーカイブ 2010年4月)

No.264はVintage Montblancの中ではNo.142、No.256と並んで大好きな3本に入っていた。

もはやVintage Montblancにはさほど興味は持ってないが、目の前に出てくれば買ってしまうだろうな。

ペンポイントに至る斜面の表側が面取りに関しては、今では自分でもやるようになった。

なぜそうするのかは・・・秘密! ぜひ解明して下され。フェルマーの最終定理よりは解明は簡単でした。


2010-04-16 01今回の依頼品はMontblanc No.264じゃ。No.25Xシリーズが嵌合式のキャップなのに対して、こちらは回転式。なんとなく高級感がある。

インク窓がブルーの後期モデルは1957年〜1959年に作られたモデルらしい。

ペン先はNo.25Xシリーズのイカペンではなく、通常のペン先だが、拙者はこちらの柔らかい書き味の方が好きじゃな。調整の指示は特になかったので生贄とする。


2010-04-16 022010-04-16 03ペン先はMだが、スリットが強烈に詰まっており、ペン先の段差もある。

よく見ると、ペンポイントに至る斜面の表側が面取りされている。これにはどんな意味があるのだろう。まさか金の節約ではあるまい。

形を整える研磨の際に手元が狂ったのかな?ワザとだとしたら皆目見当が付かない。


2010-04-16 042010-04-16 05後期モデルなので、ペン芯はフラットフィードではない。

いわゆるペン芯としての性能面では、この後期型の方が上だが、見栄えではやはり前期型が良い。悩ましいところじゃ。

Mではあるがペンポイントの厚みは薄い。字巾は縦線で稼ぐタイプ。横線は細い。従ってペン先が詰まった状態だと、横線が出ない。

縦線は筆圧をかければ出るが、かけないと濃淡が極端で筆跡が小汚くなる。やはりスリットを拡げて書き出し時の筆圧が低くても字が書けるようにすべき!


2010-04-16 06胴軸の根元をヒートガンで暖め、ピストン機構を抜いてみたところ、ピストン弁の汚れは皆無。どうやら腕の良い修理人の手を経てからマーケットに出てきた物らしい。

多少ピストンが硬かったので、シリコングリースを弁に塗ってから元通りに胴軸にねじ込んだ。

No.14Xのテレスコープ方式と比べると吸入量は少ないが、修理を考えればこちらの方式に分がある。この方式はPelikanの回転吸入式の特許にひっかからなかったのかな?


2010-04-16 072010-04-16 08ペン先はNo.244と共通のようじゃな。ピストンは清掃済だったが、ペン先の根元にはエボ焼けがたっぷりと付いている。

これで販売元が日本ではないことがわかる。日本のプロであれば、エボ焼けは排除するはずだからな。

多少スリットを開いた上で、徹底的に清掃したのが右側じゃ。金磨き布の上にペン先を、数秒間こすりつけるだけでここまで綺麗になる。ぜひお試しを。


2010-04-16 09スリットはこの程度開けば十分。背側のスリット巾よりも、腹側のスリット巾が重要。出来るだけ広く、でも、書き出し掠れが出ないよう・・・というのがポイント。

本来なら毎日微調整するぐらいでも良いほど。ちなみに拙者はWAGNER 2008のミュージック・ニブを、今でも毎日微調整しながら使っている!


2010-04-16 10こちらが調整済ペンポイントの横顔。多少スイートスポットを削り込み、その周辺を付近に溶け込ませるように調整した。

スイートスポットはあるが、発見できない!という状態に出来たら最高なのだがなぁ・・・

インクをつけて書いてみると・・・ああ、心地よい!悦楽の境地・・・・このままでは書き味に溺れて生産性が著しく下落しそうじゃ!



【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 
  
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2021年03月30日

【 プラチナ #3776 赤軸・黒軸 ペン先交換 】(アーカイブ 2008776 赤軸・黒軸 ペン先交換 】(アーカイブ 2008年3月)

下の記事を見て、2008年ごろの萬年筆研究会【WAGNER】会員数は200人ほどだったんだとびっくり。

今では600人くらいで安定している。でもこの当時の方が熱かったかも?

先日の春の泉筆五宝展2021には100人の参加者があったが、萬年筆研究会【WAGNER】会員は35名のみ。

WAGNER主催イベントで参加会員数が35%は寂しいなぁ〜。でも各自の万年筆愛は冷めていないと期待してまーす!



2008-03-24 01今回の依頼は赤軸黒軸との間でのペン先交換じゃ。プラチナ#3776のギャザード軸は最近、黒リブ軸赤リブ軸が復活した。

消費税込みで21,000円というお買い得価格。

現行品で言えば、パイロット カスタム・カエデ(Pilot 65の時代からのお辞儀した10号ペンを持つ唯一の現行品)と#3776リブ軸はお買い得商品の代表!

特に#3776は購入時点からペン先のスリットが開いているので、インクフロー抜群。

拙者ですら未調整で使っているほど!本日も赤軸・太字を入手した。コンバーターの棚吊り現象もほとんど無い!


2008-03-24 02さて、依頼は黒軸についている極太赤軸についている太字と交換すること。こちらの画像が黒軸についている極太

ペン先のスリットが詰まっていてインクフローが悪そう。ただしペンポイントの形状は実に良い。#3776は国産三社の中では、最も研ぎに癖がない。

まるでParkerPelikanの現行品の研ぎのよう。こういう癖がないペンポイントは調整がしやすいのでアマチュア調整師にはありがたい!


2008-03-24 03ペン芯は溝がはいった改良後のペン芯。

もっとも#3776のペン芯は40種類以上あるそうなので、明確には指摘できないが・・・とりあえず改良後/第二世代といっておこう。


2008-03-24 042008-03-24 05こちらが赤リブ軸のペン先とペン芯。ペン芯は第一世代で、溝が入っていない。

非常にシンプルだがペン芯の美しさでは、第二世代、第三世代に負ける。

拙者は現行#3776についているエラが張ってハート穴がハート型をしたペン先が一番好きじゃ。

書き味も未調整なら明らかに現行品が勝っている。ただし美術品として見れば、初期の丸っこいペン先は軸の形状とマッチしていて好感が持てる。

この溝のないペン芯はインクが出ない、インクがあふれる・・・など大いにケチがついたものらしい。

このあたりは、【万年筆の達人】の【鳥取万年筆博士】の章で取り上げられている。


2008-03-24 062008-03-24 06左側が黒軸についていた極太ペン先の調整前と調整後の画像。

上が清掃後調整前で、下が調整後。ペン先のスリットを拡げているのがわかろう。

極太であれば、これくらいは開いておかないと書き出しでインクが出ない。

なんせ依頼人は200人以上いるWAGNER会員の中で、書き出し筆圧の低さでは、間違いなくトップ3に入るほど・・・


右側は赤軸についていた太字のペン先。こちらはスリット調整は施していない。もともとスリットは適度に開いている。

これは現行品でもそう。意図的にスリットを開いて出荷していたのかも知れない。実に良い具合なのじゃ。


2008-03-24 082008-03-24 09二枚とも上が第二世代、下が第一世代のペン芯。上が黒軸、下が赤軸についていた。

比べると明白なように、第二世代の方が圧倒的に出来が良いし、手間もかかっている。

第一世代でのインクの出の悪さを解消するためか、インク溝が一本から二本に増えている。

このような複雑なエボナイト加工が出来る職人さんがいなくなったのは非常に残念じゃ。

伊太利亜ではまだエボナイト製ペン芯を作っているのに、日本や中国からは消えてしまった・・・

もし、職人さんが残っていたら、その技術を残すべくお手伝いをしたいものじゃ・・・


2008-03-24 102008-03-24 11こちらが交換が終了した後の画像。比較してみると、同じ14金でも色合いが多少違う。

第二世代のペン芯に乗っていたもの(左側)は白が勝っているが、第一世代のペン芯に乗っていたもの(右側)は、金色が強い。

おそらくは第二世代は改良の為に銀の配合を増やしたのであろう。減ったのは何か?おそらくは銅。

なんで銅の量を減らして銀の量を増やしたのかは不明!価格ではなかろう・・・おおらくは美観であろうが・・・真意はわからない。


2008-03-24 12かなり頻繁に設計変更をするほど、この#3776にかけていたのであろう。

最近では子会社の【中屋万年筆】ばかりが話題になるが、プラチナ#3776は現行の国産万年筆の中では最高の状態で出荷されていると断言できる。

特にB(太字)で、調整無しで問題なく書ける万年筆は(拙者にとっては#3776だけ!

これでペン芯の見映えが良ければ言うことはないのだが・・・



【 今回執筆時間:6.0時間 】 画像準備2.5h 調整2.0h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
 
  
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2021年03月29日

2021年4月の萬年筆研究会【WAGNER】定例会

首都圏4県の緊急事態宣言が解除されましたので、再発動されない限りは、通常の開催スケジュールに戻します。

4月の開催スケジュールは、順次BlogにUpしますが、次のとおりです。

4月03日(土)11:00〜16:00 九州地区大会@博多 エイムアテイン博多駅前貸し会議室5I

4月10日(土)10:30〜16:30 中部地区大会@名古屋 名古屋国際会館 第三研修室

4月17日(土)10:30〜16:30 裏定例会@蒲田 大田区産業プラザ A会議室


そして・・・

5月01日(土)は〔第12回 y.y Day〕 が兵庫県民会館の10階 福 で開催されます。

いずれも開催都市にその当日、緊急事態宣言が出されていないことが条件となります。

先日の春の泉筆五宝展2021で改めて、リアルな交流は心を温めてくれると感じました。

コロナ対策は怠らず、小声での交流を存分に楽しんで下さい。
  
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2021年03月28日

KIVISでの出会い (アーカイブ 2010年7月)

下に紹介した万年筆は、その後のご縁で、国立歴史民俗博物館に寄贈されたと聞いたが・・・勘違いかも?

この時、実はペン先もペン芯もゴシゴシと洗浄したのだった。

並木良輔氏の手に一度は握られたであろう万年筆を、その場にいた数人が手にして触らせてもらった。

おそらくは現役のパイロットの社員の方々も一度も触ったことのないであろう ”創業者の手のぬくもりが伝わる” 万年筆。

地方大会の妙味はこういうところにもあるのじゃよ。



2010年7月3日(土)に山梨県笛吹市で行われた【もじをつむぐ2010】@喫茶キヴィスですばらしい物語のある萬年筆との出会いがあった!

前日に毎日新聞山梨版に紹介記事が掲載されたのを見た、S氏(75歳)が、ご自身の萬年筆、それに関連のある書籍、その著者から祖父宛に送られた葉書を持たれて来訪された。

もう何十年も使っていなかった萬年筆の状態をチェックしてもらうのと、その萬年筆がどういう物なのかを調査するのが目的であったらしい。

S氏の祖父は東京高等商船学校卒業で、現在のパイロットの創設者、並木良輔氏の2年先輩。かなり篤い親交があったらしい。

今回S氏が持ち込まれた萬年筆は、その並木良輔氏がS氏に贈ったもので、S氏の銘が蒔絵で書かれている。

大型のインク止め式で、ペン先は50号、Pilotの文字が彫られているが、形状はダンヒルナミキの50号ペン先と同じ(らしい)。

図柄はカエルで、これはS氏の祖父が大好きだったもの。構図は代表的なもので、N御大によればすばらしい出来映えだとか!

そして並木良輔氏の著書(新品)もあり、そこにはS氏の祖父に感謝するという記述もある。この本の存在もN御大は知らなかったとか。

そして、その本には並木良輔氏からS氏の祖父に宛てた葉書が入っている。ずっと本にはさまれていたせいか、色も一切変わっていない。

萬年筆自体は一時S氏の父が使っていたこともあり、中でインクがネバネバになってはいたが、アスコルビン酸をはじめとする各種の液による洗浄によって、ほぼ元にもどった。

あとはペン先清掃や、パッキンの交換などが必要と思われるが、これは怖いのでやめておいた。

S氏とN御大のお話の後、N御大が【コレを拝見出来ただけでも山梨まで来た甲斐があった】とおっしゃったのが印象的だった。

S氏とN御大は、今後、交流を続けるらしい。S氏は、ご子息がこの萬年筆にまったく興味を示してくれないのが残念なようす。

ちなみに、S氏のご子息は、女優の松たか子のご主人だとか!
  
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2021年03月27日

春の泉筆五宝展2021 WAGNER史上初の出来事・・・

3月27日(土)は春の泉筆五宝展2021 でした。会場へおいでいただいた皆さん、ありがとうございました。

今回は萬年筆研究会【WAGNER】主宰のイベントとしては初めての事態が発生しました。

なんと総参加者数の約60%が女性でした!

bechoriさんのW/Sに参加されていた女性のおかげかな?と思い、その人数を差し引いて見たのだが・・・

それでも女性の参加者比率は約55%・・・・隔世の感がありますなぁ。

以前は通常の定例会では女性の参加者が0や1人ということも珍しくなく、主として男性諸氏によるVintage 万年筆の奪い合いの場であった。

それが今では、参加者と出店者の方々が、楽しく会話しながら、ゆったりと楽しむという場に変わりつつある。

本日、聿竹くんが【久しぶりのリアルイベントで皆さんと話して、新しいアイデアを2つ思いつきました】と興奮していた。

これこそがリアルイベントの醍醐味であろう。物を販売するならばネットショップの方が楽だと思う。

運搬、展示という作業がいらないし、自分で沼に墜ちる危険も少ない(けっこういますからね〜、拙者も含めて)

ただし、ネットショップでの販売だけからは、リアルなお客様の反応や変化は感じ取れないだろう。年齢層もわからないからな。

萬年筆研究会【WAGNER】自体はコアな万年筆愛好家の団体なので、作る万年筆はあくまでもマニア向けなのだが・・・

万年筆界の裾野を拡げるためには、どういう価格帯の万年筆が適しているのかは、よーくわかるのがこういうイベントに出展すること。

幸いにして、春夏の泉筆五宝展、ペントレ、年末大バーゲンは昨年も今年も開催出来た。

そしてその二年間で、万年筆の購買層の中心が明らかに女性側に移ってきているのを実感できた。

本日感じたのは、女性の方の会場内滞在時間が大幅に増えていること。すなわち会場内で楽しまれているのじゃ。

以前は女性の会場内滞在時間は極めて短かった。まわりに知人がいなくて、万年筆は好きだが、いたたまれない / ついて行けない・・・感じになっていたのかも?

現在ではSNSを通じて、顔は合わせたことは無くとも、ハンドルネームでは1年以上の知人・・・という方々の出会いの場ともなっているようだ。

そこからリアルのお友達関係が始まることもあるようなので、次回のペントレでは、SNSごとに集える場も作ろうかなぁ〜とも考えている。

閑話休題

通常、販売イベントにおいては、各ブースに張り付いて出店者と熱心に会話する参加者は、出店者側にとっては迷惑この上ない存在と煙たがられるものだ。

しかし、マーケットの変化を知りたい人にとっては貴重な情報源になる。会話内容の濃さが違うのでな・・・

萬年筆研究会【WAGNER】関係のイベントの方向性は、万年筆のディスニーランド!入場料を払った人が、その分以上に楽しめること!

あくまでも参加者が楽しむことに重点を置いていたのだが、出店者側にもメリットがあったんだなぁ〜と改めて感じた。

今回はワークショップあり、ライブ配信ありと、静かな空間なのに熱気があった。

しかもインクやガラスペンの奪い合い目的で、早足ですすむ人もいなかったので、非常にまったりとしていたのだが・・・

泉筆五宝展としては、過去最多の参加者だった。

年度末のくそ忙しいときに・・・なんていう意見もあるが、WAGNER 主宰のイベントは3/6/9/12月の月末近くが普通なので、毎回、四半期決算の時期と重なるのであしからず。

では、次回のイベントは6末の第21回ペン・トレーディング in 東京 です。

ここからは浜松町に会場を移しての開催となります。ランチに困らない立地なので、ぜひ、ひょうげんします長居して泉筆五宝沼へ!

ちなみに萬年筆研究会【WAGNER】では、沼にはまるとか、沼に落ちるとかとは表現せず・・・

〔万年筆の高みちる〕と表現します。  
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2021年3月27日(土)は 春の泉筆五宝展2021@両国 *** 将来日付でのご案内 ***

当日東京都への緊急事態宣言発令されていないことが前提です。解除されなかった場合は中止となります。

緊急事態宣言が2週間延長されて
3月21日まで!

開催日は
3月27日なので、再延長されなければ開催します。3末まで延長されたら中止します。


主な出展者

(1)カリグラファーのbechoriさんが1回12人で2回のワークショップを開催。
     おなじみのモノライン・レタリング・ワークショップ。今回は人と人との間にアクリル製の衝立を立てて開催します!衝立14枚の組立が開始までに間に合うかが唯一の心配事。走って衝立倒さないでねbechoriさん!

(2)Pocketnotebookworkshop
のJuunさんがochibiのオーダー会実施。
     てのひらサイズの革カバー手帳『ochibiなm5(マイクロ5サイズのシステム手帳)』をお好みの組合せでつくれま〜す!気が向けばライブ配信やりそうな気配がプンプン。

(3)乙女座会さんが紙物とインクなどを出
     通販で完売した商品もリアル・イベントでは入手可能なのが乙女座会!今回もおもろそう。ただお店にいる時間よりも買いあさってる時間の方が長そうなのが心配。

(4)編吟革盤舎さんが革小物を出展。
     最近あちこちのShopやブランドとコラボしてはる。今回は何か仕掛けてくるかも? 編吟さんも 神出鬼没なのでお店が空なら場内放送で呼び出しまーす!

(5)N御大が古くて珍しいPilot製品を大量に出展。
     例によって、2〜3本お宝を混ぜてくるはず。知識のある人だけが幸運にありつけるか?おねだりすると安くなることがあります。ただし♀だけかも?

(6)y.y Pen Clubの面々が万年筆や鞄などをあっと驚く価格で販売!
     鞄というのは PPCIM(Pen Paper Case Ink Maintenance)のどれだろう?という問いには、Case やんけ!と即答・・・ま、確かにケースだわな。

(7)pen_saloon さんは、今回も夜の水鏡やヌルリフィルなど、きわどいところを狙った作品を出すようだ。
     パクるよりパクられよう!を合い言葉に世にない商品をポっと出してくるので目が離せない。声をかけると元気になり、スルーすると元気なくなるので、とにかくかまってあげて下さいね。

(8)Lichtopeのたこ娘さんが、ペン先調整と創業一周年記念万年筆などで出展
     光緒創業一周年記念モデルは万年筆以外にも懲りまくっている。おかげで四十肩になったらしい。しかし日本未入荷の海外製万年筆の初登場が本命かも?どうやら欧州製らしいけど・・・

(9)万年筆談話室では修理・調整とエボナイト製回転吸入式万年筆などを展示(予約も受け付けま〜す)
     これから作る限定万年筆のプロトタイプ(99%完成版)がひっそりと並びますぞ。本邦初公開。カスタマイズも可能だが、問題は拙者の記憶力。ニワトリ並なので三歩以上歩かせないで!


万年筆の出展なら1テーブル4,000円、万年筆以外なら1テーブル1,000円という破格の出展料なので、出展希望の方はお早めに連絡下さい。

プロアマ問わず早い者勝ちです!


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:327(10:0016:30
場所:国際ファッションセンター KFC Hall & Rooms 2F Hall 2nd)  住所:東京都墨田区横網1-6-1 

2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく!  

入場料(1,000円)を支払えばどなたでも参加出来ます。


泉筆五宝〔Pen、Paper、Case、Ink、Maintenance〕に関係のあるGoodsがたくさん出品されます。


Pen:万年筆、ガラスペン、ペンシル、ボールペン、鉛筆、筆記具小物
Paper:原稿用紙、一筆箋、手帳、ヌルリフィル etc.
Case:ペンケース(革/布) etc.
Ink:各種 限定インク
Maintenance:ペン先調整/研出し を有料で行います。(書き味の調整は1,000円程度)


 
166
屬旅〜い会場です。テーブルもたくさんありますので、たくさん出品して下さい。

出店される方は出店料のほかに入場料も必要です。

 ★筆記具本体や万年筆部品などを販売するテーブルは4,000円/1枚 2ブースなら1,000円(入場料)+4,000円×2枚で 9,000円が入場料込みで必要です。
 ★それ以外の物を販売するブースやイベントや調整は1,000円/1枚 2ブースなら1,000円(入場料)+1,000円×2枚で 3,000円が入場料込みで必要です。


出展をご希望の方は 
事前に pelikan @ hotmail.co.jp (@前後の は排除)まで連絡下さい。

テーブルを使う方(出店者)は9:30ごろまでには会場にお入り下さい。開場は8:50です。

9:30ごろより入場者の受付を始めます。出店者以外の方は受け取った名札をつけて、エントランスでご歓談下さい。


注意事項;
★参加者の方は10:00と同時に入場して下さい。それまでは出店者の方以外は絶対に会場内に入らないで下さい。
会場内にはご自身で飲むドリンク以外持込禁止。また酒類は一切持ち込み禁止とします。
お土産など他の参加者に提供する目的で持ち込む飲食物は禁止ですので一切持参しないで下さい。
★入口に消毒液を起きますので、入場/再入場の際は必ず消毒をして下さい。
★体温計測をします。37.5度以上の方には入場をお断りします。
★会場内では静かな会話をお願いします。


入会申込書 V3

新規にWAGNERへの入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります

記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね 

新規にWAGNERへの入会希望の方は11:00以降に受付で申し込んで下さい。



施設の消毒体制(KFCホールの運営会社はホテルのため、それに準じた安全対策がされています)==> こちら


クラスター発生リスクを減らすための対策

@02
仝_后兵付前に非接触型の体温計で検温) 37.5度以上の方はそのままお帰り下さい。会場には入れません。
▲泪好着用 必ずマスクを着用して下さい。マスクは各自ご持参下さい。
受付に飛沫感染防止ビニールシートスタンドを設置します。
ぜ付時に入場者全員の連絡先情報を収集いたします。
  ★萬年筆研究会【WAGNER】会員の方は会員番号を記入して下さい。
  ★一般の方は姓名と連絡先電話番号を記入して下さい。




2018-12-30 レイアウトこちらが会場のレイアウトのサンプルです。当日、いかようにでも変更できます。

歓談用のスペースを多めにとりましたので、萬談試筆を小さな声でお楽しみください。

乳母車や大きなスーツケースなどはバックヤード(右上の奥)に収納できます。

会場の収容可能人数の半分まで入場されたら一時的に入場制限をかけます。

入場制限がかかるのは、出店者を除いた入場者が50名を超えた時点ですので、入場制限がかかる可能性は限りなく小さいです。

この春の泉筆五宝展2021初お目見えする新商品も一杯あります。お楽しみに!

会場からのインスタライブ(参加者の顔はNG)や Clubhouse の実況中継も自由です。

  続きを読む
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2021年03月26日

3月27日(土)は 春の泉筆五宝展2021 です

2021年は首都圏に緊急事態宣言が出たり、延長されたり・・・突然宮城県に緊急事態宣言が出たり・・・

拙者が参加できたのは3月14日の神戸大会だけ! ただ、十分に対面調整は堪能できた。

今回の春の泉筆五宝展2021 にはブースを構えて調整をする調整師が3人と、自分の販売した万年筆を調整する調整師が1人の4人体制。

調整師との相性もあるので、お早めにおいで下さい。調整依頼票に記入して調整師に提出していただきますが・・・

調整依頼票は50枚しか印刷していませんのであしからず。4人で50枚です。

もっとも皆さん1本に15分から30分くらいかけて丁寧に調整されるので、50枚あれば十分とは思うがな。

巣ごもりで具合の悪くなった万年筆のあるかたは、どんどんお持ち下され!ただし、1回につきお一人様1本だけがルール!待ってる人がいなければOKだけど。

単なる洗浄から研ぎ出しまでメニューはあるのだが、WAGNER会員の方よりも一般参加の方を優先するのであしからず。

優先順位は

(1)調整師のブースで購入した万年筆

(2)一般の方が持ち込まれた万年筆

(3)WAGNER会員の方が持ち込まれた万年筆

で、上位にある依頼は常に下位の優先順位の依頼に優先する。つまり追い越す!

ま、それほど混雑しない泉筆五宝展なので、まったりとやりましょう!

会場内ではbechoriさんのワークショップが常時開催されているが、ライブ配信やclubhouseなども予定されているのでざわざわしている。

が、大声を立てる人は(たぶん)いないので、ご安心あれ!

世界で初めて目にすることが出来るイタリアの限定品などもある!(第一号モデルを特別に送ってもらった)

ドイツ製最高級エボナイトを使ったインク窓付き回転吸入式万年筆・・・お楽しみに!

高価なので、もちろんカード決済できます。

それでもイタリアで購入するよりもお得(税込価格なら現地の65%程度)・・・イタリアは消費税率が日本の2倍!

3色あって全て限定18本。今回は各1本入手しましたが、他は全て予約が入っているそうです。

まぁ、これは万年筆愛好家の琴線に触れると言うよりも、治りかけたかさぶたを焦って剥がした時のようにドキっとするはずじゃよ。

同じ色ではもう作れないが、違う色なら作ってもらえるかもしれない。ただし、最低ロット18本なので、それだけ注文を集めねばな・・・

今回は万年筆談話室ブースは、以前とは違いかなり華やかなので、お楽しみに!
  
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2021年03月25日

【 Montblanc Dumas 18K-M 新品 】(アーカイブ 2008年9月)

今ならMontblanc No.149タイプの18K-Mなら鉈研ぎに研いでしまうが、この事例ではPelikanのシャイベン風に研いでいる。

おそらくは一度しかやっていないはずなので、今度トライしてみよう。これ、国産でも出来るかも?楽しみ!



2008-09-29 01今回の依頼品はMontblancDumas

発売に当たってサインが子デュマの物であった事がわかり、あわてて回収しようとしたが、値上がりを期待して回収に協力しなかった販売店も多かったらしい。

期待に反して子デュマ萬年筆は相場が上がらず、それに引くきずられてか、真性デュマも一向に相場が上がらなかった。

胴体の懲り方はヘミングウェイの比ではない!すばらしい出来なのに人気がない・・・萬年筆の人気というのも不思議じゃ。



2008-09-29 02ヘミングウェイは当時のNo.149と同じペン先だった。従ってBBなどのペン先にも簡単に付け替えられた。

またペン芯の径も、直前のNo.149と同じだったのでエボナイト製ペン芯に付け変える事も出来た。

拙者はコストカット穴のない18金BBペン先二段式エボナイト製ペン芯を装填してヘミングウェイを使っていた。

Dumasが発売されたときも、さっそく購入して同じ事をしようとしたが、こいつはペン芯の径が太くなっていた!

従ってエボナイト製ペン芯が使えない!これでがっかりしてDumasはすぐに手放してしまった。

またペン先の剛性もヘミングウェイよりも弱くなり、筆圧をかけた時の戻りが鈍いような気もした。

細工はしやすいが筆記では物足りない書き味だったのが、それほど人気が出なかった原因かも知れない。

もっとも筆圧をかけないで書く人にとっては、ある程度の重さのある胴体は、筆記にかかる負担が少なく好都合でもあったのだろう。

依頼者からの要望は【新品ですが、普段使いにするので、ゴツゴツ感なく書けるように・・・】とのこと。

多少スリットを拡げ、スイートスポットを作れば一丁上がり!と思ったのだが、そうは甘くなかった。


2008-09-29 032008-09-29 04こちらが横顔。Dumasからは、ペン芯とペン先の位置関係が固定されるようになった。

これによって未熟な作業員であっても設定ムラが出ることはなくなったが、微調整をしようというマニアには物足らない萬年筆になった。

従って萬年筆研
究会【WAGNER】のようなマニア集団では驚くほど持っている人が少ない。以前は持っていたが手放したという会員も多い。

上等な書き味には出来るが、極上の書き味は味わえなくなってしまった・・・


2008-09-29 05このペン芯を見てもわかるとおり、ヘミングウェイ前よりは相当に進化している。

Montblancの宿命と言われたインク漏れなどは完璧に改善されているはず。

気になるのはペン芯の左端がやや細くなっている事。これが原因で以前よりはインクフローの急激な変化に追随するレスポンスが遅れているのではないかと批判する人もいる。

想像で言っているだけなのだが、そういう現象が発生しているから疑いをもたれているのであろう。

拙者は不具合を認識できるほど長期間はDumasを使っていないので、悪い印象は持っていない。

川窪萬年筆の店主が、【ヘミングウェイよりずっと良い萬年筆】とつぶやいていたのは覚えている。


2008-09-29 062008-09-29 07左が調整前、右が調整後のペン先じゃ。ある程度の清掃を施してからスリットを拡げた。拡げるのにかかった時間は0.5秒。

クィ・・・でおしまい。このあたりが柔いペン先の利点。力を入れればすぐに変形してくれる。

所有者にとっては困りものだが、製造者や調整師の生産性は飛躍的に高い。


2008-09-29 08中字なのでドバドバとインクが出る必要はない。

また依頼者は筆圧が低く、筆記時のポンプ運動によるインクフローを期待できないので、毛細管現象が働くように先端に行くほどスリットが狭くなるように調整した。

 拙者はペン先が大好き!こういうペン先の拡大画像を見る度に【萬年筆はペン先じゃ】と思ってしまう。だからこそ胴体と色味が違うメディチのペン先は許せない。


2008-09-29 092008-09-29 10こちらが横顔。Mではあるがペン先をペリカンのシャイベン(Scheibenのように研いでみた。

普段使い用はヌラヌラではいけない。筆記に溺れて会議中でも耳がおろそかになってしまう。

書くことにストレスを与えず、かつ、興奮もせず・・・という書き味が必要じゃ。

仕事で萬年筆を使わない拙者にとっては、一番悩ましい調整。

経験していない書き味を想像しながら作り上げていく・・・・ちょちょいのちょいで終わるはずだったが思いのほか時間がかかってしまった。


回執筆時間:5時間 】 画像準備1.5h 修理調整2.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
 
  
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2021年03月24日

ペントレの歩み (アーカイブ 2009年3月)

下記の記載を読み返すと、当初のペントレは2月末から4月中旬、すなわち週末に開催される春の泉筆五宝展2021の時期に開催されていたのじゃな。

中心は万年筆のトレーディングと、ペンクリニック。今のような泉筆五宝のワンダーランドという概念は無かったようだ。

当時は定例会におけるミニペントレがほとんど無かったので、開幕ダッシュが風物詩となっていた。

今のご時世では密の権化のような状況。一本の万年筆を5本の手がつかむというようなこともあった。

最近では、まったりと開いて、その状態が継続するという、望むべき状態となっている。

27日(土)は、春の泉筆五宝展2021へおいで下され。今回は出店者の関係上、女子比率が高くなりそうなので、男性諸氏は圧倒されないよう頑張って!




2009-03-28 0121世紀初年に始まった通称:ペントレ、正式名称:Pen Trading in 東京も今年で9回目を迎える。

ボケが進んできた拙者は、既に発足の経緯を完全に忘れ去っていたので、過去の資料を引っ張り出してみた。

きっかけは2000年12月末のフェンテ会員有志の忘年会だった。

ペントレの母体である【Pen Collectors of Japan】の発足趣意書に以下のように書かれている。

その後変更になった内容を反映しているのでオリジナルとは多少異なっている。


新年明けましておめでとうございます。

2000年12月26日(火)、世紀末の忘年会で日本初のペンコレクターズ・クラブが発足いたしました。 
発起人はフェンテの仲間17人です。
 
発足の主旨は、フェンテ会員から上がっていた『海外のようなペン・トレーディングの場が欲しい』という要望にお答えしようというものです。

自分の筆記具を他人とトレードしたり、現在では入手困難な国内外の筆記具を購入し
たり、はたまた筆記具メーカーの最新作や、お買い得商品をいち早く入手したりする場を・・・

『ペン・トレーディング』と定義いたします。

なにぶん、お金がからむため、身分を明確にする意味で『Pen Collectors of Japan
』を発足させ、皆さんに会員登録をしていただこうというものです。

交換・売買の市場(いちば)は年1〜2回ですが、インターネットを通じた情報の場も今後準備する予定です。(意気込みだけは)
 

回目のペントレは2001年の2月10日(土)〜12日(月)3日間にわたって開催された。初日には【何でも鑑定団】の取材も入り大混乱だった。

第1回の世界の万年筆祭りが開催されたのが1999年3月23日(火)〜28日(日)。そこには【協力 萬年筆くらぶ】と書かれている。

フェンテもブースを持ってカウンセリングや展示、ペンクリなどをやっていたのだが、2回目からは参加していない。

第1回目でやった、手作りイベントに近い催しに対する郷愁がつのってペントレの話題が出てきたのかも知れない。

インターネットを使った情報提供については、2005年7月26日当Blogを立ち上げるまでに5年以上必要だった・・・がとりあえず目標は達成した!

ペントレは回を重ねる毎に参加人数も増え、第7回からは会場を倍以上の広さにし、初日オープンと同時の全力疾走も風物詩となってきている。

また萬年筆研究会【WAGNER】発足にともない、【Pen Collectors of Japan】は会員情報を廃棄し、ペントレの主催組織としての名前を残しただけの存在となっている。
 

2009-03-28 02そして2009年ペントレは、趣味の文具箱 Vol.13の137頁にも書いてあるとおり、4月11日(土)、12日(日)の2日間にわたって開催される。

正式な案内は後日掲載するが、初日は10:00から、2日目は9:30からの開催となる。

前回は、オープン前に内覧会があったので、ターゲットを決めてダッシュ!ということが出来たが、今回は事故を避けるため、内覧会は無しとする。

従ってゆったりとした気分でお宝を探して欲しい。

出会いは運!運を気迫で引き寄せるもよし、グループで戦略を練るもよし、人脈を使って事前情報を聞き出すも良かろう。

ペンクリには常時4人の調整師を準備しておく。首都圏在住の萬年筆研究会【WAGNER】会員の調整依頼はご遠慮いただく。

その方々は萬年筆研究会【WAGNER】の定例会で調整依頼をしていただきたい。

首都圏以外の会員の方々の調整依頼は大歓迎!首都圏の定義は【東京、神奈川、千葉、埼玉】。

またペントレ会場での萬年筆研究会【WAGNER】入会は受け付けない。入会は定例会参加の際に受け付けるルールじゃ。

今回は、萬年筆以外のGoodsが非常に充実しそう。

プロの方々の参加も多い。革製品、木製品、紙製品、インク、ペンシル、ボールペンなどに加えて、久しぶりに、写真機関連の出品も予定されている。

もはや【闇鍋】と化した第九回【Pen Trading in 東京】をお楽しみに!
 
  
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2021年03月23日

2006年の総括 ペントレでの骨折! (アーカイブ 2006年12月)

友人からは、骨折はちゃんと治さないと、一生古傷として痛むぞぅ〜!と脅されたのだが、幸いにして今では痛みはほとんど感じることは無い。

ただ、寒い時には、少しだけ思い出すこともある程度かな?

松葉杖を使っていて気づいたのは、階段を上るのは楽だけど、階段を下りるのは非常に怖いこと。

下りのエスカレーターが無い駅では、毎回遠回りしてエレベーターを使った。

当時は体重が今よりは15kgほど重かったので、慣れるまでは腋が痛くて閉口した。デブが松葉杖ついていると痛々しいなぁと自虐したわ・・・

そして松葉杖を使ってシルバーシートに行くと、100%席に座らせてくれた。まだまだ日本は捨てたもんじゃ無いなと嬉しかった。



年も押し迫ってきたので、ここらで2006年を総括してみよう。なんと言っても今年は【骨折とペントレ】がテーマ。

例年はペントレの準備は前日休暇をとって全て一人でやるのだが、今年はWAGNERの友人2人が手伝ってくれた。ありがたいことじゃ。

【万年筆の達人】200冊が前日運び込まれたため、一人では手に負えなかったろう。

ちなみに拙者はセットアップ作業中、毎年机の上から落下していた。折りたたみ机の脚の開きが不十分で、上に乗るとバタンと片方が折れて、背中から机の上に落下するのじゃ。

第一回目から第五回目まで全て落下していた。学習効果の無い男じゃ・・・ _||

そこで今回は落下しないようにと、脚立を利用したのじゃが、これがアダになった。脚立は机よりも背が高い。しかもフックし忘れた。

一番上で作業中にいきなり脚立の脚が開いて落下した・・・友人2人がいなければ、会場で遭難していたかもしれない。

ちょっと足をくじいたかな?程度の痛さだったのだが、どうしても右足に体重を掛けられない。タクシーで病院に行ったら右足首関節内骨折とか。

【すぐ総合病院に行って手術した方が良いよ】という先生に入院期間を聞いたら3〜4週間。サラリーマンが急に一ヶ月近く休めるはずも無い。

手術はやめてギプスで直す事にした。それにペントレは拙者が主催者で、拙者以外は段取りをまったく知らぬ状態だった・・・のでな。

Blogに【骨折した】と書いたせいか、2日間合計で195人が参加した。(これまでの最高は3日間で171人)。

とにかく狭い会場で身動きがとれず、トイレも壊れたほど。松葉杖では動くこともままならず、買い逃した物多数!悔しい!

ここで誓ったのは【来年は照明に気を使わなくて良い明るい会場、しかも2倍以上のスペースを確保する事じゃ。松葉杖でも車椅子でも入れる会場にしたいと思った。

これも松葉杖生活をおくり、他人の思いやりが身にしみたからじゃ。

今回の骨折は拙者に慈しみの心を与えてくれた。そして永久の痛みも・・・   
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2021年03月22日

神はDetailに宿る! (アーカイブ 2007年1月)

今から14年前なので、現在の拙者とは意見が違うところもあるが概ね同じ。

Viscontiのエボナイト製ペン芯を絶賛し、その後の樹脂製ペン芯を酷評しているが、出来が良ければ樹脂製の方が機能は高いはず。

ただ、ペン先がうまく乗らないペン芯のなんと多いことか!その点、国産は優れてる。

でも色っぽいエボナイト製ペン芯には今でも憧れを持っている。個体差があり、なかなかペンポイントの位置がきまらなくてもな・・・




2007-01-27 01【 God is in the Details 】 という言葉は建築家のミース・ファン・デル・ローエが最初に言ったらしい。

仕事では【細かい事にとらわれすぎて、重要な事を見落としている!】と若いころから言われていたが、どっこい【神はDetailに宿る】じゃ。

細部をおろそかにした亡羊とした【事(こと)】はすぐに化けの皮が剥れてしまう! 

万年筆の世界では【相場】があるので、細部に徹底的にこだわる事は出来ない。しかしいくつかのメーカーには飛びぬけて良い部分がある。

【良い】というより【好き】と表現した方が適切じゃな。

敢えてメーカー名は記載しないが、すぐわかるものもあるし、困難なものもある。

ペン先のデザインについては上画像の【 pf 】マーク付きが好き!エラの張りかた、刻印の書体、模様・・・全てにおいて完璧な形状のペン先じゃ。

書き味調整の自由度が一番高いのも気に入っている。


2007-01-27 02ペン芯はエボナイト製が美しい。特に左の物はエボナイト製ペン芯史上最高の加工精度のものじゃ。

伝統的なロクロや単純な旋盤ではなく、高精度の金属加工をするプログラマブルな工作機械を使ったと思われる。

素人がコストを省みず趣味で作ったようなペン芯。しかし一流企業になった後のこのメーカーは世界最低?のプラペン芯を使うようになった。

従ってこのエボナイト製ペン芯は非常に貴重じゃ。


2007-01-27 03ペン先とペン芯を保持するソケットもエボナイト製が良い。通常時は非常に硬く、お湯に入れると膨張してペン先、ペン芯を抜けやすく出来るのが最高じゃ。

このソケットは1950年代のモデル用のもの。拙者が扱った中では最も美しい。美しいものがすばらしいとは限らないが、すばらしいものはすべからく美しい。


2007-01-27 04筆記時における軸のホールド感というものも重要。拙者は銀の感触、漆の感触が大好き。指に吸い付くような感じがする。しかし最も好きなのは彫りが施された軸。

そういう軸を見るとつい手が伸びてしまう。滑らないということでは純銀軸や漆塗りの方が上なのだが、見た感じというのも重要。

それと純銀や漆は手垢で曇ると薄汚い。その点、樹脂のチェイス軸というのは汚れが目立たない。汚れを気にしながらの筆記は楽しくないからな。


2007-01-27 05拙者は後ろに挿したキャップがグラグラするのが大嫌い。回転式キャップはどうしてもネジの部分が軸にあたってカタカタしやすい。

従って一番良いのは左図のように、キャップ先端が尻軸内部に差し込めるもの。こうすればキャップがカタカタいう事は無い。

現在ではシリンダー状の細軸でしか実現していないが、極太軸での実験をしてみたいものじゃな。


2007-01-27 06
吸入は、やはり回転吸入式に限る。ただし回転部分が外部に出ていると、思わぬ事故にあう事もある。

従ってブラインドキャップ方式が吸入方法として最高だと考えている。

尻軸を捻る回転吸入式は便利ではいいが、ブラインドキャップ方式と比べると下品じゃ。パンツ見せながら歩いているみたいで奥ゆかしさが無い・・・かな?

こういう神が宿った細部を見ていると非常な幸福感を感じてしまう。細部だけではなく、万年筆全体に宿るような神はいないものかな?
  
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2021年03月21日

【 Montblanc No.146 丸善120周年記念 】(アーカイブ 2006年1月)

今回のアーカイブでは、丸善120周年記念モデルの調整もさることながら・・・・

【万年筆は刃物】の10本の記事へのLinkが付いているので採用した。

時間があったらじっくりと吟味して下され。今見ると、正しいとは言えない事も書いてあるがな・・・

たとえば、Parker 75 や ソネットのペン先は外れない・・・と書かれていたりする。


2006-09-27 01今回の依頼品は【丸善120周年記念】じゃ。

この時にはMontblanc No.146-18K金ペン先モデル(今回の依頼品)、Pelikan M800-20C モデル、カスタム型Pilot製 14K モデルの3種類が発売された。

MontblancとPelikanについては、ペン先の金素材を一捻りしてあるのが丸善らしい。

依頼品は素通しインク窓だが、拙者が購入した2本のうち、1本は現行品と同じストライプのインク窓! 拙者は素通しのほうが好きじゃ。

今回の調整において頭に入れておく事は、依頼者が極端にペンを寝かせて書く癖があること。Montblanc 60年代の2桁番代モデルをそのまま使用するとペン芯が紙に触ってしまうほど。

依頼者は既に1950年代のNo.146を所持しているので、こちらは柔らかさよりもある程度ガッシリとした書き味が良かろう。


2006-09-27 02非常に珍しい限定品なのだが、不具合はいくつかある。まずは左の画像のようにペン先とペン芯の間に隙間がある。

この状態ではたまにインク切れを起こしてしまう。やはり先端は密着しておく必要がある。

つぎにピストンが異様に硬い。10往復もさせれば全身の筋肉が痙攣するほど。痩せていて非力そうな依頼者には酷な作業かもしれない。


2006-09-27 03調整前のペン先を上から見た画像じゃ。ペン先のスリットもちょうど良い具合になっており、完璧に見える。

ところが書いてみると、ややガリガリする。上の横画像で見るとイリジウムの研ぎはややペン先を立てて書くように調整されている。

それに対して依頼者はペンを極端に寝かせて筆記する。従ってイリジウムの腹の部分の一部が紙にガリガリとエッジを当てている。


2006-09-27 04こちらは裏から見た画像じゃ。ペン芯はエボナイト製で上下二段になっている。このペン芯のフィンはすぐに折れるので要注意! 

前からゴム板で挟んで引っぱるとフィンを折る確率が高い。ここは定石どおり、ピストン機構を外して後ろからペン芯とペン先を前にたたき出す方が安全じゃ。


2006-09-27 05ピストンが硬いのには驚いたが、なんとかしようとピストン機構のいたるところにグリースが塗られている。

が回転機構が硬いのではなく、胴軸の内壁に対してピストンの外形が太すぎるのじゃ。

簡単に直すにはピストンのシリコンラバー部分を交換すればよい。趣味の文具箱で紹介したように、No.149とNo.146の内径はまったく同一。

No.149用、No.146用のシリコンラバーをいくつか試し、納まりの良いのに交換した。これで驚くほどスムーズに動くようになった。


2006-09-27 06こちらはペン芯から取り外したばかりのペン先の表。最近のペン先と違って、コストカットの穴は空いていない。

音波洗浄を施しても首軸内部に入っていた部分にはインクがこびりついている。

これは金磨きクロスでゴシゴシやればすぐに落せる汚れじゃ。それにしてもずいぶん根元まで首軸の中へ入っているものじゃな。


2006-09-27 07こちらがペン先の裏側。エボ焼けがニブ裏側を覆っている。このままではインクフローが悪いので、金磨き布を使って綺麗に落す必要がある。

真ん中あたりを見るとペン芯があたる部分がいっそう濃く焼けている。エボナイト製ペン芯だから起こる状態。

見た目には年代を感じさせてくれて良いのじゃが、筆記には向かない。


2006-09-27 08左が完全に調整が終了したものじゃ。これだけではどこがどう変わったのかはわからないはず。一応は軸はピカピカに磨いたつもりなのだがな・・・


2006-09-27 09ペン先はやや前に出した。依頼者の筆圧が非常に低いこと、相当寝かせて筆記することから考えて・・・

ペン先を前に出し、ペン芯は逆に奥に引っ込めるような感じで位置決めをした。上から3番目の画像と比較すれば位置関係がわかるじゃろう。

このMのペン先はNo.146に搭載されたペン先の中では最も出来が良いと思う。調整の幅が大きいので楽しい!


2006-09-27 10 完成品を横から見た画像。筆記角度にあわせてかなり削っている。また、ペン芯を下げて筆記時にペン芯を擦らないように位置調整を施した。

一見ほんのわずかな調整に見えるが書き味の激変ぶりに歓喜の声が上がるじゃろう。

ペン先の先端を絞ってインクフローが悪くなる調整に見える。ところが以前にも増してインクは流れ出る。引っ掛りも解消。

この時代のMontblanc No.146らしい書き味の余韻は残しつつも異次元の体験をさせてくれる。

拙者は1950年代から現在までのあらゆるNo.146を筆記してきたが、平均すればこの時代のNo.146のニブが最も好きじゃ。その中でも飛び切りの一本になった・・・・かもしれない。


これまで万年筆は刃物

万年筆は刃物! その1 【研ぐとは?】
万年筆は刃物! その2 【心構え】
万年筆は刃物! その3 【準備する工具類】
万年筆は刃物! その4 【インクフローの調整】
万年筆は刃物! その5 【書出し掠れの調整】
万年筆は刃物! その6 【引っ掛りの調整】
万年筆は刃物! その7 【ガタツキ、ズレの調整】
万年筆は刃物! その8 【書き味硬め調整の極意】
万年筆は刃物! その9 【書き味柔らかめの調整】
万年筆は刃物! その10 【ペン先曲がりの調整】 
  
Posted by pelikan_1931 at 23:30Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2021年3月21日(日) は萬年筆研究会【WAGNER】 東北地区大会@仙台 *** 将来日付でのご案内 ***

宮城県に急遽緊急事態宣言が出されましたので、仙台での萬年筆研究会【WAGNER】の開催は中止します。

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日時:
321日(  10:3016:30 開場10:30  ペンクリ会員限定( 開催日当日会員登録された方も調整を受けられます )

場所:仙台市戦災復興記念館 4F 第4会議室  住所:仙台市青葉区大町二丁目12番1号 


2021年の予定  ここ を押して! 名札をお持ちの方はお忘れなく!  
 

入会申込書 V3


新規入会希望の方は左記の記入用紙会員番号以外を書き入れて持参して頂くと、受付時間が短くなります。

会場へ入るには、萬年筆研究会【WAGNER】への
会員登録が必須条件となりますが退会も再入会も自由です。

入会資格は〔万年筆が好き!〕ということだけで、年齢制限も入会審査もありません。


記入例は
 ここ にあります!  携帯メールアドレスを記入される方はPCからのメール拒否を外して下さいね。 
  
18未満の方は参加費無料です。友人を誘って・・・勇気を持って覗いてみてね!


この会場は窓を開けての空気の入れ換えが出来ます。室内でも厚着していて下さいね!

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2021年03月20日

【 Parker ソネット・ラック ファイアーダンス 18K-XF 生贄 】(アーカイブ 2012年1月)

実は本日、万年筆談話室でソネットの調整をした。その個体には細工がしてあって、空気があまり漏れないのだとか。

そのせいか、ペン先の乾きもほとんど気にならないとおっしゃっていた。外側から見てもどのように細工したのかまったくわからなかった。

そのソネットは万年筆好きの親戚の方の遺品?の一部で、たくさん譲っていただいた物の中の一本だとか。

本日は10Kペン先付きのParker 45も調整したのだが、まだまだ一杯あるそうなので、次は何が出てくるのか楽しみにしている。



1本日紹介するのは、生贄としてお預かりしたParker Sonnet。ペン先の柔らかさには誰でもが驚かされるが、それ以上に驚くのがペン先の乾きやすさ。

はっきり言って萬年筆としては使えない代物。

キャップを締めても外気が自由に出入りできるという画期的(?)な機構により、書き出しの色が異様に濃くなってしまう。

また書き出せないことも多い。さらにはカートリッジのインクの減りが異常に早い・・・など

とはいえペン先の柔らかさの魅力には抗えないので、空気穴を全て埋めてしまうという荒技を施して使っていた。

ペンケースに寝かせておく分には乾きはそれほどでもないが、キャップを上にして立てておくと書き出しでペンを折りたい衝動に駆られることも多かった。

現行のソネットはどうなんだろう?キャップを口にくわえて空気を吹き込むと、シューという音を立てて勢いよく天冠の隙間から空気が出て行けば改善はされていない。


23こちらがペン先の拡大画像。ペン先の金が薄いのでメチャクチャ柔らかい筆記感がある。

店頭で試し書きした人は、もし萬年筆好きの店員さんに理由を説明した上で奨められたら高い確率で堕ちてしまうだろう。

この柔らかさを出すために製造工程を工夫したのか、コスト削減するために徹底的に工程を簡素化し、材料の金の量を減らしたらこうなったのかはわからない。

全盛期のParkerなら当然前者なのだが・・・・

美しさに惹かれ、書き味で堕ち、乾燥に辟易・・・を繰り返しながら、買ったり手放したりを繰り返している。

離婚7回のうち6回が同じ相手という藤圭子みたい(ちなみに高校生の時には守る会のメンバー)な存在かな?


45通常、ペン先はハート穴あたりからペンポイントの根元あたりまで徐々に肉厚になっていくものだが、ソネットの場合は付け根以外はほぼ均等な厚さ。

また穂先が相対的にかなり長いので、ペンポイント近くまで柔らかいのが特徴。

柔らかいペン先といえば、ハート穴に近づくほど肉薄なので、シトロエンのサスペンションのように柔らかい。

ふわんふわんという感じ。ところはハート穴付近はそれほど肉薄でもないが、先端部が薄く斜面も鋭角のソネットの場合、先端部から3个曚匹ペコペコと柔らかい独特の筆記感。

スイートスポットさえ作り込めば、この感触に溺れてしまうこと請け合い!


6このソネットの弱点は首軸先端部の金属がすぐにボロボロになること。

インクに浸る事が多い首軸先端部に金属を使うなんて設計ミスでは・・・と思うのだが、外国製萬年筆では一般的。

Pelikanですら金属製・・・傷つきやすく腐蝕しやすい。使用頻度の判断は首軸先端部の劣化具合を見れば良い。

未使用品と書かれているM800の首軸先端部が劣化している例もオークションではよく見かける。


7こちらがペン芯から外したペン先。ソネットの設計が優れているのは、このようにペン先をすぐにペン芯から外せること。

弾力のあるペン先がペン芯に食い込んでいるだけなので、そこにピンを入れて外側にはじけばプリンと外れてくれる。

まるで薄いステンレス製バネのような弾力を持った18金ペン先。この弾力も独特の柔らかいペン先に寄与しているはずだ。

18金ペン先でこれほどびよんびよんと弾力のあるペン先にはめったにお目にかかれない。

好きにしてええよ・・・ということであろうと理解して、インクフローを改善すべく、このペン先に隙間ゲージを突っ込んでスリットを拡げ、スイートスポットを作り込んでいった。


8910スリットを拡げ、円盤研ぎだったXFのペンポイントの腹を落としスイートスポットを研ぎ込んだ。

これによって筆圧をかけなくともインクがスラスラと出てくるし、紙当たりのゴリゴリした感触も改善された。

もちろんXFのペン先であるので、ぬらぬらにはならない。

過去に何度も述べてきたようにぬらぬら感は、ペンポイントの接紙面積の関数であるから、3BとXFでは、ぬらぬら感のベースは10倍以上違う。

ただし柔らかいペン先に、インクがふんだんに供給される状態を作り、低い筆圧で紙をなぞるようにゆっくりと書くとすれば・・・

その場合の気持ちよさは、けっして3Bのぬらぬらにひけはとらないはずだ。


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1記事執筆1.5h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
  
  
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2021年03月19日

3月21日(日)に開催予定だった萬年筆研究会【WAGNER】東北地区大会@仙台は中止です!

仙台市のHPに緊急事態宣言の概要 が記されています。

3月18日〜4月11日までの25日間の緊急事態宣言が出たということです。

冒頭には・・・

2月の時短要請解除以降、市内では新規感染者数が急増し、リバウンドとも呼べる非常に厳しい状況が続いています。

これ以上、感染を拡大させないために、宮城県と仙台市では独自の緊急事態宣言を発出しました。


とありあす。

仙台は医療が非常に充実している都市なので、重篤者用の病床数の逼迫などは考えにくいのだがなぁ・・・

いずれにせよ、緊急事態宣言の内容を読む限りは、不要不急の外出を伴うイベントは開催出来ないと判断し、中止としました。

でも、本年中に一回は仙台での開催を目論んでいます。お楽しみに!

会場はキャンセル(コロナ関係は解約料無料)し、新幹線のチケットも往復で640円支払って解約しました・・・残念!
  
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2021年03月18日

【 Montblanc ソリテール・ステンレススチール 18K-M 】 (アーカイブ 2009年1月)

この調整報告では、新品万年筆をストレス無くかける状態にして欲しいというもの。何度もある機会ではない。

調整を始めて36年、人の万年筆の調整を始めて31年になるが、こういう要望は5回となかった。かなり珍しいケースじゃ。

筆記角度可変&不安定+書き出し筆圧超低いという調整師なかせの個体だったが、軸が重いのでそれを利用させてもらったと記憶している。



2009-01-28 01今回の依頼品はMontblanc ソリテール・ステンレススチール兇箸いΔ發痢A悩爐涼傭覆呂箸發く、加工は純銀よりもはるかに難しいであろう。

ステンレスに彫刻して高級感を出す・・・という発想は、萬年筆愛好家には無い。

すなわち萬年筆愛好家をターゲットにした萬年筆ではなく、派手で凛々しい筆記具をアクセサリーとして求める層に当てたものじゃ。

たしかに眺めていると実に美しい。ただ筆記するとなると問題も出てくる。胴軸がツルツルなのでキャップが後にきちんと挿せない。書いていると緩んできて気持ち悪い。

これはキャップを後に挿す前提では設計されていない。しかしかなり重い胴体なのでキャップを後に挿さなくても十分に気持ちよく書ける。


2009-01-28 022009-01-28 03今回は一度もインクを入れていない萬年筆の慣らしを依頼された。

伊太利亜には靴を購入すると、一時間ほどそれを履いて歩いて、慣らしてくれる商売があると40年ほど前にTVで見た。

今回の調整依頼はそれに似ているかも・・・。ただし、使って慣らすのではなく、削って慣らすのが違う点。

拡大図で見ると調整前からスリットは開いている。これが最近Montblancの書き味が上がったとされる理由じゃな。インクフローはなかなかのもの。


2009-01-28 042009-01-28 05ただし、スイートスポットは当然無いので、インクは出るのだが、なんとなく下品な書き味になっている。

これが10万円以上の萬年筆の書き味かいな・・・!という気持ちにはなるであろう。

こういう場合の微調整は簡単。スリットをもう少し開いてスイートスポットを作り込めばよい。

それで当たりはずいぶんと改善される。最近はBの調整、Mの調整、Fの調整とでは調整方針そのものを変えている。

Mの調整では出来るだけ文字の左右の太さを揃えるように調整する。Fであればスタブに近い調整になる。



2009-01-28 072009-01-28 06今回の依頼者は筆記時にかなりペン先が右側に倒れる。いわば右傾斜気味で筆記する。

また便箋の上の位置を書く場合と下の位置を書く場合に筆記角度が変化する。

下の方を書く場合には筆記角度が60°を超えそうになるが、上の方を書いているときには45〜50°程度。

しかもまだまだ筆記角度は安定していないので、今後変化していく予感もある。

さらには書き出しの筆圧が極めて低い。実は書き出しでインクが出ないことが嫌いな人は、書き出しの筆圧を上げる方が良いのだが、本能的に筆圧が下がってしまう。

つまりはさらに書き出しで掠れる確率が上がってしまう。(拙者をはじめ何人もそういう人がいる。わかっていても筆圧が下がってしまう)

こういう場合は、多少粗めの耐水ペーパー(拙者は2500番)で、ペンポイント表面をさらりと軽く撫でると良い。

先端部に細かな傷がついて、その溝にインクが付着したままになるので、書き出し掠れの確率はぐっと減る。

通常筆記時の筆圧も低い人にはお勧めの処方じゃ。お試しあれ。

ただしペンポイントに付けた傷(溝)が摩耗してくるとまた掠れ始めるので、再度撫でる必要がある。日常的にメンテしながら使うのが萬年筆じゃ。


今回執筆時間:2時間 】 画像準備1h 修理調整0.5h 記事執筆0.5h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
   
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