2007年05月31日

解説【萬年筆と科學】 その37 の代わりに Platinum #3776 初期 赤軸-太字

 解説【萬年筆と科學】 その37 を掲載する予定だったが、37章はパピルスやスタイラスといった万年筆登場前の筆記具に関しての解説。拙者のまったく興味の無い分野なので省くことにする。

 そのかわり、昨日新宿西口のマップカメラ1号館地下の万年筆売り場で入手した【お宝】を披露しよう。¥9,800じゃった。

 最近WAGNER会員の休日の行動を調べてみると、一時の銀座レモン社での礼拝に変わって、新宿マップカメラへの密航がはやっている事がわかった。拙者は不覚にも、マップカメラで万年筆を取り扱っていることすら知らなかった。

 そこで出張帰りに・・・密航してみた。店には明快なコンセプトがあるように思われた。委託品を無造作に並べている感じがまったくしない。

 相当探さなければ見つけられないようなもの、こんなものがあったのかと驚くような珍品が並んでいる。値段もそう安くは無い。店のコンセプトとしては【この店に来れば珍品が見つかる】を目指しているようじゃ。勝手な想像だが。

 特にMontblancの金無垢モデルやPelikan 100/100Nの珍しい色軸の充実はすごい。拙者も初めて本物を見るようなものが多い。

 値段設定のうまさにも舌を巻く。珍品は値段が安いとすぐに売れてしまって、店が寂しくなる。となると憧れの商品が無くなって、人が来なくなる。この状態が店にとっては最悪。珍品は なかなか買う決心がつかない値段設定 の方が良いのじゃ。

 何故ならばVintage珍品にため息をつきたいがために、人は何度でも店を訪問する。その時に周囲にある安い万年筆やカメラに目を移すと【ものすごく安く】感じる。最近はフィルムカメラには興味が無いが、それでもそばにあったライカM5を買いそうになったほど。ライカでも安く思えてしまう。危険な店じゃ。

 しかもカメラを下取りして万年筆を買うことも出来るし逆も可。これは超危険!欲しいが高い物が店にあり、高かったが興味を失った物が手元にあれば、つい・・・罠にはまりそう・・・・
 2007-05-31 01
 この万年筆も30万円のPelikanにため息をついた後だったので、ただ同然に感じた。なんでこんなに安いのか聞いたら、キャップの裏側に傷があるからとか。

 見せてもらったらすぐに落せそうな傷なので速攻で買った。もし割れていたとしてもキャップと軸は同じ物が拙者の部品箱に入っている。しかもこれは珍品なのじゃ。買わない理由が無い。

2007-05-31 02 ペン芯を見ればわかるが、プラチナ#3776の最初期モデル、しかも数が少なかった赤軸、しかも最初期モデルでは数が少なかった【太字】。三拍子そろっている。

 このモデルはインクのボタ落ちが欠陥といわれ、ペン先とペン芯が変わった物が後続モデルとなった。

2007-05-31 03 しかし、ペン先の形などは初代モデルが細身でかわいらしい。コレクションとしてはこちらだろう。インクを入れて書いてみたが、柔らかなタッチで良い気持ちじゃ。

 もっともペン先のスリットを開き、ペン芯とペン先の位置関係を変えてある。

2007-05-31 04 この図から、かなりペン先が前に出ている事がわかろう。オリジナルの状態ではペンポイントからペン芯先端までの距離は左図の70%ほど。その場合は横顔が美しくないのに加えて、寝かせて書くとペン芯先端が紙にあたってしまう事もある。拙者にはこの図の状態が最高!

 それにしても美しい色じゃ。しかもこの模様には、かすかに削り跡が残っている。噴出成型ではなく、轆轤で削ったのじゃろう。今では考えられないほど手間をかけて作っていたらしい。これが定価15,000円ほどで売られていたとは信じられないほど。

 そしてそれを¥9,800で購入出来たのは奇跡じゃ!まだまだ探せば珍品はあるかもしれない。密航者はマップカメラ1号館地下へ急げ!

http://www.mapcamera.com/sho/index.php?category_id=stationery

  

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kugel_149しゃんの【 モンブラン149の唐草文様が気になって… 】

http://blog.livedoor.jp/kugel_149/archives/51061854.html

ニブに刻印を入れるのは

硬くするためかもしれない

はたまた

ここに述べられているように

想いを込めた物かもしれない

  
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2007年05月30日

水曜日の調整報告 【 Pelikan 400 灰茶 14C-F 】

2007-05-30 01 今回の依頼品はPelikan 400。軸色は灰色に近い茶軸。元々そうなのか、茶色が退色したのかはわからないが非常に綺麗。胴軸の後端には【PELIKCN 400 GÜNTHER WAGNER GERMANY】との刻印がある。また尻軸には【】の刻印がある。字幅を表現したもの。少なくとも400NNや140の場合にはペン先に字幅が刻印されていたがな・・・

2007-05-30 02 軸を握って持ってみると・・・【ああ、Pelikan 400だなぁ・・】という懐かしい気持ちになる。最近はVintage pelikanで書く事が殆ど無いが、たまに握ってみると指に吸い付くような感じに参ってしまう。

 映画は2・・3・・4・・とバージョンが進むに従ってつまらなくなっていく。拙者が見た映画で2の方がおもしろかったのはマッドマックス2くらいかな?同じように万年筆の場合も後継モデルよりオリジナルの方に惹かれる事が多い。出来の良し悪しはともかくとして、オリジナルには独特の雰囲気がある。この400も400NNや現行品よりも良い雰囲気を持っている。書き味は400NNの方が良いと思うが・・・・

2007-05-30 03 で、握って字を書いてみると・・・【なんじゃ、こりゃぁ】ってなひどい書き味。Pelikanでこんなひどい書き味の物は初めて!

 ニブを調べてみてわかった!ペンポイントがズレている上に、ひどい背開き。またペンポイントの紙に当たる部分もかみそりの刃のようにエッジが立っている。しかも素材も超硬い。まるで1930年ごろのPilotのイリドスミンかと思うほど。さらにMを細字に研ごうとして失敗した跡がある。

2007-05-30 04 ペン先を横から見た図。通常はこの位置で良いはずだが、ペンポイントの段差の原因がペン芯なので、多少のペン芯研磨とペン先とペン芯の位置調整をしなければなるまい。ペン芯はあまり削ると機能を損なう。一方でこれほどお辞儀したニブをさらにお辞儀させて背開きを直そうとしても、書き味が硬くなりすぎる。

 その場合には、この状態よりもペン芯を後退させて対応するしかない。後退させてもインク切れの心配は殆ど無い。よほど筆圧の強い人以外はな・・・

2007-05-30 05 ペン芯側から見た図。ペン芯の溝の中央部分にペン芯のスリットとがピッタリと合わさっている。なかなか良いセッティングじゃ。これを左/右に多少ずらした方が段差が出ない場合もある。今回の物がそうなのだが、それでは正面から見た時に美しくないので、中央にセットしても段差が出ないように調整しよう・・・と思ったのが長時間調整になった理由。そう簡単ではなかった・・・

2007-05-30 06 ソケットごと首軸からはずした画像。ソケットの切れ込み部分もちゃんとスリットの直線上にある。こういう【乱れを発見しやすい設計思想】は独逸らしくて良い。単に職人技で綺麗にそろえるのではなく、揃っていないことを発見しやすくして、職人でなくても最適な設定が出来るようにするのが【本来の設計】じゃ。Pelikanはこの部分が他社よりも数段進んでいたようじゃ。

2007-05-30 07 こちらは調整を施したペン先。スリットを拡げ、段差を無くし、ペン芯に乗せると・・・惨いくらいにズレる。どうやらペン芯に不具合があるようじゃ。それから先は、ペン芯をちびっと削ってはペン先と合わせて確認、削っては確認・・・の繰り返し。これに1時間以上かかった。ペン芯を削る量には限度があるので、ペン先の段差をわざと作ってペン芯にのせて修正という作業もしかたなく行った。セットした状態で無理な力がペン先に貯められているので、理論上は書き味に乱れが出るはずじゃ。拙者には感知できないがな・・・

2007-05-30 08  こちらが首軸にペン先をセットした画像。かなりペン芯が後退しているのがわかろう。この状態がペン先に一番無理がかからない状態(このペン芯の場合)。

 調整の終わったペン先で文字を書いてみる・・・あのなんじゃ、こりゃぁ】はすっかり影を潜め、Pelikan 400らしい書き味になった。今回がペン芯研磨の必要性を示した第一回目のBlogだったかもしれないな。


【 今回の調整+執筆時間:4.0時間 】 調整2.0h 執筆2.0h

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2007年05月29日

番組名: 美の壺 File50 万年筆

http://www.mslab.com/info/info03.html

WAGNER会員が多数取材を受け

また

ペントレも取材された

美の壷】の正式案内じゃ

NHK内部でも好評の様子

見逃さないようにな

  
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暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】 その7

2007-05-29 01 5月26日に開催されたWAGNER裏定例会において、幻の逸品を目にした。

 今から10年以上前、アメ横のフレンド商会のオバチャンが【店頭には置いてないけど、すごいのがあるよ。見せるだけ見せてあげようか?】といって押し付けるようにして見せてくれたのが、デュポン・クラシック万年筆で、純銀軸に漆を塗ったもの。

 【純銀軸へ漆を塗るのは非常に難しいのよ】と自慢された。おねだりすれば売ってくれたかもしれないが、当時はクラシックではなく、ポルトプリュームにしか興味が無かったので見せてもらうだけで満足していた。

 それと同じものが、ひょっこりと裏定例会に持ち込まれた。拙者が過去に紹介した記事を読んでいた方が見つけて購入したとか。拙者は最初気付かなかった。以下2人のやり取りに、途中からkugel_149しゃんが参戦して知識を披露した件じゃ。

 【pelikan_1931さんが好きそうな物を手に入れました。見てください。】

 《ほう、Dupontの青漆ですか。ペン先はPelikanが作っていたころのクラシックですな。これには隠れた名品として、純銀に漆を塗ったものがあったのですぞ。》

 【実は、これこそがその純銀軸に漆を施したモデルです。軸に925の刻印があります。pelikan_1931さんの記事を見て入手しました。】

 《えぇ!あ、本当だ!925の刻印がある!しかも漆が剥がれていない。これすごく剥がれやすいから気をつけてね。》

 【軸に都彭という名前が彫られているのですが、漆職人の銘ですかね?】

 《純銀にオレンジの漆を塗り、その上にブルーの漆を塗って、銘のところを削ってオレンジ文字を出しているようですな。Parkerだと漆モデルは製造初年度だけ銘のようなものを入れていたが・・・kugel_149しゃん、知ってる?》

 彼はおもむろにティファニーのルーペを取り出して刻印を見て・・・

 『都彭ていうのはDupontのことです。私も持ってました。純銀軸に漆をかけた万年筆も!』

 《【ええ!都彭ってDupontのことだったんだ!】》

 といって納得したのじゃが、昭和52年に発売された世界の文房具に掲載されていた。写真の10番の物には都彭との銘が入っていると解説されてる。それがDupontを意味することは知らないようじゃ。

 しかも10番のモデルは真鍮に漆を塗ったモデルではないかな?純銀に漆のモデルはそれより古いのではないかとも思う。が、この当時はまったく万年筆に興味が無かったので、時代を共有していない・・・残念じゃ。

 いずれにせよ、Montblanc No.149が2.8万円、No.146が2万円の時代に8万円!今のNo.149の定価から想定すれば、ファーバーカステルの琥珀のような存在かな?


2007-05-29 02 当時の最先端文房具はタイプライターだったのか、相当たくさん紹介されている。コンピューターは非常に高価で80MBの磁気ディスク装置が何千万円もした時代。

 この当時、拙者は外資系に勤めていたので、経営会議などの資料は英文タイプだった。幸いにして身の回りにキーパンチャーがたくさんいたので、彼女らにタイ焼きと交換でタイプしてもらっていた。

 外国との文書のやり取りが多い部署ではIBMのボール式電動タイプライターを使っていたが、その他の部署では安いオリベッティーの標準型タイプライターを使っていた。文字数を数えてピッチを計算し、単語の変なところで改行されないようにするのが技だった・・・らしい。拙者はいつも【タイ焼きでおねだり】を繰り返していたので仕上がりは早かったが、いまだにブラインドタッチが出来ないままじゃ。まるで蟻とキリギリスみたい。

 オリベッティはイタリアのメーカーだが、タイプライターも実にカラフル、かつデザインも洗練されている。ヘルメスとかトライアンフというのもあり、なかなかしゃれている。まるで駆逐艦みたい。それに対して左下のコクヨの和文タイプは戦艦大和のように重厚。海外にはタイプライターコレクターがたくさんいると聞くが納得させられる。彼らにとって和文タイプライターは蒔絵万年筆のようなもの?

 今回、万年筆とタイプライターを取り上げたのは・・・当時最先端文房具だったタイプライターは姿を消し、ワープロ、PCに取って代わられた。機能で売るものは上回る機能を持つものにリプレースされる。

 一方で万年筆は現在まで生き残り、ブーム復活が感じられるようになった。機能や性能が受けているのではなく、また、ノスタルジーが受けているのでもなく、【愛でる道具、愛玩具】と評価されているのかもしれない。

 昔、田舎では犬猫は家畜じゃった。番犬とかネズミ捕りを期待されていた。現代の都会における犬猫はどうか?彼らに期待するのは、家畜としての役割ではなく、癒してくれるパートナーじゃろう。

 拙者にとっては万年筆は、猫と同じ存在なのかもしれない。気が付けば、拙者と同じ体型の【チビブー(猫の名)】が拙者の足の指を舐めている。どうやらおなかがすいているようじゃ。チビブーにとっては拙者は、何でも言うことを聞く家畜なのかもしれない。


【過去の記事】

2007-05-22 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その6 
2007-05-15 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その5 
2007-05-08 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その4 
2007-05-01 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その3 
2007-04-24 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】vs【趣味の文具箱 Vol.7】 
2007-04-17 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その1 
  
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kugel_149しゃんの【 ブログの再開は「魔法の万年筆」で… 】

http://blog.livedoor.jp/kugel_149/archives/51060773.html

http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/entry415.html

テーマは【魔法の万年筆】

万年筆ハンには必見の舞台のようじゃ!


  
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2007年05月28日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.1468 18K-OBB 】

2007-05-28 01 今回の依頼品はMontblanc No.1468。ライン模様の純銀ボディじゃ。素通しインク窓にイカリ肩クリップ。さらにはエボナイト製ペン芯に18K-OBBニブ。どうやら旧型から新型への移行期のモデル。モデルチェンジ前後の時代のパーツが混ざっている。

 No.146をベースとした限定モデルや金属キャップモデルには、拙者にとって致命的な弱点を持つものが多い。それはキャップを後ろに挿しても、すぐに緩んでしまうこと。かなり後ろの方を持って書く拙者は相当イライラさせられていた。が、最近
ではキャップ無しで書いても気にならなくなった。理由は・・・あまりにキャップが後ろに挿さらないモデルが増えて贅沢言えなくなったから・・・トホホ

2007-05-28 02 このOBBは手首を捻って書かなくても滑らかに書けるように調整されている。実に気持ちよい。ただし依頼者は万年筆歴が浅いので、途中で書き癖が変化する可能性がある。また縦書き文章を綴る時には、インクが乾かないので持つ部分をどんどん尻軸側へ移動しながら2行目、3行目と手の位置を動かさないまま書こうとするかもしれない。そういう事態も考慮して多少余裕を持たせておこう。

2007-05-28 03 ペン先とペン芯の位置関係はこれでよい。実に良い位置にセットされている。これは替える必要はない。ラッパ型の首軸にエボナイト製ペン芯というのは良く似合う。この次の時代のヘミングウェイ型のプラスティック製ペン芯も良かった。最近は各社ともペン芯のコスト削減に熱心なようで、かなり安いプラスティック製に変わってきている。特にヴィスコンティは最低!ここ5年ほどは購入していないので改良されたかもしれないが、腹の斜面にくぼみがあるようなペン芯は許せない!

 それと比べれば、このNo.1468のエボナイト製ペン芯は天使のよう。インクフローやインク漏れ防止能力では、構造の複雑な現行ペン芯の方が良いのであろうが、美しさでは圧倒している。万年筆は筆記具であると同時に、アクセサリーでもある。はっきりいって人が身につけているアクセサリーなんてどうでもいい。自分が持っているアクセサリーだけには破綻が無いようにしたい。Montblancをアクセサリーとするならば、エボナイト製ペン芯は必須じゃな。

2007-05-28 04 素通しインク窓とコストカット後のヘミングウェイと同じ設計のペン先。No.146用ペン先であるが、No.149と同一のペン先を持つヘミングウェイと同じく、ペン先の左端に三角の切れ込みがない。その次の設計から切れ込みが入る。

 ヘミングウェイ時代のペン先にはプラスティック製ペン芯が付くが、移行期モデルであり、かつ定番品といえども、それほど数が出ないNo.1468などの場合には余っている部品を組み合わせて出荷する場合が多かったらしく、よくこういう組み合わせを見かける。

 あるいは・・・どうしてもOBBが使いたくて、前の時代の軸にヘミングウェイ時代のペン先を移植したのかもしれない。この前後のモデルではペン芯とペン先の相互互換性があるのじゃ。

2007-05-28 05 エボナイト製ペン芯に乗っていたにもかかわらず、ペン先の表にも裏にも汚れはない。スリット間隔もベスト。書き出し掠れを防ぐためのペンポイント表面へのざらつき出しも完璧。筆記角度が多少依頼者と違うだけ。

 拙者のBlogを読んでせっせと手入れしたか・・・過去に拙者が調整したかじゃ。自分が施した目印は残していないし、調整方法をblogで公開しているし・・・記憶力は鶏程度なので、拙者が調整したものかどうかはわからない・・・・が、【拙者流】の調整であることは確かじゃ。


2007-05-28 062007-05-28 07 調整が終了して軸に取り付けた画像を二枚。左側はスキャナーの進行方向にそって、スキャン開始が尻軸側、スキャン終了がペン先側に置いたもの。右側は置く方向は同じだが、軸を45度左に捻って置いたもの。置き方によってこれほど見え方が変わる。置く角度によって仕上がりがまったく違うので試してみると面白い。病み付きになるはずじゃ。

2007-05-28 08 こちらは横向き画像。これも45度左に傾けて置いた。ペンポイントを見るとかなり大胆に削っているが、OBBで一番引っかかりやすい右上角を落としているので驚くほどスムーズ。OBBやOBBBを削った書き味に溺れると、BBやBBBでは物足りなくなるはずじゃ。

 これでキャップが後ろにピタっと挿さればなぁ・・・


【 今回の調整+執筆時間:3.0時間 】 調整1.0h 執筆2.0h

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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

aurora_88しゃんの【萬年筆研究会《WAGNER》裏例会(07.05.26)】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50984972.html

これからは熱い季節が続くので、自由が丘までのケーキ買出しはお休み

かわりに代官山のおいしいケーキ屋情報求む!

  
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2007年05月27日

WAGNER企画の紹介

 昨日実施された【裏定例会】は、【調整実習】を目玉に挙げたことにより、9人の新規参加者があった。

 そのうちで調整指導希望の方は5人。たっぷり時間を取って・・・というわけにはいかなかったが、【やり方】は身につけることが出来たじゃろう。

 今回の5人を含めて8人ほどを指導したが、圧倒的に上手だったのはつよししゃん。やはり過去に葬り去ったいけにえの数に比例して腕が上がるようじゃ。

 皆が口をそろえて言ったのは、金磨き布による8の字旋回の難しさ。縦横右左を組み合わせた4種類の旋回を各100回、出来るだけ早いスピードで回す!というのは難しい。10年以上やっている拙者ですら、途中で手の動きが知らぬ間に反対になる事もある。

 8の字旋回をやっている最中に話しかけられたら、【うるさい】と怒鳴りつけたくなるほど神経を張り詰める必要がある作業じゃ。

 ただし終了した後の書き味の激変ぶりには驚くことじゃろう。誤解してはいけないのは8の字旋回はバフがけであり、研磨ではない。その前に行う研磨とエッジ落しが成功してこそ8の字旋回が生きるのじゃ。

2007-05-27 さて左は、WAGNER企画ペンシルの具体的要望としてyellowdaliしゃんが持ち込んだペンテル・ケリーじゃ。ペンテル・ケリーにペンテルが発売している1.3ミリの芯を使えるようにした仮称【Pentel KERRY 1.3925》 produced by WAGNER

 925
とあるように、夢は純銀製で・・・ということ。拙者へ直接メールくださる方の中にも純銀KERRYへの要望は多い。これを1.3ミリで実現出来るかどうかがキー。特命部隊は本日より活動を開始するようじゃ。

 
上記を含めて実現の可能性が高く、希望も多いものは以下のとおり
 Pentel KERRY  1.3 《925》 produced by WAGNER
 PILOT Silvern Art Craft 石垣 《C》 注:コースニブ付
 3銅持ち寄った万年筆の写真/イラストを染め抜いたスカーフ/風呂敷
 WAGNER/ペントレの記念日、記念イベントにあわせた記念切手/絵葉書
 ゥ撻鵐肇2008以降用WAGNER入場バッジ《大型》 安全ピン留方式


 セーラーやTAKUYAは上記´△茲蠎け入れてくれる可能性は高い。大切なのは20人以上が欲しがるという企画。企画が個人的要望内にとどまっている限りはWAGNERの名は冠せられない。会員外の羨望の的となるもの、それが欲しいから会員になる/ペントレに参加するという動機となるもの・・・というのが条件じゃ。

 あたって砕けろ!でいろいろなアイデアをお送りくだされ。

 なを別途、出版企画のほうは粛々と進んでいるようじゃ・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 10:10Comments(12) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 情報提供 

2007年05月26日

スケルトン軸 その5 【 Matador Click Demonstrator 】

2007-05-26 01 バイブルによれば【Matador】は1895年に設立された【Siebert & Lowen】のトレードマークだったらしい。1930年代には拙者の大好きなチェイス軸の万年筆を作っていた。

 Matarorとは闘牛士のこと。ちなみにスペイン語→英語の翻訳ソフトではMatador → killing となる。

 Matadorで一番有名なのは1949年に発売された【Matarol Click】であり、嵌合式キャップの特許を取得したモデル。軸をキャップに押し込んでいくと、最後にClick音を出して止まる。抜く時にもわずかな音を出す。この音がえもいわれぬ安心感を与えてくれるのが大流行した理由じゃろう。

2007-05-26 02 今回紹介するのは【Matarol Click Demonstrator】。長くコレクションしているが、この一本以外にお目にかかった事はない。発明品なので数は相当出ているはずなのだがな・・・・

2007-05-26 03 かなり使い込まれて内部に傷がついている部分もあるが、Demonstratorのルールを守っており、インクを入れた形跡は無い。

 ペントレなどでDemonstratorを展示していると、インクに浸けて試し書きする人がいる。これは絶対にやってはいけない事じゃ。首軸内部は加工が複雑で、Pelikanなどでは2個の部品を接着剤で貼り合せている物もある。そういうものをインクに浸せば接着剤が着色して、あわれDemonstratorは一生汚れを背負って生きていかねばならない。

 Demonstratorにインクを浸すのは、自分の物になってからじゃ。次回のペントレからDemonstratorにはペン先をはずしておくことにする。それでもインクに浸
す人がいたら(いるわけはないが)、五寸釘で成敗じゃ。調整道具箱の中は武器だらけ!けっして飛行機で遠隔地に調整に出かけるわけにはいかない・・・

2007-05-26 04 構造は単純だが、どうしてピストンが上がってくるのかはよくわからない。完全分解すればわかるが、どうやて分解するかもわからない。ピストン機構は中央のネジの部分にねじ込んであるはずじゃが、どうやってはずすのかな? 内部構造が見えなければ力ずくで回すのじゃが、なまじ見えるので無理は出来ない・・・・Demonstratorの意味無いじゃ~ん!

2007-05-26 05 ペン芯もソケットも良い素材のエボナイトを使っている。ネジ切りは1条だが、削り跡は惚れ惚れするほど美しい。轆轤ではなく、旋盤で削ったと思うが見事なものじゃ。

 この技術を復活するのは難しいことではないが、ビジネスとして儲かるだけの量があるかどうかが問題じゃな。100万個作って一個千円なら10億円の売り上げ。10万個なら1億円。日本で一種類の高級万年筆が10万本売れる時代が来
るだろうか?Montblancの限定品の発売本数が2万本程度。かなり難しい・・・さりとてペン芯とソケットで1万円というのも無理がある。

2007-05-26 06 キャップ中央の金属が特許を成立させている部分じゃな。Parker 75の内部構造もこれに似ていたのでMatadorの特許を使っていたのだろう。なぜしっかりと嵌合するのか疑問だったのだが、Demonstratorで見れば十分に理解できる。このDemonstratorはインク吸入を見せるのが目的ではなく、Click機構を見せる為のものじゃな。

2007-05-26 07 右端の首軸先端が微妙に外側に開いているが、これがピッタリとキャップが嵌る秘密じゃ。そういえばParker 75の首軸先端も開いておったな。今までいろんなDemonstratorを見てきたが、軸色が最も美しいのがこれ!Pelikanのダイダラス・イカルスの色にそっくり。Pelikanがこの軸色を参考にしたのかな?


過去のスケルトン軸関連記事

2007-05-19 スケルトン軸 その4 【 セーラー プロフィト 透明軸 】 
2007-05-12 スケルトン軸 その3 【 OMAS Demonstrator 7色揃踏み 】

2007-04-21 スケルトン軸 その2 【 Pelikan 二代目ペリスケ with 蒔絵 】 
2007-04-14 スケルトン軸 その1 【 Pelikan M800 Green Transparent  】   
Posted by pelikan_1931 at 08:30Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

5月26日(土)はWAGNERの裏定例会!

5月26日(土10:00〜18:00 萬年筆研究会【WAGNER】裏定例会  初参加歓迎! 今回は個人別調整特訓じゃ!

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aurora_88しゃんの【白と黒】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50983824.html

B&Wの写真かと思いましたな・・・

本物はきっと美しいでしょうが、値段もすごくなりそう・・・

  
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2007年05月25日

判佝 清水編集長の眼鏡無写真

http://www.sideriver.com/spl/0705/index.html

細美研ぎはすごい発想の転換で生まれたペン先

その元は・・・

コンコルドだと思う

曲げないコンコルド細美研ぎ

らすとるむしゃんと拙者の視点ではな・・・

  
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TAKUYAしゃんの【Pelikan 1931 専用ケース】

http://members.jcom.home.ne.jp/y-mo/fullhalter/takuya.html

フルハルターのHPに紹介された小型ペンケース

Pelikan 1931 専用ケース

やられた!

TAKUYA のHPは ==>  http://takuya-mbh.jp/

  
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Finemanしゃんの【Pilot Custom M & SM 比較】

http://blog.goo.ne.jp/fine-man_2007/m/200705

この拡大写真による比較はおもしろい。

ペン先の柔らかさは穂先の長さや、ハート穴の大きさよりも
ペン先の薄さに最も影響を受ける!

という事が証明された!

  
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金曜日の調整報告 【 無理難題! Montblanc 80年代 No.149 14C-F 】

2007-05-25 01 これは1980年代のMontblanc No.149【通称:開高健モデル】のデッドストックとのことじゃ。クリップがなで肩からイカリ肩に変わって行く途中の【半イカリ肩】。なかなか数が少ないもの。

 それを【Pelikanのステノグラフ・ニブのようにしなやかに!トメやハネが綺麗に出るように調整して!】との要望じゃが・・・・それは矛盾していて、無理難題!

 Pelikanのステノグラフ・ニブのの味付けは、ペン先が小さいからこそ出来るもの。小さくて薄いニブがペコペコ動く為にはペン自体が重くてはダメ。Vintage Pelikanの小さくて軽い軸だからこそ出来るのじゃ。

 この【開高健モデル】は他のNo.149より若干ペン先が薄いとはいえ、かなり先端部は厚い。従ってペコペコの書き味にはならない。ではペン先の裏を削ったら?こうすればヘロヘルに柔らかいペン先にはなる。しかしステノグラフのペコペコ感は出ない。

 しかもMintの【開高健モデル】のペン先の裏を削るというのは【神に対する冒涜】に等しい。どうしようもないペン先ならイロイロ改造して更生させようとするのもわかるが、無垢な生徒を捕まえていきなり背中に刺青を入れるような悪行はしないじゃろう。すばらしいペン先はぜひ次世代へ伝えて欲しいものじゃ。特に【開高健モデル】はな。

2007-05-25 02 左は調整前のニブ。見事に周囲がエボ焼けしている。表面のエボ焼けはインクフローに影響ないので残したいが、裏を清掃する際に表側のエボ焼けも一部剥離して汚くなる・・・仕方ないので両面を清掃することになる。

 ペン先は詰まっているが、インクフローは悪くないようじゃ。ただこのスリットの具合だと、シュルシュルとした流れは得られない。もう少しスリットを開けば、インクが盛り上がるようなフローが得られ、書き味も極めてよくなる。大型ニブで柔らかい(と錯覚させられる)書き味を得るには、この方法が一番じゃろう。

2007-05-25 03 ペン先を横から見た画像。エラの部分のエボ焼けの状況が良くわかる。綺麗じゃ!

 ペン芯はもう少し後退させてペン先を強く首軸に固定したほうが良い。【開高健モデル】はペン先の根元が薄いのだが、ペン芯も首軸も変わっていないので、ペン先がぐらつきやすいので注意が必要。あまりにユルユルの場合は、ラッピングフィルムの切れ端を詰める事もあるが、今回は必要なかった。

2007-05-25 04 こちらが清掃前のペン先の全体図。やはり【開高健モデル】はハート穴の横からペンポイントに向かう、ペン先スロープの形状が美しい。

 このスロープが【開高健モデル】が持つ独特の書き味を演出している・・・のかもしれない・・・ 拙者は長時間筆記しないので、どのペン先で書いても差がわから ん・・・ _||   

2007-05-25 05 こちらは裏側。すごいエボ焼け。Mintでもこれほど焼けるのじゃな。ちなみに分解してみたが、Mintというのは間違いない。ペン先とペン芯を挟んでいるソケットの外側にまったくインクが付着していなかった。長期間使えば、接着剤の部分にインクがしみこんで惨い状態になるはずだから。

2007-05-25 062007-05-25 07 こちらが清掃後の裏表の画像じゃ。綺麗にはなったが、エボ焼け独特の紅色にも似た汚れがなくなったのは残念。ライカM4 ブラックペイントの塗装が剥がれた感じから、ピカピカのチタン・ボディになったみたいで、趣は減ってしまったが、インクフローの為にはしかたあるまい。

 ちなみにこの段階で段差は直してあり、スリットもやや拡げてある。削りは一切施していない。

2007-05-25 08 こちらが調整の終わった状態。左右の段差を直しただけでもかなり印象は変わる。ただしステノグラフのような・・・という要望に対してはもう少し滑らかさが必要じゃ。

 削りは必要ない。金磨き布によるバフ掛けと、15000番のラッピングフィルムを用いた微細な傷調整のみ。

 何にでも15000番の
ラッピングフィルムを使う人がいるが、太字でこんなものを使ったらインクがスキップする確率を上げるだけ。通常は2000番か5000番くらの方がインクの乗りが良くて使いやすい。ある程度の筆記音も得られて気持ちよい。

 ただしFやEFの筆記時の感触を多少でも上げようという時には役に立つ。FやEFではどの角度で書き始めてもインクが掠れる確率が小さいので使っても差し障りは無いのじゃ。

2007-05-25 09 横から見た図。なかなかエロい姿じゃ。神に仕える身なら【ふしだらな書き味】と表現するじゃろうが、依頼者ならいいじゃろう・・・きっと。

 今度、依頼者に【名前が彫ってあるNo.149のボディ】に漆を施してもらおうかな。そのボディに取り付けるペン先は紅色にエボ焼けしたペン先じゃ。美しいですぞ。


【 今回の調整+執筆時間:3.0時間 】 調整1.0h 執筆2.0h

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2007年05月24日

解説【萬年筆と科學】 その36

英国特許から見たペン芯の発明にいたるまでの変遷・・・【第三十六章】

 この章で渡部氏は、萬年筆発祥の地である英国特許を紐解く事によって、Watermanが発明したペン芯特許にいたるまでの努力の跡を見せようとしている。個人的な興味もあったのかもしれない。

 本格的な万年筆はWaterman一人が発明したわけではない。彼が発明したのは毛細管現象を使ったペン芯であって、ピストン吸入機構やインキ止め機構などはほかの人が発明したもの。そういう事を知って欲しいと思い、画像掲載した。


2007-05-24 01 こちらは、ピントン吸入機構そのもの。Sの部分を回すことによってRのシリンダーが上下する。早い話が現在のPelikanとまったく同じ。しかもキャップの中から針が伸びており、インクが漏れるのを防ぐという、Safty Penの機構も同時に発明している。この特許はもうすこし評価されても良いかも知れない。

2007-05-24 02 こちらは、ペン芯の中に板ばねを伸ばし、インクフローを調整するもの。いったいどんな素材で板バネを作るつもりじゃ!すぐ溶けてしまうわぃ!とツッコミを入れたくなるが、この特許の面白いところは、1852年に発明されたエボナイトを軸の素材に使っているところ。いかにエボナイトが萬年筆製造者にとって待ちに待った素材かがわかる。ちなみに1855年の特許じゃ。

2007-05-24 03 こちらは1859年の特許だが、目玉はゴムチューブを用いた吸入方式。ゴムをよじって、それが戻る際にインクを吸入するというもの。実際にはゴムの素材の性質上、強く捻るとくっついてしまうので使い物にならなかったのではと思うが・・・

2007-05-24 04 こちらは1878年の特許であるが、仕組みはかなり雑。後ろの穴からインクを口で吸い込む方式じゃ。外側がエボナイト製で内側は軟質ゴム。インクが出なくなったらエボナイトに空けた穴から中の軟質ゴムを押してインクを出すしくみ。皆、インク出に困っていたようじゃな。

2007-05-24 05 こちらは、レバーフィラーに似た機構。ノブを倒すとピストンが前進して空気を出し、もとの位置に戻す際にインクを吸入するというもの。これの発展型がレバーフィラー方式ではないかと拙者は考えている。

2007-05-24 06 この機構を持つ万年筆は拙者も使ったことがある。スワン萬年筆として有名なマビー・トッド商会の製品じゃった。Fという針金が首軸まで貫通しており、その針金を通して空気を入れようというもの。さらに針金がハート穴のところで渦巻状になっており、インクの乾燥を防ぐのじゃ。なんかエンペラーの元祖のような機構。

2007-05-24 07 これは尻軸に開いた穴から空気を入れてインクを出すしくみ。さすがにこのころには、空気が入らないからインクが出ない!ということはわかっていたようじゃな。それにしてもフォールシュによって初めて萬年筆の特許が出されてから70年以上経過している。その間の技術進歩の遅さにびっくり!

2007-05-24 08 こちらは、中芯式インキ止式で、1883年の発明。なんとWatermanによるペン芯の発明の前年じゃ。拙者はインキ止式は相当古い方式と考えていたが、ピストンフィラーの方が51年も前に発明されていたとは驚き!

2007-05-24 09 1884年、ついにWatermanによるペン芯の特許が認可された。溝の中の狭いところを毛細管現象でインクが移動し、その上の広い空間を空気が移動する・・・たしかに画期的じゃ。フォールシュではなく、Watermanを萬年筆の発明者と呼ぶのもわかるな。

 それにしてもWatermanは、その特許に万年筆がインクを吸入する機構については一切触れていない?インクと空気の交換の話を書いただけ。非常にシンプルで画期的! 発明・発見・理論はシンプルなのが一番じゃな!



解説【萬年筆と科學】 その35
解説【萬年筆と科學】 その34 
解説【萬年筆と科學】 その33  
解説【萬年筆と科學】 その32 
解説【萬年筆と科學】 その31 
解説【萬年筆と科學】 その30 
解説【萬年筆と科學】 その29 
解説【萬年筆と科學】 その23 
解説【萬年筆と科學】 その22   
解説【萬年筆と科學】 その21 
解説【萬年筆と科學】 その20 
解説【萬年筆と科學】 その19 
解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
解説【萬年筆と科學】 その14 
解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11
 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9
解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1 

  
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aurora_88しゃんの【007】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50982686.html

ケースが何とも魅力的な逸品ですな・・・

  
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2007年05月23日

水曜日の調整報告 【 松江から来たMontblanc No.144 14K-M 赤軸 】

2007-05-23 01 今回の依頼品はMontblanc No.144の赤軸。これは1990年以降のモデルで非常に良いつくり。

 実は1970年代にMontblancは倒産の危機にあった。1977年にダンヒルがMontblancの経営権を握り、1985年に完全買収した。

 会社が危ない時には良い製品は生まれない。1970年代のNo.149やNo.146の出来が非常に良いのが奇跡であり、No.12Xシリーズの出来が悪いのが当然なのじゃ。

 その点、このNo.144はダンヒルが買収してから10年近くたったころの製品であり、経営不安を考えることなく、かなりお金をかけて作られている。

 依頼内容は、【書き味を滑らかに】ということだったが、分解してみると、大きな問題があった。

.撻鸚茲紡腓な段差がある
▲灰鵐弌璽拭爾涼罎離ぅ鵐が固まっている
ペン芯とペン先が離れている
ぅャップがちゃんと嵌らない【プスンという音。本来はパチンのはず】

2007-05-23 02 これが調整前のペン先の表側。研ぎ方はMだが、ペンポイントは非常に大きい。まるでBをMに研ぎだしたかのよう。何度か修理に出しているとのことなので、Montblancのサービスセンターで研いだのかもしれない。

2007-05-23 03 こちらが裏側。エボナイト製ペン芯ではないので、エボ焼けも無い。多少インクの汚れが付いている程度で異常は無い。

 ペン先の裏表には異常無いのだが、インクを付けて書いてみるとガリガリと引っかかる。ペンポイントの段差がひどく、それが紙にひっかかるのじゃ。それと途中でインクが途切れる。この原因はペン芯とペン先との間の隙間が空きすぎているから。

2007-05-23 04 ペン芯はおそらくは現状のNo.145と同じ物。インク溝、空気通路とも非常に良く考えて設計されている。カートリッジ式の場合、細い管の中に空気道とインク道を別々に作り、その管をカートリッジの中に突き刺さねばならない。ペン芯の設計は吸入式よりも格段に難しいはず。

 構造を見ると現行のNo.146やNo.149のペン芯に良く似ている。それらには上の図の左端の管【カートリッジの中に入る部分】が無いがな。

2007-05-23 05 コンバーターの汚れはロットリング洗浄液で50回ほど吸入作用をやれば綺麗になった。キャップがパチンと嵌らない現象は、ツボ押し棒でキャップの口を均等に拡げれば直った。ついでに口の部分にヤスリがけしておいた。

 問題はぺン先とペン芯の間の隙間。これは何故出来たのか?筆圧が強くてペン先が上に反ったか、修理の時にペン先を反らせたか、ペン芯が寝てしまったか・・・はてどれかな?

 いずれにしろこのままではインクが切れてしまう。実際書いていてもスコスコとインクが切れてしまった。そこで多少ペン先をお辞儀させると同時に、ペン芯を反らせて隙間を少なくした。この作業に一番時間がかかった・・・

2007-05-23 06 こちらが調整後のペン先。多少エラを張らせてある。またペンポイントは腹開き。筆記角度はまったくわからないので、首軸部分を持って書くと想定した。やはり依頼者の癖を知らないで研ぐには無理があるので、研ぎは一切やっていない。簡単な丸めと言うか、エッジ落し程度の調整。

 滑らかにするには、依頼者の筆記角度で320番の耐水ペーパーにガシガシ書いてもらって筆記角度を把握してから削るのが良い。夢のような書き味が簡単に実現できる。

2007-05-23 07 こちらが隙間を塞いだ状態。ペン先の反りを直し、同時にペン芯を反らせた。現状ではバランスを保ているが、熱湯に入れたり、炎天下に30分も放置したらペン芯がまたお辞儀してしまう。

 首軸先端がボロボロになっているが、これは先端部の金属が酸でやられたもの。ル・マン100にせよ、プロフィットにせよ、パーカー75にせよ、先端部が金属のものはどうしても腐食が防げない。従って今では首軸先端部に金属部品を使うメーカーは少ない。PelikanのM300〜M1000は首軸先端部が金色じゃが金属ではないであろう・・・ない事を祈る!

 調整の終わったNo.144にインクを入れて書いてみる・・・実に気持ちよい。やはり太字のペンポイントからインクが滾々と出てくる状態はエクスタシーの極致!


【 今回の調整+執筆時間:2.5時間 】 調整1.0h 執筆1.5h  

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2007年05月22日

暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】 その6

2007-05-22 今回は各社の万年筆を紹介する7頁の記事の冒頭に書かれた【三宅菊子】さんの文を紹介しよう。

 インターネットなど無い時代に、万年筆専門でもない三宅女史が、この文章を書き上げるのにかかった時間はどれくらいであったろう?

 おそらく情報収集に大半の時間を費やしたと思われる。国会図書館などで過去の文献を丹念にあたって初めて書ける文章。

 昭和52年に出版されたこの【世界の文房具】を読み込んでいると、一つ一つの記事が実に良く推敲されていると感じてしまう。締切に追いまくられてダダーっと書き上げた感じはしない。

 毎朝駆け込みで記事を入力している自分と比べて感心してしまう。やはり【プロの物書きはすごい】と感じさせられる。最近はネットで斜め読みする習慣がついてしまったので、文をじっくりと読むことが少ない。時間をかけて書かれた文章にはそれなりの敬意を払って読まなくてはと反省・・・・・

 三宅さんの文章の中で、イギリスのJ・ブラーマが一本の羽根を3〜4本に切ってホルダーにつけて使う方法を発明したとある。5月17日の記事【 萬年筆と科學  その35 】で紹介したばかりなのでびっくり。

 また万年筆の完成を1884年と書いてある。ウォーターマン社は1883年に設立されたが、特許を取得したのが1884年なので発明をその年としたのじゃろう。

 拙者は発明されたのはあくまでも1883年であり、特許取得が1884年と考えるべきではと考えるがな。

 【現代人、特にビジネスマンにとって万年筆は、いまやデュポンのライターと同じかそれ以上に、アクセサリーとしての意味だけが強い。・・・中略・・・万年筆にこだわるのは、よほどの手紙好きの人か、または”もの書き”である。】

 とある。100円ライターが普及し、デュポンのライターがアクセサリーになった事を言っているのであろう。現在では喫煙人口も減ったので、ますますデュポンのライターを持つ人が少なくなった。それにつれてデュポンの万年筆や手帳などが充実してきているのも事実。企業は売れる商品を作るもの。とすれば、ひょっとすると現在は【高級万年筆ブーム】かもしれんな。

 変わり身の早い拙者などその代表。一時はVintage万年筆に血道を上げていたが、書き味がどうのこうのと言っても、文章を書くわけではないので無意味。人が持っていないVintageを見せびらかすだけというのも非生産的・・・ということで、Vintageは殆どお嫁にやり、見た目が上品で派手な万年筆を飾るだけの目的で購入している。これじゃ、アクセサリーにもならない・・・が自己満足は出来る。

 拙者の趣味は書き味調整と修理。書き味の悪い万年筆が何より好きじゃ。最近なかなか手に入らなくなってきておる。生贄提供者募集!

 三宅女史は

 【結局のところ万年筆は時代遅れの文房具になって行きつつある。往年の名品オノトや古いペリカンを、数十万円で買うコレクターはいても、そうした手作りの名品が新しく生まれることはもうないのだろう】

 と結んでいる。これだけは予測が外れたようじゃな。新しい潮流はイタリアから発生して、現在では世界を席捲している。ネクタイやドレスのように、毎日着替える万年筆の世界じゃ。


【過去の記事】

2007-05-15 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その5 
2007-05-08 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その4 
2007-05-01 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その3 
2007-04-24 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】vs【趣味の文具箱 Vol.7】 
2007-04-17 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その1 

  
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kugel_149しゃんの【モンブランの名品「2桁シリーズ」にまつわる物語 その1 『愛の夢』とモンブラン74  】

http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/entry389.html

第二シーズンに突入した【魅惑のヴィンテージ万年筆】

まずは【Montblanc No.74】のお話

薀蓄 → 随筆

にシフトするのかもしれんな

  
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5月27日(日)  谷中でアンティーク万年筆 展示販売 があります

2007-05-21 00 裏定例会の翌日、5月27日の日曜日に、谷中の【ぎゃらりぃ茶屋町三番地】でアンティーク万年筆の展示販売が行われるそうじゃ。

 独逸製アンティーク、国産アンティークに加えて、久保製作所が試作したカラーエボナイト製の万年筆も展示されるらしい。

 ひょっとすると、おもしろいペン先がつているかもしれない。そうなれば、WAGNER 企画万年筆の候補にもなる。

 お時間のある方訪問されてはいかがかな?
  
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2007年05月21日

月曜日の調整報告 【 松江から来たMontblanc No.1266 18C-F 】

2007-05-21 01 この調整依頼には正直困った。依頼者の顔も書き癖もまったくわからない。通常ならペン先に残った磨耗から類推することも出来るのじゃが、ペン先がひん曲がっているため、それもかなわない。途方にくれた。

 しかも拙者が一番苦手な1970年代のMontblanc。内部構造が値段の割りに複雑なうえ、満足な修理道具も無い。過去に30本は壊して捨てたほど。拙者が持っているのもMint状態に近い物だけ。それすら使う予定はない。

 Montblancでは名品といわれた1960年代の2桁番以降、成功した安価モデルは無い。このNo.1266は幻の名品といわれた純銀モデルで、拙者も一時必死に探したものじゃ。相場は最高で8万円まで上がっていたのではないかな?

 非常に高価ではあるが、内部機構は安価モデルと同じ・・・従って修理するのに長時間必要だった・・・

 分解図でみるとおり、部品数はそれほど多くないが、組み立てる際の手加減が非常に微妙。専用機械でシュポン!と入る2桁モデルより後退している。素人がいじることを防ぐためにブラックボックス化しようとしたのかな?


2007-05-21 02 まずはピストンとシリンダーをきれいにした。いくら超音波洗浄器にかけても完全には綺麗にならないが、最後にロットリング洗浄液を入れて振ったら、あっという間に綺麗になった。やはりロットリング洗浄液は修理・調整に必須!

 地方都市なら大きな文具店で取り寄せられる。都会で展示してある店は極端に少ない。ネット販売も見つけるのは困難。しかも、買いだめしても、数年で劣化してしまう。定常的に注文出来る店を見つけるのが一番じゃよ。

2007-05-21 03 書き味には影響ないのじゃが、尻軸先端のスターマークが取れてしまっている。この時代のモデルはけっこういい加減なつくりなので、こういう事故はよくある。

 拙者が使っていた70年代モデルでも、ほとんどが知らないうちに外れてしまっていた。これを直すにはメーカーへ持ち込むしかないが、馬鹿みたいに高
い修理費がかかる。そこで、昔壊した軸に残ってないか調べてみたら、一本だけホワイトスターが残っているのがあった。

2007-05-21 04 それを移植したのがこちらの画像。古いものから歯科用の小型メスを使って掘り出したホワイトスターをNo.1266の尻軸に移植した。新品ではないので多少の汚れはあるが、これで間抜けな尻軸から脱皮出来た。

 移植手術は初めて! 今まではホワイトスターが外れたら全て捨てていた。こうやって直るのなら取っておけば良かったかな・・・

 BやBBでは独特の書き味で楽しませてくれる1970年代のモデルであるが、細字は厳しい。しかもペン先がペン芯を挟み込んであるので、それを力ずくではずさないとペン先曲がりの修理は出来ない。この力ずくではずすという行為が
拙者は大嫌い。かならずペン先に無理な圧力をかけて、曲げたり、書き味が変化したりする。

2007-05-21 05 曲がったペン先を直し、ピストンの動きを修正するまでは、それでも順調だったのだが、ピストンとシリンダーと胴軸と尻軸を組み立てる際に異常に時間がかかった。少しでで位置が狂うと、尻軸がどこまでも回って胴軸から外れてしまう。

 試行錯誤とはこういう作業を言うのか・・・・・というほどの長い時間をかけた挙句にやっと位置が決まった。精神的にへとへと。

2007-05-21 06 ペン先も涼しげにたたずんでいるが・・・到着した時には先端部が左にひん曲がっていた。また段差も激しく、ガリガリという音を立てて紙を削るような状態。

 ペン先の曲がりを直す作業は過去に何度か紹介しているが、勘だけが勝負。口では説明できない。拙者の作業を見ながら力加減を研究するしかなかろう。プロは専用工具を使うのかもしれないがな・・・

2007-05-21 07 もひとつ、惨い状態だった事が・・・ 到着した時にはペン先が上に反り、ペン芯はお辞儀をしており、ペン先とペン芯との間に0.6ミリほどの隙間が出来ていた。

 これではインクが切れるので、ペン先を寝かせる作業と、ペン芯を反らせる作業を行った。この時にどうしてもペン先とペン芯を分離しなければならなかったのじゃ。本当は分離はさけたかったのじゃが・・・・

 さんざん苦労して出来上がった固体は、インクフローもよく、拙者にとってはまあまあの書き味。左上図が修理完了した状態。これならインクが切れる事は無い。

 これが依頼者にとって良いかどうかはまったくわからない。遠隔調整のように書いている状態の写真でもあれば完璧に調整できるが、曲がったペン先を見ながら見たことも無い依頼者のペン先調整は正直無理。

 正確に言うと、100%満足させる調整は無理じゃ。ただし95%程度までは満足していただけるじゃろう。

 もう一生、No.14Xシリーズ以外の1970年代Montblancを調整することはないだろう・・・いや、無い事を祈る。



【 今回の調整+執筆時間:10.0時間 】 調整8.0h 執筆2.0h                 

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2007年05月20日

北ペン倶楽部 & 吉備の万年筆くらぶ & 騾美庵萬年筆苦楽部 合同宴会

 昨日5月19日(土)は楽しい一日じゃった。【北ペン倶楽部 & 吉備の万年筆くらぶ & 騾美庵萬年筆苦楽部 合同宴会】にあわせて早朝、羽田空港から岡山に向かった。

 まずは羽田空港の手荷物検査で楽しい事件が・・・・・

 拙者は万年筆9本とボールペン2本、ペンシル1本を2つのTAKUYA製ケースに入れ、それを機内持込手荷物に入れていたのだが・・・・引っかかった!

 すごくかわいい検査官の女性が

 【出発までにお時間ありますか?】 ・・・ まるでナンパの台詞みたい・・・
 
 【ええ、まだ40分以上も

 【ケース開けていいですか?】 

 【存分に見てくだされ

 ウォーターマン・レカンをブチっと勢い良く引っ張ってインクを撒き散らす

 【あ〜!そんなに強く引っ張ったら傷がつく!こうしてやさしく引っ張るのじゃ!
 といって、キャップを片手で抜く方法を教える

 【す、すみません、気をつけます

 Pelikanのナイアガラのキャップを力いっぱい引っ張って抜こうとする

 【あ〜!そんな事したら、ねじが潰れる。そぅ〜っと捻るのじゃ

 【あ、失礼しました

 と言いつつもめげる事無く、一本ずつチェック。EFのペン先に対しては目を皿のように!極太の3Bなどは一瞥して終わり・・・
 ウォーターマンのボールペンの芯の出し方がわからず右往左往・・・

 【それはキャップ部分を左に回すと芯が出ますぞ

 【ハイ・・・】 カチャカチャと回して確認、そのままペンケースに入れようとする

 【あ〜!そんなことしたらペンケースが汚れるでしょ!ちゃんとキャップを反対に回して芯を引っ込めてから挿すのじゃ

 【ハイ!】 語気を荒げ、すでに相当頭に来ている様子・・・若いな。ではとどめじゃ。

 【拙者は萬年筆研究会に入っておる。お主も入らんかな・・】と言って名刺を渡す

 完全無視して検査官の親玉に

 【ペンケースの確認終わりました。異常無しです。(イケズだけど)

 WAGNERへの勧誘失敗・・・

 今度は80本くらい持って搭乗するかな?その際には繰り出し式とかキャップレスとかも取り揃えておかなくては。そうだ色の無い、Invisible Inkを入れたスケルトン軸も隠すように入れておこう・・・。こういう検査は後に並んだ人に迷惑をかけないので気が楽じゃ。

 一度自宅に帰り、ゑでぃしゃんに電話。
 【今、どこ?】
 【微妙な位置・・・倉敷にいます。】
 【へ?】
 【暇なので、倉敷見物して、食事してからPTAを訪問します】
 【じゃ、後ほど・・・】

 2時間ほど仮眠してから街へ。再びゑでぃしゃんに電話。
 【今、どこ?】
 【PTAで歓談中!】
 【10分で到着じゃ】

 PTAはいつものごとく、女性客ばかり。ゑでぃしゃんと拙者は店の雰囲気を壊すので・・・社長とともに喫茶店へ

 そこでさんざん万年筆談義をしてから、いったん解散。社長は店へ、ゑでぃしゃんはホテルへ、拙者はラヴィアンカフェへ。

 そこには宴会には参加しない【騾美庵萬年筆苦楽部】の面々もいて、名刺交換。そこで、めちゃめちゃおいしいという
山田村のおにぎりの話を聞く。おなかすいてただけに倒れそうに欲しくなる・・・

2007-05-20 01 その後は宴会場所へ移動し、各自名札を胸に掲示しての宴会。最初に自己紹介をした。

 北ペン倶楽部の面々は平均年齢が高いだけあって、万年筆への嵌まり方にも歴史を感じる。

 既に企画万年筆は200本限定で作り、地元の若人達への啓蒙活動として配布したとか。伊東屋より歴史のある文具店【大丸藤井セントラル】がメンバーとして参加しているのが大きい。今回のセーラーの工場見学もそれなくしては実現しなかったであろう。そのセーラー工場見学の話に耳を傾けながら、飲み放題の時間は過ぎていった。

 とそれだけで終わらないのがこの会合。拙者が先日紹介した
レシーフの万年筆を狙っていたメンバーが、PTAの社長に【これから店を開けてくれ!】と直訴し、有志でPTAへ直行。

2007-05-20 02 いつもは若い女性客中心の店内をヲヤジが占領!異様な雰囲気となった・・・・

 皆さん思い通りの獲物&お土産を手に深夜(24時)直前に店を後にした。

 それにしても朝から深夜まで楽しませてもらった一日だった。

 先日、東京で電車の中の広告で、

 【夢は見るものではない、語るものでもない、叶えるものだ

 というような内容のキャッチコピーを見た。

 WAGNER企画商品も、単なる雑談に終わらせるだけではなく、【叶えなくては夢ではない】という気にさせられた。

 仲間が増えるにしたがってその想いは強くなる。ただし叶える作業は皆でやらねば価値は無いのも事実。

 たのんますぞ
  
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aurora_88しゃんの【象に踏まれに... 】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50980441.html

なんと中を外せるような構造になっていたのか!

  
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2007年05月19日

スケルトン軸 その4 【 セーラー プロフィト 透明軸 】

2007-05-19 01 これは何回目かの世界の万年筆祭りの時、セーラーの川口さんのペンクリで入手した。金曜日の昼下がりでペンクリには、たまたま人がいなかったので空いた椅子にすわっておしゃべりしていたら、この万年筆が目にとまった。

2007-05-19 02 川口さん曰く【万年筆祭り用に特別に作って持ってきたら、こればかり売れて、最後の一本。明日になったら確実に無くなる】とか。

 川口さんの【最後の一本攻撃】で同じものを何本も購入した拙者ではあったが、さすがに【世界の万年筆祭り用】というのに惹かれて一本購入した。

2007-05-19 03 数あるスケルトン軸の中で最も透明感が高いモデルじゃ。ただし首軸先端だけが黒いパーツが見えている。このパーツも透明だったらもっと良かったのに・・・

 ちなみに翌日の土曜日にも訪問したら、同じ万年筆がうじゃうじゃ!【あ~、また騙されたぁ!】と声を上げたら、川口さんは【いやぁ、売り切れたと報告したら、急遽作ったみたいなのよ。さっき届いたの・・・】ときまり悪そうに・・・

 しかし、この後も、なんどか最後の一本を購入している。ま、【最後の一本】というのは、拙者と川口さんの間では【挨拶】みたいなもんじゃ。

2007-05-19 04 拙者がこの万年筆が好きなのは、インナーキャップも半透明素材ということ。

 パイロット823はインナーキャップが黒であるため、どうしても好きになれない。聞けば透明にするには数円高くなるからだとか。拙者はインナーキャップ・プラーでインナーキャップをはずして使っていたものじゃ。

 数円の為に、妥協はして欲しくない。またもっと利用者の声を聞いて欲しいものじゃ。社内的には、透明インナーキャップでは汚れが見えてしまうのが懸念されて不透明インナーキャップにしたとの噂もある。

 逆じゃ!汚れが目立つからこそ頻繁に掃除するわけで、利用者にとってはいきなり首軸を掴んだ手が汚れるよりずっとまし。

 823のコースは大好きなペンポイントなのじゃが、インナーキャップがセーラー程度になるまでは使う気がしない。今まで買った823は5本。だが買っては嘆き、買っては嘆きの連続じゃった・・・


過去のスケルトン軸関連記事

2007-05-12 スケルトン軸 その3 【 OMAS Demonstrator 7色揃踏み 】
2007-04-21 スケルトン軸 その2 【 Pelikan 二代目ペリスケ with 蒔絵 】 
2007-04-14 スケルトン軸 その1 【 Pelikan M800 Green Transparent  】 

  
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2007年05月18日

金曜日の調整報告 【 松江から来たMontblanc 70年代 No.149 14C-EF 】

2007-05-18 01 今回の依頼品も1970年代後半のMontblanc No.149。ただし14Cペン先付じゃ。14Cと18Cについては、どちらが先で、どちらが後・・・というような情報が文献で流されているが、実際には同時期に作られていたもの。

 仏蘭西では18金以上でないと金製品と認められないので、仏蘭西向けだけには18金ペン先が付いていた。それを一部他国にも供給してたというのが事実のようじゃ。

 日本への供給は不安定だったので、【どちらが早い!】議論もあった。ただそれは入手した時期から推測しているのであって、製造した時期とは違うと思う。

 実際、14Kが正式版だったころのNo.149の時代に、伊東屋スペシャルと呼ばれたモデルは18Kペン先が付いていた。【特別に作らせたの?】と聞いたら【いや、仏蘭西向けにはずっと前から18Kも作っており、それを入れたんです】という回答だった。

 そういえば、仏蘭西のオークションでは18Kペン先付の定番No.146がよく出ている。

 前回の依頼品は70年代後半のNo.149 18C-Fだったが、今回は同じ時期のNo.149 14C-EFじゃ。

2007-05-18 02 これが調整前のペン先。既に一応の洗浄は済んでいるが、ハート穴周囲にインクのしみがある。これはペン芯に相当インクがこびりついている証拠。洗浄する度に、それが少しずつ溶けてニブ表面に出てくるのじゃ。

 拙者はEFは使わないので、【こんな立派なニブに小さなペンポイントはもったいないなぁ】と思ってしまう。

2007-05-18 03 しかし、依頼者は筆圧が高い。しかも比較的大きな字を高速で筆記する。ハネなどはかなり力を入れて書かれる。

 ということは小さなペン先を使えば、たちまちペン先が変形してしまう。高筆圧・高速筆記・大文字にはNo.149が一番安全じゃな。

2007-05-18 04 これはパピロ21の店頭で、長年試し書き用として使われてきた。また原店長の愛用品として、高筆圧・高速で大きな文字をいっぱい書かれてきた。

 従ってペンポイント先端はまっすぐ斜めに切り落としたように磨耗している。この角度から見ると、かなりペンを立てて書くはずじゃ。そして磨耗によって、少しでも手首を捻って筆記角度が変われば、エッジが引っかかってしまう。

 角度調整は簡単だが、高筆圧・高速筆記に耐えられるようにする微調整が必要となる。

2007-05-18 05 まずはソケットからはずしたニブの表側。表面は洗浄してあるので綺麗じゃが、首軸に入っていた部分にはエボ焼けが見られる。これを完全に除去しないとインクフローが悪い。本当は、ここまで綺麗なエボ焼けは残しておきたいのだが、実用に供するものは仕方ない。

 ちなみに拙者の観賞用Montblanc No.149では、エボ焼けは一切除去していない。見事に飴色をしたニブじゃ。ただしインクの出は極端に悪い。使わないからいいんだもぉ〜ん!

2007-05-18 06 こちらは裏側。見やすいように多少明るめの画像を使ったが、実際には真っ黒に近いほどのエボ焼け。長い間にはMontblancの黒インクも使われていたようで、エボナイト製ペン芯をロットリング洗浄液に2晩浸したところ、液は真っ黒になった。改めてエボナイト製ペン芯のインク保持能力の高さを証明したようじゃ。

 現行のプラスティック製ペン芯では機構の中にインクを保持するので、洗えば全て流れ落ちる。エボナイト製ペン芯は素材の表面のデコボコ部分に保持されて固まったインクも多い。ロットリング洗浄液が無ければ完全清掃は難しい。超音波洗浄器で洗った後でも、ロットリング洗浄液に浸すと・・・インクモクモク!という事はよくある。


2007-05-18 07 こちらがロットリング洗浄液を含ませた大型綿棒で擦って清掃した後、金磨き布でゴシゴシ磨いたものじゃ。まるで新品じゃろう!

 金磨き布が田舎では入手できないと悩んでいる方もいようが、これはamazon.co.jpで販売している。【金みがきクロス】で検索すれば一発で出てくる。

 既に殆どの調整道具は通販で手に入る。問題はそれをどう使うかじゃ。先日の表定例会では、多くの方々が拙者の手元を見ておった。相当参考になった事と思う。次世代の市井の調整人が数多く誕生してくれる事が拙者の願いじゃ。それによって萬年筆文化は拡がっていくからな。

2007-05-18 08 こちらは裏側の清掃後の姿。特にエラが張っている部分の内側はエボ焼けが落ちにくいので徹底的に磨いたほうが良い。もし、極太でインクフローもドバドバが良いという場合は、裏側にロジウムを鍍金する。そうすれば、エボ焼けの発生も抑えられるし、ロジウムを塗るとインクフローが良くなるというのは常識らしい。

2007-05-18 09 こちらが首軸に取り付けたニブ。調整前よりは多少ニブが前に出ているが、その分、ペン芯を後退させているのでぐらついたりはしない。

 EFなのでヌメヌメという書き味は無理だが、どの角度で書いてもインクが切れることは無い。また極度の引っ掛かりも無いはずじゃ。

2007-05-18 10 こちらは研磨した後のペンポイントの状態。真っ直ぐ斜めに削られていた状態の上と下を多少丸めて、引っ掛かりをなくした。そうすると接紙面積が狭くなって紙を彫る感じの書き味になるので、スリットを拡げインクフローを増加させ、筆圧をかけないでもすらすらとインクが出るように調整した。あとは最終的な微調整をしたいところじゃが、そこは遠隔調整の悲しいところ・・・

 98%の状態には出来るが、100%にはならない・・・そこが残念!


【 今回の調整+執筆時間:4.0時間 】 調整1.0h 執筆3.0h                 

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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

2007年05月17日

解説【萬年筆と科學】 その35

欧米特許から見た万年筆誕生までの試行錯誤・・・【第三十五章】

  今回渡部氏は息抜きをしている。過去の特許資料を引っ張り出しながら、現在の技術と比べて、【ここまで進歩したんだ】という感慨と、【この時代にここまでの完成度はすごい】という感嘆。

 さらに冒頭では、万年筆と筆の文化が融合した日本こそが、【東西文化の融合地】ではないかと力説している。民族独自の縄張りを奪われないで固有の文化を今日まで維持しているばかりではなく、西欧文化を租借することによって、東洋文化の培養に努めつつあると・・・・
 
2005-05-17 01 これは、1805年にフレディリック・フォールシュが英国で初めて【万年筆】として獲得した特許の図を渡部氏がわかりやすく書き直したものじゃ。

 もちろん、ウォーターマンが発明したペン芯の機能は入っていない。

 インクが切れたら尻軸を押して空気を入れるという方式じゃ。インクの出は軸内に入る空気によってコントロールされる事を利用した特許の第一号らしい。

 拙者はこれを見て、何故ウォーターマンのペン芯特許がすごいのか、初めて理解できた。空気をペン芯から入れて、インクをペン芯から出す。しかもその量を制御出来る・・・電気を一切使わない自動制御だったのじゃ!バイメタルよりもすばらしい!

フレディリック・フォールシュは同時にカーボン紙を発明した人でもあるとか。その作り方は・・・

.丱拭爾魏个砲け溶けたころを見計らって同量の炭素を投入
⇔匹かき混ぜて石の上にこぼして固まらせる
まだ熱いうちに海綿のような柔らかいもので布目紙の片面に擦り込む
ぃ院腺夏放置
ゴイい辛曚罵省な炭素を拭い去る
Υ屬傍曚ぜ茲蟷罎鯑れてその布目紙を数枚はさみ、プレスで48時間

 これで一ヶ月の使用に耐えるのだとか。オフィスの生産性向上に執念を燃やしたフレディリック・フォールシュに脱帽じゃ!

2005-05-17 02 こちらは1809年にジョセフ・ブラーマーが獲得した特許。鉄ペンの発明につながるアイデアが掲載されている。

 一本の羽根を一本のペンに使うのは不経済なので、一本の羽根の両端にペン形を作り、それを軸に納めて使用すれば2本分利用できるというもの。いわば替えペンを軸に挿す方式。

 【ペン先と軸が別々の物】というのが偉大な発明なのじゃ。先のフレディリック・フォールシュの万年筆ですら、ペン先は胴体と一体だったからな。

 下の画像は、ペン先を胴体にバンドで取り付ける方式。もう鉄ペンと同じ方式といってよい。

 鉄ペンは、これより21年後の1830年にジェームス・ペリーが発明したのであるが、既にそのアイデアはフォールシュによって完成していた・・・というのが渡部氏の結論じゃ。それにしても海外の特許資料まで良く勉強している。

 娯楽が少なかった時代とはいえ、この勉強ぶりには頭が下がる・・・

2005-05-17 03 拙者はこれこそが万年筆だと思う。しかも現在の万年筆よりもさらに進んだ形態ではないかと!

 複数のペンでインク壷を共有しようというアイデアじゃ。筆記具というよりも、現在のRGB端子のスイッチャーのようでもある。

 4人で向かい合わせに座って、黙々と書き物をするような時には効果を発揮するじゃろう。たとえば転記とかな。

 ちなみにこの時代にはゴム管というものは発明されていなかった。従って、この小さいパイプを作るのには相当苦労したようで、事細かに製造法が書かれているそうである。ちなみに図は一切使われていなかったらしい。恐るべき表現力。

 そして英語で細かく説明されている複雑怪奇で見たことも無い機構を、ちゃんと図に起こせた渡部氏の英語読解能力はすごいものじゃ。

解説【萬年筆と科學】 その34 
解説【萬年筆と科學】 その33  
解説【萬年筆と科學】 その32 
解説【萬年筆と科學】 その31 
解説【萬年筆と科學】 その30 
解説【萬年筆と科學】 その29 
解説【萬年筆と科學】 その23 
解説【萬年筆と科學】 その22   
解説【萬年筆と科學】 その21 
解説【萬年筆と科學】 その20 
解説【萬年筆と科學】 その19 
解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
解説【萬年筆と科學】 その14 
解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11
 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9

解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1
  
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2007年05月16日

水曜日の調整報告 【 松江から来たMontblanc 70年代 No.149 18C-F 】

2007-05-16 01 今回の依頼品は松江から届いたMontblanc No.149。連休中に松江を訪問した際、わざわざパピロ21へ来てくださった方からの依頼じゃ。

 パピロ21のお得意様で、店長の原圭子さんの友人でもある女性。原家でFinemanしゃんと一緒に抹茶やヨーグルトをご馳走になった際に依頼を受けた物。

 2本のNo.149を見せていただいたが、1本は5秒で調整完了。スリットを拡げるだけで良かった。ただしこちらはペン先の設計上、それだけでは効果が少ない。どうしても分解する必要がある。

 遠距離の移動を100%飛行機に変えて以来、調整道具を持った遠征が出来なくなった。刃物や鋭利な先端の道具ばかりだからな。歯医者用のメス、五寸釘、カッターなどが満載された道具箱は機内に持ち込めない・・・

 少なくとも帰省用には、もう1セット準備しておく必要がありそうじゃ。ついでに量産して売ろうかな?遠征先の人に持っていてもらえば、持ち歩かなくて良い。出張料理人みたいじゃが・・・

2007-05-16 02 依頼品はちと珍しい組み合わせじゃ。1970年代のボディに、スリット無しのエボナイト製ペン芯。それに18C-Fのペン先がついている。この時代のペン先の特徴は斜面のえぐれ方が少ないので、紙あたりが硬い。

 ただしニブの厚みは多少薄いので、押せばどこまでも首軸に入っていきそうな感じになる。結果として柔らかいはずなのに、妙に弾力が無い書き味になっている。拙者はこの時代の18C-BBBを持っているが、BBBはどの時代も似たようなもの。F程度の細さでこそ、調整の妙味がある。正直斜面を削らないと柔らかな書き味にはならないが、了解を取ってないので今回は止めておこう。

 ペン先は良い按配にエボ焼けしている。昔はこういう色のニブを好んで探し、悦に入っていたが、最近ではインクフローを悪化させる張本人として、見つけ次第退治している。

2007-05-16 03 スリット無しのペン芯の上に載ったペン先は、販売時からいじられてはいないようだが、拙者の好みからすれば、もう少しペン先を前進させたい。

 ただしニブが薄いので前進させると必ずぐらぐらしてくる。これを取り除くにはペン芯を首軸内に押し込めばよい。この部分は定量化されてなくて、拙者の感だけ。従って毎回多少は変わってくる。焼き物の仕上がりみたいで、毎回違った作品が出来上がるのが楽しい。

 このペン芯は水で入念に洗った後で、念のためにロットリング洗浄液につけてみた。最初は何の変化も見られなかったが1時間ほど経過した段階では液は真っ黒に濁っていた。相当インクがこびりついていたのだろう。

2007-05-16 04 ペン先の表側は一見すると全体に茶褐色に変色していて綺麗に見える・・・が拡大してみると、エボ焼けとインクがこびりついて酷いことになっている。

 別に特別なことではなく、エボナイト製ペン芯を持つ万年筆は、長期間使っていれば必ずこうなるのじゃ。2年に一回くらいの割合でオーバーホールしていれば、こうはならない。しかしMontblancに頼めば莫大な金額と時間を要求される。

 ここはひとつ、自分自身でペン先のセッティングくらいは出来るようになって欲しいものじゃ。特にWAGNER会員にはな。

2007-05-16 05 こちらは裏側。思ったほどエボ焼けは多くない。事実、ロットリング洗浄液を含ました綿棒で擦ったら、インクはものの見事に落ちて、綺麗になった・・・とりあえず金磨き布で擦ってエボ焼けは全て取り除いたが・・・何故表側よりエボ焼けが少なかったのかな?

 まだまだ不思議な事はいっぱいある。少しずつ皆の経験を集めて仮説検証をしたいものじゃ。個人の経験には限度があるでな。

2007-05-16 06 こちらがエボ焼けを取り、スリットを拡げたペン先じゃ。見違えるほど綺麗になったが【褐色のエボ焼け】が消えたのは残念。

 なんとか表面だけでも変色を残せないかと長年研究しているのだが、指でスリットを開く作業をしただけでも、変色が取れてしまうので、均一な変色を残すのが難しい・・・・

2007-05-16 07 こちらが胴体に取り付けた後で、丸め作業を繰り返した完成形。多少スリットが離れているのが見えよう。

 これでインクフローが激変する。インクが出な〜い!という状態からスールスルと書けるようになった。14Cの開高健モデルの方が紙当たりが柔らかいのは斜面のえぐれが急だから。

 そういう処置をこのペン先にも施せるのだが、やった事はない。実は良く見るとこの時代のぽっちゃりとしたペン先が、最もNo.149に似合うのじゃ。

 開高健モデルではペン先が勝ってしまう。この時代のニブは控えめでボディとの一体感がすばらしい。残念ながら独逸から仏蘭西向けに輸出されるはずだった品。そうそう日本では手に入らない。特別に取り寄せたか、間違って入荷したものが出回ったか・・・真相を知りたいものじゃ。


【 今回の調整+執筆時間:4.0時間 】 調整1.0h 執筆3.0h

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2007年05月15日

aurora_88しゃんの【萬年筆研究会〔WAGNER〕第17回月例会報告】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50977457.html

本格記事がUpされました!

  
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暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】 その5

2007-05-15 この見開き2頁で紹介されているのは【ナイフ】じゃ。書斎やオフィスで使う物を【文房具】と定義すれば、いささか飛躍したところにいるのがアウトドア用のナイフ。

 なんでこんな物が紹介されているのか?・・・と疑問に思っていたが、右上に書かれている言葉を読んで納得した。

 【いいナイフさえあれば、人は机に向かっていても山野をさすらう狩人であることが、できるのです

 確かに書斎は読書をしたり手紙を書いたりというだけではなく、机の上に足を上げて葉巻でもふかし、ナイフをペチャペチャとほっぺに当てながら空想に耽る空間だったのかもしれない。

 現在では、預金残高を考慮しながらインターネットオークションやネットショップで【ポチッ!】するかどうか悩む空間になっている気がしないでもない。もちろんその商品が入手できた後の喜び度合いと、どうやって家族から隠し通すかの策をも一緒に考える・・・

 blog執筆者にとっては、ネタに悩み表現力の無さに落胆しつつ、とりあえず本日の記事をUpした後の爽快感を味わう為に苦闘する脳のアスレチッククラブかな?

 拙者は刃物を幼いころから使っていた。3歳くらいから頻繁に手を切ったものだが、【血が出た〜ぁ】と騒いでも母は【なめとけ】で終わりだった。父は嬉々として包帯を巻いてくれた。

 野生的な母と、村長のボンボンだった父の違いは子供にとっては強烈じゃった。【父組みやすし!】と思っていたのだが、社会に出てみると成功しているのは全て母のようなタイプだったな。

 小学校に入った時、母から切り出し小刀【18】で鉛筆を削る特訓を受けた。当時の小学校には教室に鉛筆削りが配備されていなかったので、シュルシュルと鉛筆を削る拙者は女の子の憧れの的。

 今までで一番女性からちやほやされた時代じゃな。それにしても、みんなが休憩時間に鬼ごっこしている時に、せっせと他人の鉛筆削りしている子供の姿は異常じゃな・・・みんながおしゃべりしている隅っこで、ひとり黙々と削っている・・・

 皆が歓談している隅で黙々とペン先削っている姿に似てなくも無い・・・いやそっくりじゃ! 

 そうか!ペン先削りは大昔のモテモテだったころの夢よもう一度!という気持ちが潜在意識に働きかけているのかも知れんな。


 文房具としてではなく【工芸品】としてみれば美しいナイフはたくさんある。が拙者が興味があるのはプロが使う道具。この中ではヨットマンが使うナイフ【】が良い。破れた帆を縫う際に使う【帆に穴をあけるキリ】が付いているナイフってコンセプトに惚れた!

 プロはシンプルな物を用いる。使い慣れて生産性を上げる必要があるからな。素人ほど多目的に惚れる。拙者は両方とも好き。しかしヴェンガーナイフ【は絶対にすぐ飽きる事が明白なので一度も買ったことが無い。

 WAGNER会員にはこれを常備している人も多く、たまに借りるが確かに便利。拙者は自分で持って歩くよりも、常備している人と仲良くする事にしている。だって重いも〜ん。

 子供なら誰もが持っていた肥後守【17】は昭和36年ごろには一個10円で小学校そばの文具店というかよろずやで売っていた。一緒に鍬や箒や2B弾やタバコやバスの切符も売っていたな。おばあさん一人でやっていた店。

 先進的な母は、そのおばあさんに事前にお金を預けておいて、拙者の買い物はそこから差し引く契約になっていた。

 拙者はお金払わないで何でも買えると最初は喜んだが、実は何に使っているかが母にバレバレになる仕組みだとさとって極力買い物はしないことにした。母の作戦勝ち!

 昭和52年でも肥後守【17】は50円でしかなかった・・・昭和39年の東京オリンピック後に物価は上がったはずだし、昭和48〜49年ごろの石油ショックで物価は急上昇した。それでも50円で銀座伊東屋で売っていたとは驚きじゃ。

 拙者が上京した昭和46年にはラーメン一杯が90円。それが石油ショックの直前には120円。石油ショックで250円にまで上昇した。

 その後もじわじわ上がり続けたことから考えて、昭和52年で50円【ラーメン一杯の2割にも満たない値段】の手づくりナイフの存続が難しかった事は想像に難くない。ある意味万年筆よりも不遇な存在であったろう。

 現在でも装飾ナイフのマーケットはかなり大きい。10万円を超える高級品も数多くある。一方で実用的で安価なナイフはNTカッターなどに押されて市場から姿を消しつつある。万年筆の世界に似ているかも・・・

 【ヴィクトリアン・ナイフとNTカッターの世界】に酷似した【高価な限定万年筆とゲルインクボールペンの世界】 

 それはイヤじゃ!やはり日常的に万年筆を使うのがオシャレな時代を作りたい!まずは啓蒙活動に励まねばな。


【過去の記事】

2007-05-08 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その4 
2007-05-01 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その3 

2007-04-24 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】vs【趣味の文具箱 Vol.7】 
2007-04-17 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その1 

  
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2007年05月14日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.1468 デスクセット 14K-BB 】

2007-05-14 01 依頼品は先日のペントレでの最大のお買い得品だったろう。純銀のカバーの付いた台だけでも3万円以上で取引されているものに、純銀の万年筆がついて2万円!拙者が最初に見つけた人間でなかったことが悔やまれる。

 売主は無知でこの値段をつけたのではなく、経緯を熟知した上で、愛好家に今後を託したと考えた方が自然。依頼者が偶然にも拙者の高校の後輩だった!ということもあり、可能な限り完全な状態で渡すことにした。

2007-05-14 02 ペンスタンドには差し込むだけ。ねじったりはしない。いつでも簡単に引っ張り出せなくては意味が無いからな。純銀製のNo.1468のボディだが、発売当時の姿と比べると、若干の違和感がある。

 それにしても酸化と手垢で綺麗に曇っている。フェンテのでべそ会長も【いいなぁ〜】と感心しておった。ピカピカの状態からここまでの状態にするには少なくとも2年はかかる。依頼者と相談して、とりあえずはこのままの状態で調整することとした。

2007-05-14 03 首軸先端の拡大図。ここに、この純銀モデルが2万円で売られていた秘密が隠されている。素通しインク窓の純銀モデルに、14K-BBのペン先はありえない。ソリテールと呼ばれる金属軸は全て18金ペン先がついている。

 しかも首軸先端がラッパ型に開いている。正しくはヘミングウェイと同形の非ラッパ型の首軸先端部品であるべき。

2007-05-14 04 横から見ると、ペン芯のフィンが反対側まで通っている。これは本来のエボナイト製ペン芯ではありえないし、ヘミングウェイの時代のNo.146のペン芯とも違う。

 ペン芯には空気を入れる機能、インクを送り出す機能、あふれたインクを保持する機能がある。この現行ペン芯は外観だけ見るとインク保持機能を強化したように見える。

2007-05-14 05 ここで疑問。現行のペン芯はそれ以前のペン芯より径が太く、そのままでは旧型の首軸には入らない。それでは何故、新型のペン芯+ペン先が、旧型の軸についているのか?その真相は後で述べよう。

 ペン先は14KのBB。現行モデルで非常に良いペン先じゃ。ペン先は昔ほど良いという一般論で語る人もいるが、そうではない。ペン先は使われている時代の書き手の平均的な筆圧を考慮してペン先の厚みや剛性を決めているはず。従ってボールペン実用化以降に発売された万年筆のペン先は厚くなっている。

 拙者は平常な気持ちで万年筆で遊ぶ時には低い筆圧でゆっくりと筆記する。ところが会社で会議のメモを取る時などには筆圧が上がり、高速筆記する。いわば拙者の生活の中では異常事態じゃが、万年筆はそういう状況にも対応しなければならない。ボールペンを一度体験してしまうと、どんなに筆圧を低くして書いていても、イザという時に筆圧が上がってしまう。肝心の時に痛む古傷のようなものじゃな。

2007-05-14 06 これが調整前、調整後の表と裏のペン先じゃ。いかに汚れていたかがわかろう。高周波数の超音波洗浄器、ロットリング洗浄液に浸けておいただけでは完全には取れず、金磨き布でゴシゴシ擦りまくてやっと綺麗になった。調整時間の30%以上がペン先清掃という珍しい調整じゃった。

2007-05-14 07 さて真相。なぜ現行のペン先+ペン芯が旧型のボディに取り付けられたのか?これは内部構造を熟知した人にしか出来ない改造。ペン芯ユニットを胴体に取り付ける部品ごと交換という奇策!左画像の赤い矢印部分と同じ部品だったのをはずして、青い矢印の部品を取り付けたわけじゃ。

 新旧で胴体の内径は同一。したがってペン芯ユニットを固定させる部品を交換すれば、旧型度ディに新型ペン芯+ペン先を取り付けられる・・・カメラでいえばマウント・コンバーターみたいなもの。拙者が今まで考えた事も無かった改造じゃ。だがこれで合点がいった。胴体と首軸先端の形状が時代考証から考えておかしいモデルを過去に見てきた。何度かモデルチェンジを繰り返していたのかと考えていたが、ペン芯固定ユニットに互換性があったとは・・・・・不覚じゃった!

2007-05-14 08 左画像の上が本来付いているべきエボナイト製ペン芯で、下がこの万年筆に取り付けられていた現行No.146と同じプラスティック製ペン芯。内部構造を見ると明らかにプラスティック製の方が凝っているが、凝らなければならない理由もある。

 【インク誘導液】なるものがあるが、あれはエボナイト製ペン芯には不必要なもの。インクとなじみにくいプラスティック製ペン芯に使うらしい。とすればエボナイト製ペン芯の方がインクとなじみやすいわけじゃ。

 いくらオリジナルに近づけるとは言っても、性能の良いペン芯をわざわざ性能の低いペン芯に変える必然性は無いようにも思われたが、クラシックカメラをこよなく愛する依頼者にとっては、出来るだけ古い物に近づけたほうが良かろうと判断して
エボナイト製ペン芯を取り付けた。

2007-05-14 09 二枚上の画像の赤矢印で指し示した部品をはすして純銀軸に装てんした。固定ネジの径は同一だが、設計は違うのでところどころに空間が出来る。そこでその部分はサイレックスという接着剤とゴム糊で充填した。接着力が弱いのでいつでも分解できる。来月くらいからは、この部分を医療用のワセリンで代替出来るようになるはずじゃ。止血に使うのでインクの漏れも防止出来るからな。

2007-05-14 10  これが出来上がった首軸先端とエボナイト製ペン芯の状態。位置固定ではないエボナイト製ペン芯なので、ペン先とペン芯の位置関係は微調整出来る。拙者の最も好きな状態に設定できて大満足。

 では実際に書いてみたら・・・な〜んだ!現行の14K-BBニブって、当時と変わらない書き味じゃん。そう現行であろうと当時のニブであろうとBBともなればどれも柔らかさは変わらない。ということは手で感じられる反応も同じ。したがってヌルヌル調整にすれば、ボディの全ての部品と書き味が当時といっしょ。違うのはニブの表示のみという状態になった。


【 今回の調整+執筆時間:5.0時間 】 調整3.0h 執筆2.0h

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Finemanしゃんのblog【国産定番万年筆 最強インプレ】

http://blog.goo.ne.jp/fine-man_2007/

Finemanしゃん独特の分析的切り口が面白い

コメントのLink先にも面白い記事が満載じゃ

  
Posted by pelikan_1931 at 01:11Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote Blog紹介 

2007年05月13日

最近の日常使用筆記具紹介

2007-05-13 01 本日は17回目のWAGNER定例会じゃ。ひさしぶりに拙者が日常的に利用している筆記具を持参しよう。いつもは調整に没頭しているが、本日のメインはWAGNER企画万年筆会議が中心なので、話題提供も含めてな・・・・

 上から2本目は一見何の変哲も無いLAMYの4色ボールペンじゃが、レフィルはゲルインクを使っている。【吉備の万年筆くらぶ】代表に教えてもらった。このレフィルは絶品!買うたびに飽きて捨てていた4色ボールペンが楽しくなった。

 上から4番目は先日紹介したレシーフのチェイス軸。岡山のPTAで入手した。軸が重く、非常にバランスが良い。唯一のスチール製ニブ付だが書き味は上位!

 下から2本目はM150だが、ニブは18C-Fのバイカラー E.N.。道具箱に入っていたニブの流用。元はM400と同じ大きさの時代のM600に最後期モデルについていたもの。

 一番下は母が残したM200。ペン先は12C-500のHM。これは結構好きな書き味じゃな。この時代のBBなんか見てみたいものじゃ。

2007-05-13 02 こちらの4本は胸ポケットに携帯している・・・が重い!

 一番上はWatermanのカレン。入手後3年経過してようやく納得の良く調整になった。

 次はNORD/LB。これは後で詳しく・・・・

 下から2本目はPelikanのナイアガラ。世界の万年筆祭りの時には国内発売数300本とPelikan Japanの方が言っておった。使わせてもらったらあまりにすばらしいので絶賛したら【ちと冒険しようかな?】というようなニュアンスに責任者の方のスタンスが変わったように思われた。

 先日購入した店で聞いたら国内発売は350本になったとか。50本冒険されたようじゃ。その店の人から【あなた(拙者のこと)が絶賛したので売れますとペリカンの人が言ってました】と聞かされて苦笑い。しかし代理店在庫はゼロで既に流通在庫しか無い。拙者の影響力はそこまでは無いので、やはりナイアガラ自身の出来の良さが販売店に評価されたのだろう。もっとも【あなた(拙者のこと)のせいでBばかりお客様からの注文があって困っているのよね・・・】とも聞いたので、購入者の側では拙者のBlogを参考にしている人がいるのかもしれない。拙者はナイアガラのBを褒めてはいない。調整が必要ですよと警告しているのだがな。調整を施せば絶品じゃよ。軸の素質を活かせるペン先になる。

 一番下はセーラーが作ったグランザス。キャップが後ろに挿せない(個体差?)が、キャップをはずして書いたほうがバランスが良いので、唯一キャップ無しで筆記している。

2007-05-13 03 これがNORD/LB。通常は14C-Mが付いているがなんとも平凡な書き味。これまでに5本手に入れたが、2本はお嫁に行った。今回やっと軸にあったニブが調達できた・・・というか製作出来た。

2007-05-13 04 ついているニブは14C-O3Bの斜面を削ったもの。それに20金を鍍金してボディの金属部分のトーンとペン先を合わせた。

 これは良い!最近完成したのだが、間違いなく今年前半のMVPになりそう。通常の3BよりもO3Bを削って作った3Bの方が太いようじゃな。久しぶりに本格的なヌラヌラを味わった。

2007-05-13 05 そしてNORD/LBに入れているインクがこれ!パピロ21で発見したインク。なんと試し書きコーナーに普通に並んでいた。

 このボトルのエレガントさは・・・フランスのデザインとは思えない。むしろアメリカの匂いがする。空気抵抗の少なさがもてはやされたころの弾丸列車に似ている・・・が、ちゃんとMade in Franceと瓶には彫ってある。英語でな・・・

 このインクの臭さには脳みそがトロケそう。良い!本日参加の方は一度匂いをかいで下され。

  
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萬年筆研究会【WAGNER】 第17回月例会のご案内

5月13日(日)第17回のWAGNER月例会 【一般参加歓迎】 406号室

日時:5月13日(日) 9:00〜17:00
場所:EBIS303  406会議室 03-5420-4374 東京都渋谷区恵比寿1−20−8  エビススバルビル
                        
http://www.ebis303.com/access_map.html
参加費:2000円
内容:ペンクリ、情報交換会、WAGNER 企画万年筆雑談大会!
会場は9:00からオープンしていますので、いつ入場していつ退場してもけっこうです。
WAGNER会員以外でも大歓迎。新規加入も受け付けています。
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2007年05月12日

kugel_149しゃんの【 あるところにはあるもんだ。いるところにはいるもんだ。上には上がいるもんだ 】

http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/entry352.html

記事アップと同時に首位独走中!

今回はペントレでの話題じゃ!

  
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スケルトン軸 その3 【 OMAS Demonstrator 7色揃踏み 】

2007-05-12 01 1990年代前半に、Fountain Pen Hospitalから送られてきたカタログに【OMAS 555/S】が掲載されていた。左の画像と同じタイプで黒軸。当時はOMAS命の拙者だったので欲しくてしようがなかったのだが、ネットも普及していない中、なすすべがなかった。なんせエアメールの住所の書き方も知らなかったのでな。

2007-05-12 02 1996年ごろからeBayなどの海外オークションに参加するようになってから、欲しいものは比較的容易に手に入るようになった。コツさえ覚えればオークションで勝つ確率は上がる。それに当時は日本人でもコレクターしかeBayに参加していなかったので相場を崩すほどの高値は付けなかった。それが崩れてきたのは2000年以降。特にVintage Montblancの値は高騰した。

 高騰する前の時代を【良かった時代】という人もいるが、拙者はそうは思わない。1950年代のNo.146が10万円以内で手に入る事の方が異常。同じものを現在再現しようとすれば売値は30万円を超えるじゃろう。むしろ古くて多少くたびれているから30万円のものが半額以下で買えると喜ぶべきじゃ。

 このOMAS 555/SもeBayで入手した。値段は覚えていないが、かなり競った記憶だけは残っている。特にオレンジ軸。それでも150ドルには達していなかったはず
。こういうマイナーなものには相場というものが形成されていない。だからこそ値段はばらつく。たとえば緑軸は60ドルほどで入手出来た。両方とも拙者は500ドルまでは出す気でいた。それほど欲しかった・・・

2007-05-12 03 それと同じもので、デモンストレータ軸がある。これはLEVENGERの通信販売で売られた事があるので、持っている人も多い。販売されたモデルは金鍍金製ペン先だったので、拙者はOMAS 1930のペン先と交換して全て18金ペン先モデルに変えてコレクションしている。

2007-05-12 04 実はオリジナルの金鍍金ペン先の方が柔らかくて書き味が良い。従って実用に使う場合はそちらを使っていた。

 LEVENGERでは左記の7色全てを売っていたわけではない。これらはあちこちで買い揃えていったものじゃ。

 実は日本市場にも入る可能性はあった。アメ横の行きつけの店で、こっそり見せてもらった事がある。金メッキペン先付で定価15,000円。4割引で9,000円売れるか?と聞かれたので、【売れん!】と答えた記憶がある。

 大人気の初代ペリスケが5,000円だったので、15,000円はあまりに無謀な値付けと考えられたのでな。もし正式輸入していれば在庫処分に困ったことじゃろう。

 もっともそのおかげで、日本では珍しい7色のデモンストレータ・コレクションとなったので、拙者にとってはオーライじゃ。ただし今回ここで披露したことによって、コレクションとしての価値は無くなったかもしれん。

 尻軸内部、首軸内部、キャップ内部が半透明ではない。これをデモンストレータと呼んではまずいかもしれない。時計にたとえれば、せいぜい裏がガラスになっていて、内部の動きが覗き見えるようなもの程度だが・・・

 簡単に分解掃除出来る上、一番利用者を悩ませる首軸内部の汚れが見えないのは最高!軸色にあったカラーインクを入れて楽しめるじゃろう。

 資本が変わった今となってはOMASからこういう安価モデルが出る可能性は無くなったが、たまにeBayでは出現する。40ドルから70ドルくらいで落札されているようなのでチャレンジされてはいかがかな?ただしペン先はスチール製。さらには調整を施さないとペン先の寄りが強くてインクフローが悪い固体が多かった。ある意味生贄には最適かもしれない。

 ここで紹介した7本にも一切調整は施していない。老後の楽しみに取ってあるのじゃ・・・ヒヒヒ


過去のスケルトン軸関連記事

2007-04-21 スケルトン軸 その2 【 Pelikan 二代目ペリスケ with 蒔絵 】 
2007-04-14 スケルトン軸 その1 【 Pelikan M800 Green Transparent  】 

  
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2007年05月11日

金曜日の調整報告 【 持ち主のわからない中屋の黒軸 14K-中 】

2007-05-11 01 先日のペントレで預けられた中屋の万年筆。いったい誰から預かったのかわからない。通常は預かった段階でカルテに記載するのだが、メモ用紙がクリップにはさんであったので、てっきりそれに依頼主と症状が書いてあると思っていた。

 メモは【ひっかからない】と【インクが止まる】という2つの単語以外は落書き線で満たされている。これだけで持ち主を判断するのは無理なので、公開捜査とした。

 【ひっかからない】は正確に記載すれば【ひっかからないように調整】だろう。【インクが止まる】というのは、長時間書いているとインクが止まってしまうという意味。

2007-05-11 02 持ち主がわからないで調整できるのか?という疑問もあろう。通常はそのとおり。カルテの書き癖を見ないと調整は出来ない。ただし今回は出来る。なぜなら【ひっかかる】角度は一箇所しかない。従ってその角度で滑らかにすれば問題は解決するはず。

 ペン先を上から見ると、ずいぶんとスリットが開いている。極太等ではこれくらいスリットが開いていても気にならないが、中字程度だと美しくない。もう少々先端の離れ具合を改善する必要がある。

2007-05-11 032007-05-11 04 こちらがペン先の図。拡大図を見るとペン先とペン芯の間が離れていることがわかる。ひょっとするとこれがインク切れの原因かもしれない・・・が断定は出来ない。Vintage物ではペン先とペン芯が離れているにもかかわらず、すばらしいインクフローの万年筆もあるのじゃ・・・

 いずれにせよ、離れている状態は美しくないのでピタっとくっつかせる必要がある。これには、ペン先のお辞儀角度深め作業と、ペン芯反らしの複合技が必要。

2007-05-11 05ペン芯は左の一番下のプラスティック製。上の三つはこれまでにプラチナが使っていたエボナイト製ペン芯じゃ。すばらしく凝ったペン芯だったのに、最近のペン芯はあまりに安っぽくないか?インクのスリットも一本なので詰まるリスクも大きい。

 なんとか昔のエボナイト製ペン芯を復活出来ないものだろうか。構造はわかっているので出来なくは無さそうだが、問題はコスト。おそらくは50円と1000円くらいのコスト差になりそう。しかも中屋だけとなると、そう本数も多くないので単価もさらに割高に!・・・う〜ん・・・難しいのかなかなぁ。

2007-05-11 06 こちらが調整後のペン先。スリットがごくわずかだけ狭くなっているのだが、わかるまいなぁ。実はエラを若干張らせて、スリットが腹開きになるようにもしてある。調整前は若干背開きだった。そのせいで引っかかり感があったのじゃ。

 地球マークの入ったペン芯は良いなぁ。余分な装飾が無くて実にすがすがしい。最近バイカラーなどを始めたようだが、拙者はやはりモノトーンのニブが良いな。


2007-05-11 07 これは横から見た図。ペン先とペン芯の間のスリットが無くなっているのがわかろう。ペン先をひっくり返して、つぼ押し棒で内側を先端に向けてしごき、多少猫背に変形させた。またペン芯は熱湯に入れて柔らかくし、ペン先に沿うように指で変形させる。非常に熱いが2秒我慢すればよい。火傷した時の為に、冷たい水とオロナイン軟膏も必要。火傷を恐れては調整など出来ないと心得えよ。

2007-05-11 08 先端部分の拡大図。かなりペン先がお辞儀しているのがわかる。通常の柔らかいペン先ではお辞儀によって書き味が硬くなり、インクフローは良くなる。お辞儀させると腹開き状態に変わるのでな。

 中屋のペン先はソフトニブ以外はプラチナ製と似ていて、非常に剛性が高い。少々筆圧をかけてもビクともしない。従って多少お辞儀をさせても誤差の範囲なのじゃ。ペン先のしなりによる柔らかさを出す設計のニブではないので、潤沢なインクフローによって筆圧を下げ、それによって書き味が柔らかいと感じさせる手法が有効と考えた。

 調整の終わった万年筆にインクを入れて原稿用紙3枚ほど続けて書いてみる。これは非常に苦痛だった。拙者には万年筆で文章を書く習慣が無いので何も文章が浮かばない・・・

 ともあれ、引っかかりは無く、またインク切れも無いままで3枚は書き終えた。残る課題は・・・・・

 依頼者を見つけることじゃ! 早く名乗り出てくれ!

【 今回の調整+執筆時間:3.0時間 】 調整1.0h 執筆2.0h

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2007年05月10日

aurora_88しゃんの【象が踏んだら...】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50975115.html

小学校5年生になる時、裁縫箱を学校で買わされた。
象が踏んでも割れません!と書いてあったので

やせっぽちだった拙者が足で踏んだら・・・割れた・・・
おかげで2年間クラスで一人だけセロテープで補強した裁縫箱を使ってた

しかしこのTAKUYAは象が踏んでも大丈夫そうじゃ!

  
Posted by pelikan_1931 at 21:12Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

解説【萬年筆と科學】 その34

ラッカナイトの熱不導性・・・【第三十四章】

 前回の新発見は、ラッカナイトとは、エボナイトに漆を塗ることだけではなく、ベースとなるエボナイトの組成にも手を加えていたという事。

 単に漆を塗っただけではエボナイトの変色は止められないというのも衝撃じゃったな。

 その後パイロットの調査によると、ラッカナイトは熱伝導を防ぐ作用もエボナイト単体よりも大きいことがわかったらしい。実験の結果によると通常のエボナイトであれば2分間で空気膨張によるインク漏れが起こる環境でも、ラッカナイトは5分間絶えられるという結果が出たとか。これは表面に漆を塗った効果だろう。

 渡部氏は【漆は蒔絵師を対象とした保守的な伝統だけではなく、先進的な近代工業にこそ利用価値があるのではないか】と考えていた。そういう意味で万年筆に漆を塗ることは、当時としては世界に向けて誇るべき大飛躍!と夢を広げていたようじゃ。

 もし第二次世界大戦が無かったとして、漆は近代工業の要として半導体やTVに利用されただろうか?

 松江で漆職人さんと、finemanしゃんの会話のなかで、漆にかぶれたらどうなるか・・・どうやって塗っていくか・・・を聞くたびに、近代工業化に生漆は貢献できないだろうなと感じた。生産量が限られる上、かぶれが作業工程のどこで出るかが予想できない状態では、量産化は難しいじゃろう。昔は漆のかぶれに慣れるため、漆を飲んだ人もいたとか。そうやって免疫を作っておかなければ職人として使い物にならなかったらしい。

 拙者は【塗り】は大好きじゃ。特に金属軸への漆塗りが好き。これにはわけがある。1995年に見せられた大道芸のようなパーフォーマンスに魅了されたのじゃ。

 当時はパイロットの営業の方と親交を深めており、製品を勤務先まで持ってきていただいて購入したりしていた。その時に営業の方がしたパーフォマンスが非常に印象に残っている。

 金属軸に蒔絵が描かれた万年筆を拙者に握らせて、書き味を試させてくれている。その途中で、いきなりペンを取り上げ、蒔絵の部分を100円ライターであぶり始めるのじゃ!

 皆、突然の事に【あぁ~、あぁ~、あぁ~】としか悲鳴を上げられない。散々あぶって真っ黒にすすが付いた万年筆を持つと、布でゴシゴシ擦るのじゃ。そうするとすすは完全に拭い去られて、前と同じ綺麗な軸が復活する!

 これは漆の耐火性をデモする手段だったのだろうが、見事に嵌ってしまった。それからしばらくは金属軸に漆が塗ってあるものを求めてはパーフォマンスを真似ていたものじゃ。

 それ以降、拙者の頭の中には、漆は軸を保護するものであって、軸を装飾するものではないというような考え方が根付いてしまった・・・



解説【萬年筆と科學】 その33  
解説【萬年筆と科學】 その32 
解説【萬年筆と科學】 その31 
解説【萬年筆と科學】 その30 
解説【萬年筆と科學】 その29 
解説【萬年筆と科學】 その23 
解説【萬年筆と科學】 その22   
解説【萬年筆と科學】 その21 
解説【萬年筆と科學】 その20 
解説【萬年筆と科學】 その19 
解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
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解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11
 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9

解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1    

  
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2007年05月09日

水曜日の調整報告 【 Pelikan ダイダラス・イカルス 18C-M 】

2007-07-09 01

 今回の依頼品はイカルスのM。ギリシャ限定で発売されたということだが、かなり人気があるモデルのようじゃ。ネットでは人気の割りに安く手に入るので、スケルトン好きにはたまらない一本であろう。好き嫌いは極端に分かれる。先日【Pelikan Golfと同じく、軸にとってつけたような装飾がきらい】という意見の人がいた。なるほどそういう見方もあるのかと驚いた。常に統一した判断基準を持つ人は感情では評価しないものなのじゃな。

 拙者はといえば、この軸色は好き!ブルーオーシャンよりもずっと淡い色合いも良いのじゃが、真ん中に来る銀の装飾が拙者の筆記バランスに合っている。キャップを挿さない方がバランスが良いようじゃ。依頼者もキャップは挿さないで書いていた。

2007-07-09 02 ペン先の取り付け位置も、首軸から出ている長さもちょうど良い。依頼者の要望は【字巾は変えないでインクフローをもう少し潤沢に。また書き味が重いので多少軽く】というもの。一見矛盾していたり、情緒的で理解出来にくい言葉を聴いて、調整するのには経験が必要じゃ。相手の筆記癖の過去・現在を記憶し、今後の書き癖の変化もある程度予想し、あるべき姿を想定できなければならないからな。

2007-07-09 03 そのためには、まずは書き手に興味を持たねばならない。遠隔調整でも現時点の持ち方に最適の調整は出来るが、未来まで含めた予測・・・というか・・・この調整を施したら書き手はどう変化するかを予測出来るようになると調整は面白くなる。

 【書き味が重い】原因はすぐにわかった。ペン先に大きな段差がある。かなり右に倒すように書かないとインクフローが良くない。ちなみに依頼者は一ヶ月前には多少左に倒して書いていた・・・ようするにこの万年筆を持つ時には、インクが出やすいように持ち方を変えていたと想像される。

2007-07-09 04 従って段差を無くし、インクフローを良くしたら依頼者は元の持ち方に戻る可能性が非常に高い。従ってそのように調整するのじゃ。戻らなければ、あと5秒で調整が終わるような仕込みもしておくがな。

 イクフローが悪いのはペンポイントの先端が多少詰まり気味だから。ただしここを拡げると、字巾は多少広くなる。字巾は変えないで・・・という依頼者の要望と異なってしまうが、依頼者を良く知っている場合は、反応も想定される。今回の場合、多少の字巾増はOKと判断した。

2007-07-09 05 予断じゃがイカルスの天冠は非常にユニークじゃ。限定品や以前のビッグトレドと同じく【彫り】だと思っていた。すなわち黒い部分は彫ってある・・・表面より抉られていると思っていた。ところが拡大してみると、表面はペッタンコ。まるで現行品の金色のプリントを黒に変えただけ?なんてつぶさに観察していると、銀色の部分はひょっとすると純銀プレートかも?左画像では清掃してしまったが、銀独特の汚れが表面に見られたのじゃ!

 ロゴのベース素材を変えるというのは非常にコストがかかる。もし純銀プレートであればお宝。ますますイカルスに興味が出てきた。

 時代から考えてp.f.付きニブではないが、Mならば問題は比較的少ないじゃろう・・・と考えていたが、これだけ段差があると考えてしまう。

 フルハルターや金ペン堂のような調整して販売する店は良いが、安売り店やオークションで入手する人にとっては、近くに調整師がいないと苦労するかも・・・ペンクリでもペン先とペン芯を分離して調整するやり方でないとPelikanのニブが本来持つ美
しさにはならない。もうすこし国内出荷の場合のMからO3Bまでの太字系は出荷前に調整しておいたほうが良いと思う・・・拙者も人並みはずれたペリカンファンの一人。この状態が続くことによって顧客離れが進むのが心配じゃ。

 もっともこのイカルスが国内正規代理店から仕入れた万年筆かどうかはわからない。しかし拙者のナイアガラのB(正規代理店経由)も背開きじゃった。たのんまっせペリカンしゃん!

2007-07-09 06 こちらが調整を施したペン先じゃ。0.5个曚疋撻鸚茲前に出ているが、大きな変化ではない。多少スリットを開いてインクフローを良くした。また段差を是正し、ほぼまっすぐに紙に当てれば最高の書き味になるように調整した。

 以前の左に傾ける癖が、右に傾けるように変わっていたことから考えて、書きやすい角度に自動的に持ち方を変えられる人だと考えた。ならば万年筆に一番やさしいまっすぐ調整が一番良いと判断した。

2007-07-09 07 p.f.が無くなってからのPelikan M800のニブは左右にずれやすい。多少ニブの厚みが薄くなったのか、ペン芯と接する面積が狭くなったのか・・・とにかくずれやすい。従ってまっすぐに持って書けば最高の書き味になるように調整しておけば、ズレを発生させる力もかかりにくいので一挙両得じゃ。

 調整作業とは、書き癖の変化まで読まないと完璧とは言えない。フルハルターが眼前で書いている姿を見ないと調整しないのも、金ペン堂が正しい万年筆の持ち方を教えるのも、最終的には書き癖が変わって行く事を前提としているはずじゃ。聞いた事はないがな。完璧に調整された万年筆は書き癖を変えていくのじゃ。拙者がこの事を理解したのはつい最近。

 万年筆を強引に手なずけるのではなく、相互に歩み寄るような感じに調整する・・・とすれば【調整直後が最高の書き味で、その後どんどん悪くなる】という拙者の説は覆される。が、それもありかもしれないと思うようになってきた。人間の側が歩み寄ることが出来るのならな。



【 今回の調整+執筆時間:3.0時間 】 調整1.5h 執筆1.5h

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2007年05月08日

暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】 その4

2007-05-08 昭和52年発行の【世界の文房具】には、算盤(そろばん)が掲載されている。この次のページには電卓も掲載されているが、全て8桁。昭和47年ごろに購入したカシオの√121Lという12桁の電卓が大学の生協で57,000円だった。昭和52年時点では8桁電卓は4000円程度の相場になっている。当時の価格下落の速度は、それほど速くないように思えるが、間にオイルショックが入っているので、技術革新を上回るほどの人件費、材料費高騰を考慮すればこんなものかも。

 拙者が小学校の時には高学年になると算盤の授業があった。当時はそろばん塾がさかんで、クラスの3割くらいは通っていた。拙者は算数が大好きだったが単純計算を早くするだけという算盤にはなじめず、当然塾にも通ってなかった。算数の難問をどうやって解くか?と考える事が好きじゃった。

 算盤は、塾に通っている人と、独学の人とで圧倒的なスピード、正確性の差があった。子供心に驚いたものじゃ。

 我が家では父も母も珠算は2級くらい、妹も最終的には1級を取得したと記憶しているほど算盤好きだったが、拙者に算盤塾に行けとは言わなかった。

 当時スーパーマンという海外ドラマで印象的な場面があった。コンピューターに問いかけると何でも答えてくれる。それを使ってスーパーマンをやっつけようとするのじゃが、結局は悪人は負けてコンピューターを使えるオペレーターは救出される。そのオペレーターが最後に、【コンピューターさん、スーパーマンの正体は誰ですか?】と問いかけると、コンピューターがカタカタと紙テープを吐く。それを読んだオペレーターが【それは誰にも教えられませんだって・・】といって肩をすくめる場面が番組のエンディングだった。アメリカ式のユーモアを初めて理解できた瞬間だったが、同時に、算盤は将来コンピュータに置き換えられるな・・とも思った。

 拙者は大学卒業後、コンピュータ会社の情報システム部に配属されたが、そこに算盤が備品として置いてあったのに驚いた記憶がある。もちろん電卓もあったが、コンピュータで取り扱う数字の検証をしようとすると、桁数が足りないことがあったので算盤を使っている人もいた。

 電光管の大型計算機で20桁というのも配備されていたが、重すぎて自席まで運ぶのが面倒だった。当時のコンピュターは計算方式によって誤差の積み重ねで下一桁が狂うことがあったので、どの計算方式をとれば誤差が少ないかなども【技法】として受け継がれていた。そうコンピュータのプログラミングにも職人技があった時代じゃ。当然拙者は【技法】に溺れた・・・・

 今回何十年かぶりに算盤を思い出したが、良く見ると工芸品としてなかなか良く出来ている。プラスティック製の珠では趣が無いが、柘植珠なんかだったらコレクションしてしまいそう。

 そういえば左頁上に掲載されている【むかしのそろばん】は小さいころ実家の二階にごろごろ置いてあった。家を立て替える時に全て処分したはずじゃが、とっておけばよかった・・・

 もし現在、算盤が盛んに使われているとしたら、チタン珠でルイジ・コラーニにデザインを委託した算盤なんてのが出ていたかも・・・20万円くらいなら工芸品として買う!

 また珠のすべるスピード調整とか、珠の大きさや形状、横の間隔なども使い手の手の大きさや好みに合わせて調整出来ると良いな。第一子供も大人も同じ算盤を使うというのもおかしい。小学生がNo.149を使うようなもの・・・

 ペン・クリニックならぬ算盤クリニック・・・
算盤は出来なくても、調整は出来たかも知れない。葉書も手紙も書かない拙者でもペンクリが出来るから・・・

【過去の記事】

2007-05-01 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その3 
2007-04-24 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】vs【趣味の文具箱 Vol.7】 
2007-04-17 暮しの設計 No.117 1977年【世界の文房具】その1 
  
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2007年05月07日

月曜日の調整報告 【 Montblanc 80年代 No.149 14C-M 開高健モデル 】

2007-05-07 01  今回のNo.149は開高健モデルのM。過去にEF、Bは紹介したが、Mは初めてじゃ。実は開高健モデルはMが最も美しい。Mでありながらペンポイント先端の形状がBのように角ばっているのが特徴。過去に何本も手に入れて完璧な状態にしてはお嫁にやったが、一本くらい残しておけば良かったな。

 ペントレが終わる度にそういう気持ちになる。日常使用の万年筆がことごとくお嫁に行ってしまう。従って待機していた物の封を切ることになる。今回はPelikanのナイアガラとNord/LBが現場に出てきた。ただしBとO3Bから研ぎだした3Bなので、マス目を埋めるような字は書けない。こんな時、開高健モデルのMがあったらなぁと思う。

2007-05-07 02 依頼主の要望は、例によってインクフローの改善じゃ。さほど低くない筆圧であっても書き出しでインクが出ない状況には我慢が出来ない人は多い。メーカーや昔ながらの職人さんは、ペンポイント先端がくっついていない状態を極端にいやがるが、実際には多少離れていたほうがフローは良い。過去のしがらみが無いイタリアメーカーの中には、スリットを開いて出荷し始めている会社もある。ペンクリでも最も多い処置がスリット拡げと聞く。なのに何故スリット先端をくっつけたまま出荷するのか?拙者にはまったく理解出来ない。開いたスリットを狭める調整のほうが、拡げる調整より楽なので、開いて出荷するほうがリーズナブルなわけじゃが・・・

2007-05-07 03 ペン芯の位置も、拙者の美意識からすると前過ぎる。これは趣味の問題。もう少し前の方がインクフローが良いと考える人もいよう。が、拙者が調整する場合には、依頼者から100%お任せでの調整依頼しか受けない。拙者が調整するスリットの位置が、依頼者の趣味に合わなければよそで調整いただけばよいと考えている。調整師は自分が信じる最高の状態を再現するのであって、不器用な依頼者の変わりに手を動かす存在ではない。もちろんある日突然拙者の美意識が変わる事はある。かなり頻繁にな・・・

2007-05-07 04 ペン先表のエボ焼けは殆ど無い。首軸からにじみ出たインクが溜まる所に薄っすらとエボ焼けがあるだけじゃな。これで一度も掃除していないと考えるのは不自然。むしろ、一度は分解してペン先の上部だけ清掃したと考えたほうが説明が付く。おそらくは以前の所有者だろう。

2007-05-07 05 それに比べて裏側はひどいエボ焼けじゃ。しかし不思議。一番濃い茶色になっているのは、インクや空気の通り道。エボナイトに接している部分は薄い茶色で、ペン芯の溝の隙間の部分はまったくエボやけしていない。硫化ガスがエボ焼けを引き起こすとすれば、酸素と硫黄分が混じりやすい空気通路こそが焼けるはず。ところがインクと接しない部分のエボ焼けは少ない。

 エボ焼けにはインクがなんらかの作用を及ぼしている事は間違いなさそうじゃな。はて何じゃろう?Montblancの黒インクを使うとよく焼けるとも聞くが・・・

2007-05-07 06 こちらは、エボ焼けを全て取り去ったペン先の裏画像じゃ。ここまで磨くのはけっこう時間がかかった。エボ焼けがインクフローに悪影響を与えるかどうかは証明されてはいない。ただ、調整する際に、いっしょにエボ焼けを取り除くとインクフローが良くなるのは事実。エボ焼けをそのままにしてアセンブルした事が無いので証明が出来てはおらんのじゃ。今回、インクの通り道にエボ焼けが多いということがわかったので、インクフローを悪化させる要因である可能性は高くなってきたな。

2007-05-07 07 こちらがペンポイント先端を開き、ペン芯を多少後ろに下げて首軸に取り付けた画像じゃ。拙者は昔はこのペン先はBだと考えていた。しかしBの太さとは明らかに違う。これがMだと気づいた時には身震いした。弾力がある柔らかさはMでしか出せないと思う。このMを使ってしまったら・・・次の浮気までにはしばらく時間がかかるじゃろうな。


2007-05-07 08 こちらがスリットの状況の拡大図。腹開きにすることはもちろんじゃが、スリットの程度も美観とインクフローに大いに影響する。拙者が好きなのはこの程度じゃ。ラッピングフィルム一枚よりも狭い幅。このあたりの調整が一発で出来るようになればNo.149の調整師軍団の一員に入れるじゃろう。


【 今回の調整+執筆時間:3.5時間 】 調整2h 執筆1.5h

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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

2007年05月06日

【ペントレ限定商品】【WAGNER企画万年筆】構想 その2

 5月4日の記事に対するコメントでWAGNER企画商品や企画万年筆に対する皆さんの熱い期待は良くわかった。我社にその企画をまかせろ!という作り手側の熱意を期待していたのじゃが、連休中ということもあり、購入者側からの要望のみ。

 しかも・・・メーカー社員は乗りにくい。社内の複雑な稟議を前提とすれば乗らないほうが楽と考えるのが普通。期待するほうが無理だったな。

 ならばWAGNERで企画を作ってメーカーに提示しよう。WAGNERは同好会ではなく【萬年筆研究会】じゃ。要望を出すだけではなく、それを実現させる熱意を持たなければ会として存続する意味が無い。努力しないで待っているだけでは何も手に入らないほうが萬年筆研究会らしい。

 プロジェクトチームを立ち上げようと考えている。短期的に出来るもの、長期的なもの、すぐ出来るもの、達成困難なもの・・・

 それらのプロジェクトにWAGNER会員が参加し、進捗状況を報告し、互いに叱咤激励しながら自分たちの万年筆を仕上げていくのじゃ。ちなみに拙者はどのプロジェクトチームにも所属しない。

 販売価格も限定本数も全てプロジェクトチームに委ねることにする
 原則として出来上がった筆記具はWAGNER会員限定で販売する
 作りすぎの在庫リスクもプロジェクトチームが負う
 プロジェクトメンバーは1チーム5人前後

 WAGNER会員の人脈を使えば、たいていのメーカーや手作り職人ともコンタクトは取れる。そういう際に拙者を利用して欲しい。【欲しい】という熱意が強ければ実現できる確率も高まる。

 一番欲しい人が企画するのが最も良い成果が出るとは限らないのは確か。重要なのはリーダーシップとチームワーク。リーダーが仕事を抱え込んでいては企画は進まないし、チームワークは生まれない。いかに役割分担をするかが成功の鍵じゃ。

 実現する企画は3割で良い。皆で実現しようと努力する事が大切。そのプロセスはWAGNER版【プロジェクトX】として、そのうち趣味文に取り上げてもらおう。従って記録も忘れないようにな。特に個々人の企画案とチーム企画の差、当初企画案と実現できた物の差などは面白い。プロジェクトXのプロデューサのような立場で企画を進行して欲しいものじゃ。

 これはWAGNER会員だけで行うプロジェクト。
企画に参加されたい方は、まずはWAGNER会員になってくだされ。コメント欄に拙者の連絡先を入れておくのでな。

現状でのプロジェクトは以下のように考えている。もちろんどんどん変わってけっこう。また企画は同時進行させる。常に複数企画が走っている状況にしたい。

々饂宰年筆企画【パイロット】【セーラー】【NAKAYA】 3本
海外万年筆企画【Pelikan】【Bexley】 2本
9饂坤撻鵐轡覺覯茵撻廛薀船福曄擇擇鵑討襦曄
2本
ぅ撻鵐肇豐覯莨ι福2008用】【2009以降】 2個 筆記具以外
ゥ痢璽&カバー企画 1冊
出版企画 
3年に1冊

 
これだけで55人のメンバーの参加が必要となる。遠隔会員の方も積極的に応募されたし。遠隔参加も可能じゃ。

  
Posted by pelikan_1931 at 10:10Comments(22) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

aurora_88しゃんの【象が踏んでも...】

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/50971988.html

第7回のペントレでお披露目されたヘミングウェイ・ケース
世界で一番贅沢な住居を持つヘミングウェイじゃ!
しかもガードマン付き

  
Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote Blog紹介 

2007年05月05日

Recief 黒軸 完全分解

2007-05-05 01 朝一番の便で東京に戻ってきた。さっそくPTAで入手したReciefの黒軸を精密検証じゃ。

 キャップを締めた時の全長は15.3僂如▲ャップを後ろに挿した時の長さは17.6僂猟梗瓦能鼎気35g弱。ちなみにPelikan M800はキャップを後ろに挿した時の全長は16.5僂能鼎気28.6g。

2007-05-05 02 全体を可能な限り分解すると左のようになる。クリップの留め方もオーソドックスで、インナーキャップの付いている。首軸は金属製で、これが全体の重さを稼いでいる。だいたい9g前後じゃ。

 クリップが外れるので厚手のポケットに挿してクリップがキャップから離れてしまった場合でもすぐに元に戻せる。全体をブラックボックス化するよりも、ユーザの手で微調整出来る部分を残しておいてくれる製品のほうが好感が持てる。その点、このReciefの万年筆は合格!


2007-05-05 03 店舗への納品時にはペンポイントの左側が右側よりの下がった位置になっている。従って多少とも左に捻って書く人にとってはインクが出ない!という症状が発生する。PTAに5月4日に新たに入荷した4本についてもまったく同じ症状だったので、ちょちょいと直しておいた。それとスリット先端を多少開いてインクフローを良くする調整も実施済。

2007-05-05 04 ペン芯は欧州製万年筆によくあるタイプ。特に問題は無いはずだが、PTAのオーナーによれば、一晩たつとインクが出ない状況が過去にあったとのこと。その原因はペン芯に付いた油分。従って水に一晩つければ症状が解消する旨伝えておいた。

 同じ症状はミニレモンや赤と黒でも見られたが、あちらはペン芯の設計上の問題で、こちらは油分のせい。ロットリングの洗浄液やセーラーのインク誘導液に浸ければなを良い。

2007-05-05 05 さて問題のインクじゃが、いろいろ調査の結果、ウォーターマンのカートリッジが最適じゃ。インク容量も多いし、口もピッタリ。コンバーターもウォーターマンが一番フィットする。

 しかし、写真のMONTEVERDEのコンバーターもピッタリじゃ。これはミニ檸檬や赤と黒にも使えるミニ・コンバーターだが、Reciefにもジャストフィット。ウォーターマンのコンバーターよりも容量は少ないが、インクの棚吊り現象が発生しにくいので、書き出し掠れの確率も低い。もし入手できればこれが一押しじゃ。

 東京へ戻って調整器具もペーパーも完全に揃ったので、渾身の調整を施して見たところ・・・・すばらしい!今年前半のMVP候補じゃ!スチール製ニブに対する評価を上げる時代が来たようじゃ。

  
Posted by pelikan_1931 at 12:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 万年筆 

kugel_149しゃんの【ペリカン万年筆を愛するみなさんへのメッセージ・後篇】

http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/entry300.html

WAGNERの500Nを所有している3人がわかった・・・

そのうち強奪じゃ!

  
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2007年05月04日

【ペントレ限定商品】【WAGNER企画万年筆】構想

 過去WAGNER会員フェンテ会員の中で話題には上るが、いっこうに実現しないものに【限定企画万年筆】がある。海外の万年筆クラブでは会員限定の万年筆を作っているところもある。そろそろ本気で動こうか・・・と考えている。

 まず【ペントレ限定商品】については、既に実現している。ただし告知が不十分なので会員でもほとんど知らない・・・のじゃ。

 第6回のペントレ(昨年)では、ペリカンのロゴに似てなくもないマークをあしらった風呂敷を3色作った。ごく少数の人のみが入手した。一枚1500円。

 第7回目の今回は、TAKUYAのペン置きを500円で販売した。これもごくわずかしか作れなかった。

 いずれもが会員のご好意で作っていただいたものなので、持ち出しが多く、とても継続できる状態に無い。

 パイロット社の言い伝えにあるように【製造者、販売者、購入者の三者が全てハッピー!】でないと続かない。

 また思い付きを企画に昇華させないと、無責任な大人の戯言になってしまう。【私の選んだこの一本】は戯言が実現する一歩手前まで来ている。kugel_149しゃんが最後の追い込みに躍起となっているが、これまた労働力の持ち出しが多く、毎年続けてやれるものではない。

 購入者の支払える金額が一定である場合、購入者は品物が良いほど満足は高い。製造者は販売者に出荷する売上から製造原価を引いた金額が多いほど潤う。この条件を満たしたままで、販売者にも満足をもたらそうとするにはどうすればよいか?

 もし販売者が在庫リスクを持たないなら、薄利多売すればよい。在庫リスクがあるなら受注してから発注すればよい。販売数が読めていれば在庫リスクは無い。この場合、販売店の存在価値は顧客を持っている事。

 今のところ120人程度の会員数のWAGNERが薄利多売を販売店にお願いして、製造者に作ってもらうのには人数が少なすぎる。ということはWAGNERの会員組織が販売者になればよい。そうすれば在庫リスクは無く、薄利多売しなくても良い。第一利益を取ることすら不要。

 このスキームで【ペントレ限定商品】や【WAGNER企画万年筆】を考えて見たいのじゃ。メリットは製造者と購入者が享受する。この場合、アフターサービスや修理受付、微調整などをやる販売者がいないという問題がる。これに対処するために、購入者自体がその役割を負うのじゃ。

 購入したら自分でペン先を研ぎ、軸を磨き、微調整しながら育てていく・・・もし限定品が万年筆ならそういう企画にしたい。少なくとも第一回目はな。

 万年筆の名称は決まっている。【WAGNER-IKENIE】じゃ。

 ではどんな万年筆が欲しいのか?これが問題。人によって好みが違う。拙者がメーカーに作って欲しい物を並べてみると・・・

 .僖ぅ蹈奪函Ε轡襯弌璽鵑離魁璽好縫嵒奸撻縫屬WAGNER刻印入】
 Pelikan M300〜800の水色軸【天冠は旧Pelikanロゴ彫:子供4匹】
 セーラーのマイカルタ長軸【ペン先は研がない状態でペン先刻印有り】
 TAKUYA皮ストラップがキャップ先端に付いたNAKAYAの溜塗り長軸(エボペン芯・クリップ無)

 どれもそう簡単には実現しそうもないが、出来るというメーカーがあれば上記以外でもかまわないので企画から持ち込んで欲しい。ロット数は88〜100。全てWAGNERで引き取る。購入価格は47,500円。販売価格は50,000円。残り2,500円は調整用工具やペーパーなどの付属品に充てる。

 いかがでしょう?ちなみに会員以外には販売しない。入手希望者は、まず会員になること。ひとり何本申し込んでも良い。転売OK。

 またWAGNERは万年筆を販売店やメーカーの求めに応じて【WAGNER企画】という名称を与えた万年筆の企画もしたい。この場合、販売にはかかわらないが、アフターサービス等の受けはやることもある。ペン先の検品、書き味チェック、認定番号、微調整などはやっても良いと考えている。目標があれば技術者は育つ。IKENIEを使って練習じゃ! ・・・・というのはいかがでしょう?

 メーカーや販売店からのコメントは一般には公開しないので、コメント欄に入力下され。また、個々人の欲しい万年筆などのアイデアも募集!色違いなら比較的簡単。機構を変えると莫大な金型投資がかかる。むしろ手作りの方が安い。ペンポイント変更はニーズがあれば可能ではないかな?

  
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2007年05月03日

【中屋万年筆店】で意気投合! 【パピロ21】でもお宝ゲット!

2007-05-03 01 昨日は松江めぐりじゃった。朝6時50分に実家近くを出発する始発バスに乗り込むため、約10分前にバス停に到着。空を見上げると薄曇りじゃが、日もさしている。最近は雨男から脱却して晴れ男!きっと松江は良い天気であろうと期待。それにしても眠い。枕が替わると眠れないタイプでも無いし・・・やはり興奮して眠れなかったのかな?イヤイヤBlogの書き直しに時間がかかったのか・・・などと考えているうちにバスが到着。

 始発バスは駅までガラガラだろうと思っていたが、甘かった。途中で満員になり、立っている人も・・・それにしても学生が多い。こんなに早く登校してどうするのかなぁ?朝練でもあるのかな・・・と考えているうちに爆睡! 駅到着は10分遅れていたが、だれも焦った様子もなし。のんびりしている・・・

 7時50分ごろ岡山駅初のやくも1号にて一路松江へ!到着は10時20分ごろ。途中で信号機故障による緊急停止があったが大勢に影響なし。ふりこ式電車らしく、下を向いてペン先調整していたら気分悪くなりそう。駅弁食べて爆睡!

 連休の間の混雑を予想してグリーン車を予約していたが、一車両に10人弱。外の景色を楽しむまもなく・・・到着。

2007-05-03 02 駅の改札外で待っていてくれたfinemanしゃんとコーヒーを一杯飲んでから、山本漆器店へ!山本社長の案内で3階の工房を見学。

 左は有名なペントレイの下塗りを乾かしている状態。これに何度も研ぎ、塗りを繰り返してペントレイに変化していくらしい。

 工房には耐水ペーパー、金箔、人間の髪の毛を20僂曚俵瓦濆んで鉛筆のように削りながら使う刷毛などがきちんと整理されている。埃を嫌う漆ゆえ、半導体製造工場のような管理かと思っていたが、トントンと階段を上って入っただけ。埃などは研ぎだす際に消えてしまうため、それほど厳重に管理する必要は無いとの事。ここでは紹介できないが、見事な塗りの座卓なども見せていただいた。

 郷土工芸に造詣の深いfinemanしゃんによれば、日常使用を前提とした塗り物においては、平蒔絵でこそ技術の差が出るのだとか。めったに使わない物は表面の絵柄でごまかしてもわからないが、日常使用するものは下地の塗りが最も大事で、それを手抜きすると如実に耐久性が落ちる。日常品こそ手抜きが出来ないという信念はすばらしい。

2007-05-03 03 これは伊勢丹メンズ館で販売されているペンケース。ベッチンのグレーの色が実に美しい!これは伊勢丹の方からの指定色。さすが良いセンス!こんど伊勢丹に行ってみようかな。

 写真には出ていないが、塗りの木材と皮とを絶妙に組み合わせたペン立ても並んでいた。こちらも伊勢丹で買えるらしい。皮と塗り木を組み合わせる手法は興味深い。こんど何かTAKUYAと山本漆器のコラボを企画してみようかな・・・WAGNERの限定規格品もいくつか考えているのでその中に・・・絵心のある方はアイデアを!

2007-05-03 04 こちらはジュエリーを保存するケース。一目見てべらぼうに高そう!と思ったのじゃが、値段を聞いて・・・・

 考えていたのよりずいぶんと安い!これなら特注しても買える。なぜ塗りの万年筆はあんなに高いのかな?

 漆のつやを出すのには手の脂が一番良いらしい。使うほどに良くなっていく。まるでジーンズの皺出しの世界のよう。使わなければ価値が出ない。ケースの肥やしにするのなら出しにくいケースで良いが、熟成させるのなら(書かなくても良いので)いつでもすぐに取り出せて、スリスリ出来る状態がベスト。それには取っ手付で出しやすいペンケースも必要。ただし【WAGNER】なんて銘ではかっこ悪い。【倭虞那】とでもするかな・・・

2007-05-03 05 こちらが職人の松原さん。NKHのローカル番組や地元の新聞で度々取り上げられているようで、我々の質問に対する答えも手馴れたもの。職人にありがちな、照れくささを怒りで表現するようなことは無い。気さくな方じゃ。山本社長との会話も仲の良い友達同士が未来の夢を語り合うようで【いいなぁ】

 右側に並んでいるのは塗りのコーヒーカップ。木製だが、漆を塗ることによって熱にも耐えられる逸品
になるらしい。気が遠くなるほど研ぎと塗りを繰り返す。今度、塗りを趣味でやっているsunnyしゃんと訪問してみたいものじゃ。

 その後、川縁の和食屋さんでfinemanご夫妻と食事。景色も良く、実に気持ちの良い食事じゃった。ご馳走様!

2007-05-03 06 その後、いよいよお宝が眠るというPapilos21へ!finemanしゃんのHPで紹介して以降、何人かのマニアの方が訪問し【こっからここまで全部!】というような買い物をされたので、珍しいものはほとんど無いかも・・・とfinemanしゃんが言っていたが、なんのなんの!拙者から見ればまだまだ宝の山じゃ。一番目立たないショーケースの奥のほう・・・影になって見えないところにセミラミスがあったり・・・というのもある。

 拙者が目を付けたのはParker 25の黒軸。発売されていた事実は知っていたし、eBayでもけっこう高価で取引されているのも知っていたが・・・新品で売られているのは初めて見た。欲しがる人は少ないじゃろうが拙者から見れば超珍品。しかし撮影したり、ペンクリしたりしているうちに、買うのを忘れた・・・

2007-05-03 07 こちらはfinemanしゃんのHPでも紹介された事があるがMontblancのカレラ。そして14金ペン先がついている!これはキャップを開けてみて【ふふふ・・】と口元が緩んだ。まだ残っていたんだ!ラッキー!・・・じゃがこれも買い忘れた。

 実は、超超珍品を見つけて入手し、狂喜乱舞しているうちに、ほかの物を入手するのを忘れてしまったのじゃ。それについては後日お見せしよう。とにかく見えないところ、倉庫の中まで十分に見せてもらわないと・・・まだまだいっぱいありそうじゃ。

 原社長の奥様が販売の第一線にいるが、商品知識はすごい。字もうまい。しかも非常に勉強熱心。拙者の能書きにもしきりにペンを走らせていた。

2007-05-03 08 そして何より驚いたのがMontblanc No.149の在庫。左は1970年代前半の一体型エボナイト製ペン芯のNo.149。これが新品状態で販売されている。
 そのほか、1980年代の開高健モデルが3本。1992年ごろ発売で現行品よりつくりの良い
プラスティック製ペン芯【ヘミングウェイと同じ物】を持つものが5本ほどあった。もちろんその後に仕入れた1990年代後半以降のモデルも多数。

 あまりに驚いて写真撮影すら忘れてしまったが、No.146のボルドー軸が3本。しかもその内の2本はインナーキャップ付で、ヘミングウェイと同じ設計のペン芯(を小型化したもの)付。赤軸最後のモデルはインナーキャップを廃止して、キャップの内側に突起を付けてインナーキャップの代わりにしていた。拙者はインナーキャップ付の赤軸に初めて、しかも2本も同時に遭遇して頭が混乱していたのか・・・これも買い忘れた・・・・

 聞いてみると、Montblancが一般販売店への卸を禁止した予告通達の直後に代理店から大量納品させたとか。本業が企業や官庁にOA機器を納めたり保守したりする地元では大企業の【原文タイプ】だから出来た荒業じゃが、おかげでマニアにはまだまだお宝に出会える店になっている。

2007-05-03 09 こちらはカルティエのオーバルの万年筆とシェーファーのノスタルジアの古いバージョン。ノスタルジアはペン先が18金バイカラーバージョンではなく、14金一色。このニブは柔らかい。物品税の時代に10万とか8万した万年筆だが、消費税の時代でも当時の価格がついているので割高感はあるが、コレクターには気になる一品じゃ。

 ちなみに代理店にその場で問い合わせてもらったら、オーバルのカートリッジ在庫はまだあるとか。注文していただくことにした。

2007-05-03 10 こちらは普通に売っていたPelikan M800。軸とキャップは昔のモデル。ただしペン先はp.f.付ではなく、現行品と同じ。p.f.付ペン先だけをいっぱいストックしているが軸不足・・・という人にはぴったりかも。

 ちなみにニブはBBがついていた。p.f.マークは無かったが、実にいい書き味だった。finemanしゃんが欲しそうだったので、早いもの勝ちじゃ。万年筆入手においては【物欲は友情に勝る】が鉄則!

2007-05-03 11 拙者が店にいると聞いて駆けつけてきてくれたご近所の奥様や店主の奥様などの万年筆の調整を自宅の応接室でやりながら抹茶やヨーグルトをごちそうになった。【キャー!魔法みたい!】いい気分じゃった。

 そして16時ごろ中屋万年筆店に到着。店の前に止まっている郵便局の車がかわいかったので、一枚! 城下町である松江では店の間口に税金をかけたのでうなぎの寝床のような店舗兼住居が多いらしい。

2007-05-03 12 中屋の久保さんはfinemanしゃんのHPで紹介されているとおりの気さくな人。長崎のマツヤ万年筆病院の原さんと似たダンディさ加減で、店のつくりも同じくオシャレ。聞いてみたら原さんは2〜3軒となりに住んでいて、年も1歳違いなので、良くいっしょに遊んでいたらしい。

 当時は久保さんの父上と原文タイプの社長の父上が松江を中心に、それぞれ4軒、5軒の万年筆店を持って市場を分け合っていたらしく、ほかの人が店を新たに出しても経営できない状態だったらしい。それで意を決して長崎にマツヤ万年筆病院を作ったのかもしれない・・・

 拙者たちが訪問した直後、地元のマスコミから取材の電話がかかってきたが、【東京からお客さんが来ているから】といって断っていた。いやはや欲の無い方じゃ。

 昭和の終わりごろには3月の入学祝いのシーズンでさえ、1日に1人か2人しか買いに来ない状態で多くの万年筆店が店を閉めた。久保さんは、店が自宅の一部だったこと、修理の腕があったことによってその時代に食っていけたとか。

 その後、ぼちぼち万年筆が売れるようになった。おそらくは限定品が市場
を引っ張ったのじゃろうな。現状では中屋で万年筆を買うのは40代、50代の人で、老人はせいぜい高くても万年筆は1万円まで・・・というような価値観だそうじゃ。久保さんは古臭いものが大嫌いで、新しくて、かっこ良く、オシャレなものが好き。

2007-05-03 13 拙者と意気投合したのは【ナイアガラは良い】という点。すでにメーカー在庫はなくなったらしい。販売店の店頭から姿を消せば終わりじゃ。

 このナイアガラのBニブは背開き状態で出荷されているものが多いので、中屋のように調整の出来る店で購入するほうが安全じゃな。

 久保さんも胴体がふっくらとしたナイアガラがえらく気に入っておられた。50年以上も万年筆を扱ってきた人と同じ感覚を持てた事が非常にうれしい!

2007-05-03 14 久保さんの気に入りようは半端ではない。finemanしゃん勧められて描いた自筆のイラストボードの万年筆の絵はあきらかにPelikanのナイアガラじゃ。

 拙者がナイアガラを薦めるのは単に持ちやすいとか、バランスが良いとかだけではない。内部構造が【羊の皮をかぶった狼】なのじゃ。ペリカンにしては重い軸が持っている秘密とは・・・そのうちにな。覚えていたら・・・

2007-05-03 15

  最後に、歓待してくださった方々に、十分お礼が出来なかった事、理性に反してあれもこれもと入手している最近の購買行動を反省して・・・一枚。反省猿のポーズ。

 岡山行きの電車は連休後半用の帰省客、旅行客でグリーン社もほぼ満席。またしても弁当を食べて爆睡。

 往復5時間を日帰りするには、巨体はつらい。やせるか、一泊の日程にするかじゃ。blogさえなければ一泊にしたのじゃが・・・・

 母の葬儀の際でも【blog休載は普通にダメ!
】という熱心な読者もいるのでな。

 
連絡先;
   山本漆器店:0852-23-2525
   Papilos21 :0852-23-1777 (パピロ21)
   中屋万年筆:0852-21-2049

  
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2007年05月02日

【PTA】 & 【ラヴィアンカフェ】 再訪 (^^)! 今日は【中屋万年筆店】じゃ (^_^)/~

2007-05-02 01 岡山の実家へ帰って最初の仕事は、プチ家出しているにゃんこ【ワカ】の捜索のはずだったが、玄関を開けようとしたところ背後で【にゃー〜】。最近2〜3日のプチ家出が多いと聞いたが、今回は1日でご帰還。手間が省けた。どうやら最近、公園デビューならぬ【猫の集会デビュー】したらしい。

 手間が省けたので、【吉備の万年筆くらぶ】創設者とランチを食べてから【PTA】へ。オーナーの山元さんとお話しているうちに、彼の理想は【萬年筆のプチ隠れ家】的要素を兼ね備えたお店とわかった。お客様が期待に胸を膨らませて入ってくるような店ではなく、ふらっと入って眺めているうちに珍しい品を見つけ、説明を聞いて書いてみたら・・・【これちょうでぇ〜】と言いたくなるなるような展開が最高とか。

 【うちはあくまでオシャレな雑貨屋。万年筆の品揃えでは勝負出来ない。自分たちが欲しい!と思うようなオシャレな万年筆だけを販売していく。でもオシャレでも書き味悪い万年筆は売りたくない。】

 そういう思いから店頭に並べてある万年筆を見ていると、拙者が一番弱い【黒軸のチェイス入り】があった。書いてみるとスチールペンなのにすごく良い素質を持っている。ちょちょいとペン先をいじると紙に吸い付くような感じになった。一目ぼれしたので一本購入し、店頭にあった残り3本もちょちょいとインクフロー調整をしておいた。

 メーカーはRecife(レシーフ)。一時期オシャレな軸で話題を呼んでいたが、こんなにしっかりした万年筆を作るようになったんだ!軸の重さが非常に心地よい。握ったとたんに【フィットする!】と感じた万年筆は5本目。【ヘミングウェイ】【ペリスケ】【ヘルマン・ヘッセ】【ナイアガラ】【これ(モデル名不明)】。ヘルマンヘッセは発売本数が少なかったので【知る人ぞ知る】状態だったが、先の2本は大ヒット。発売時より値が上がっている。後の二つも必ずヒットするはずじゃ。

 このRecife モデルは販売する際、説明書も保証書もコンバーターもカートリッジも無く、オシャレな箱に入っているだけ・・・。出来ればコンバーターを付けて売って欲しいな。もしプレゼントだったらもらった人は当惑するはずじゃ。個人で使うにはすばらしい万年筆!ここの写真のペンケースの後ろに写っている万年筆。


2007-05-02 02 これが2万円以下というのはお買い得じゃな。本日は松江行きじゃが、帰ってまだお金が残っていたら買い占めたいほど。

 一番気になるペン芯は当然プラステック製なのだが、エボナイト製に似せた表面処理をしている。インク切れ防止にずいぶんと貢献しそう。こういう見えないオシャレというのは好きじゃな。

 地味で男性的に見えて、実は女性が惚れ込みそうな万年筆。なんていうか、【男装の麗人】【宝塚の男役】のような万年筆じゃ。

2007-05-02 03  長居して夕方になってしまったので、丸善経由して【ラヴィアン】へ。買ってきた万年筆のケースと箱をカインターへ置いて一枚!

 左端に写っている白シャツがマスター。寝ないまま帰省したので、【ミルクコーヒー】と【クラシック】をたて続けに飲んでひとごこち。岡山で実施される5月19日の万年筆関係宴会の参加者数の事前確認。かなりの人数になりそう。今から楽しみじゃ!

 さてそろそろ出発の準備をしなくては! 本日は松江じゃ。訪問記は明朝!

  
Posted by pelikan_1931 at 05:46Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 情報提供