2007年11月30日

【金曜日の質問コーナー】 第18回

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日と金曜日に、皆さんの疑問にお答えするコーナーを設置

 ★ 火曜日に萬年筆専用の質問コーナー

 ★ 金曜日はブランドの歴史や萬年筆以外の一般質問もOK!

今回は、第18回目の金曜日

アンケート調査:あなたは高級ボールペンにゲルインクリフィルを入れて使っていますか?

 
使っていないという回答もいただかないと正確な分析が出来ないのでよろしく。

 拙者は油性ボールペン好きだが、最近パーカー型のゲルインクのレフィルを使っている。【YAFA】のもので、海外から萬年筆を買った際のおまけ

 書き味は軽くて良いのだが、インクカスが先端周囲にまとわりついて汚い。昔の油性ボールペンの【インク玉】 みたい・・・

 拙者、油性ボールペンを快適に書くには筆圧が足りないので、我慢して使っているが・・・

回答例:

々盖薀棔璽襯撻鵑縫殴襯ぅ鵐・レフィルを入れて使ったことはない

∋箸辰討い襦そして満足している。

使っているが不満がある(不満を具体的に)

せ箸辰討い燭、不具合があったので止めた(不具合を具体的に)



それでは、11月30日 7:00 時点での集計じゃ!

.殴襯ぅ鵐レフィルと交換して使ったことはない===>13人
交換して使っている。そして満足している======> 4人
使っているが不満がある==============> 1人
せ箸辰討い燭不具合があって止めた=========> 1人

という事になる。

 お奨めは(拙者も友人に教えられて使っているが)4色ボールペンゼブラのシャーボ用GELインク。微妙な色のインクがあって楽しめる。

 ゲルインクは非常に低い筆圧で書けるので重宝しているが、良くできた油性ボールペンの粘りのきいた書き味も捨てがたい。

 油性BPレフィルの最高峰はカランダッシュ。これの当たりの良いレフィルに出会うと、ゲルインクなどクソくらえ!と思ってしまう。

 ところが、小さな字をコチョコチョ書こうとすれば不具合もある。そこは棲み分けだろうな・・・

 サインしたり、要点をまとめたりするには油性ボールペンの太字か中字。

 そして手帳にメモを素早く書き込むような場合には、ゲルインクが良いように思う。

 もっとも、最近はボールペンでサインする機会がほとんど無い(カードはネット決済でしか利用しない)

 最後にサインしたのは・・・【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】に萬年筆で入れたもの

  

Posted by pelikan_1931 at 05:00Comments(21) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2007年11月29日

解説【萬年筆と科學】 その57 の代わりに 【反響】

 どう自分を勇気づけても【萬年筆と科學】その57でBlogを書くのは楽しくないので、止めることにする。何も新発見の無い章をまとめてみても楽しくないのでな。

 今回は、趣を変えて【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】の反響をお伝えしてみよう。昨日はおもしろい事があった。

 会社の昼休み後、外線からデスクに電話が入った。取ってみると、元外人さんから・・・今は日本に帰化している人。日本語もペラペラ。

 【今度ぅ、友人のお祝いに何かプレゼントしようと、ずと考えていたのですが、あのペン!ペン!の本を読んで、萬年筆に決めましたぁ。でもぅ、萬年筆にぃは好みや、書〜き味というのがあるの知りましたぁ。東京では、どこが買うの良いですかぁ?】・・・記憶通りに書いた・・・

 【京都から上京して買うならぁ、丸善オアゾが便利ですよぅ】・・・なんとなく拙者も英語イントネーションの日本語になってしま〜ぅ・・・不思議ぃじゃ・・・

 【おぅ、マ〜ルゼンですかぁ・・・。イトゥヤはどうですかぁ?あそこはダ〜メですかぁ?

 【伊東屋でも大丈夫ですよ。プレゼントなら相手の人を上手に日本語で表現できれば、良い物を選んでくれるでしょう

 【おぅ、ありがと。

 彼は日本語を自由自在には読めないはずだが、それでも【書いた人が皆幸せ】ということは伝わったのじゃろう。

 同じパーティで本を差し上げた、女性常務にその話をメールで伝えたら、折り返し以下のようなメールをいただいた。だいぶ略すが・・・

 やっぱり、あの本を読むと誰でも万年筆が欲しくなるんですね。

 私、ご紹介いただいたアメ横の○■△◎◆に行く前にペリカントレドM700を入手してしまいました。

 26日にも○■△◎◆に行って見てきましたがその時は見るだけでインクを買うにとどめました。

 その話をしたら友達も欲しくなったらしく、昨日■△デパートの万年筆売り場に行ったそうです。

 でもM700もM900も置いて無かったとのこと。

 ペリカン日本(株)はアメ横のそばにあるそうですね。

 その友達を○■△◎◆に連れて行こうと思っています。


 拙者はペリカン日本(株)がアメ横にあるとは知らなかった。萬年筆初心者の人に教わることも多い。

 拙者は自分で調整が出来るので、店頭販売されている定番モデルの書き味に変化が出た事などには疎い。そういう情報は日頃から試し書きさせてもらいながら検討している人の方が情報量が多い。

 
よく三現主義【現物、現場、現実】というが、萬年筆の最前線は店頭じゃ。やはり店頭に行かなければ潮流は読めない。インターネットにへばりついて購入しているだけではダメ。現場に行ったり、現場に行っている人の話を聞かないと時代に取り残されてしまう。

 WAGNERの定例会などは、最新の情報が必ず入ってくる。これが貴重じゃ。情報提供者はその価値に気付かないで、ボソっと言ったことが、蜂の巣をつついたような大騒ぎになることもある。だからエキサイティング!

 ともあれ【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】は読んだ人の何倍もの萬年筆愛好家を生んでいるのは間違いない!

  
Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 

2007年11月28日

水曜日の調整報告 【 Montblanc No.142 14C-F 相対評価の果てに・・・ 】

2007-11-28 01 今回の依頼品はMontblanc No.142じゃ。入手経緯は・・・1950年代のNo.144を購入した際に、おまけとしていただいたものらしい。ところが、No.144の書き味が非常に悪いのにくらべ、こちらは書き味が悪くなかったので、主としてNo.142の方を使っていた。

 ところがWAGNERのペンクリでNo.144の書き味が激変してみると、このNo.142の書き味に満足が出来なくなってしまったというわけじゃ。

 食べ物と同じで、よりおいしい物を経験してしまうと、それまで食べていたものに満足できなくなってしまう・・・舌が肥えるという現象は、萬年筆でも頻繁に経験することじゃ。

2007-11-28 02 ペン先はFで、スリットは詰まっている。ただしFなのでインクの出はこんなものかなと考えていたらしい。ところがNo.144で盛り上がるようなインクフローを経験してしまうと、どうしてもインクフローが多い物に惹かれてしまう・・・というありがちなパターン。特にVintage Montblancでインクフローが良い細字を経験してしまうと、元には戻れない・・・

2007-11-28 03 こちらは横顔。1950年代後半の厚いペン芯を装着している。インクフローやインク漏れ対策は、薄いペン芯よりも格段に向上しているが、困ったこともある。それは後述。

 ペンポイントはほとんど摩耗していない。これが書き味が比較的良いと感じていた理由であろう。一般的に製造後50年も経過して、なお稼働している萬年筆は、愛用され続けていたものが多い。となればペンポイントは惨いほどすり減って、書き味も極悪になっているケースがほとんど・・・

 ところが、この画像でもわかるように、ペンポイントがほとんど摩耗していない。よほど筆圧が低かったか、あまり使われていなかったかであろう。ペン先の鍍金の剥がれ具合からすると、前者のような気がする。

2007-11-28 04 さて、厚いペン芯の問題だが、左図のように、ソケットを外す為の工具が使えない。この工具は1950年代前半のNo.142に合わせて作られた物だが、後期のモデルではペン芯の厚さがじゃましてソケットの凹まで届かない・・・

 結果としてこの個体では、ソケットの凹がある部分が、ペン先のスリットの延長線上から45度ほど傾いた位置になっていた。どうせ工具が届かないので、どこにあっても一緒とはいうものの、美しくはないので、正しい位置にセットしておいた。


2007-11-28 05 こちらがスリットをやや拡げ、ペン先の裏表の細かい傷やエボ焼けを取り除いた後の画像じゃ。

  ペン先表面の鍍金が多少薄くなっていることを除けば、驚くほど整った形状をしている。とても【おまけ】で差し上げるようなものではなく、一級品の書き味を持つ逸品じゃ。贈呈者は、ペン先の鍍金剥がれが商品価値をそこなうと判断したのかもしれないが、入手された人は【ラッキー!

2007-11-28 06 スリット部分を拡大すると、左のとおり。スリットは先端に行くほど間隔が狭くなっている方がインク切れの確率は減る。

 よく先端の間隔が開いていると、毛細管現象が働かず、インクが出ない・・・と誤解している人もいるが、ペン先を下に向けて書く場合には、重力やインクの引き、はたまた、ポンプ作用(萬年筆と科學の過去記事参照)などで、先端が狭まっていなくともインクは出る。ただし先端の方が狭い方が、インクフローやインク切れ対策に【有利】なのは事実じゃ。

2007-11-28 07 こちらが調整後の横顔。ペン先先端がキャップ内の天井に衝突状態だったので、多少ペン先を首軸に押し込んだ上で、クリップを固定している天冠ネジのキャップ内側部分の先端を研磨した。その部分がキャップ内部の天井になっているので、その部分を研磨すれば天井は上がる。

 これでNo.142も、既に調整したNo.144に負けない書き味になっているはずじゃ。元々の素質が良い上に、調整にかけた時間も違うので、おそらくはNo.142がNo.144を抜き返したのではないかな?


今回執筆時間:4.0時間 】 画像準備1.5h 調整1.0h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 

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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2007年11月27日

火曜日の質問コーナー【その8】

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、萬年筆専用の質問コーナーを設けている・・・

第8回目の今回は萬年筆全般に関する疑問にお答えしよう!

                

そろそろ恒例の【萬年筆 of the Year 2007】を選定する時期じゃ。

皆さん個人にとっての【萬年筆 of the Year 2007】候補を選定し、その理由も書いてくだされ。

それらを参考にして、拙者の【萬年筆 of the Year 2007】を大晦日に発表する。

特に、選定基準を参考にしたいですな・・・


それでは Go!


末まで、あと一ヶ月以上あるのに

Pen of the year

を決めろと言うのは酷だったかも・・・

年末にもう一度アンケートするので
それまでに十分考えておいてくだされ


  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(16) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2007年11月26日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.147 14K-OM 羊の皮をかぶった山羊 】

2007-11-26 01 今回の依頼品はMontblancのNo.147。No.146に似ているがカートリッジ専用。コンバーターは使えない。昔は【トラベラー】と呼んでいた記憶がある。旅行の際、インク壺を持って行かなくても良いので便利!ということだった。

 No.146の太さは好きだけど、インク瓶は持って歩きたくない・・・という人向けに開発したのだろう。専用の萬年筆を作る発想がMontblanc。Viscontiは【携帯用インポッド】を作った。

2007-11-26 02 尻軸をねじるとカートリッジケースが現れる。ここにヨーロッパ共通カートリッジを背中合わせに入れて、ネジ込むとカートリッジがセットされる。いったんセットしたらインクが出なくなるまで尻軸は捻らない方がよい。頻繁に開け閉めしているとカートリッジの口からインクが漏れだしてしまう。

 ちなみに、ほとんどの人が尻軸を開けてしまい、インクを大量に漏らしている。やはりお約束は守らねばな。

2007-11-26 03 ペン先は14KのOM。左に90度捻って書けば、縦細横太の線が引ける。依頼者は、このオブリークで普通に字が書けるようにして欲しいとのこと。

 拙者の自説を聞いていたためか、【OMの形状は変えないで、普通に右手で持って字を書けるように調整せよ】という依頼内容。そうそう、よい子じゃ!

 最近独逸方面からやってくるVintage萬年筆にはオブリークのニブがついていることが多い。それに当たってしまった人は、なんとかしてオブリークを普通のニブの形状に削り直すという依頼を調整師に出す。

2007-11-26 04 しかし形状を変える必要は全くない。正しい持ち方をしている人には、オブリークの形状のままでも書き味に違和感のない調整が可能。

 せっかくの変化に富むペンポイントを平らに研磨したところで、【羊の皮を被った狼】のような大変化ではなく、せいぜい羊が山羊に変わるくらいのチビっとした変化。しかも平凡になる。なら無理に削ることはない。素材の味を生かしたまま調整すればよい。その方が二次マーケットでの活躍範囲も増えるはず。

 
左画像が調整前。スリットがギチギチに詰まっていてインクが出そうにない。ペンポイントの腹が開いていればインクフローは良くなるのだが、この個体ではそちらもギチギチに詰まっている。

 スリットを開く作業はペン先を外してから実施した方が微調整が出来る。No.147のように、前から引っ張って抜くしかないモデルは、ペン芯を抜く際にフィンを斜めにしてしまう危険があるので、ペン先を持つ位置に注意が必要!

2007-11-26 05 横顔を見ると理想の位置。当たり前でこの時代のMontblancは既にペン芯とペン先の位置が固定されるようなストッパーがペン芯についている。位置ズレが出来る余地がないのじゃ。

 それに軽々しく位置をずらすとインクフローに影響がある。ペン先との密着場所を十分に考えた複雑なペン芯設計になっているので、動かせない!というのが事実じゃ。

2007-11-26 06 こちらが調整前のペン先。いかにも呼吸が苦しそう。調整を始めたころ、長原先生に自分の調整を見せた事がある。当時は紙当たりだけ調整していて、インクフローにはほとんど目がいっていなかった。その際、【こりゃ、呼吸困難になっておる。息が出来んゆうとる】と言ってParkerのイタリックのニブを【グニャグニャポン!】と力一杯こねたら信じられないほど書き味が良くなった。そのニブを持ち帰ってスリットを拡げてくれたのに気付いたのじゃ。

2007-11-26 07 そこでスリットだけ少し拡げた状態が左。見ただけで呼吸が楽になったように思えるじゃろう?

 ここから形状は変えずに裏側だけを研いでいくのじゃ。これはペンポイントがBのケースと同じように研げば良い。それにしてもOMというのは通常のMよりもずいぶんと角張った感じ。こういう角張った方が見映えは良いなぁ!

2007-11-26 08 こちらが研ぎ終わって首軸に装着した状態。スリットが開いた以外はまったく変わっているように見えまい。腹側だけを調整しているからじゃ。

 背中側はほんの少しエッジを落としただけ。当然、萬年筆をひっくり返して書く調整は出来ない。

2007-11-26 09 横顔は左のとおり。右側(ペンポイントの大きい側)から見た画像なので、ペンポイントの斜面がまるで初心者調整のように斜めになっているが、こちら側が直接紙にあたる事は少ないので、丸めたところで意味がない。というかペン先が滑る確率が高まるだけ。

 大きい方のペンポイント先端を出来るだけ紙に当てないように調整すればOMであってもBの書き味が楽しめる。こりゃ病み付き
になりそうじゃ。


今回執筆時間:3.0時間 】 画像準備1.0h 調整1.0h 執筆1.0h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 
 

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Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2007年11月25日

Pelikan 125 Jahre Katalog その15

2007-11-25 012007-11-25 022007-11-25 03 今回紹介するのはボールペンとペンシル。当時の独逸ではボールペンの事を【Roller】と呼んでいた。たしかにボールが転がりながらインクを紙に擦りつけるので、【Roller】というのは妥当な呼び方じゃが・・・・ローラーボールが出現してからはなんと呼んでいるのか多少気になる。

 ボールペンには755という14金無垢のモデルもあったようじゃ。そのほか全身金張りモデル、上半身金張り、クローム鍍金などがあり、合わせる萬年筆としてはP1、700、520、500などがあげられている。

 このボールペンのレフィルは、現行のPelikanのボールペン用(Parker互換)ではない。右端の画像の上半分に紹介されているものが替え芯じゃ。

 残念ながら既にPelikanのカタログからは落ちている。同等品としては、Auroraのテッシー用のレフィルが使えるはず。黒と青しかないが、この青のレフィルは15年ほど経過すれば良い色になると、20歳ほど年上のデザイナーが教えてくれた。今から20年ほど前のこと。

 すぐに購入したテッシー用のレフィルがそろそろ熟してくるころ。楽しみにしているのだが、使わないで保存していても熟成するのかな?実は使っていれば熟成するという意味だったのかもしれない。さて・・・どこに仕舞ったのかな・・・まったく記憶にない・・・これってボケ?

 ペンシルも同様なラインナップ。こちらにはビックリ! なんと1.18仗弔離皀妊襪0.92 芯のモデルがある!0.92丱皀妊襪蓮550Fと末尾に【F】を付けることによって区別されてる。知らなかったなぁ・・・

 替芯の方も1.18个0.92があるとは!もっとも0.92仗HBの黒しかなかったようじゃ。

 1.18ミリに関しては、黒が3H、H、HB、B、2B、コピー用、そして色替芯として赤、青。紫、緑があったらしい。

 それぞれ15本入りで0.35DM。350というPelikan 140にマッチするペンシルの値段が6.25DM。これを現在価格で5,000円とすれば、芯の値段は280円程度となる。

 50个猟垢気凌弔15本入って280円相当・・・ちなみに現行のPilot NEOX eno は60个凌弔30本入って200円じゃ。一本1僂△燭蠅亡校擦垢譴Pelikanは3.7円。Pilotは1.1円。3倍以上の価格差がある。

 Pelikanは伝統的にインクやクレヨンなどの消耗品で儲ける会社。従って筆記具の値段を安くして、消耗品で儲けるビジネスモデルだったのかも知れない。一方Pilotは筆記具メーカーなので、筆記具で儲けて、消耗品は出来るだけ安く提供するモデルかな?

 なんかむずむずしてきた。ひさしぶりにPelikanのペンシルを引っ張り出して使ってみよう!

  
Posted by pelikan_1931 at 13:13Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 

2007年11月24日

土曜日の調整報告 【 WAGNER 2007 18C-B 王子からの依頼 】

2004-11-24 01 WAGNERには王家★に関連した偉い人がいっぱいいる。11月19日には【ダメ出しの女王】からの依頼を紹介したので、本日は【文鎮王子】からの依頼を紹介しよう。

 【文鎮王子】はインクを入れない状態で70g以上の万年筆を持っている人だけに参加資格のある【文鎮倶楽部】の象徴。NHKでもインタビューされ、近々発行の萬年筆関連書籍でも紹介されるらしい。文字通りWAGNERの【プリンス】じゃ。

 依頼品は【WAGNER 2007】、パイロットのシルバーン・石垣をベースにした会員限定生産(40本)の万年筆。約半数は死蔵されているはずだが、王子のように果敢に使い始める人もいる。

 その際に、まず驚くのが、手が黒くなることと、軸模様を彫ってある部分の黒がだんだんと薄くなっていくこと。これはベンジンで拭けば綺麗に取れてしまう。おそらくは黒みを増す為に、銀燻しの効果のある液かなにかを彫ってある部分に塗ったのであろう。

 この彫りの部分は、あまり黒くない方が上品なので、ベンジンで全て拭き取るのが正解。拭き取った後でも、ルーペで見れば十分に黒いのがわかる。こういう銀ものは、年月を重ねてだんだんと変色していくのが良いので、最初にベンジンで拭いたら、後はくたびれていく状態を楽しむのが正解ではないかな・・・

2004-11-24 02 さて依頼内容であるが、もっとインクが出るようにして欲しいということ。左の画像はインクを入れている状態だが、いかにもインクの出が苦しそうな感じがする。

 国産メーカーの特徴として、どんな字幅であれ、ペン先のスリットの隙間が見えるのを好まない。Montblancもスリットを嫌う。ところが、ちゃんと調整すれば多少スリットが開いている方が、はるかに気持ちよく開けることは調整経験者の間では常識。筆圧が低くてインクフローが多いのが好きという、ごく少数(WAGNERでは多数)の人の為には調整が必須となる。


2004-11-24 03 こちらは調整前のペン先の拡大図。途中からペンポイントまでの斜面が急角度に変化しているが、これが書き味の秘密のようじゃ。

 この書き味に慣れてしまうと、やみつきになる。シルバーンはパイロット社員に最も人気のある万年筆と言われているが、書き味というよりも書きごこちで比較したらそうなるのは想像に難くない。

 しかし、ここまでスリットが内側に寄っていると、筆圧の低い【王子】には使い難いであろう。筆圧不足を軸の重さでカバーするのが【文鎮】の目的だが、【WAGNER 2007】はコンバーターにインクを満タンにしても37gほどにしかならない。萬年筆の重量に依存した筆圧上昇によるインク流量増が期待できないのであれば、スリットを開くしか無かろう。

2004-11-24 04 ペン先はガッチリと首軸に食い込んでいて、そう簡単に外す訳にはいかない。従って裏からスキマゲージを入れてスリットを拡げる事は出来ない。

 となれば残された手段はただ一つ。スキマゲージを表から入れて、傷がつかないようにスリットを拡げるしかない。この場合は手の感覚と経験だけが頼り。力が足りなければスリットは拡がらないし、力を入れすぎると、スリットはラッパ型に開き、インクがペンポイントまで供給されなくなる。万事休すじゃ。

 またスキマゲージの厚みも需要。厚すぎるとコジ入れた段階で、スリットの両側の金が盛り上がってしまう。薄すぎるとスリットは開かず、変な傷がつくのみ。まさに経験と勘だけがたよりで、マニュアルが無い世界。指が覚えている感覚に頼るしかない。

2004-11-24 05 ペンポイントの形状は左のとおり。これでは十分なインクフローにふさわしい書き味にならない。

 拙者が最も好きな書き味は、以前のカスタムについていたコース・ニブのそれ。シルバーンのニブと瓜二つで、やや小振りのペン先からインクがドクドクと出てくる書き味に感動した。さっそくそれと同じ調整を施してみよう。

2004-11-24 06 細心の注意でスキマゲージでペン先先端の隙間を作る。時間をかけて少しずつ曲げるのではない。時間をかけてペン先の弾力を確かめ、このペン先はどの程度の力を掛ければ左右に曲がって、かつ、曲がりすぎないか・・・を想定する。この予感を養うのに一番時間をかける。

 そして予感が確信に変わった瞬間に【エィ!】と力を入れるのじゃ。これで決まれば成功! 決まらなければ、そこから悪戦苦闘になる。今回は一発で決まった!というかシルバーン関係は不思議と失敗がない。集中力が違うからかな?

2004-11-24 07 先端部分を拡大してみると、しっかりとスリットが拡がっている。こうなれば、インクフローは良くなる。ただし【出来るだけ太く!】という要望に対応するには、ペンポイントを研磨して接紙面積を拡大しなければならない。

 これには320番の耐水ペーパーの上で、力強く8の字旋回を縦長、横長、それぞれ右回り、左回りで各20回ずつ、合計で80回転、やや強めの筆圧で削る。その後は2500番と5000番のペーパーで研磨し、金磨き布で軽く8の字旋回を各10回ずつ程度する。

 注意点:プラチナやロジウムが鍍金されて銀色になっているペン先の先端を金磨き布で各100回も8の字旋回をやると、金磨き布の毛が触れてしまうペンポイント根元付近の鍍金が剥がれ、下の金色が出てくる可能性がある。従って銀色ニブ、というか、ペン先周囲が銀色に鍍金されているものには8の字旋回は使えない。また、21金ペン先の上に24金を鍍金しているセーラーには8の字旋回は一切使えない。(拙者は自分用のキングプロフィットでは、全て24金鍍金を剥がしてしまうので8の字旋回をしているがな)


2004-11-24 08 完成したのを真横から見た画像。古のコースにはこういう研磨がされていた。一見、筆記角度が固定されてしまいそうだが、十分に余裕角はとってあるので問題はない。

 現在のシルバーンのペン先の形状では、コースの大きさのペンポイントは取り付けられないそうだ。金型作成には通常1,000万円単位のお金がかかるので、2万本ほど発注すればコースを付けたシルバーンが実現出来るであろう。

 夢は見るだけでは仕方が無く、かなえて初めて意味がある。すぐにでも2万本程度の受注をまとめられる集団にWAGNERを育て上げる必要があるということじゃ。

 調整師が増えれば萬年筆市場は拡がるのは間違いない。逆にいつまでも試し書きによる偶然に期待していては、萬年筆の能力を過小評価されてしまう。

 各万年筆販売店に一人は調整師がいるようなビジネスモデルを確立せねばなるまい。年間6本萬年筆を購入する人を1万人組織出来れば、最低でも年間6万本は萬年筆が売れる。全国100店に調整師を置け
ば、彼らは年最低600本の調整をすることになる。萬年筆の平均価格を5万円とし、調整料を定価の10%とすれば、調整師の取り分は年間300万円。調整師単独では諸経費考えれば苦しいが、店主が調整を覚えれば十分成り立つ。

 あとは販売店主の意欲だけじゃ。【Pen & message.】のような萬年筆店主が百人になった時、初めて萬年筆文化栄光の時代が再来する。

 ・・・ なんか新興宗教の教義のようになってしまったが ・・・ 来たれ!明日の調整師! 

今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.0h 調整1.0h 執筆1.5
h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 
 

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11月24日(土)はWAGNERの裏定例会!

 11月24日(土10:00〜18:00 萬年筆研究会【WAGNER】定例会  初参加歓迎! 
 
 会場の【代官山倶楽部】は来年2月〜3月頃には閉鎖する可能性が高くなった。

 楽しめるのもあと数回!思いっきり代官山の空気を吸ってくだされ。

 【WAGNER 2008】萬年筆の企画が九州から持ち込まれた。裏定例会だけでご披露しよう!


 ペンクリ有り! 宴会有り! お楽しみくだされ!

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2007年11月23日

【金曜日の質問コーナー】 第17回

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日と金曜日に、皆さんの疑問にお答えするコーナーを設置

 ★ 火曜日に萬年筆専用の質問コーナー

 ★ 金曜日はブランドの歴史や萬年筆以外の一般質問もOK!

今回は、第17回目の金曜日 

今回のアンケートは・・・

机の上に萬年筆を10本ほどランダムに取り出し、そのハート穴の形状を教えて!

 
★ハート穴無し
 ★お月様
 ★丸
 ★縦長
 ★その他具体的に

予想では圧倒的に【】、次は【無し



■■■■■■■■■■ 結果発表 ■■■■■■■■■■

11月23日 2:00時点 24人:240本の分析

丸穴・・・・・・170本  71%

無し・・・・・・ 44本  18%

ハート/桃・・・ 12本   5%

長円・・・・・・  7本   3%

お月様・・・・・  4本   2%

その他・・・・・  3本   1%



 想定していたよりも丸穴が少ないなぁ・・・80%は優に超えると考えていたが・・・

 【無し】の比率が結構高いのにもビックリ。ハート穴が無い場合、空気はペン芯の横か下から回すように持ってくるので、ペン芯のフィン(ヒダヒダ)がペン先側についているケースが多い。素人考えでは樹脂のバリが取りにくいので比率は少ないかなと考えていた。また大型のニブではどうしてもインクフローが悪くなりやすいので、大型ニブ好きの萬年筆愛好家が使う比率は少ないかと考えていた・・・が拙者も20%は【無し】だったのでこんなものかもしれない。

 ハート穴は中屋とか古い国産に多いし、長円は古いPilotに多い。国産ファンは多いので、もっと比率が高いかと考えていた。持ってはいても、あまり使ってないのかもしれない。

 ハート穴有り:82% 無し:18%  理屈でいえばハート穴がある方がインクフローには無理がない。ハート穴がない方は、空気の取り込みに、ペン芯の通路をかなり工夫しているはず。

 ハート穴無しなのに、太字でもインクが切れないWaterman ル・マン100の後期モデル・・・そんなに複雑な構造のペン芯ではないのに・・・さすがじゃ!

  
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2007年11月21日

水曜日の調整報告 【 Montblanc No.254 14C-EF ペン先曲がりと・・・ 】

2007-11-21 01 今回の依頼品はMontblanc No.254のフラットフィード付き。インク窓は透明で、ロゴはキャップに彫られている。後期モデルではロゴはキャプリングに移っている。

 今回のモデルは1954年から1956年までの間に作られた初期モデルに間違いはなかろう。不具合というか調整要望事項は・・・
 ・ ソケットの定位置からずれたところにペン先とペン芯がセットされており、専用工具でソケットが外せない
 ・ ペン先の左右が上下にずれており、引っかかる
 ・ ペン先が上にひん曲がったようになっている
 ・ なんとかEFのままで書き味を良くして

 依頼者の手にはいるまでの間に【強筆圧の利用者】【素人調整】の手を経由したものと思われる。ネットオークションの場合は、往々にしてこういうケースがある。完全無欠で愛おしい物を、萬年筆愛好家が手放す訳がない。

 そういう意味ではプロやセミプロの方々が、淡々と微調整した物を購入する方がはるかに安全じゃ。素人からの購入には内外を問わず注意が必要。

2007-11-21 02 ペン先の取り付け状況は左のとおり。位置的には問題なさそうだが、スリットが詰まっているのでインクは出ない。また、ここでは良く見えないが、ソケットの凹の位置がずれている。凹はペン先のスリットの延長上に位置しなければならないが、30度ほどずれている。

 従ってペン先とペン芯を挟むようにして、凹の部分に凸の部分を差し込んで回す工具が使えない状態。これは工具を持っていない人が、ペン先とペン芯をゴム板で挟んで引っ張り抜いた証。しかも差し込む際に適当な位置に・・・入れてしまった。構造を知り尽くしたプロにはあり得ないこと。

2007-11-21 03 こちらは真横から見た画像。ペンポイントはほとんど摩耗していない。ということは、手に入れたとたんにぐにゃりと曲げてしまった人が、あわてて修理した名残じゃろうな。

 ペン芯とペン先の位置もなかなか良い・・・この角度では良くわからないが、左右の段差というか、ペン先の曲がりは、目では気になるほどわかる。画像ではほんの少し先端がお辞儀している程度にしか見えないが・・・

2007-11-21 04 こちらが正面からペンポイントを見た状態。スキャナーの上に置いたノックアウトブロックの穴に萬年筆を挿して、ペン先がスキャナーのガラス面に当たった状態でScanしたもの。これなら必ずピントがあう。

 これだけ左右に段差があると、書き出しはガリガリ。しかもスリットが詰まっているのでインクフローが悪く、インクを出すには筆圧を掛ける必要がある。

 それがペン先が上に反るほど曲がってしまった原因じゃ。太りすぎが全ての病気の源泉!などと日夜脅かされているが、こと萬年筆にとっては、ペン先のスリットが詰まっていることが全てのペン先トラブルの根本である・・・は言い過ぎかな・・・でも、インクフローさえ良ければ発生しなかったトラブルが多いのも事実。

2007-11-21 05 こちらがペン先だけの調整前の画像。驚くほど傷は少ないが、ペン先はガチガチに詰まっている。

 60年代の2桁番モデルほどではないが、No.25Xのペン先も修理しにくい。フラットなペン先はズレが表面で反射する光の加減で目立つ上に、やたら力を入れないとスリとが開かない。といってスキマゲージでこじ開けようとすれば、すぐに盛り上がったような傷がスリットの両側につく・・・

 こういう修理のしにくさが、フラットなペン先が消えていった理由ではないか?Maintenabilityというのは、製品設計で非常に重要なことじゃ。

2007-11-21 06 こちらは裏側。思ったより多くのエボ焼けがあった。このままではインクフロー低下の要因になるので、金磨き布でゴシゴシと10秒ほど擦ればピカピカに綺麗になる。

 ペン先の完全清掃を目指す人は、かならずニブの裏側にも気を配って欲しいものじゃ。

2007-11-21 07 こちらは、スリットを拡げ、ペン先の反りをある程度手で直し、その後、耐水ペーパーで表面を削って平らにし、ペンポイントの段差を直した上で、書き味調整を施した物。

 前の画像の時点より、1時間45分後じゃ・・・No.146やNo.149のペン先の調整は、一瞬で終わる物も多いが、No.25Xや60年代2桁番は調整が大変。

2007-11-21 08 こちらが首軸に取り付けた状態。No.256ならばもう少し首軸にペン先を押し込んだ方が好きなのだが、今回はNo.254なのでこの程度にしておいた。

 いったん装着したあとで、多少ペン先をお辞儀するように癖を付けると、スリットが多少詰まってきて、細字にもどる。画像では、ほんの少しだけペンポイントが開いているのが見えよう。ここのスリットの離れ具合が絶妙に調整できれば成功!


2007-11-21 09

 実はこのニブはペン先のエラの部分(カーブの始まり)にクラックが入っている。右側が特に酷い。物理的に傷がついているので、ひん曲げた時に自然発生的に出来た物ではなく、尖った物の上に落ちたようなときに出来た傷かも知れない。

 もっともクラックは、えてして書き味を柔らかくしてくれるので、捨てた物ではない。実際、ニブに3个曚匹寮擇豺みを両側斜めに入れているニブを見た事もある。

 今回は段差を目立たなくする目的でニブ表面を研磨したが、おかげでNo.254のペン先はさらに柔らかなタッチになった。

 個々の部材は非常に脆いMontblancのVintage Modelではあるが、注意して修理すれば、寿命を延ばすことは可能じゃ。どんどんWAGNERに持ち込まれたし。ただし拙者はスチール製ペン先付萬年筆の調整はせんよ。手が痛いので・・・


今回執筆時間:5.0時間 】 画像準備1.5h 調整2.0h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間 
 

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2007年11月20日

火曜日の質問コーナー【その7】

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、萬年筆専用の質問コーナーを設けている・・・

第7回目の今回は萬年筆全般に関する疑問にお答えしよう!

今回は拙者からのアンケートは無し。皆さんからのアンケート募集!


それでは・・・質問に回答じゃ!
  
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2007年11月19日

月曜日の調整報告 【 Parker 75 14K-63 女王様の憂鬱 】

2007-11-19 01 今回の依頼人は、あの【ダメ出しの女王】。彼女が持ち込む物は、いつもかなりの難物。今回はParker 75のわりと古いモデル。フラットトップだが、首軸の痩せが非常に少ない。

 Parker 75の弱点は首軸の樹脂が痩せてしまうこと。軸は純銀で丈夫、ペン先もユニット式で丈夫な上に、ニブ単体でも大量に販売されたので、中古市場にいくらでもある。ところが完全な首軸が無い。

 オークションでは程度の良い首軸ユニットは、程度の良くない首軸がついた純銀のParker 75全体よりも高くなることもしばしばあるほど。程度の良い首軸はもはや宝じゃ。インクを入れて使わなければ劣化して痩せる事は無いようなので、コレクションにするなら絶対にインクを入れない事じゃな。

2007-11-19 02 さて依頼事項じゃが・・・左の極細のペン先の書き味を上げて欲しいとのこと。インクは出ないし、ひっかかる・・・これを直して!ということじゃ。

 これくらい細ければ引っかからない方がおかしい。いわゆる無理難題というやつじゃ。しかもこいつは、XFの中でも特に細いのではないかな?

2007-11-19 03 横から見ても、金属部分に腐食が無い。相当大事に使われたか、使われていなかったじゃろう。

 これだけガッチリとペン芯ユニットの食い込んでいると抜くのは困難じゃ。適当な調整して【ダメ出し】を何度もくらうくらいなら、もっと程度の良いXFと交換してしまおう。女王が重視するのは、書き味であって、萬年筆の各部品の時代の整合性ではないからな。

2007-11-19 04 そこで部品箱に転がっていたXFを拾い集めてみたのが左の画像。極細とはいえ、ペンポイントの大きさにはずいぶんと差がある。

 この中では左から二番目が比較的ペンポイントが大きそう!これと取り替えしまおう・・・!

2007-11-19 05 というわけで、元々のXFと取り替えるXFを並べてみた。表側から見た画像が左。上がオリジナルで下が交換用のもの。ペン芯の構造はまったく同じだが、ペン先の形状は大きく異なっている。

 オリジナルのニブはペンポイント周辺からさらに角度を付けて削っているように見える。それに対して代替用はペンポイントまでストレートな斜面となっている。

2007-11-19 06 今度は上の画像とは上下が逆。下がオリジナルのペン先で、ペン芯には【63】という番号が入っている。これはXFを意味するらしい。

 代替品の方には直接【XF】とアルファベットで刻印してある。昔はペン先のバリエーションが非常に多かったので番号でないと表現できなかったのであろうな。

 では・・・ということで、一番ペンポイントが大きなペン先を取り出してルーペで眺めてみたのじゃが・・・とうてい【女王】を満足させられる研ぎ上げる自信がない・・・

2007-11-19 07 ということで、プリミア用の18金ペン先を使うことにした。これは以前、久保工業所で何個か手に入れた中の一個。【XF】や【63】とは比べものにならないほど大きなペンポイントがついている。

 プリミアParker 75の高級版として出したので、あまり冒険をしなかった。ただ、高級な材質を使った割には首軸が安っぽかった。Parker 75の弱点を解消する為に、首軸の素材を変えたのだろうが、これが敗因。Parker 75ならパチン!と閉まるキャップが、プスン・・という気持ち悪い感触で閉まる。これでは熱狂的なParker 75ファンの心はつなぎ止められない。あわててDuofoldの復刻版を市場に投入したというわけじゃ。

 プリミアですばらしいのはペン先。14金ペン先と18金ペン先を比べると、通常は14金ペン先の方が良いものだが、プリミア(18K)に限ってはParker 75(14K)より良いペン先!Parker 75
グリグリというような書き味は解消されて、フェザータッチに近づいている。

2007-11-19 08 ということで、この18K-Bのペン先を装着した。なかなかどうしてよく似合っている。Parker 75の首軸は微妙な個体差があり、予備のペン先ユニットを差し込んでも、ユルユルで使えないこともあるが、今回は見事に決まった!

2007-11-19 09 さてペン先である。相手が【女王】であるから、当然調整は必要。気をつけるべきは【女王】は書き味確認の時に、【文章を書く時には絶対に傾けない角度にペン先を傾けての書き味チェックが大好き】ということじゃ。

 従って、書き味が固まってきた人の調整では満足できなくなっている。そこで調整したかどうかわからない調整にした。スリットが開いている事に気づかなければ調整していないと思うかも知れない。いや、きっとそう思うはず。それでいて【なかなか良いじゃない】と言わせる調整にした。

 ただし、そこはダメ出しの女王】のこと、そう簡単には満足しない。そういう時には対抗策として、自分で調整してもらう事にしている。拙者の目の前で【女王】が四苦八苦しているうちに拙者は【王子】とランチに行って、帰ってみたらペンポイントは危機一髪!という状態が再現するかも知れない。今からワクワクじゃ!


今回執筆時間:5.5時間 】 画像準備2.5h 調整1.5h 執筆1.5h
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2007年11月18日

Pelikan 125 Jahre Katalog その14

 前回、Pelikan 140と120に関しては詳細データを省いたので、今週追加掲載する。

 No.140は1952年4月22日に発売されている。今から55年前じゃな。その時に発売された軸色は【赤、黒、緑。グレー、青】だった。400NNに敬意を表してか、緑縞はその年には発売されていない。

 緑縞軸が発売されたのは1955年。それから爆発的に売れたようで、最近見かけるのはほとんどが緑縞。

 グレー軸は1952年の4月22日に発売されて、その年の7月29日までしか製造されていない。よほどの素材トラブルがあったのであろう。数が少ないので値段も高いが、普段使いに買うのならやめておいた方がよさそうじゃな。

 このほか、ダークブラウン、ライトトータスシェルも発売された記録はあるが、時期や期間は記録に残っていないらしい。なを1957年5月27には、シルバートリムのスチールニブ付きが発売された。もちろん緑縞だけじゃ。ほかの軸は既に発売終了していた。

 120については1955年の5月23日から1965年7月28日まで製造されている。これにはSerial Numberがついていたと書かれている。本当かいな?今度入手してチェックしてみよう。

 このあと1973年から1977年までMertz & Krellが120を作っていたらしい。

 また、米国市場向けに14金ペン先付きのPelikan 120が販売されたが、これはどの世代のものかな?


2007-11-18 012007-11-18 02 Pelikan Bookによれば、P25は14金ペン先にRelled Gold Capで、P15は14金ペン先に金鍍金のペン先と記載されているが、このカタログで見る限りは銀色・・
・ホワイトゴールドのたぐいかな?

 いずれも首軸先端付近にキャップと合わせるネジがあり、その後ろを持って書くことになる。軸が細いので握りやすく、けっこう具合がよい。

 右側画像のペリカーノはP25やP15とは違い、カートリッジ方式。ペンスタンド付きのペンケースという発想はおもしろい。ガソリンと給油装置を一緒に持ち運んでいる乗用車みたい・・・

 キャップ先端が丸い方が、P1-RGのような尖った感じがしなくてかわいらしいように思う。どうやら写真に色付けしてあるらしいが、作業を施した人はペリカーノのファンだったのかな?圧倒的に綺麗じゃ!


2007-11-18 03 こちらが今回のメイン!ペン先のバリエーションが全て掲載されている。

 ST:Steno-Feder【Shorthand】 速記用
 PF:Pfannenfeder【Flat Nib】 スタブかイタリックというところか・・・
  D:Durchschreibefeder【Manifold】 ガリ版用か?

 どうやらこの時代には、既にシャイベン【Scheibenfeder】はラインアップされていないらしい。

 なにより驚いたのが、P1やP25シリーズに【ST】のニブが準備されていた事。あのような小さなニブからどうやって【ST】のような柔らかいニブを作ったのか想像もつかない。

 それとも【速記用】というだけで柔らかくはなかったのかな? 萬年筆自体は既にお腹いっぱいじゃが、ペン先の世界は未知にあふれている。



過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog】

2007-11-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その13
 
2007-11-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その12 

2007-10-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その11 
2007-10-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その10  
2007-10-14 Pelikan 125 Jahre Katalog その9 
2007-10-07 Pelikan 125 Jahre Katalog その8  
2007-10-02 Pelikan 125 Jahre Katalog その7 
2007-09-25 Pelikan 125 Jahre Katalog その6 
2007-09-18 Pelikan 125 Jahre Katalog その5 
2007-09-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その4 
2007-09-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その3 
2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2 
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1 

  
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2008年のWAGNER日程表

2008-01-01 2008年の萬年筆研究会【WAGNER】の日程表です。

 既に会場や部屋も決定している会場も多い。

 年間37回のイベントが予定されている。

 ちなみに 8月17日の大宮大会は【北陸/東北地区大会】のつもりじゃ。

 今から休暇取得の準備をされたし!

 ちなみに本日は拙者の55歳の誕生日じゃ!長生きしたのぅ・・・

  
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2007年11月17日

土曜日の調整報告 【 Montblanc No.146 14C-OBB 筆記角度30度の世界 】

2007-11-17 01 今回の依頼品は1950年代のNo.146。ひさしぶりのオブリークじゃ。ペン先の状態も、胴体の状態も非常に良い。キャップが痩せて嵌り辛いのが唯一の弱点と言ってよかろう。

 依頼内容は、このペン先の形状を変えないで、筆記角度30度で書いてもヌラヌラと書けるようにとのこと。WAGNERでは、依頼者も含めてVintage No.146の愛好者は、筆圧が極端に低く、ペンを寝かせて書く人がほとんどじゃ。

2007-11-17 02 ペンポイントは非常にエッジの立ったOBB。実に見事!丸っこい形状のペンポイントよりもエッジが立ったペンポイントの方が美しい。開高健モデルNo.149には【エッジの立ったM】というのがあり、これが非常に美しい。

 このOBBのペン先も非の打ち所のない美しさじゃ。ただし筆記するにはスリットが詰まりすぎている。これではヌラヌラとはいかないな・・・

2007-11-17 03 こちらは横顔。まるでお手本のようにマニュアル通りの位置で首軸にセットされている。ただヌラヌラを望むなら、多少位置関係を修正した方がよい。ペン先をほんの少し前かな。

 誤解している人もまだまだ多いので注意しておくが、ヌラヌラというのは、ペン先の丸めや、ラッピングフィルムで研磨する事で達成出来る物ではない。ヌラヌラはインクフローを増やす事で達成する。ただし萬年筆は元々ヌラヌラで書くような設計にはなっていない。すなわちヌラヌラ化は、萬年筆設計者から見れば改悪なのじゃ。車高を上げたり、違法な燃料を入れたりする行為に近い。

 もし1950年代にインクがヌラヌラの萬年筆を作っていたとしても、そのインクフローを受け止められるだけの紙は非常に少なかったはず。わら半紙に中字の萬年筆で字を書くなんて考えられなかったのじゃ。

2007-11-17 04 今回の調整はペン先だけで十分だったので、首軸を胴体から外した。これは75度程度のお湯に胴軸の半分くらいまで入れて、ぐるぐるとかき回す。それを約一分間続ける。その後で首軸を厚いゴム板で挟んで左にそっと回すと外れる。たまに接着剤を使っているものがあるが、その場合は全ての作業をあきらめるのじゃ。壊しては元も子もない。

2007-11-17 05 Vingtage No.146の辺先とペン芯は、ソケット毎はずれる物しか見た事はないが、今回の依頼品ではソケットを回す凹が無い。どうやらソケット方式ではなく、直接首軸にペン先とペン芯を突っ込むタイプらしい。

 フラットフィードなので50年代初期モデルのはずだが、こういう首軸もあったのじゃな。おもしろい!まさかNo.246とかから移植したのではあるまいな・・・もっとも拙者はNo.246には触った事もないので、どういう首軸の構造なのかは知らないが・・・

 ソケット方式ならば、胴体を捻って外さなくとも、ソケット部分だけ外せばすむ。一般にVintage No.146の場合は、ペン先調整だけならソケット外し。ピストンのコルク交換なら首軸外しテレスコープの清掃や修理には尻軸外しを行う。コルク交換に尻軸外しをしてもコルクを軸内に入れた段階で、内部のねじ山でコルクがボロボロになってしまう事が多いので、首軸が外せない場合以外はやらないのが無難。

2007-11-17 06 首軸のネジはエッジが立っていて非常に綺麗。これだけエッジが立っていればインクがにじみ出す可能性は低いのでそのままねじ込んで固定すればよい。むやみに充填剤や接着剤を使うと後々の修理が出来なくなる。手の汚れは洗えば落ちるが、接着剤でとめた首軸では、コルク交換が出来ない。すなわち、接着剤を使った段階で【3年殺し】の技をかけるようなもの!絶対に接着剤を使わないようにな。

2007-11-17 07 左の画像は、詰まっていたペン先のスリットを多少拡げた状態。これだけでインクフローは劇的に改善する。Vintage MontblancのBBやOBBはイタリックに近い研ぎで、ペンポイントの厚みは薄い。従って横細縦太の文字しか書けない。スタブやミュージックの字形が好きな人以外は、VintageのBB/BBB/OBB/OBBBなどに手を出さない方がよい。Vintageの独逸製萬年筆の世界では、B以上はペンポイントが薄いと考えて間違いない。縦横ともに太い【宛名書きに適した線幅】は得られないのじゃ。


2007-11-17 08 こちらがペン芯を上から見た画像。どこをどうやってインクが流れるのか、はたまた、空気はどうやってインクタンクまで誘導されるのかを考えながらペン芯を眺めると非常におもしろい。このペン芯では、タンクからペン芯の溝へ至るまでの通路の溝が太すぎる。毛細管の働きが弱いので、空気をじゃんじゃん入れて、インクを出すような工夫がされている。

2007-11-17 09 上の画像で紫色になっている丸い部分があるが、これはペン芯裏へ通じている穴だった。そこにインクが詰まっていただけじゃ。それを針で押すと綺麗な穴が空いた。おそらくはこれでインクフローを少しでも良くしようとしていたのだろう。それにしても凝ったペン芯!

2007-11-17 10 こちらは裏側。溝は首軸から外には出ていない。従って空気はペン芯の上側を通って下に回って、首軸に入っていく構造になっている。上の画像で紹介した上下に貫通した穴はインクの通り道にあるので、空気は通れない事がわかった・・・やはりインクをペン芯上側に回す部分の隙間が太すぎて毛細管現象が強く働かないので上下直結の穴を作ったのだろう。

2007-11-17 11 こちらが調整が全て完了した状態のペン先じゃ。筆記角度30度で書いてもひっかかりもなく、ぬら〜と書ける。インクフローを良くするために多少の反則技を使った。それはペン芯とペン先との間に、ごくわずかの隙間をあける事。

 筆圧の低い人の調整のみに使える技じゃ、筆圧が低いので、筆圧でペン先とペン芯が大きく離れてインクが途切れる事はない。それならば、ペン先とペン芯との隙間にもインクを保持すれば、書き出しで使えるインク量は増える。

 筆圧の低い人の書き出し筆圧は、押さえているのか引いているのかわからないほど低い。これで書き出しからヌラヌラ・・・は難しい!・・・なら反則技じゃ! フレッド・ブラッシーの反則技としては【噛みつき】が有名だが、決め技ではなかった。決める際にはレフリーの死角をついての【金蹴り】から、神業的なひねりをきかせた【ネックブリーカー・ドロップ】を用いた。非常な親日家で紳士。奥様も日本人だった。

2007-11-17 12 こちらが横顔。ペン先とペン芯の隙間は見えまい。しかし実はわからないように隙間を作って、インク保持量を増やしているのじゃ。

 いわば、これが拙者の【ネックブリーカードロップ】じゃ。【噛みつき】や【金蹴り】の要素も多少はあるがな・・・


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2007年11月16日

【金曜日の質問コーナー】 第16回

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日と金曜日に、皆さんの疑問にお答えするコーナーを設置

 ★ 火曜日に萬年筆専用の質問コーナー

 ★ 金曜日はブランドの歴史や萬年筆以外の一般質問もOK!

今回は、第16回目の金曜日 

今回のアンケートは・・・

14日(水)に使った万年筆の軸表面の素材を、使った本数だけ書いてくだされ。キャップではなく軸の素材です。

拙者の場合は、おそらく

 漆塗り     2本
 エボナイト   1本
 プラスティック 2本
 金張り     1本
 純銀      1本

じゃ。最近いつも同じなので。

 
もうすこしわかりやすい分類にすれば良かった・・・

 樹脂    59本  アクリル、レジン、プラスティックなど
 純銀    13本  純銀、バーメール、銀鍍金は金属に分類
 エボ     8本  削りだしのまま(漆塗りは漆に分類)
 セル  15本  削りだし/巻き
 金属  17本  真鍮に鍍金してあるもの(金鍍金含む)
 漆    9本  ベースは問わず表面に漆塗り
 木    2本  ブライヤー、楓
 布    2本  マイカルタ
  


 金属軸が純銀と合わせると30本もある。樹脂軸の半分というのは驚異的割合。想像するに、重い万年筆を寝かせて書いているのかな?こうすれば筆圧は極端に低くなるので・・・

 ちなみに回答者27名。合計125本。一人平均4.6本。
 一日に5本弱、とっかえひっかえ使っているということか!

 さすが、【萬年筆評価の部屋】の住人じゃな・・・
 拙者7本使ったが、いずれもインクフローのテスト、書き味確認くらいで、線は書いても、文字は書いていなかった。

 みんないっぱい文字を書いているんだろうなぁ・・・老いぼれて漢字を忘れてしまって書けないのじゃ・・・

  
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2007年11月15日

解説【萬年筆と科學】 その56

セルロイドについて語った その56

 この章が書かれたのは1935年2月9日。この時点でSheafferから【ラダイト Radite】と称して青の色軸を発売してから12年が経過している。

 その間にParkerはパーマナイトと呼び、ウォーターマンはジュエリーストーンと呼び、パイロットはビスコロイドと呼ばれる色軸を出したが、それらは全てセルロイドだった。消費者にはセルロイドは安物という固定観念が強いことから、わざわざ名称を変えて販売したわけじゃ。

 既に色軸は世界中で大流行になっており、黒軸だけで万年筆を売るのが、ほとんど無理な時代になっていたとか。

 それどころか、3年ほど前から米国のメーカーは黒軸すらもセルロイドで作っていた。最後までセルロイドに抵抗していたWatermanですら、黒軸は黒セルロイドで作り、エボナイトで作っていたのは、ペン芯、首軸、インナーキャップだけというありさま。

 上質のセルロイド軸は、熱伝導率がエボナイトよりも少なく、手のぬくもりでインクがボタ落ちする確率も多少は減っていたことになる。

 セルロイドが危険なのは自然発火する可能性があるから。今から10年ほど前だったか、モンテグラッパの工場がエボナイトの自然発火によって全焼し、また消防署からも指導もあって、それから2年間ほどは、まったくセルロイド製軸の万年筆を作らなくなっていた。

 萬年筆が筆記具第一主義から、装身具の一部としての意味合いが高くなるにつれ、綺麗な軸色の萬年筆が増え、萬年筆文化が再び花開きつつある。

 近代萬年筆の幕開けである1983年。Pilot 65とWaterman ル・マン100が世に送り出された年。しかし、その中心はあくまでも黒軸だった。萬年筆界に再びカラー旋風を巻き起こしたきっかけは【ヘミングウェイ】と考えている。

 もちろん、それまでにもカラー軸は数多く存在した。しかし革命的に影響を与えたのはやはり【ヘミングウェイ】だろう。この登場から萬年筆界では筆記具→装飾品革命が進行していった。

 そもそも複数本の萬年筆をとっかえひっかえ仕事場に持参する事自体が、萬年筆が装飾品の一部である事の証。ネクタイと萬年筆は毎日変えるがごとしじゃ。

 生きながらえるエボナイトと、死に急ぐセルロイド。セルロイドは土に帰る性質を持っている。セルロイドの成分は硝酸繊維素【脱脂綿・硝酸・硫酸・水】と樟脳、95%アルコール、尿素からなっている。なるほど自然に帰りやすい素材じゃ。使えば使うほど、熱の変化を経験するほどセルロイドは劣化していく。すなわち持ち歩けば持ち歩くほど死期が早まる。これを【死に急ぐ】と表現した。

 短い人生(ペン生?)を華やかに生き抜くセルロイドと、ひたすら生きながらえようとするエボナイト。拙者はエボナイトに華やかに生きて欲しいし、セルロイドには生きながらえてほしい。

 そこでセルロイド製萬年筆は死蔵してたまに匂いを嗅いで幸せになる程度。エボナイトは紫外線を照射したり熱湯に入れて、その色の変化を楽しんだり、漆をかけたりしている。

 常温ではともかく、熱湯を通せばエボナイトも多少痩せて(キャップリングがくるくる回り)変色もする。その色の変化が何とも良い。Vintageのエボナイトは薄茶色に変色してしまうが、最近のエボナイトはうっすらとねずみ色になる程度で実に味わい深い・・・

 最近はキングプロフィットのエボナイト、エボナイトに漆塗り、プラスティックの3本に同じペン先を付けて使っている。エボナイト製の2本に当初ついていた柔らかすぎるペン先は現行の物と交換してある。

 毎日使っていて意外な事実に気付いた。プラスティック製の軸が一番手になじむ。ピタっと吸い付くような感じ。漆とエボナイトは微妙に滑る感じがする。セルロイド軸を引っ張り出して書いてみると、滑る感じはしない。

 ひょっとして、当時セルロイド製萬年筆が指示されたのは、この指に吸い付く感じだったのではないか? ふとそう思った。




過去の【萬年筆と科學】に関する投稿

解説【萬年筆と科學】 その54−3 
解説【萬年筆と科學】 その54−2 
解説【萬年筆と科學】 その54−1 
解説【萬年筆と科學】 その48 
解説【萬年筆と科學】 その47  
解説【萬年筆と科學】 その45
 
解説【萬年筆と科學】 その44 
解説【萬年筆と科學】 その43 
解説【萬年筆と科學】 その42 
解説【萬年筆と科學】 その41 
解説【萬年筆と科學】 その40 
解説【萬年筆と科學】 その36 
解説【萬年筆と科學】 その35
解説【萬年筆と科學】 その34 
解説【萬年筆と科學】 その33  
解説【萬年筆と科學】 その32 
解説【萬年筆と科學】 その31 
解説【萬年筆と科學】 その30 
解説【萬年筆と科學】 その29 
解説【萬年筆と科學】 その23 
解説【萬年筆と科學】 その22   
解説【萬年筆と科學】 その21 
解説【萬年筆と科學】 その20 
解説【萬年筆と科學】 その19 
解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
解説【萬年筆と科學】 その14 
解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9
解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1  

  
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2007年11月14日

水曜日の調整報告 【 Aurora エウロパ 18K-F 持久力向上 】

2007-11-14 01 今回の依頼品は、伊太利亜製の【アウロラ・エウロパ】。大陸シリーズのヨーロッパ版。写真で見ただけではまったく触手が動かないが、本物は綺麗!

 アフリカは写真に魅せられて購入したが、本物は今一歩 ・・・_||   今回は見くびっていたら【やられたぁ・・】という感じかな。

2007-11-14 022007-11-14 03 ペン先はロジウム鍍金されている。軸のトーンと合わせたわけじゃ。アウロラ社はハスティルを出していた時からボディの色とペン先の色を合わせる事に力を入れていた。

 そこが気に入ってアウロラを買いまくっていたので、今もその【意地】を持ち続けてくれているのが嬉しい。

 ペン先は、ものすごく剛性が強く、多少の筆圧ではビクともしない。素材自体がガチガチに硬い!しかしながら全体として見れば、エボナイト製ペン芯による潤沢なインクフローの影響で、【柔らかい書き味】と誤記されている場合もあるほどの優等生!

 アウロラ利用者の間では、インク切れが良く話題になる。拙者のアウロラには出た事がない症状だが、原稿用紙1枚くらい続けて字を書くとインクが出なくなってしまう・・・というもの。拙者の場合、原稿用紙1枚も手書きする事はほとんど無いので、その症状は経験した事は無い。

 それには2つの原因があるのではないかと想像している。

 一つ目はッソケット・ボトルネックの存在。

2007-11-14 042007-11-14 052007-11-14 06 エウロパは回転吸入式なのにペン芯のソケットの左端が狭まっている。MontblancやPelikanではこのように極端な絞りはない。

 おそらくはこのオプティマ・シリーズの企画段階で、将来はカートリッジ式(タレンタムなど)も発売する計画が存在し、その時にもソケットが流用できるようにと考えたのであろう。

 あるいはサブ・インクタンクの機能上、どうしてもピストンの内側にソケットの左端が入っていく構造が必要だった?その為に泣く泣く妥協したのかも・・・

 いずれにせよ、この問題はいかんともしがたいので、もう一つの原因?を取り除くしかなかろう。

 ペン先の左右の段差は多少あるものの、スリットがガチガチに詰まっているわけではない。そういうペン先でフローの問題が発生するとしたら、インク詰まりか、ペン芯の問題か・・・?


2007-11-14 072007-11-14 08 左の画像が、アウロラのペン芯。回転吸入式なのに、ペン芯から管が伸びている。これはカートリッジ式の時にのみ必要な物で、回転吸入式では、ボトルネックを作るだけ。ただし、何らかの理由があって、こうしたのであろう。

 さらによく見ると空気の通り道が一本しかない。右側のソケットの裏を見ると、空気溝とおぼしき通路があるが、ここを空気は通らない。ソケットに凸がある、その部分をこの溝に合わせて押し込むのじゃ。すなわちソケット内でペン芯の位置固定する為の溝ということ。当然空気は通れない。

 このペン芯は、ウォーターマンの発明のころと同じく、ペン芯のスリットの上部を空気が通り、下部をインクが流れる仕組みになっている。

 ところがペン芯胴体の左から数个僚蠅廼気用の通路がペン先ぎりぎりまで盛り上がっている。これでは空気はインク通路の上部に空いた隙間をとおるしかない。これがアウロラが頻繁に息切れする原因ではないか? 空気がペン芯から入って大量のインクがペン芯に到達すると、空気の通り道がインクで閉ざされて、インクと空気が押し合い状態になるかもしれないという仮説じゃ。

 乾燥した伊太利亜では問題ないが、湿気の多い日本では問題なのでは?

 実際、地方の調整師の方々は、この盛り上がった部分を削って、空気通路を拡大する改造をされていると聞いた。

2007-11-14 09 そこで、スキマゲージでスリット内部を十分に清掃した後で、狭くなっている空気通路を拡大してみた。作業は簡単で、ダイヤモンドヤスリの尖った部分で、スリスリと4〜5回擦ってからエアーダスターで圧縮空気を吹きかけるだけ。

 さてそこからの確認作業がかなり苦痛。実は自転車をいじっていて、右手の腱を痛めたのか、まったく筆圧をかけられない。縦線を前から手首側に引こうとすると・・・イテテ・・・引けないよぅ! という状態。これで200字詰め原稿用紙5枚に文字を書くのは苦痛の極致!

 実験結果ではインク途切れ(息切れ)は出なかった。それがペン芯改造のおかげか、インクの性質が良かったのかはわからない。今回はペリカンのロイヤルブルーを用いた。

 インクが気になったのは、ペン芯の拡大画像で、管の部分を見ると、青いインク跡が光っているのがわかろう。これはロットリング洗浄液に浸けても取れないのじゃ。ひょっとして怪しい水色インクでも使っていたのではないか?それがインク途切れの原因ではなかったか?

 今回の微調整によるインク途切れ防止には、確信はない・・・が、結果オーライだし、理屈はOKだし・・・何より【生贄】じゃから!


今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 調整1h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
 
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2007年11月13日

火曜日の質問コーナー【その6】

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、萬年筆専用の質問コーナーを設けている・・・

第6回目の今回はペン先に関する疑問にお答えしよう!

そして【アンケート調査】 
 12日の朝、何気なく最初に持った万年筆のペン先の金の含有量は?
 スチール、14K、18K、20K、21K、22K、23K、24K?

 拙者の場合は14Kじゃった。調整する対象の万年筆・・・


それでは・・・
Go!  

13日午前6時現在の集計

スチール製:人、14金:10人、18金:10人、21金:人、プラチナ:


 

現行品ほど18金の比率が高いので、朝の一本には豪華な現行品を手に取る事が多いのかも知れない。

この調査は継続的に実施することによって、大まかな傾向はつかめそうじゃ。朝の一本と夜の一本が・・・

拙者の自宅でデスクのペン立て【試験管立てで代用】には14金が2本、18金が1本、21金が3本立っている。

  
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2007年11月12日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.342 G 14C-KF インクが出ない! 】

2007-11-12 01 今回の依頼品はMontblanc No.342 Gじゃ。体は大きいがペンは小さいのが心地良いという方の持ち物。これは初期のモデルでフラットフィーダー付き。黒軸は、1951年に1年間だけ作られた。特徴は茶色のインク窓。翌年からはブルーのインク窓に変わった。同時期に輸出用として作られた赤軸、青軸にはインク窓はなかったはず。非常に多くの数が出ているので、手に入りにくいことは無いが、実物を見たのは初めてじゃな。

2007-11-12 02 ペン先はクーゲルのF。とてもFとは思えない大きなペンポイントじゃ。症状云々ではなくインクがなかなか出ない。出ても不安定。そして何より書き味が悪い・・・ということ。

 依頼者はWAGNERのメンバーの中では比較的ペンを立てて書く・・・というか、No.342 Gくらいの大きさだと、立ってしまうようじゃ。手が大きいので後ろ寄りをを持つと手から外れてしまうから・・・かな?

2007-11-12 03 上から見るとガチガチにスリットが詰まっているが、横顔には問題がなさそう。ペン先とペン芯の間に隙間は発生していない。

 ただしスリットを拡げようとして、ペン先を上に反らせると隙間が出来そうな感じ。かなり繊細な調整になりそう・・・

 またクーゲル先端の斜めに書き癖がついている部分が、依頼者の筆記角度と合っていない。これでは腹の下段のエッジで紙を擦ることになり、たとえペン先のスリットが開いていたとしても、ガリガリとした書き味になってしまう。

2007-11-12 04 まずはスリットを拡げてみた。よく見るとペン先の表面が少し荒れている。これは金磨き布でしばらく擦っていればすぐに綺麗になる。

 表面の荒れというのは光の乱反射によって、実際以上におぞましく見えるもの。傷のエッジを金磨き布で丸めてやれば、綺麗な光を出してくれる。

2007-11-12 05 こちらが金磨き布でゴシゴシと擦った後のペン先。スリットの広がり具合が良くわかろう。

 これくらい開いてエッジを丸めた後で、ペン先を多少お辞儀させるとペン先とペン芯の間にスキマは発生しない。

2007-11-12 06 こちらは、筆記角度に合わせてペンポイントを削って、仕上げる前の状態の横顔。

 ペンポイント斜面の角度はそれほど変わっていないが、紙に当たる面積を増やした。これによって紙当たりが柔らかくなる。

2007-11-12 07 拡大したのが左のが画像。エッジ処理をしていないので、この状態では許容範囲が少ない。少しでも傾きが変わればガリガリとなってしまう。

 通常はこの状態は枚数が増えるので公開しないのじゃが、今回は特別。まずは角度に合わせて削りまくってからエッジ調整や微調整に入るのじゃ。

 いくらペーパーの上で、角度を合わせながら削ってもダメ。常に最終形を頭に描きながら、その形状に合わせて削るのじゃ。微調整の連続では全体として良い書き味の調整は出来ない。これが何本も犠牲者を出した後に到達した極意じゃ。【部分最適を積み重ねても全体最適にはならない】・・・心せよ。

2007-11-12 08 こちらが微調整が終わった状態。少しだけお辞儀させているので、前よりは多少弾力はある。

 書いてみると・・・クーゲル独特の書き味が復活した!水田の泥の中を歩いているような・・・紙に絡まるような書き味。非常に好みが分かれるが、これこそがクーゲルじゃ。

 【沢尻エリカ】的な書き味ではなく、デビュー当時の【大竹しのぶ】のような【ねっとりとした書き味といえばわかりやすいかな?(なわけないか・・・)

 ブドウ畑の書き味ではなく、水田の書き味なのじゃ・・・ああ、難しい!

2007-11-12 09 こちらが拡大図。エッジを丸めたため、腹が引っかからなくなっている。No.14Xシリーズのクーゲルは多少腹を紙に引っかかるくらいに調整した方が意外性があっておもしろいが、No.342クラスでは【水田風】の書き味の方が好きじゃ。

 ここで紹介するのは、すべからく【生贄】なので、まずは拙者の好みの書き味にするのが基本。この書き味は好きじゃ! 最近、No.342に嵌っている。



今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1h 調整2h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の
合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
 
 

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2007年11月11日

Pelikan 125 Jahre Katalog その13

2007-11-11 01 1963年に創立125周年を記念して作成された、この豪華カタログの真ん中よりやや後ろに掲載されているPelikan 400と140に代表されるモデル。

 何度見ても、この画像が精密なイラストなのか、写真製版の技術が未熟でぼんやりとしている写真なのかがわからない・・・

 プロの目から見るとどうなんでしょう?

 120だけ【Schulfüller】と差別されているが、どういう意味なのかな?Googleの翻訳機能にはひっかからないのじゃが・・・

 前回紹介した、Pelikan P1-RGが24DMで、左端のPelikan500NNが27DMというのは、現在では考えられない価格設定じゃな。ちなみに、この時代の400シリーズは全てNNを付けて呼ばれているが、カタログではNNは記載されていない。

 【完全な吸入機構を持ち、大きなペン先と完璧なペン芯で、金張りキャップ】の
Pelikan 500NNと、【ピストン機構が壊れやすく、小さなペン先と、プラスティック製ペン芯】のP1-RGの値段がほとんど変わらないというのでは・・・P1-RGは売れなかったであろうな。

 ちなみにPelikan 500NNの茶縞は、1956年に発売され、1963年まで製造された。すなわち製造中止がこのカタログ発行年。それで扱いがぞんざいになっているのかも知れない。400NNに関しては、その後2年間製造が続けられた。

 そしてP1-RGは1963年の発売。要するに125周年に合わせて満を持して発売されたのがPelikan P1-RGということになる。それで萬年筆の項で最初にP1-RGが紹介された理由がわかった!

2007-11-11 03 それぞれの価格は左記のとおりじゃが、各モデルの詳細スペックを【Pelikan Book】から拾ってみると・・・

700NN:キャップも軸も14金無垢。製造期間 1957-1963

 600NN:キャップが金無垢で軸は茶縞と黒のみ。緑縞のモデルに関しては記録が無い。製造期間は700NNと同じ。

520NN:キャップも軸も金張り。上記700NNと600NNは写真でしか見たことはないが、520NNはたまに見かける・・・というか、拙者も持っている。製造期間は700NN、600NNと同様に1957-1963

500NN:キャップだけが金張り。尻軸は茶色か、黒。軸色は茶縞、黒、そして緑縞があった。ただし緑縞は黒と緑ではなく、GreenとDark Green!これは知らなかった!今まで500NNは茶縞ばかり入手していたが、実は緑縞の方が珍しかったとは!ちなみに500も500Nも500NNも緑縞はGreenとDark Greenの縞らしい。これは600NNとの差別化であろう。500NNの緑縞を持っている人は、【600NNが買えなかったのではない。GreenとDark Greenの縞が欲しかったのじゃ!】と言えるので便利。拙者もそういって600NNをあきらめていたじゃろうな。今、この瞬間はどちらも欲しいが・・・。製造期間は1957-1963

400NN:これは軸色のバリエーションが魅力的。
     濃い茶縞 1956-1965
             
薄い茶縞 1957-1960    light tortoise-shell
              黒 1956-1965
             
緑&黒の縞 1956-1965
              黒とグレーの縞 
1957-1961


2007-11-11 04 それにしてもPelikan 400NNは良いなぁ。太さも長さもバランスもニブの弾力も・・・まさに理想の萬年筆といえよう。M800が最高ではないかな・・・とほんの数年前まで思っていたが、最近では400NNの方が好みじゃ。

 もっとも萬年筆に関しては、惚れやすく、飽きやすいのじゃが・・・


過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog】

2007-11-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その12 
2007-10-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その11 
2007-10-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その10  
2007-10-14 Pelikan 125 Jahre Katalog その9 
2007-10-07 Pelikan 125 Jahre Katalog その8  
2007-10-02 Pelikan 125 Jahre Katalog その7 
2007-09-25 Pelikan 125 Jahre Katalog その6 
2007-09-18 Pelikan 125 Jahre Katalog その5 
2007-09-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その4 
2007-09-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その3 
2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2 
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1 

  
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萬年筆研究会【WAGNER】 第23回月例会

11月11日(日)第23回のWAGNER月例会 【一般参加歓迎】 

今回は【フェンテの集い】や【萬年筆博士の集い
の余韻が残るWAGNER定例会
戦利品や思い出に花を咲かせましょう!

もちろんペンクリもじっくりやります!

初参加の方は今回がチャンス!

日時:11月11日(日) 9:00〜17:00
場所:EBIS303
  406会議室
 03-5420-4374 渋谷区恵比寿1−20−8 
    エビススバルビル      
http://www.ebis303.com/access_map.html

参加費:
18歳未満は     無料
    本籍海外の方は 
¥1,000  
    
18歳〜25歳は    
¥1,000
    
26歳〜59歳は    
¥2,000
    
60歳以上は   
¥1,000

内容:ペンクリ、情報交換会、持ち物検査、企画物進捗状況
会場は
9:00
からオープン。いつ入場していつ退場してもけっこう!
WAGNER会員以外も大歓迎。新規加入も受け付けてます!

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2007年11月10日

土曜日の調整報告 【 Pelikan 400NN 緑縞 14C-OM カモノハシ化 】

2007-11-10 01 今回の【生贄】はPelikan 400NN。拙者が最も好きな萬年筆の一つじゃ。特に、ST、F、Mあたりはこの上なくしなやかな書き味で楽しませてくれる。最近やっと、Pelikan 400NNの復刻に奔走した人々の情熱がわかるようになってきた。イロイロと書き比べていくと、良い物がわかってくる反面、今まで満足していた物に不満を持ちだしてしまう。

 拙者の苦い経験。学生時代毎日通った蕎麦屋の、年中食べられる【冷やしタヌキソバ】が忘れられなくて、20年後に訪問して勇んで食べたら・・・味は変わっていなかったのに、ちっともうまい感じなかった。舌が肥えてしまっていたから・・・この時は悲しかった。萬年筆も同じ・・・そして既に自転車でもそうなっている自分が怖い。人間は一生満足しない生き物なのか・・・

2007-11-10 02 この萬年筆には【FARWERKE HOECHST AG】という刻印がある。調べてみたら、現在では【Hoechst AG】と名前は変わっているものの現存する会社。

 米国では薬局チェーンが広告入りのCombo(ペンシル・ナイフ)を大量に配布していた時期があるが、こちらはクライアントに配った記念品だと思われる。創立記念などであれば年号が入るので、単なる記念品と考えるのが妥当であろう。

2007-11-10 03 ペン先はOMで綺麗な形状をしているが、おぞましい書き味!これがペリカンかぁ!と叫びそうになった。こんなに酷い書き味のPelikan 400NNに出会った事は無い。このあたりがオークション購入の恐ろしさじゃ。書いてみるまで書き味はわからない・・・

 MとFの間くらいの太さにして欲しい・・・との依頼だった。このOMの幅をMとしての事と考えたので、多少細めと設定した。しかしこの書き味の悪さは尋常ではない。何か根源的な構造上の欠陥か、材料上の問題があるはずじゃ。

2007-11-10 04 横顔を見ると、明らかに摩耗したペンポイントを研磨した形跡がある。しかもポイントを外している。これだけお辞儀したニブでこういう研磨をすれば先端が引っ掛かり気味になってしまう。

 それにしても酷い書き味。やはり分解してみる必要があるなと考えて、ペン先とペン芯を専用工具で挟んで左に回したら・・・スポっと抜けた。これはやはり・・・

2007-11-10 05 案の定、安いプラスティック製のソケットになっていた。これではペン先とペン芯は正しくホールドされない。

 このソケットは後で作られた修理部品ではなく、400NNの末期にコストカットで作られたものという噂もある。とするならば、同時期のペン先にも赤福のような材料不当表示があったのかも・・・邪推だが、最近、なんにも信じられない。

 ペン芯には手抜きはない。お手本のようなエボナイト製ペン芯で非の打ち所がない。


2007-11-10 06 ペン先はスリット先端が開いており、インクフローもそう悪くはない。にも関わらず惨くて酷い書き味。

 事前に依頼者と打ち合わせていたとおり、【カモノハシ】にするしかあるまい。しかしオブリークを【カモノハシ】にするというのは非常に危険。ペン先先端の重量が、ペンポイント左右のイリジウムの長さの差異の影響で、大きく異なり、書きごこちに影響を与えるのは明白。従ってそれも含めて調整する必要がある。調整には長時間かかるなぁ・・・

2007-11-10 07 400NNのソケットは現行品と互換性がある。この現行品は、正規品のエボナイト製ソケットよりも丈夫で良い。実用にするならこちらを使った方が具合が良い。

 それにしても何故、この割れやすくてサイズも微妙に違うまがい物が市場に多量に出回ったのか見当がつかない。やはり噂は本当なのかな・・・?

2007-11-10 08 こちらがカモノハシ化を施したペン先ユニットじゃ。当初と比べてずいぶんと削っているのがわかろう。実はここまで削らないと書き味は変化しなかったのじゃ。相当に剛性が高く、弾力が少ないニブだった・・・

 やっとこれでペリカンの書き味になった。ペン先先端だけがピコピコと曲がる感じ。

2007-11-10 09 Pelikan 400NNというよりも、M700トレドの初期のペン先についていた伝説の18C金一色ニブに似てはいるが、いっそうおもしろい。イリジウムの重量に応じて削りを変えたので、拡大してみると形状は不格好だが書き味は極上。

 ヘロヘロの柔らかさではなく、柔らかい中にも芯がある感じ。今までに経験したことの無い感触じゃ。

2007-11-10 10 横顔を見ると、若干立てて書くように変わっている。柔らかいペン先ほど立てても書けるように調整するのじゃ。力を入れればペン先自体は寝てしまうからな。

 また先端が紙に引っかからないように多少丸めてある。それにしても時間がかかった。24時ころから始めて終わったのは8時前。それから約一ヶ月ほどの間、微調整を繰り返した。あの惨い書き味がここまで改善されたとは自分でも驚いている。

 本日は雨・・・自転車を受取に行く日なのに・・・鬱!


今回執筆時間:12.5時間 】 画像準備2.5h 調整7.5h 執筆2.5h
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2007年11月09日

【金曜日の質問コーナー】 第15回

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日と金曜日に、皆さんの疑問にお答えするコーナーを設置

 ★ 火曜日に萬年筆専用の質問コーナー

 ★ 金曜日はブランドの歴史や萬年筆以外の一般質問もOK!

今回は、第15回目の金曜日 

今回はしばらく溜まってしまった質問をくだされ。


それでは時間になったので順次回答しよう

  
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2007年11月08日

解説【萬年筆と科學】 その55 の代わりに 【雑感】

 解説【萬年筆と科學】 その55 は、日本人で携帯用筆を作った國友藤兵衛の話。萬年筆(まんねんひつ)ではなく萬年筆(まんねんふで)なので、このBlogでは対象外とした。理屈ではなく、拙者の興味を惹かないのでな。

 【ペン!ペン!ペン!ファンテンペン!】はゲリラ的にマスコミに取り上げられているようじゃ。正式な取材依頼があるわけではなく、突然ニュース番組で数秒紹介されることも・・・

 【日本テレビのニュースキャスターの方が、あの本を手に持って、〔私も萬年筆大好きなんですけど、こういう集まりには入れてもらえないんですよ〕とお話しされてました】と昨日、職場の女性から聞いた。

 【入れて欲しい】と言っていただければいつでも入れるのが【WAGNER】じゃ。交流会に参加しなくてもいっこうにかまわない。入会資格は【萬年筆が好き】ということだけ。いままで入会をお断りした人はいない。

 おもしろいのは、同じ趣味の人が集まって、ワイワイ盛り上がっていると、ひょいと別の趣味の分野に詳しい人の話を聞くことが度々ある。それがインフルエンザのように伝染して新たな楽しみが増えるのじゃ。

 元々凝り性の人が多い集団なので、懲り方もすごい。見ていると、まずは【文献研究】から入る人と、【】から入る人がいるようじゃ。

 【】から入った場合の方が傷は少ないはず。拙者は20代の前半3年間にカメラ50台以上、レンズ150本以上買ったり売ったりした。正確な数はまったくわからない。AEカメラを使うまでの、全駒のシャッタースピード、絞りを、40年以上前のネガを見ても言い当てられるのに、カメラに関しては使ったかどうかも覚えていない。

 これは文献研究から入ったせい。さんざんカタログデータを分析し、そのカメラやレンズを使って写した写真そのものや、写真家のコメントを分析し、統計を取り、汎用大型コンピュータで分析し(当時はパソコンなんてなかったのでな)、いよいよ満を持して購入し、フィルム10本ほど撮影したら、既に飽きて、別のターゲットを捜しに中古カメラ屋に研究の為に訪れて、勢いで調べてもいないカメラやレンズを買ってしまって後悔してすぐ売る・・・の繰り返しじゃった。

 【文献研究】の段階で、そのカメラの性能や特徴や写り方を記憶しているので、実際に使ってみても感激が全くないのが原因に間違いない。

 【文献研究】からはいらないで、【】から入れば被害は大きくない。研究意欲が高くない人ほど被害は少ないはず・・・

 現在【WAGNER】の中で盛り上がっているのは【カメラ】、そして最近は【自転車】と【ダイエット】。

 拙者【ダイエット】は特技。 今までに何度も成功している。【禁煙】と【ダイエット】は強い意志さえあれば、成功はたやすい。ただし、飽きるとダメ・・・

 拙者の【ダイエット】は常に誰かと賭けをしている。【自分の努力で勝てる勝負事の世界】を演出すれば絶対に達成する自信がある。拙者は意志が非常に強い。意志というより、意地と呼んだ方が良いかな・・・

 しかし、そこから先、体重を維持する事に賭けてくれる人はいない。拙者の意志の強さに恐れをなして賭けが成立しない・・・となると、拙者のやる気もなくなりリバウンドする・・・ということの繰り返し。

 そこへ、朗報!【Sunnyしゃんが自転車で○キロ痩せた】という情報。拙者は今まで運動で痩せようなんて考えた事もなかった。一日に2時間続けて歩けば1.5万歩。それに日常生活の歩数を加算すれば2万歩はたやすい。これと食事制限を組み合わせれば、体重はどんどん減っていく。

 しかるに減量達成後、その体重を維持出来ないのは減量作業そのものが楽しくないからだろう。減量が目的ではなく、そのプロセスが楽しくなれば問題なかろうということで、WAGNER職場で自転車知識人を捜してみたらけっこういる。

 職場にはどこやらのロードレースでつい最近3位になった若者も・・・これは好都合。

 過去の反省をふまえて文献から入らない事にした。文献から入ると、2年後には未使用箱入りVintageの自転車部品が部屋に並ぶことになるのは明白。

 まずは帰省先で1台店先で購入。お尻はいたいが、秋の自転車散歩は非常に気持ちがよい。これならプロセスを楽しめそう!ということで、東京でも1台。これはまだ手元に届いていない。

 岡山のWAGNER会員の自転車マニアに教えてもらった店に直行し、予算と用途と体重を伝えて機種を選んでもらった。まるで金ペン堂で萬年筆を選んでもらうがごとし。色も形もメーカーも問わないので、体にあって一番早く納品出来る物を所望。来週には手元に届きそう。サドルと心拍計は別途密かに購入。

 本格的サイクリングに行くのは25kg体重を落としてからと決めているので、カメラと萬年筆を首から下げてポタリングするだけ。自転車、早く届かないかなぁ・・・


と言いつつ、自転車関連のムック本を10冊もamazonで・・・

朝起きてみたら、なんと【夜の梅】が一本、テーブルの上に・・・


 朝食を抜くと頭に糖分が回らないので仕事にならない・・・と妹が言っていた。誘惑は多いが、意志も強い。また目標期間は長く、目標値は低い!

 ライバルは勝負開始後、逆に太っている。勝負は見えた・・・はず。はたして結果は? 3ヶ月後に報告しよう!

  
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2007年11月07日

水曜日の調整報告 【 Stipula ピノキオ 赤軸 18K-M インク切れ解消 】

2007-11-07 01 これはスティピュラのピノキオ。前回紹介したのと同じ持ち主であるが、仕様はかなり異なっている。依頼内容は【持久力の向上】。書き続けていると途中でインクが切れてしまう現象が頻発するとの事じゃ。これは初期のスティピュラのペン芯によく発生した問題点だが、インクフローの良いデルタのペン芯と交換したら解決した。要するにインクフローを改善すれば、この現象が発生する確率は下げられるということじゃろう。

2007-11-07 02 左の画像のように、キャップの中は鮮やかなエボナイト製だが、キャップの外は曇っている。直射日光に長時間さらされたか、蛍光灯の下で紫外線に毎日さらされていたか・・・いすれにせよ、このエボナイトの変色というのは、なかなか良い。昔は大嫌いで、すぐに磨きに出していたが、最近では曇り度合いが好きで、わざと熱湯に入れて曇らせたりしている。

2007-11-07 03 先日のピノキオは14金ペン先だったが、エボナイト製ピノキオには18金ペン先が付いている。限定品だったかな?

 ペン先のスリットはガチガチに詰まっている。ただスティピュラのペン先は素材が柔いので指先でグっと力をかければすぐにスリットが開くので調整
はしやすい。反面、筆圧の強い人に貸すと一瞬で調整が狂ってしまう。極論すれば【イタリアメーカーの萬年筆を貸す=調整が狂う】ということじゃ。

2007-11-07 04 横から見ると、ペン先とペン芯が離れている。これではあるタイミングでインク切れが起こっても不思議はない。おそらくは以前使っていた人の筆圧が高かったのであろう。依頼主の筆圧は普通だから・・・

 ペン先はMだが、横から見た姿は美しい。多少研げば非常に美しいスタブの書き味が堪能できよう! 残念ながら依頼者は縦横同じ線幅の萬年筆が好きなので、【Stub】ではなく【太めのM】に研いでおいた。


2007-11-07 05 これは吸入機構にも凝っている。回転吸入式で尻軸を回せばインク吸入が出来るのだが、胴軸の中央を回すと、中に大きなコンバーターが内蔵されている。この大型コンバーターの取手部分が尻軸部分とかみあって回転吸入のように使えるのじゃ。

 実はこの大型コンバーター方式はスティピュラの回転吸入式のほぼ全てに使われている。ノベセントエトルリアもこの方式だった・・・

2007-11-07 06 スティピュラのペン芯は、画像の向かって左端が細くなっている。一方、MontblancやPelikanの回転吸入式用のペン芯にはこの管のような部分がない。

 スティピュラ製萬年筆についているペン芯はカートリッジやコンバーターでも使えるように、必ず細い管の部分がある。こういうペン芯は一般的に、回転吸入式専用のペン芯よりもインクフローが悪いような気がする。ちなみにアウロラのペン芯も回転吸入式用とコンバーター式では同じ物を使っている。

 MontblancのNo.146とNo.147ではどうなのかな? No.147用のペン芯には管がついているのかな?あるいは、別の方法でやっているのかな? 気になるなぁ・・・


2007-11-07 07 こちらがスリットを若干開いた状態。さらにスタブ状の書き味を多少通常のMに近い状態に研ぎ上げた。そしてペン芯はインク誘導液につけてインクの流れを良くした。このインク誘導液をインクに混ぜようとする人【画伯】もいるが、この液はインク自体に効果があるのではなく、プラスティックとインクのなじみを良くするだけじゃ。混ぜると滲みが大きくなるので、【よゐこ】は真似しないように・・・

2007-11-07 08 こちらが首軸に取り付けた状態。ちゃんとスリットが開いているのが確認できよう。それにしても刻印が多いペン先じゃな。ペン先の刻印は少ないほど良いといわれている。刻印を打った所に力が加わり、弾力が無くなったり、もろくなって割れやすくなるらしい。これ金属工学科出身で自らも金ペンを作っていた人からの受け売りじゃ。スティピュラにもシンプルな刻印の限定品がある。恐ろしく書き味が良い。弾力もすごいし・・・刻印がシンプルな方が良いのなら、作り手側の自己主張としての刻印は不要じゃ。偽造防止とか、年代特定用なら歓迎。小さな小さな刻印でお願いしたい・・・

2007-11-07 09 これが横顔。ペン先とペン芯とのあいだのスリットは無くなっている。もしエボナイト製ペン芯であれば、ペン芯側を曲げるのだが、プラスティック製ペン芯の場合は、元に戻ってしまう確率が高いので、ペン先側をほんの少しお辞儀させた。

 このお辞儀によって、ペン先を上に反らせるには相当の力がいるようになる。すなわち、多少の筆圧をかけてもペン先とペン芯が離れるようなことはない。ただし、若干書き味が硬くなる。幸いなことに依頼者は刻むようにしかりとした文字を書く。従って、むやみに柔らかいペン先よりも多少弾力が少ないモデルを好んで使っている。おそらく【お辞儀】は書き味向上に繋がったであろう。

 それにしてもエボナイト製のピノキオは良い! 久しぶりに収集目標が出来た感じじゃ!


今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1.5h 調整1.5h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
               向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間
 
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2007年11月06日

火曜日の質問コーナー【その5】

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、萬年筆専用の質問コーナーを設けている・・・

第5回目の今回は萬年筆全般に関する疑問にお答えしよう!

そして【アンケート調査】 EF,F,MF,M,B,BB,BBB,OF,OM,OB,OBB,OBBB,KF,KM,KB,KBB,KBBBなどペン先の太さはいろいろじゃが・・・・
用途は問わんので、過去一週間で最も握っている時間が長かったのはどの太さのペン先ですか?


それでは・・・
Go!  


2007年11月8日6:00 時点での集計じゃ

クーゲル  3票
オブリーク 1票
EF    3票
F・MF  8票
M     9票
B     6票
BB    6票


クーゲルとオブリークをそれぞれのベースの太さに分類すると

EF    5票
F/MF  8票
M    11票
B     6票
BB    6票


EFとF/MFを合わせ、BとBBを合わせると

細字系  13票
中字系  11票
太字系  12票

 おどろくほど均一! おそらく昭和40年代であれば、90%が細字系であったろう。

 現代でも萬年筆愛好家以外に太字系を使う人は多くなかろうから細字系がダントツで多いと考えられる。


 そう考えてみると、萬年筆愛好家は太字系も好き!というのではなく
萬年筆愛好家はどの字幅の物であろうとも愛でる!というべきであろう

  
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2007年11月05日

月曜日の調整報告 【 Montblanc No.146 18C-F 書き味品位向上 】

2007-11-05 01 今回の依頼品はMontblanc No.146 の18Cペン先付き。ストライプのインク窓に18Cのペン先・・・どうも時代が良くわからない。アセンブルした物かな?

 依頼内容は【書き味の品格を上げて欲しい】とのこと。要するに高貴な風貌にもかかわらず、書き味が悪いのが我慢ならないようじゃ。

 とうとう書き味も【品格】で表現されるようになったが、これが非常にわかりやすい。【書き味が悪い】といわれてもどう悪いのか書いてみるまでわからないが、【書き味に品がない】と聞けば、おおよそ見当が付く。

2007-11-05 02 ペン先は中白で非常に端正。やはりペン先はシンプルな模様・刻印の方が品がある。それと18Kの刻印よりも、18Cの刻印の方が優しい感じがする。

 そういう意味では最高に美しいペン先!ただ・・・ペン先のスリットは詰まっている。これではインクフローは悪い。ゴリゴリと筆圧をかけないとインクは出てこない。筆圧がほぼゼロの依頼者は【下品な書き味】と感じるであろうな。

2007-11-05 03 こちらは横から見た画像。もう少しペン芯が後ろの方が上品に見える。ただし首軸とペン芯の関係は、このあたりがベスト。従ってごくわずかにペン先を前に出す事になる。

 Montblanc以外のメーカーは、首軸内部に入っているニブの部分が少ないので、ペン先を前に出すのはぐらつきの原因になる。よい子は真似をしないように・・・

2007-11-05 042007-11-05 05 こちらはソケットから外した状態のペン先の裏表。問題になるほど多くはないが、エボ焼けが多少ある。これは取り除いておいた方が良い。

 また書き味が下品と感じられた理由は、依頼者とまったく筆記角度が合わなかったから。依頼者はペンを筆記角度が30度に近いほど寝かせて書く。にもかかわらずこのペン先の研ぎは筆記角度60度程度を前提に研いである。従って研ぎが一番甘い【腹の後】で書いていたのじゃ。調整がほとんど施されていない部分なので【下品】と感じられるのは当たり前じゃな。

 20年ほど前に入手したデュポンのクラシックについていた【B】のポイントは表面がざらざらな【】だった。今なら舌なめずりして調整を楽しむのだが、当時はあまりにざらざらな書き味に閉口した。これがまさに【品の無い書き味】だった。ボディも品が無いのならバランスが取れていて気にならない。ボディが美
しいからこそ【品格】が問われてしまうのじゃ。

2007-11-05 062007-11-05 07 まずは品を上げるために綺麗に清掃した。そしてスリットを拡げ、筆記角度を依頼者に合わせた。

 それにしても【18C】という比較的大きな刻印は美しい!やはり中白に【K】は無粋じゃ。以前にも説明したが、スキマゲージを用いてスリットを拡げる際には、必ず裏側からコネる事。出ないとスリットの両側に金の盛り上がりが出来てしまう・・・


2007-11-05 082007-11-05 09 こちらが首軸への取り付けが終了したもの。上から二番目の画像と比べると、姿形も【品位】が上がったような気がしないかな?

 ごくわずかなスリットが低筆圧でもヌラヌラと書けるインクフローを提供してくれる。ペン先の研ぎは元々は鉈型。これを若干ではあるが長刀形に研いでおいた。書き味だけ追求するのなら、ペンをひっくり返しても書けるように研磨するが、それでは【品位】が落ちてしまう。高貴な萬年筆はひっくり返して書いたりしてはいけないのじゃ。


今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1.5h 調整1.5h 執筆1.5h
画像準備
とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
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調整とはペンポイントの調整をしている時間
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2007年11月04日

Pelikan 125 Jahre Katalog その12

2007-11-04 01 やっと万年筆に関係する頁が出てきた。最初はインク。この時代にはボトルの形状は既に現在と同様。蓋も同じように思える。

 このあとクラシック・インクボトルなども一時発売したが、定番品はこのボトルじゃ。ちなみに、同じ形状のボトルに入っているインクとしてCrossがある。

 【Fountail Inks a Sampler】 では、CorssはPelikanと同じなので敢えてテストしないと記載されていた。要するにCrossのインクはPelikanが作っていたわけじゃな。ほかにはFeber-Castellも似たボトル・・・

 拙者が高校生だったころにはPelikanとParkerが丸善に並んでいて、それらを買ってきては混ぜて色を作っていた。インクブレンダーの草分けか?

 いろんなインクを混ぜたが、入れた万年筆が全て中国製の安いもの(150円から高くても600円)だったので、特に不具合を感じた事は無かった。それに紙も【わら半紙】だったし・・・

 当時一番好きだったのは緑色。ParkerにもPelikanにも大きなボトル(60ml程度)の緑インクがあった。Pelikanの方がねっとりしていて好きだったな。【緑のインクはサヨナラのしるし・・・】なんて歌はまだなかった・・はずなので、代筆の恋文の下書きに使っていた。拙者は文章を考えるだけで、筆記そのものは恋文を出す本人が書いていた・・・あたりまえじゃが。

 【Fountail Inks a Sampler】によれば、緑色の中ではペリカンが最も耐水性&耐光性が高いという評価だった。色自体はペンマン・エメラルドが好きだが、ペンマンの中でも際立って危険なインクらしい。一ヶ月入れっぱなしだとペンポイントのあたりに毒キノコ【マタンゴ
】のようなものが出来る。気色悪〜い!

2007-11-04 02 こちらはカートリッジ。ヨーロッパ標準カートリッジ。このタイプのカートリッジはほとんど使わない。最近ではラブレターインクがカートリッジでしか入手出来なかったので、それをダンヒル・ドレスコレクションに入れて使っていた。その前に頻繁に使っていたとなると・・・万年筆に嵌る前にプラチナ・グラマーに入れていたころまでさかのぼる。

 ヨーロッパ標準という名はついているが、昔はちっとも標準ではなかった。そのメーカーのカートリッジでないとインクが漏れたり、出が悪かったりと、ロクな事は無かった。今でもこのタイプのカートリッジは使いたくない。

 ただしPelikanのカーキの色は最高だった!カートリッジから注射器でコンバーターに移し変えて使っていた。WAGNERインクとして復活させたいのだが、なかなか道は遠そうじゃな。

2007-11-04 03 やっと万年筆が出てきた。この当時はPelikanの基幹商品ではなくなっていたのかもしれない。まずはPelikan P1シリーズより。

 拙者はこのシリーズでは萬年筆しか所有したことは無いが、ボールペンも魅力的。ペンシルなら400NN系の方がよいが、BPならP1が良さそう。レフィルはAURORA テッシー用が適合するかも知れない。何故にこの時代のPelikanのBPがすきかといえば、レフィルの良さ。

 書きやすさとか、色の具合ではなく、チップにいたるレフィルの首が細いこと。パーカー型は首が太いので、どうしてもシャープな感じがしない。ところがこの時代のPelikan用のレフィルは、首が細長いので、ボディからにょっきりと先が出ている。この感じが好き! 純正レフィルがあれば楽しめるのに・・・もう日本では売っていないのかなぁ・・・

2007-11-04 04 このPelikan P1-RGはParker 51 対抗製品だったが、結果的には大失敗だったようじゃ。コマーシャル全盛時代に商品の性能や拘りだけで勝てるわけが無い。

 それに回転吸入式というのが、いかにも時代に取り残された感じを出してしまったのではないかな?

 拙者はBとBBしか使ったことは無いが、それらはカリグラフィー的な研ぎで実に良かった。ニュルニュルと滲み出してくるようなインクフローも好みで何本も購入した。

 赤、緑、グレー、黒は使ったことがあるが、金張キャップで、ほかの色はあったのかな?青は絶対にありそうだが・・・・

 この萬年筆の最も好きなところはキャップの嵌り方。くるくると回していくと、グっと抵抗があり、その後で、クィっと早回しするように回って止まる。これはParker 75のキャップがパチンとしまるのと並んで、萬年筆として最も好きな感触!

 唯一の弱点はピストン。力いっぱい回すと、空回りして内部のピストンの位置がずれてしまう。これには要注意じゃ。やさしくやさしく扱わないといけない。がさつな人は絶対に使えない萬年筆といえよう。



過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog】

2007-10-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その11 
2007-10-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その10  

2007-10-14 Pelikan 125 Jahre Katalog その9 
2007-10-07 Pelikan 125 Jahre Katalog その8  
2007-10-02 Pelikan 125 Jahre Katalog その7 
2007-09-25 Pelikan 125 Jahre Katalog その6 
2007-09-18 Pelikan 125 Jahre Katalog その5 
2007-09-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その4 
2007-09-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その3 
2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2 
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1 

  
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2007年11月03日

ようやく秋の岡山堪能・・・昔なら足の小指にシモヤケが出来ていた時期

2007-11-03 01 昨日早朝、雨まじりの羽田空港を飛び立って、岡山に到着。写真は岡山駅前。秋晴れの空は綺麗なのだが、なんとビックカメラが出来つつある!

 岡山市の財政は破綻状態にあると聞いたが、マーケットとしては魅力があるのかもしれない・・・

 都内中心部のマンション一階に住んでいて、会社まで地下鉄で10分・・・という生活を繰り返していると、空を見上げる事が少ない。見上げたところでビルばかり・・・従って、この岡山の空は久しぶりに心地よかった!

2007-11-03 02 上の写真で【回送】と表示したバスが入線したので、迷う事無く乗り込んだ。出発は10時2分のはず。なのに10時ちょうどに出発した。

 へー・・珍しいなぁ・・・と思っていたが・・・別方面行きじゃった。20分間は同じ道を通るのだが、途中から聞きなれない停留所名が・・・。その時既に乗車していたのは拙者一人。40年前は自転車で走り回った地域だが、まったく様子が変わっている。ぼんやりと眺めながら3つほど停留所を通り過ぎてから、新岡山港入口でバスを降りた。

 気持ちよいので20分ほど歩いて帰宅することに。歩いていて上のポスターを見つけた。そういえば【姫の虎退治】で盛り上がった参議院選挙だったなぁ・・・お隣の親父さんが江田五月氏の講演会所属、高校の先輩が片山氏、妹の同級生が姫井氏のご主人・・・ということで、部外者ながら結構気になった選挙戦だった。

 いずれも県政や市政に貢献された方々なので、【ぶってぶって・・・】で一括されたのではなぁ・・・

2007-11-03 03 これと同じ構図の写真がラヴィアンカフェのBlogに掲載されていた。下の本のなかに【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】が無かったので、実家に40部送付してある初版1刷を持って訪問。

 Mattyしゃんは、【嬉しい!これ売ってないんですよぅ】と喜んでくれた。東京駅前の丸善オアゾは専用のコーナーまで作ってくれたが、同じ丸善とはいっても地方との温度差はあるようじゃ。

2007-11-03 04 力作ぞろいの写真の中に、Pelikan トレドを写した作品があったので、題名を見ると・・・【無題】

 えぇ・・無題? 拙者が近隣の高校の写真部一年生だったころ、写真の題名に関しては、3年生に徹底的に総括されたものじゃ。当時家で飼っていた【チル】という名の猫がラグビーボールの上に乗っている写真に【チル】という題名を付けた時には、2時間ほど恫喝され続けた。

 構図も焼きもすばらしいが、題名が全てを台無しにしている!お前は本を読んでいるのか?物に感激したことは無いのか?悲しかったことは無いのか?苦労したことは無いのか?・・・・・等々。

 夏休みの間に文庫本を50冊読んで全てについて感想文を書いて持ってこい!という宿題を出された。写真の技法の指導ではなく、感性を磨く指導。意地で50冊読破し、感想文も書いた。おかげで国語の成績はその時だけトップクラスになったが、数学や物理・化学がおぞましい成績に!理系志望の拙者が短期間にこれだけ本を読んだのは最初で最後だったが、国語の成績は本を読めば上がるということは確
かだと言える! そして理系科目の成績が下がる↓

 【無題】という題名ならば、理系人の作品に違いない! いったい誰の作品じゃ?と目を凝らしてみると・・・

2007-11-03 05 なんとゑでぃしゃん! (やはり理系・・・)  

 いつのまにやら、関東支部長になっておる。WAGNER唯一のラヴィアン会員なので間違いではないな。

 次回の写真展には、WAGNERのライカ同盟からも何点か作品を出してもらいたいものじゃ。

 一人一点しか出せないにもかかわらず、写真展として整合性が取れているのは、テーマが明確だから。写真の盛んな岡山では、デパートの地下で良く写真の作品展が行われている。ただし、それぞれが自慢の作品を持ち込んだ展覧会には惹きつけられる物が少ない。照明も悪いしな・・・

 その点、このラヴィアンの写真展は環境も、テーマの一貫性も作品自体もすばらしい。一人が30点の作品を持ち込んだよりも場の空気を濃くしている。

 WAGNER本の第二弾は【萬年筆のある光景】にしても面白いかも・・・写真機と萬年筆と・・・国語の力・・・最後が自信ない


2007-11-03 06 クローズドノートの並びに【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】を置いてもらった。ぼろぼろになるまで読んでもらえれば本望じゃ。あと39冊あるので、いつでも追加出来ますぞ!

 重版が手に入ったら初版と比べて見
るのもよろしかろう。200箇所くらい修正が入っておるのでな。【校正】ではなく【修正】じゃよ。間違い探し本としては最高に面白いと思う。拙者はまだ20箇所ほどしか見つけられていない・・・国語力を磨かねば・・・

 ラヴィアンで自転車の本を見ているうちに・・・自転車が欲しくなり、自転車を買って、それに乗って帰った。二ヶ月に一回程度しか帰省しないので、大きな無駄使いじゃが、万年筆に比べれば安いもの。37年ぶりに乗る自転車、体重59キロから95キロに増加している事、車道を悠々と走っていた時代から凸凹の歩道を走らねば危険な時代になっている事、などを考慮し前2段、後8段切り替えの自転車を買った。前週末、フェンテの集いでSunnyしゃんに自転車に乗って一ヶ月で○kg痩せた!と聞いたのも影響しているかも知れない。15万円以上の自転車らしい・・・

 また11月から会社のメタボ4人組で【3ヶ月間で4人合計で24kg減量!ただし二酸化炭素削減量と同じく、差分は1kg1万円で売買可能】と誓った影響かも・・・ よし!自転車代6万円弱は追加削減した脂肪を売って取り戻すのじゃ!

 と元気に自転車屋を出発して、実家に戻ったのじゃが・・・たった7キロほど走っただけで、お尻は痛いは、両腕は痺れて感覚はなくなるは、自転車を降りたとたん膝はガクガクして倒れそうになるは・・・体重があると自転車って、こんなにキツイ乗り物だったのじゃな・・・早くも挫折しそう・・・

  
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2007年11月02日

【金曜日の質問コーナー】 第14回

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日と金曜日に、皆さんの疑問にお答えするコーナーを設置

 ★ 火曜日に萬年筆専用の質問コーナー

 ★ 金曜日はブランドの歴史や萬年筆以外の一般質問もOK!

今回は、第14回目の金曜日 

アンケート調査

  よく使うペンシルメーカーモデル名、および芯の太さ濃さは?

それでは・・・
Go! 

結果報告  11月2日 AM 5:00時点

芯の太さと濃さの対応が明確な物のみ抽出。また芯は0.3个ら1.18个里瀉蟒弌

太さ別集計

1.18 :  8件 【4B:3   2B:3  B:1  HB:1】
0.92 : 11件 【2B:10  B:1】
0.7弌  11件 【2B:6   B:4  HB:1】
0.5弌  10件 【2B:3   B:4  HB:3】
0.3弌   1件 【B:1】

けっこうばらついているなぁ・・・


濃さ別集計

4B :   3件
2B :  22件
B  :  11件
HB :   5件

こちらは2Bが他を圧倒している。萬年筆好きは筆圧が低くなるのかも知れない・・・

  
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2007年11月01日

解説【萬年筆と科學】 その54-3

ウォーターマン社 創立50周年を祝した その54−3

 今回の【その54】に関しては非常に内容が濃い上に、一般には紹介されていない事が盛りだくさん!従って一回でまとめてしまうにはしのびないので、数回に分けて紹介することにする。

第三回目はL.E.Watermanの発明内容を紹介する


 今回はなぜWatermanが萬年筆と関わるようになったのか、また、彼の発明内容は何だったのかを明確にする。

 Watermanはエトナ生命保険会社の勧誘員をしていたが、当時生命保険はそれほどポピュラーなものではなく、勧誘員は多いが、客は少ないという状況だったらしい。

 従って勧誘員は油断も隙もなく立ち回らねばならず、また、客の気心もいつ変わるかも知れないという【心理的危険性】がつきまとう商売だった。

 申込者がいつ何時、どんな拍子に出来ようとも、まごつかないだけの準備をしておく必要があった。また、【契約書はインキにて申込者の自署を要す】という規定があり、それが即座に実行出来ないと競争には勝てなかった。

 従ってWatermanは当初、いつもペンとインキ壺を肌身離さず持ち歩くようにしておった。ところがインキで洋服にシミはつくは、書類は台無しになるわという始末で、ほとほと愛想をつかし、代替策を捜している時に萬年筆に出会った。

 元来新し物好きのWatermanは、さっそく奮発して一本購入し、【萬年筆は俺の助手だ!】と吹聴するほどの気に入り方であった。

 ところがある日、有名な事件(作り話かも?)が発生する。契約書にサインいただこうと萬年筆を差し出したところ、インクがドバーっと漏れて契約書が台無しになり、その時に訪ねてきたライバル会社の勧誘員に契約を取られてしまった・・・

 その時Watermanは冷静に、【この萬年筆が悪いのではなく、不完全な機構が悪いのだ。では自分で完全な機構を作ってしまおう】と考えた。

 幸いにしてWatermanは大工経験があり手先は器用。また速記術に詳しいのでインクフローのあるべき姿をイメージ出来た。

 彼はまず、市場で売られている萬年筆を詳細に調べ、また、萬年筆関係の特許も調べ上げた。その結果、ペン芯に穴があるだけではインクは出るわけではないという事実を悟り、ついに、ペン芯の機能上重要な二大原理を発見した。

 ★萬年筆のインクは毛細管現象で誘出されなければならない
 ★インクが誘出された分だけ、空気が入らなければならないこと

2007-11-01 01 その結果生まれたのが、ペン芯の背筋に一本の角溝を刻りつけ、その角溝の底に2本の(後に3本)細溝(Fissures)を切り込むことを思いついた。

 インクは毛細管現象で細い溝を通ってペン先先端に向かい、インクが吸い出された分だけ、空気が上の広い溝を通じて軸内に進入する理屈じゃ。これによってコンスタントなインクフローが保証される。このアイデアは1884年に彼の名で特許を取得している。

 これが近代萬年筆に繋がる最も大事な発明なのじゃ。Watermanが現代に復活したとすれば、必ず最高のペン芯を作ってくれると確信している。


過去の【萬年筆と科學】に関する投稿

解説【萬年筆と科學】 その54−2 
解説【萬年筆と科學】 その54−1 
解説【萬年筆と科學】 その48 
解説【萬年筆と科學】 その47  
解説【萬年筆と科學】 その45
 
解説【萬年筆と科學】 その44 
解説【萬年筆と科學】 その43 
解説【萬年筆と科學】 その42 
解説【萬年筆と科學】 その41 
解説【萬年筆と科學】 その40 
解説【萬年筆と科學】 その36 
解説【萬年筆と科學】 その35
解説【萬年筆と科學】 その34 
解説【萬年筆と科學】 その33  
解説【萬年筆と科學】 その32 
解説【萬年筆と科學】 その31 
解説【萬年筆と科學】 その30 
解説【萬年筆と科學】 その29 
解説【萬年筆と科學】 その23 
解説【萬年筆と科學】 その22   
解説【萬年筆と科學】 その21 
解説【萬年筆と科學】 その20 
解説【萬年筆と科學】 その19 
解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
解説【萬年筆と科學】 その14 
解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9
解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1  
  
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