2012年02月04日
2月4日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 裏定例会 in 大宮 *** 将来日付でのご案内 ***
場所:大宮ソニックシティビル 8階 805会議室 住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5 電話:048-647-4111
2012/13年の予定 → ココを押して! 名札をお持ちの方はお忘れ無く!
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2012年01月28日
故事ことわざ辞典 その81
拙者は四文字熟語や故事・ことわざが大好き!
そこに書かれている本来の意味を曲解すると爆笑ネタになる事も多い。
まずは、故事・ことわざを青字、それの正しい意味を赤字で示す。
それに対する拙者の曲解を下に黒字で書いておく。
これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。
1:手ぐすね引く;
準備万端整えて待ち構える。【くすね】は、弓の弦を丈夫にするために塗る、松脂を油で煮て練り混ぜたもの。そのくすねを手にとり、弦に塗って準備するという意味から。
→ 萬年筆研究会【WAGNER】のミニ・ペントレ
→ 手ぐすね引いて獲物を待つ・・・売り主:(バイニンの方がニュアンスが出た表現)
→ 【くすね】を木製萬年筆に塗ってみたらどうかなと思った人いませんか?
→ あなたは研究熱心なので調整師に向いています。手ほどきしましょう!
2:手巧より目巧(てこうよりめこう);
手先の熟練も大切だが、それよりも物を見る目を養う事の方が大事だというたとえ。
The eyes of master will do more work than both his hands. (職人の目はその両手より多くの働きをする)
→ 調整師になるには、良い調整をたくさん見よということ。
→ 自分でいくら練習しても調整は上手にならない。うまい人の調整結果をじっくり見よ!ということ。
→ フルハルター、金ペン堂、メーカー調整師が調整した萬年筆を何本凝視し、真似して失敗したかが大事!
→ そして何より大事なのは、相手の書き癖を一瞬で真似出来る事。これが出来ないと調整師は無理!
→ 調整師は(自分の技や道具ではなく)相手の気持ちに敏感であれ!
3:鉄心石腸(てっしんせきちょう);
どんな誘惑にも負けない、極めて堅い意志のたとえ。鉄や石のように堅い心の意から。
→ クマサンのことか?
→ たで食うムシムシ会のことか?
→ ヤッターマンのことか?
→ ボクも入れてぇ〜! Bromfield
→ みなさん落第ですね。 takechanfavor
→ あなたも同類です! 師匠
4:怒髪、冠を衝く(どはつ、かんむりをつく);
ものすごい剣幕で怒るようす。怒りのために逆立った髪の毛が、冠を衝き上げる意から。
→ 【しばくでぇ〜】 髪型からして逆立っている・・・親方
→ 小汚い萬年筆にだけ毛が立つ・・・広島半
→ プリント天冠に怒って投書してから10年が経過して金属に戻った・・・ことを言う(あるPelikan溺愛家)
【来週の四字熟語】
愚者一得(ぐしゃのいっとく) 愚かな者でも、多く考えているうちには、一度くらいは明暗を出すことがある、ということ。
智者も千慮に必ず一失あり、愚者も千慮に必ず一得あり と、まず謙遜してから自分の考えを述べる。
→ 思いつきを議論するのもペンクリの醍醐味!
→ ぜひおもしろいアイデアを!1000に3つぐらいはおもしろいものがあるかも?
削足適履(さくそくてきり) 本末を誤ることのたとえ。
足を削りて履(くつ)に適せしむ と読む。本来は足に合わせて靴を選ぶべきなのに、靴に合わせて足を削ること。
→ 萬年筆に合わせて持ち方を変える
→ 手に合わせてペンポイントを調整する
→ なんとなく後者が削足適履に思えてきた・・・
吠影吠声(はいえいはいせい) 一人がいい加減なことを言うと、多くの人々がそれを事実として伝えてしまうたとえ。
一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ の略。一匹の犬が影を見て吠えると、百匹の犬がその声に反応して吠えたてる意。
→ Blogでいい加減な事を言うと、オークションの相場が影響を受ける?気をつけよう・・・
→ 過去のいい加減な発言とは・・・
★Pelikan M800の14Cは柔らかい
★Pelikan M800では、EFとFはEN刻印が良い。B,BB,3BはPF刻印がよい。Mは現行品(2羽子ペリカン)が良い
★山本リンダ風に・・・Blogを信じちゃいけないよ〜ぅ
→ 科学の裏付け(数値)がない事項は信じるに足らない事が多い。でもそれを楽しめるようになったら良いねぇ〜【最後の1本】
1月28日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 関西地区大会@元町 *** 将来日付でのご案内 ***
場所:兵庫県民会館 7階 鶴 住所:兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3
2012/13年の予定 → ココを押して! 名札をお持ちの方はお忘れ無く!
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2012年01月27日
一時期のSheafferのようなPelikan M800のペン先!
40日間におよぶ旅をして独逸から日本にやってきたPelikan M900 トレドに同行してきた、何の変哲も無い新品のM800に付いていたペン先がこちら。
今までに3BとEFではコストカット穴を発見していたが、当然のことながらFにもコストカット穴が空いていた。この穴がクリクリっとした眼に見えて、カワイイと思うなら、貴方はヘンタイに近づいている。拙者みたいに・・・・
穴が空くことによってペン先とペン芯との摩擦抵抗が少なくなって、ペン先の横滑りが増えるのではないかと心配していたが、穴の内径部分がペン芯にひっかかって、かえって滑りにくくなっているように思われる。けっして意図した設計ではないのだろうが。
ところが、この個体には問題がある。往年のSheafferのように、切り割りがズレている。ハート穴の真ん中に切り割りがきていない。
ペン先の刻印の頂点を切り割りが通っておらず、(左画像では)やや下にズレている。
各社のペン先製造工程の画像を見た経験では、ペン先に刻印を打つ、曲げる、ペンポイントを溶着する、切り割りを入れる・・・というような順序になっていたと思う(うろ覚えだが)。間違ってたら教えてね。
ということは切り割りを入れる際にペン先を固定する位置がズレているか、ペンポイントを溶着するときに、熱でペン先のカーブが曲がってしまい、位置固定がズレたかだろう。
切り割りだけではなく、ペンポイントの形状も歪んでいる。左画像の下の方がこぶのように腫れている。
この腫れが原因で切り割りを最初に入れる位置がズレたのではないか?真円のペンポイントだったら、即ち、腫れがなかったら、もっと切り割り位置は画像の上に入ったのではないか?
すなわちPelikanでは切り割りの位置を、ペンポイントの中央を目指して入れているということ?これはある意味、正しいといえる。コテコテのマニア以外はペン先をルーペで見たりしないので、切り割りが中央にあるかどうかなど気にしない。書き味が良ければそれで満足する。
実際、このペンポイントの書き味は未調整でも驚くほど良い。つまりはPelikanとしては出荷基準を満たしたペンポイントと判断したのであろう。
ところが拙者には辛い!ペンポイントの形状異常や、スリットから両端までの長さの差は研磨によって解消できる。ところがスリットがハート穴の中央に入ってないこと、刻印とズレているのはなんとも気持ち悪い。
ほんの少しのズレなら我慢できるのだが、ここまで大きいと・・・悲しい。売り主とペン先だけ交換してもらえないか交渉してみることにする。これがあるから海外通販は(調整しない人には)難しいのじゃ。ペン先選定を運にまかせないといけないから・・・
2012年01月26日
筆記具関連四方山話 【 船便か! 】
http://tracking.post.japanpost.jp/service/numberSearch.do?searchKind=S004
上記で、国際郵便物のトレースは出来るのだが、12月16日にフランクフルトを出てからずっとStatusが変わらなかった。
10年以上の付き合いのある売り主と、どうするかねぇ・・・と頭を悩ませながらメールのやりとりをしていたら、昨日StatusがUpdateされた!
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2012年01月25日
水曜日の調整報告 【 Pelikan シグナム 14C-F 無理難題・・・ 】
おそらくは調整講座に初登場のシグナム。これはPelikanの中でも異端児で、日本での評判は実に悪い?ずっと以前、まだ拙者が萬年筆に詳しくなかったころ、フェンテの集まりで諸先輩が、【シグナム?ああ、あれは最低のPelikanですよね・・・】と良いながらお互いにニヒルな笑いを浮かべていた。
その後、何本かは入手して使ったことはあるはずなのだが、まったく印象に残っていないのは、その方々の嘲笑があったからかもしれない。
今回の生贄は外装が金属でツルツルにメッキがされている。従って首軸以外を持つと滑ってまともな筆記が出来ない。ところが首軸部分を持ち、キャップを挿さないで筆記すれば結構イケル!![]()
依頼人からは【首軸先端部の鍍金の剥がれがなんとかならないか】という問いかけがあったが、これは無理難題。先端部に金属があり、かつ、そこでキャップを止める方式で、かつ、コンバーターも使うとなれば、首軸先端部はある意味ペンポイントの次に酷使される部分。そこに金属とか鍍金とかを使う方がおかしい。Pelikan製インクはともかく、強酸性のインクなどに触れる確率が高い部分の金属はまずいよなぁ・・・従って、再鍍金は意味なし!ということで却下。
それより書き味もダメダメなので、そちらを直しておこう。スリットは多少開いており問題はない。スリットをこじ開けた痕跡がスリットに残っている。これによってペン先の鍍金の一部が剥がれている。スリット部分に鍍金が施されているペン先はペン芯と分離してからスリットを拡げないとこういう事態になる。![]()
こちらは横顔。ペンポイントの研磨が甘い。露骨に斜面が出来ているため、寝かせる角度が変化すると紙に引っ掛かる確率が高い。
またペン芯先端部だけがペン先と接している。すなわち歪んで反ったペン芯がペン先を変な形状に押し上げている。これが書き味が悪く、紙に引っ掛かるもう一つの原因。
ペン芯に乗せた状態を前から見るとこのようになっている。段差云々ではなく、向かって右側のペン先だけがペン芯によって押し上げられており、段差と同時に背開きになっている。
ペン芯を外してペン先だけを眺めればまったく段差の無い綺麗な状態なのじゃ。こういう場合はペン芯を削る方が理にかなっている。ペンポイントを正面から眺めていたら、どこかで見たことがある形状であるのに気付いた。しばらく考えて・・・
アッ!これはS.T. デュポンのクラシックと同じだ・・・・と。たしかにデュポンのクラシックシリーズはPelikanがOEMで作っていると言われていたし、拙者も過去のBlogで紹介していた・・・はず。ペン芯の形状やペン先の形状からそう判断していたのだが、ペンポイントの形状から似てると思ったのは初めて。小さな喜びであった。
こちらがシグナムのペン芯。上から見るとスリットは1本。ハート穴が無い設計なので、空気はペン芯下の大きな穴から吸入するのだと思われる。(インクは空気穴を通してコンバーターで吸い上げると、以前の勉強会で聞いた)
そこで吸われた空気が、内部からペン芯上部へ回って、最後は左端の管の太い溝からコンバーターやカートリッジに入り、代わりにインクが細い溝を通ってペン芯側に供給される・・・かなり流体力学を研究しないとボタ落ちや呼吸困難が発生しそう。しかも地球規模の気候全てに対応するのはスパコンがないと計算できそうもない。ということで、海外産萬年筆が日本の四季の変化に対応できなくてもうるさく言わないようにな!
ペン芯がこのままでは背開きは永遠に直らない、そこでペン芯を炙ったり削ったりとかなり時間をかけて調整した。ペン芯の調整時間としては今までで一番時間がかかったのではないかな?通常、ペン芯は熱で柔らかくなるのだが、このペン芯は熱をかけてもほとんど柔らかくならない。熱処理をあきらめて研磨に方針を変えたのが時間がかかった原因!
こちらがスリットの寄りを弱め、先端部を少し揃えたペン先。ペン先の根元のロゴが最近のDemonstratorの鉄ペンのものに似ているような気がするが・・・気のせいかな?585 14C という極めて整った刻印と、【F】の雑な刻印の差が気になるなぁ。
ペンポイント先端部はやや角研ぎ風になっているが、この後、ペン芯に乗せて首軸に押し込んでから最後の追い込みで形状はかなり変化する。
これが最終的横顔。黒い首軸部分を握って書いたときに最も気持ちよいように調整した。
それで気付いたのだが、持つ位置を規定すれば研ぎはすごく楽!ペリカーノが書き味が良いのは握る位置を固定した状態を想定して自動研磨しているからであろう。
非常に見た目も美しく、書き味も整っていてすばらしいのだが、この書き味は飽きが来るのも早そう。ちょうどParker 51のMニブに似ている。
最初に使ったときには、そのニュルニュル感に驚愕する。ところが書いているうちにその安定した書き味に飽きてくる。実用で萬年筆を使う人にとっては最高なのだが、書き味の変化を楽しむ人は飽きてしまうだろう。
安定的に良い書き味よりも、日ごとの書き味の変化に対する不安とそれが解消されたときの喜び(=不安定な書き味)の方が萬年筆愛好家を楽しませてくれるような気がする。少なくとも、新しい萬年筆によろめかせるのには不安定な書き味の萬年筆を持つほうが良いと思う。堕ちなはれ〜!
【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1h 修理調整2h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
2012年01月24日
火曜日のアンケート調査 【 使う頻度の多いペン先は? 】
http://pelikan.livedoor.biz/archives/51489672.html
http://pelikan.livedoor.biz/archives/51916483.html
以上のように、ペン先の好みについては何度か質問をしているのだが、変化も激しいので、定点観測じゃ。
貴方が常時インクを入れて愛用している萬年筆のペン先の太さの分布を教えて下さい?
細字系(UEF,EF,XF,F,SEF,SFなど)、中字系(MF,FM,M,SMなど)、太字系(B,BB,3B,Zoom,SB,Lなど)
オブリーク系(OF,OM,OB,OBB,O3B,LO)、特殊系(Stub,Music,キングイーグルなど)
エンペラー自体は特殊には入りません。ベースの太さでお答え下さい。
それでは Go!
拙者の場合は・・・
細字系 14% 1本 PelikanのM→EFに研ぎ出した物
太字系 86% 6本 Pelikan:2、Pilot:1、Senator:3
やはり圧倒的に太字系が多い。実際に使う場面でもノートにはB、手帳にはEFと使い分けてはいるが、いかんせん使う機会が非常に少ない。
それに使っている物ほど、お嫁に行く確率が高い。なんせ追い込んだ調整をしているので書き味も良いのでな・・・
2012年01月23日
月曜日の調整報告 【 Columbus 25 14C-F 抵抗感減少 】
今回の依頼品はColumbus 25。このメーカーの萬年筆は過去に1本しか所有した記憶がない。キャップリングがOmasに似ていたので衝動買いした記憶がうっすらと残っている。
Omasに似ていることからも類推されるが、伊太利亜製の萬年筆。構造は米国の真似だし、クリップなんて非常にチープ。ところが全体としてのパッケージはすばらしい。工業製品を芸術作品の品質(良くも悪しくも)で作るのがItalian Magicなのであろう。![]()
めちゃくちゃ柔らかいペン先だなぁ・・・と思ってよく見たら、ハート穴の所からクラックが入っている。このクラックが柔らかさを増長させてくれている。筆圧が低い人にとっては非常にありがたい?クラックじゃ!
クラックが入るということは、素材となる合金に不適切な混じり物があるか、運が悪いか、高筆圧で書きすぎたか・・・など種々の原因が考えられるが、今回は高筆圧のせいだろう。拙者のところへ来る前に、ペン先とペン芯の隙間を狭める修理は行っていたらしい。伊太利亜から入手した段階で高筆圧によるクラックが入っていたのだろう。それでペン先とペン芯との間に隙間が出来ていたと考えるのが自然じゃ。
柔らかいペン先なのに寄りが非常に強い。しかも先端部のペンポイントの形状がヘン!書き味向上を狙って丸めているうちに収拾が付かなくなったような形状をしている。接紙面積が狭いため、丸めてはあるのに、紙当たりの感触が悪いのじゃ。![]()
ペン先とペン芯との間の隙間は見事に無くなっている。こういう二重に波打ったペン先をペン芯にしっかりと沿わせるのは至難の業だが、破綻無く寄り添っている。おそらくは前の修理人はかなり苦労したのではないかな・・・
依頼者は、【細字で綺麗な字が書けるけれども、カリカリする感じがする】ということだった。この当時のペンポイントは粒子が粗いので、ツルツルに磨き上げることは出来ない。磨いても磨いても月の表面のクレーター状になる。ただし、段差を揃えてスリットを開けば、インクフローが向上し、ザラザラ感は消し飛んでしまう。
せっかくクラックがあって書き味が柔らかいので、それとスリット調整を合体させ、ヘロヘロに柔らかい書き味になるような調整を施してみよう。
吸入機構はボタンフィラーで、首軸は胴軸にねじ込む方式。この場合、I-Barはボタンを後ろから引き抜いた穴から差し込む。先にI-Barを差し込んでおくと、首軸を捻る段階でサックとI-Barがからまってサックが首軸から抜けて大惨事となる。
ボタンフィラーは首軸がネジ込み式か、押し込み式かを確認してから作業する必要がある。たまにボタンが後ろ側から外れないボタンフィラーもある。こういう場合は首軸は押し込み式になっているか、やたらに細いサックを使う設計になっているはず。いずれも絡まり事故撲滅のためじゃ。
こちらが清掃後のペン先。ここまで磨くのに非常に苦労した。ペン先の左右のスリットが違う形状にクネっているので、金磨き布の上に押しつけて擦っても、一部だけは傷が消えない。そこでわざとスリットに段差をつけてから片側だけを磨く作業を交互にやって傷を完全に消した。
ルーペでペン先の傷を逐一チェックするような人以外には無意味な作業なのだが、拙者は気になったので磨いておいた。どうやら難儀な性格の持ち主らしい、拙者は・・・![]()
調整前はあまりにペン先が首軸から前に出すぎていて、ペン先とペン芯の安定感がなかったので、強化のため、ペン先とペン芯をもう少しだけ首軸に押し込んだ。これで安定度はグっと上がった。
あれほど寄っていたペンポイントだが、何度も横に引っぱったあげく、やっとここまでスリットを拡げることが出来た。これで書き出しの筆圧が低くてもインク掠れが発生する確率は落ちる。そして先端部のペンポイントが調整前の醜い形状(3枚目画像)からちゃんと揃ったのがわかるかな?これが調整の基本じゃよ!まずは形を整えること。
まるで液状化したかのように曲がったペン先をの左右を揃えるのは、クラックの入ったペン先ではリスクが高い。ツボ押し棒で擦ったり突いたりしたら、真っ二つに裂ける危険がある。出来るだけ段差が目立たず、ペンポイント部で辻褄が合うような調整とした。
インクを入れて書いてみると、えもいわれぬ柔らかさを体験できる。そもそもの素質に加え、ハート穴から伸びるクラックが柔らかさを強調している。
Vintageのペン先では、クラックもまた重要なスパイスなのかもしれない・・・
【 今回執筆時間:5時間 】 画像準備1.5h 修理調整2.5h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
2012年01月22日
aurora_88さんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第12回中部地区三島大会報告〕
http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51856231.html
静岡県で開催される萬年筆研究会【WAGNER】のテーマは【半流】。単なる【半流】なら神戸や広島でも味わえるが、静岡は紙様の地元。
ヘンなもんの歴史までもが勉強できるのが【半の聖地】である静岡大会。
そういえばみずうみのあくま氏の萬年筆研究会【WAGNER】デビューも静岡大会だったなぁ・・・(大井川を越えていたけど)
朝は駅弁、昼はラーメン、二次会は焼きそば、三次会は海の幸と銘酒を楽しんだ!今年中にもう1回開催したいものじゃ!
奥様と【下男たこ吉】の素敵な日々 ★ メリケンサック ★
【かしこまりました。え〜と、元町駅から1kmくらい離れてますね。新神戸駅からだとタクシーで13分くらいです。ちなみに年間6回WAGNERを開催している兵庫県民会館からも歩いて30分以内です】
【アタシはヘンタイとやらが集う怪しい集まりには興味ありません】
【淡谷のり子が、メ〜リケンはとぅばのぅ〜と歌ったのは神戸だったんですね】
【田舎者め!それは横浜メリケン波止場です!それにそんな狂ったような音程で歌わないで!具合悪くなります。そうだ、トラベルミンを入れるのを忘れたわ】
【なんでメリケンで呼ぶんでしょうね?・・・あ〜!わかった!Americanが訛ったんですよ。それに間違いありません】
【違います。小麦粉からです】
【こ、小麦粉ですか?】
【そう、言い換えればメリケン粉。それを荷下ろししていた波止場という由来で間違いありません】
【奥様は、どうしてそんなに断定的にお話しされるんですか?じゃ、Googleで調べて見ますね】
【やっぱり、Americanが訛ってメリケンになったんでしたよ】
【じゃぁ、メリケン粉も調べて見なさい。Americanが訛ったとなっているはずです】
【たしかに、メリケン粉もアメリカから渡来した粉が訛ってメリケン粉になったと書いてあります】
【単にアメリカが訛ったのなら、アメリカ製のBVDのパンツはメリケンパンツというはずですが、そうは言いません。訛ったのなら波止場にだけメリケンと付くのはおかしいです。やはりメリケン粉を荷揚げしていた港だからと考えるアタシの説の方が説得力があります】
【奥様、Low & Order の見すぎじゃありませんか?こじつけが過ぎます・・・】
【あなたのお母様も言ってたでしょう!なんちゃらかんちゃらメリケン粉ってね】
【違います。あれは、”あらまかソーダか石けん粉”です。メリケン粉じゃありません。屁理屈をこねているとその言葉で強制的に会話を終了させられました】
【それって前か後にフレーズは無いの?なんか単発でゴロが悪いわね】
【なるほど調べて見ましょう・・・・わかりました!そのあとにでべそに膏薬はったろかときますね】 参照: http://www8.ocn.ne.jp/~mokugyo/saijiki5/dai4/dai4.html ここの、出へその項参照。
【あまりおもしろくないわ!それよりコワルなんとかが使っていたメリケンサックが欲しいわ】
【奥様、それはクラッシャー・リソワスキーです。ディック・ザ・ブルーザーとコンビを組んでいた】
【ソレソレ!母が好きだったわ。母はそのリソワなんとかが、タイツからメリケンサックを取り出して角刈りの男の額をシュッと擦るのを見て興奮してました】
【それならやられていたのは、吉村道明ですね。火の玉小僧とか呼ばれて、しょっちゅう血だるまになってました。器用なのでアマチュアレスリング出身かと思っていたら、相撲の学生横綱でした。大相撲を経験せず、卒業と同時にプロレス入りした変わり種です。それで・・・】
【うるさいわね、いつまでしゃべっているの! あらまかソーダか石鹸粉! 自称たこ吉くん!さっさとメリケンサックを注文しなさい!】
一瞬で凍り付いてしまったたこ吉であった・・・
2012年01月21日
故事ことわざ辞典 その80
拙者は四文字熟語や故事・ことわざが大好き!
そこに書かれている本来の意味を曲解すると爆笑ネタになる事も多い。
まずは、故事・ことわざを青字、それの正しい意味を赤字で示す。
それに対する拙者の曲解を下に黒字で書いておく。
これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。
1:備わらんことを一人に求むるなかれ(そなわらんことをいちにんにもとむるなかれ);
人格、才能、知識などを全て兼ね備えている人間などいるはずがない。一人の人間に完全無欠を要求するのは無理な注文だということ。
→ 商売上手だが無口なあくまはいない
→ 最近助さんに対して何かと上から目線の格さん
むかしはごっつうええやつやったんやでぇ・・・by 助さん
→ こわいもんなしやが辛いもんは苦手(な親方)
2:その国に入ればその俗に従う(そのくににいればそのぞくにしたがう);
土地によって特有の習慣やしきたりがあるから、その土地に住むときにはその習慣やしきたりに従うべきだということ。
→ 名古屋に行けば、味噌煮込みうどんを食べる。
→ 大須に行けば、ラーメンを2杯食べてから、急な階段を上がる。
→ 元町では珈琲の飲み逃げは一生後ろ指!
→ 岡山ではこづく、尼崎ではしばく、広島でははじく、東京では(ドラム缶に)詰める
3:その子を知らざればその友を視よ(そのこをしらざればそのともをみよ);
その子のことがよくわからなかったら、付き合っている友達を見れば、その子のことは即座にわかるということ。
→ 奥様に友達は見られたくない
→ 奥様にBlogは絶対に見られたくない
→ 持っている萬年筆をみれば、その人の品格がわかる・・・ならおいそれと萬年筆は買えない
→ 仏壇倶楽部の人の萬年筆はともかく、半一族の萬年筆から品格がわかるとすれば・・・品格って何よ?
4:それにつけても金の欲しさよ;
それにしてもお金さえあればなぁと、お金のことをため息混じりに言うことば。【海外旅行がしたいなぁ、それにつけても金の欲しさよ】と、どんなことばにつけても調子よくそれらしく聞こえる。
→ もう萬年筆は絶対に買いません、それにつけてもカール大帝はいいねぇ・・・
→ もう萬年筆は絶対に買いません、それにつけてもタージ・マハルはいいねぇ・・・
→ 【もう萬年筆は絶対に買いません】というのを、欲しい萬年筆を買ったことを宣伝する時の接頭語かい?〇〇サン?
5:大海は芥を択ばず(たいかいはあくたをえらばず);
度量の大きい人は、相手がどんな人物であろうと全て受け入れるというたとえ。
芥(あくた)はゴミの意。大海は川からごみが流れ込んできても、いっこうにきにすることなく受け入れる意から。
→ 芥川龍之介の【芥川】ってのは、ゴミ川のことだったのか!なら茶川一郎の方が良い名前だな・・・
→ Sheafferは切り割りを択ばず。
多少どちらかにズレていても、いっこうに気にすることがない。なんとも度量の大きなメーカーではないか・・・
【来週の四字熟語】 萬年筆に対して無欲恬淡であれという・・・無理難題 ・・・ そんな殺生な!
無欲恬淡(むよくてんたん) 物を欲しがる執着心のないこと。
無欲は欲のないこと。恬淡はあっさりとして執着しないこと。執着心のない意で類義の二語を重ね、名誉や利益になどにこだわらない、さっぱりとしたさまを強調する表現。
無理難題(むりなんだい) 実現不可能な要求や道理に外れた言いがかり。
無理はするのが困難な事。また、理由の経たないこと。難題は、解決するのが難しい事柄。また、言いがかり。出来ないこと、応じられないことを承知で求める道理に外れた要求を言う。
1月21日(土)は萬年筆研究会【WAGNER】 中部地区大会@三島 *** 将来日付でのご案内 ***
場所:三島商工会議所 3F会議室 住所:静岡県三島市一番町2-29 電話:055-975-4441 【紙様の蘊蓄コーナー】があります!
2012/13年の予定 → ココを押して! 名札をお持ちの方はお忘れ無く!
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2012年01月20日
金曜日の調整報告 【 Parker Sonnet 18K-XF インクが出ねぇ〜 】
こちらは九州から治療にやってきた萬年筆。Parkerのソネットで名前は・・・忘れた。ソネットはかなりたくさん購入したが、ほとんどがフジェールとチャイニーズラックだったので、この軸には初めて遭遇。なかなか良い色じゃ。
特にフジェールは大好きだったな。バイカラーのペン先は好きではないのだが、ことフジェールに関しては例外。外装の金銀比率と、ペン先の金銀比率がほぼ同じに思えたのが原因。一方のチャイニーズラックは、バイカラーのペン先が気に入らず、金一色のペン先を移植して使っていた。
初代ソネットはペン先がフニャフニャに柔らかいので、日本では爆発的人気だった。一部の軟筆愛好家の間では・・・といった方が良いかもしれないが。![]()
柔らかい原因はペン先の金の薄さ。かなり複雑な形状に曲げ、それをパチンとペン芯にはめ込むようになっている。必然的に肉薄でポワンポワンと弾力がある作りにしておかないと、ペン芯に嵌まらないからな。
この柔らかさは特にFやXFでは顕著。この生贄はXFだが先端部だけがピコンピコンと跳ね上がるように柔らかい。
ペン先先端付近の拡大図(右側)を見ると、斜面の一部が少し膨らんでいる。これは何故かな?最初はペンポイントを電気溶接で取り付ける際に金が寄って出来たのかと考えていたのだが、ひょっとするとこれが無いと書き味に締まりが無くなるのかもしれない。すなわち、ふにゃぁ〜感が強すぎるので少し力を貯める膨らみを作ったのかも?こういう仮説を証明するために太くなった部分を削ってみる・・・なんて実験は、自分の萬年筆ならやっちまったかもしれない。![]()
インクが出ない!と感じるほどインクフローが悪いと言うことだった。ソネットはペン先が柔らかいので、ある程度の筆圧があればインクは出るはず。ということは依頼者はかなり筆圧が低いことになる。
萬年筆の特徴と、依頼者がしゃべったり、紙に書いた短い文章から、依頼者の筆記の特徴を探り出せれば、対面で無くても調整は出来る。今回のインストラクションには【インクフロー悪し!でもこのペン先はいじるのが難しい】とだけ書かれている。これから調整の方向性を見つけるわけじゃ。
【このペン先はいじるのが難しい】というのは左図が原因と断定した。すなわち円盤重ね型のXFになっている。しかも左右のペンポイントの長さが微妙に違う。
従って上部を合わせれば腹に段差が出来、腹を合わせれば上部に段差が出来る。通常のペンクリであれば、腹側を合わせて上部のデッパリは書き味に影響ないと無視する。しかし拙者は見てくれ重視なのと、背側筆記も視野に入れるため、スリットの左右の位置調整を最重視し、それに合わせて上部も腹側も研磨する。左右のペンポイントの高さを揃えた上で調整をするのが基本。
こちらがペン先ユニット。ペン先とペン芯が一体になっているので、強く摘んで左に捻れば外れる。ずっとここから先は分解できないと思っていたのだが、ペン芯に食い込んだ爪を、ルーペで見ながら歯医者用先端工具でピンっとはじくと、ペン先だけがパコンと外れる。
今まではルーペで見て見当をつけてから工具ではじいていたのだが、そこら中傷だらけにしていた。今回はボーグルーペを使用したため、一発で成功!どこにもためらい傷を残さなかった!もはやボーグルーペ無しの調整など考えられないくらいに愛用するようになった。何が良いって、あのLEDライト!明るくて実に見やすい!![]()
こちらは外れたペン先と、その先端部のスリットを拡げた拡大画像。このスリットを拡げる際にはペン先を両端から引っぱるようにする。そしてそのままペン先をパチンとペン芯に嵌めると、ペン先がグラグラする。
これはスリットを拡げる際に根元も拡がってしまうから。従ってスリットが開いたことが確認出来たら、根元は若干絞る。そして絞られたままの根元をペン芯に嵌めるのじゃ。こうすればペン先がぐらつくことはない。過去に何度も痛い目に遭うと自然と覚えているもんじゃ。
最後にペンポイントの研磨。円盤2枚重ねの書き味を、通常の書き味に直すため、まずはペンポイントの背中を前のめりに削り込んだ。最近マイブームの研磨法。これをやると細字を背中側で書くときの書き味が一挙に向上する。
そして腹はゴムブロックの角に敷いた1200番の耐水ペーパーの上で往復運動をやって、丸みをそぐ。次に低い筆記確度に合わせてペンポイントを粗砥ぎし、そこから徐々に丸めていく。
実は薄いペン先は調整が難しい。薄いと筆圧によってペン先の左右が好き勝手に暴れるが故に、筆記中少しでも捻れば、すぐにエッジが紙に当たる。それを避けるために面取りをすれば、ますます接紙面積が狭まって書き味が悪化する。これが細字調整を始めたときに経験する【地獄】じゃ。
ある意味、国産の硬いペン先の細字は調整しやすい。SwanやConwayの柔らか細字の調整は、国産で練習した後で入るのが良いであろう。拙者はSwanや独逸マイナーブランドの細字から入ったので苦労した。やはり基本をマスターしてからの応用が大切。
調整は自分が好きな書き味の萬年筆だけを調整していては上達しない。あらゆるメーカーのいろんな書き味に合わせた調整を訓練することによって【見えてくる】のじゃ。それを自分の萬年筆だけでやるには投資がかかりすぎる。そこに【生贄】の存在価値がある!
【生贄】とは将来の大成功に対する、他人が行う他人に無理矢理行わせる先行投資なのじゃ!
【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
2012年01月19日
昔のBlogを読み返してみる・・・
2時間ほど、過去の自分のBlog(かなり古いもの)を読み返してみた。
その内容に驚いたり、当時の萬年筆事情を現在と比べて感慨にふける瞬間もあった。
Blogを始めてから現在までの投稿総数は3,899件。始めたのが2005年7月26日。それから現在まで、投稿が遅れた日は無い。
自分のBlogは書いた段階で満足し、ほとんど読み直すことはないのだが、けっこういけてるなと再認識。
たまには過去記事も楽しんでみようと思った・・・
筆記具関連四方山話 【 Cartier 名称不明モデル 立て気味にしないとインクの出が悪いよ 】
本日紹介する萬年筆はカルティエ製。ただしモデル名称は不明。輸入筆記具カタログからカルティエの名が消えて以来、カルティエの筆記具の情報は極端に少なくなってしまった。どなたかモデル名を知っていたら教えて欲しい。出来れば販売された年代も知りたいなぁ・・・
カルティエの萬年筆は、ずっと以前からMontblancがOEMで製造しており、書き味も安定していたので、けっこうな数を購入したのは事実。カルティエだけは、一時期の輸入筆記具カタログに掲載されていた全モデルを所有していた。今は・・・おそらくは5本以内であろう。
カートリッジ・コンバータ式で、ブラスにプラチナ鍍金軸。ペン先はマストなどと同じ大きさだが、プラチナ鍍金が施されている。![]()
ルイ・カルティエのシリーズにはNo.146クラスの大型ニブを搭載しているが、このモデルはNo.144やNo.145クラスのペン先。ただしカルティエ萬年筆の値段は、ペン先の大きさと連動してはいない。
カルティエのオーバルシリーズは、それこそ鼻くそほどの小さなペン先だったが、値段は高かった!
インクの出が悪いとの事だが、ペン先は中字。通常ならニュルニュルとインクが出てくるはず。最近気付いたのだが、Montblancのペン先の切り割りで7:3とか6.5:3.5などのズレを見た記憶が無い。今回のペンポイントを見ても綺麗に面取りがされ、形も整えられている。
また52g近くなる筐体を、弾力の無い柔いペン先で支えているので、萬年筆の重さだけでペン先は開く。それに筆圧が加われば、かなりドバドバとインクが流れるはず。にもかかわらずペンを立てないとインクが出ないとしたら、おそらく・・・![]()
と考えて横顔を見たら、案の定!ペン先が上下にずれていた。これは製造販売時のズレ出はなく、日常的に使っていて曲がったものだと思われる。たとえば・・・吸入のためにインク瓶にペン先を入れている途中で手が滑って、ペン先がインク瓶の底に衝突した!とか、コンバーターで吸入した後、ペン先をティッシュで拭う際に、ちょっと力が入ってペン先をぐっと押したとか・・・それくらいの力でも十分にペン先は曲がってしまう。それほどこのペン先は柔い(やわい)。加工精度を高めるためには、戻りの少ない?18K以上を使うのが良いのかもしれないが、あまりに柔いよ!これは。
正面から見ると、左画像のように無残な姿になっている。
寝かせて横書きをする際に、最初の一筆が左から右への線であれば、まずインクは紙につかないであろう。
合金の配合に依存するので一概には言えないが、14金製のペン先の方が弾力が有り、調整戻りも大きい。18金製のペン先は成型は楽だし、調整戻りも少ないので、調整師にとっては楽。作業はすぐに終わる。ただし、ちょっとした衝撃で、またすぐに曲がってしまう。14金なら多少の力がかかっても戻る力が大きいので、衝撃を吸収できるのじゃ!
段差調整はペン先を外して行うのがポイントなので、ペン芯ごと引き抜いた。ペン芯側にニブストッパーの凸があり、その受けとなる切り込みがペン先の根元にある。
この状態でペン先の段差やカーブを修正し、ペン芯に乗せても段差が出来ないように微調整を繰り返す。
インクが出にくいということなので、スリットは微妙に開いておこう。それにしても美しく、シンプルで無駄の無い刻印!刻印は少なすぎても寂しいし、複雑すぎると書き味を硬くすると言われている。(あたりまえかもしれないが)スリットが正しい位置に入っているのがなんともうれしいではないか!
昔のSheafferの萬年筆製造現場を撮影した画像では、このスリット入れを手作業で行っていた。日曜日に飲みまくって月曜日に二日酔いで出勤した作業員が入れた切り割りなど、とても使い物にならなかったのではないかな?
こちらが微調整後のペンポイント正面図と横顔。調整講座ではないので詳細は略すが、表書きではインク量が多く、Mらしいインクフローが潤沢な書き味。裏書きでは細字でインクフローを押さえた書き味に調整してある。裏調整のために多少研磨したくらいで、ペンポイントの腹は【一舐め】程度の研磨じゃ。
ここ10年くらいのMontblancの研ぎはすごみを増している。そのすごさをボディや素材の研究にも生かして欲しい。すぐにクラックが入る首軸やインク漏れといえばMontblancという負の定評を速く解消したほうがよい。もっとも最近のMontblancを日常的に使っているわけではないので、ひょっとすると解消されているのかもしれないがな。
プラチナ鍍金軸は滑りやすいので、筆圧が高くなる・・・と言われている。このカルティエの萬年筆もプラチナ鍍金なので、一番安定した握り方はキャップは外したまま首軸の黒い樹脂の部分を握るというのであろう。
書き味を試してみたが・・・でへへへ・・・と涎が出そうな書き味!やはり侮れない萬年筆じゃ!
2012年01月18日
水曜日の調整報告 【 Montblanc No.25 14C-B インク出な〜い! 】
本日の依頼品はMontblanc No.25じゃ。拙者は入手したことはない。ペン先調整は1度か2度はやったことがあるかもしれない。
エボナイト製のボタンフィラー式。うっすらと曇った様子が、まるで茶色軸のように美しい。これを銅磨き布で何日間か磨けば、目が覚めるような漆黒の軸に変わるであろう。自分の物なら磨いてみたいな。![]()
不具合はインクが出ないということ。左画像を見て、ペン先のスリットが詰まっているせいだろうと考えたのだが、そうではなかった。いろんな複合要因でインクが出ないとわかったのだが、そこにいきつくまでに相当時間がかかった。
ペン先は恐ろしいほど柔らかい。昔なら舌なめずりしたような書き味なのだが、最近ではコリコリと硬い書き味が好きなので、【ああ、柔らかくて気持ち良いなぁ〜】とは思うが、これを使って字を書こうとは思わない。こういう柔らかいペン先は、下手な字をよけい下手に表現してくれるからな・・・
それと左画像から、ペン先がやや右に曲がって首軸にささっているのがわかる。これは不格好なので直しておこう・・・としたのだが、これもたいそう時間がかかった。
サックの状態を見ると、かなりの手練れが修理したと思われる。にも関わらずインクが出ないということは、外科系だけではなく、循環器系も直してあげなければならないということ。
ペン先の横顔だが、ペン芯が多少前に出すぎて不細工。もう少しだけ後ろに突っ込んだ方が良い。またペン先の左右が波打っているのか、左右の段差がある。これも不格好なので研磨して直しておこう。
ここで一番重要な細工は、ペン芯のカーブとペン先のカーブを合わせたこと。すぐにインクが切れる原因の一つが、ペン芯先端部でしかペン先と接していないこと。どうやらペン先先端部だけを上に曲げてつじつまを合わせたらしい。これではインクが切れやすくなってしまう。
そこでペン先の状態を完璧にしてから、ペン芯と合わせて首軸に押し込む。その後、ペン芯をヒートガンであぶってくにゃくにゃにする。その状態でペン先とペン芯を指で挟んで密着させる。慣れないとほぼ100%やけどする。しかもペン芯側ではなく、ペン先側。金の熱伝導率は高いので、金側を炙ったらやけどは確実!炙るのはペン芯側だけ。それでも相当熱いが我慢するしかない。掴んだらすぐに水をかけて冷やす。でないと本当にやけどする。
インクが出ない原因のその2は、正面段差もあること。しかもペン芯の上で左右がバランスしていない。
書き味や書き出しに対する影響以前に、このような不細工な状態は、絶対に避けるべき。美しくなければ萬年筆ではない!
このアンバランスを直すには、ペン芯を抜き出し、左右の正しい位置にセットして押し込めば良いのだが・・・今回は違った。ペン芯自体が捩れており、それも一緒に直さねばならなかった。それはペン芯を熱し、指で押さえてペン先に密着・・・させたときに同時に解決した。
中を開けてみると、サックが太すぎる。こんなに太いサックでは、インク容量が多すぎてインクボタ落ちのリスクが高いので、多少細いサックを短めにカットしてセットしておこう。
それにしてもよく錆びたI-Barだ。残念ながら手元には同じ大きさのI-Barが無いので、これを磨いて(サビを落として)使うしかない。USAとは企画が違うのかな?
ボタンフィラーは首軸を押し込むタイプの方が安全なのだが、Montblancは首軸ネジ込み式。この場合サックがよれるリスクが高いので、なおのこと細いサックの方がいい。
インクが出なかった大きな原因は、ペン芯。右の拡大図を見ればわかるようにインク溝がインク滓で埋まっている。これではいくらサックをかえても意味が無い。
修理と調整の狭間にあるペン芯清掃が出来ないと本当の意味での調整師にはなれない。海外にはこういう中途半端な修理屋もどきがいるんだとビックリさせられた!いくらペン先ピカピカでもインクが出なけりゃ意味無し芳一。
インクが出ない最後の理由がペンポイントの癖。通常なら左画像くらいにスリットを開けばニュルニュルとインクが出るものだが、書き出しが縦も横も掠れてまったく紙にインクがつかない!こりゃまいった!
どうやらペンポイントを溶接した後、Italic調の太字にするため、ペンポイントの腹と背を徹底的に薄くなるまで研磨されている。にも関わらず素人調整で内側のエッジを落としてある。これではスリットが紙に当たらずインクは出ない。
そこで書き出しの多少の引っ掛かりは良しとして、とにかく書き出しが掠れないような調整を施した。
こちらが完成図。ペン芯にバランス良く乗ったペン先は美しい。
正面から見てこれほど美しい萬年筆は珍しい。
書き味はItalicというよりもソフト・ブロード・イタリックとでも表現した方がいいような太字?横線は糸よりも細く、縦線は筆圧によって太くでも細くでもなる。まさに使い手を選ぶ書き味じゃ!
残念ながら、どう考えても拙者には選ばれる資格はなさそうじゃ!
【 今回執筆時間:8時間 】 画像準備2.5h 修理調整4.5h 記事執筆1h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
2012年、2013年の萬年筆研究会【WAGNER】開催日程変更
2012年と2013年の萬年筆研究会【WAGNER】開催スケジュールを多少変更しました。詳しくは =======> ココ
ポイントは以下です。スケジュール表を印刷し、よーく見て計画をお立て下さい;
★センター試験や、お盆特別料金の時期を可能な限り避ける(2013年)ように変更
★前泊が不要となるように開始時間を変更
★宿泊(当日泊)を伴う開催が2週続かないように開催日を変更
★一部、午前中開催を午後開催に変更(岡山、沖縄)
2012年01月17日
火曜日のアンケート調査 【 開催希望地はどこ? 】
萬年筆研究会【WAGNER】の会場は基本的には拙者のワガママで決まっている。拙者が行きたいところで開催するのじゃ。これが主催者の特権。
しかしながら会員からの希望で実現した地方大会もある。過去と今年の予定を含めると、山梨、秋田、石川、静岡(沼津/三島)、愛媛、新潟が会員希望による開催。
そこで今回は、地元に来て欲しい人からの要望、萬年筆研究会【WAGNER】にかこつけて行ってみたい地域(海外含む)の要望を答えて下され。
なを現地集合、現地解散が鉄則なので、パプアニューギニアなどは困る。
萬年筆研究会【WAGNER】を開催して欲しい地域はどこ?
国名、県名、都市名などをご記入下され!
それでは Go!
拙者の場合は・・・
まだ個人として行ったことも、電車で通り過ぎたこともない県に行きたい。
具体的には、宮崎、福井、富山、三重 の四県。
新潟、和歌山も行ってないが、今年開催予定があるので除外。
海外では、台湾と独逸(ペリカンホテル)かなぁ。
台湾は希望者がいれば、すぐにでも開催できそうだが、独逸は遠い。
現存会員がいない県は、【青森 / 岩手 / 山形】、【長野 / 福井】、【和歌山】、【高知 / 香川】の8県。
香川県は過去に2度【WAGNER】を開催しているのに現存会員がいない!