2008年10月31日

Pen Doctors' Rules その41

Doctors Rules 今回は41回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.手術の前には、必ず何か食べておきなさい。手術中、いつなんどき合併症が起きて、余分なエネルギーを必要とするかもしれないから。

 → ペントレには必ず余分なお金を持って行きなさい。会場でいつなんどき【急性欲しい欲しい病】が発症して、余分なお金を必要とするかも・・・

 → メーカーペンクリにも必ず余分なお金を持って行きなさい。いつなんどき最後の一本に巡り会うかも知れないから。

 → 持ち合わせが無い時に限って珍品に巡り会い、余分なお金がある時には無駄な買い物をしてしまう。



2.当直の予定が入っている週末とそれに先立つ週には自分の結婚、往診の約束、就職などについて長期的な決断を行ってはならない。

 → 2009年のWAGNERの活動計画を見てから、来年度の自分の長期的決断をしなさい。

 → 過去、新婚旅行で欧州に旅立つ直前にペントレ参加して、現地でのお土産用のお金を使い切った人がいる。
    帰国後の夫婦の上下関係はこの時に決まった・・・らしい



3.「昨日退院させた患者を覚えていますか」という質問のあとに良い話が続いた試しがない。

 → 半年前に東京で退院させた患者が、地方の人から再度持ち込まれる事がある。感無量!金は天下の回りもの。萬年筆も天下の回りもの。


4.精神疾患があるからといって、病気にかからないわけではない。
   病気だからといって、精神疾患にかからないわけではない。

 → お金が無いからといって【欲しい欲しい病】にかからないわけではない。

 → しかし【欲しい欲しい病】に感染すると必ずお金は無くなる。不思議じゃ・・・



5.奇妙な外傷を負った、静かで行儀の良い子供は、虐待されている可能性がある。

 → 静かで行儀の良い紳士だからといてペリカンを虐待しないとは限らない【フェンテ内輪ネタ】。

 → 【ペリカン虐待罪】の罰の一環としてペリカン倶楽部の会長を申しつけられた紳士がいる。


   
    
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2008年10月30日

解説【インキと科學】 その9

 第八章は、頁数が多い割につかみ所が無く、現在においてはあまり役に立ちそうもないので割愛し、第九章の解説をする。

 まず最初に渡部氏は【インキは水商売。さぞやぼろいでしょう!】とよく聞くがとんでもない事だと反論している。2〜3の薬品を水に溶かしていい加減に色素を混ぜ合わせれば簡単に出来るもので、番茶を立てるよりもたやすい と考えている人もあると・・・反論と言うよりも嘲笑に近いかな?

 昔から茶人達が茶質を吟味したり、釜に苦労したり、水質に注意したりしている事を述べ、かれらの苦労はインキ製造にもあてはまると結んでいる。

 お茶とインキ・・・それは縁遠いように思えて、素を辿ればいずれもタンニン類を主成分とする物で、血は水よりも濃し!というわけじゃ。

2008-10-30 01 左は昭和7年の春、日本で最初の女性農学博士の学位を得た辻村みちよ女史の言葉じゃ。

 辻村博士の論文の一つに【緑茶ヨリ分離シタル茶タンニン(Tea Tannin)ニ就テ】というものがあり、それは世界的な発見であったとのことだが、それについて述べている。

 紅茶が赤くなる原因が最後に書かれているが、こういう実例があると非常にわかりやすい。

 渡部氏も、【そういえば沸かしたてのお茶の色は薄緑色ですが、湯冷めする頃には色が赤ばんで来るのも茶タンニンが酸化したために相違ありません】と書いている。ある事象が証明されると、それを他の事象に当てはめて理解できる能力が科学者の素養であると聞いたことがあるが、まさに!という感じ。

 さらに続けて、【医薬を服用する前後にお茶を飲むなといわれているのは、お茶の中のタンニンが医薬中の鉄分と作用してお腹の中にインキが出来て、薬の効能を消殺するからとのことです】と冗談とも本気とも言えない挿話も・・・

 もちろん薬の中に鉄分が無ければ問題ない!

 拙者は薬をお茶で飲むな!とは聞いたことがあるが、薬を飲む前後にお茶を飲むな・・・というのは初耳。しかしその方が理屈には合っている。また一つ、利口になった!


【過去の記事一覧】

解説【インキと科學】 その7−2 
解説【インキと科學】 その7−1 
解説【インキと科學】 その6−2 
解説【インキと科學】 その6−1  
解説【インキと科學】 その5  
解説【インキと科學】 その4   
解説【インキと科學】 その3−2 
解説【インキと科學】 その3−1  
解説【インキと科學】 その2−3    
解説【インキと科學】 その2−2  
解説【インキと科學】 その2−1  
解説【インキと科學】 その1       
Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 文献研究 

2008年10月29日

水曜日の調整報告 【 Sheaffer Snorkel 14C-F サック硬化 】 そしてポロリ・・・

2008-10-29 01

 今回は非常に綺麗なSheafferのスノーケル。まだネットが無かった時代にMint物がアメ横に出た時には一本5.5万円したピンク軸。アラブ首長国連邦に買いに行った事もあったが、その時にはピンク軸はなかった・・・

 こういうパステル・カラーが大好きでスノーケルは数え切れないほど買ったが、すぐに吸入機構がダメになるので、何本も、何十本も壊して分解し、構造も直し方も100%理解している。従ってこの修理はすぐに終わるはずだった。実際すぐに終わってしまった・・・

2008-10-29 022008-10-29 03 ペン先は元々書き味がよい。この時代のSheafferはペン先の素材にほとんど弾力がないのにタッチは柔らかい。細字の書き味としては5段階評価の5を与えても良いと考えている。

 ただ、この個体はスリットが開きすぎかな・・・。毛細管現象が働く限界を超えてスリットが開いているようじゃ。後でこれは多少詰めておいた方が良い。下に向けて書いている間は問題ないが、たまにペン先を上に向けて考える習慣がある人などにはインク切れのリスクがある。

2008-10-29 042008-10-29 05 スノーケルは良く知っているつもりでいたが、左の画像を見て驚いた。

 ペン先が上に反っていると思っていたが、反っているように見えるだけで、途中からお辞儀の角度が浅くなっているだけじゃった!ペン芯自体がお辞儀するように設計されたスノーケルモデルでは、上に反らさなくても、途中からお辞儀角度を浅くするだけで、あの柔らかなタッチを演出する事も出来るのか!

 確かにペンを持って書いている際には、平行から上に反っているか、お辞儀の角度が浅くなっているかは関係は無いわな・・・

2008-10-29 06 尻軸を回してみるとスノーケル機構はすんなりと出てくる。しまうには多少トルクが高いがこの部分には問題は無さそう。

 ただしインクは全く吸わない。サックの硬化とOリングの硬化が原因なのは、中を空けなくともわかる。いままで何十本も修理していると触れば原因は想像が付く。外れる事はほとんど無いし、外れると嬉しい!また新た知識を得ることが出来る。

 スノーケルの先端部は非常に危険。安価モデルでは斜めではなく、直角に切断しているが、高級モデルでは鋭角にカットしている。これで子供が目を刺して失明したため、それ以降の製造を中止したと言われているが・・・本当かいな?

 これだけ複雑で壊れやすい機構と、ちょっぴりのインク吸入量・・・メンテナンスコストを考えれば、スノーケルが販売側やユーザ側から見放されていったのではないかと考える事もある。拙者も書き味の良さで気に入っているだけであって、機構が好きな萬年筆というわけではない。サック交換も実は非常にやりにくい。

2008-10-29 07 こちらが内部機構の一部だが、左側の穴の部分に黒く見えているのがゴムサック。カチカチに硬化している。

 インクを長期間入れていて、インクが乾くとそれがゴムサックに付着して、ゴムを硬化させる。そうなるとサックを交換するしかないが、その際は、細い金属棒を、左側頂点の穴からツッコミ、トンカチでたたき出すのじゃ。

 その際にスノーケルの筒をホールドしている中間部分を温めて拡げておくとやりやすい。ただし、その部分の内部はゴムなので炎は厳禁。100度のお湯が安全。
2008-10-29 08
 左側が胴軸に入っていたOリング。腐ってはいないがかなり硬化していた。耐久年数はあと数年。この際、新しいOリングと交換することにした。こちらは非常に弾力がある新品なので10年は大丈夫!

 スノーケルの修理で、いちばん作業時間にバラツキが出るのが、Oリングの交換。たまにまったく滑って嵌められないことがある。先の曲がったピンセットで時計修理技師のようにルーペを目に挟んでやるのだが、上手く嵌らないとイライラする。今回は30秒ほどで終了!早かった!

2008-10-29 09 さて次はサック交換と言うことで、スノーケルの筒を抜き、ゴムをたたき出そうとして部品を摘んでなにげに捻ったら・・・ポロっと部品が二つに割れた。目が点・・・

 初めての出来事でビックリ!切断面を見るとサビの上に瞬間接着剤のようなものが付いている。ああ、以前の所有者が錆びて折れた部分を瞬間接着剤で修理して使っていたのか・・・

 ゴムはご覧のとおりボロボロになっている。まだましな方かも・・・金属と一体化して上の部品の中にこびりついて取れないケースも多々ある。

 これがスノーケルが市場から姿を消し、現在でも海外では二束三文で取引されている原因だと考えている。

 これほどまでに魅力的で、すばらしい書き味の萬年筆も、修理出来る人が付近にいないとただのガラクタになってしまう。海外オークションものは、ほぼ全て修理が必要。Mint物でもOリングは硬化しているケースが多い。注意しなされ。

2008-10-29 10 スノーケルの部品は山のようにあるおもって部品箱を捜してみたが、なんと一番上の部品だけがない。他は全て修理しても、この部品が無ければ修理は完成しない。

 幸いどのスノーケルの部品も同じような物なので、そのうち手にはいるじゃろう。依頼者にはあと半年ほど待ってもらうことにしよう。

 拙者はピンク、薄緑、薄青の3本の軸の金キャップを持っていたが、今はピンクだけが残っている。高級品でピンク軸というのは、スノーケルしか無いのではないかな?非常に珍しい色だし、書き味は絶妙なので、ぜひ復活させてあげたいと考えている。


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1.5h 修理調整0.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
   
   

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Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月28日

火曜日の質問コーナー その52

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが

第52回目の今回は筆記具全般に関する質問


拙者の個人メールアドレスに頻繁に質問が入るが、一切回答していない。質問は必ずこのコーナーへ!



 昨日、【萬年筆ミシュラン】の準備の為に、【日本版ミシュラン】を注文した。ミシュランが何を狙ってランク付けを始めたのかが知りたかったのじゃ。

 ミシュランは料理や素材ではなく、店を格付けしている? もしそうであれば、店は努力によって★の数を増やせることになるし、努力を怠れば★の数は減ってしまう。

 読者に良い店を案内する事だけが目的なのか、店を叱咤激励し、継続的に良い味を提供して貰うのが目的なのか・・・

 【萬年筆ミシュラン
】は萬年筆に対するランク付け。Vintage萬年筆はこれから先改良の余地はないので、叱咤激励しても意味はない。

 【萬年筆販売店ミシュラン】の方がミシュランの意図には近いかも知れない。そのあたりを知りたくて本物を注文したわけじゃ。

 萬年筆の評価にはワインのランク付けの方が近いかも知れない。【1960年代のNo.149はインク吸入量は4点、耐久性は1点】のような評価はワインのランク付けに近いのかも知れないなぁ・・・と昨夜考え込んでしまった・・・


そこで皆さんから情報を集めたい


【1】ミシュランの真の狙いを知っている人がいたら教えて下さい。

【2】ワインの評価、格付けについて知っている人がいたら簡単にまとめて下さい。
   また説明したサイトがあったら教えて下さい。

【3】萬年筆の格付けに似たような格付けの仕組みがあれば教えて下さい。

 

それでは GO

  
Posted by pelikan_1931 at 07:30Comments(24) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2008年10月26日

萬年筆の総括・・・・まもなく開始か?

 昨日は全国から萬年筆愛好家が集まる【フェンテの集い】の初日。拙者とらすとるむしゃんは午後からペンクリに勤しんでいた。非WAGNER会員WAGNER地方会員のみを対象としたペンクリなので、人数も少なく体は楽!

 知る人ぞ知る【業界の大物】が終了間近に来訪したりと、非常に楽しく、刺激的な一日であった。

 本日は、多少早めに帰らなければならないため、ペンクリはお早めに。またミニペントレでは、昨日は出さなかった新顔も追加。お楽しみに!

 昨夜は恒例の宴会だった。画伯の近くに座ったところ、さっそく画伯からの褒め殺しが・・・

 拙者は
画伯の特命と、ぱいたんしゃんのBlogの影響を受けて、このBlogを始めた。

 その時の画伯の特命とは・・・調整方法を公開することによって、壊した萬年筆の山を作り、新たな萬年筆需要を喚起し、業界を活性化することだった。

 その画伯が酒に酔った勢いで【途方もない企画】を出してきた。ちなみに画伯はかかりつけの医者には、一滴もお酒は飲んでいません!と断言しているらしい。

 その企画とは、【萬年筆の総括】と【ランク付け】。この二つは連動している。一本の萬年筆を取り上げ、皆の意見で総括する。総括とは・・・一言で言えば、この萬年筆はどうなのかを、細木数子風に言い切ってしまうことじゃ。

 その為の基礎情報として、いくつかの評価項目を選定し、萬年筆を五段階評価する。これには読者の皆さんの評価が中心となる。

 そして集まった情報をまとめて、萬年筆のランク付けをするのじゃ。すなわち、この萬年筆はつ!とかやるわけじゃ。個人でやれば単なる意見だが、大勢でやれば評価になるという・・・

 萬年筆は100円の物から1千万円Upの物まで全て好き!という萬年筆愛好家には過酷な作業だが、、やれば世界初の快挙!という画伯の熱弁で、多少その気になっている。

 やれば、その萬年筆の好き嫌いにかかわらず、たとえば、1960年代のNo.14は★無しで、1980年代後半の復活トレドは★3つ・・・というような残酷な結果が出るかもしれない。

 評価の低い萬年筆を愛用している持ち主にはたまらない企画となってしまうが、冷静にその萬年筆の優れている点、改善点などを把握する作業には興味があるなぁ・・・・と考え、お引き受けすることにした。

 やるにあたっては、評価項目の設定がキーとなるので、皆さんからの意見を募集!出来れば10項目くらいは項目が欲しい。メーカーを評価する物ではなく、あくまでも出来上がった製品を評価するような項目がありがたい。

 十分に時間をとって始めたいのだが(画伯によれば)拙者は【息も絶え絶えでもうろくし、体中病気だらけでいつポックリ死んでもおかしくない・・・要するにあと3年の命の老人】ということなので、残された時間は多くない・・・らしい。出来れば11月からは始めたいのでよろしく!

 萬年筆を五段階評価する、評価項目を思いつく限り挙げて欲しい。重複はかまわないので、個人の意見として出して下され!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(24) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2008年10月25日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その6

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

[3]調整結果・反省

 

 基礎的な調整がほとんどであったため,冒険的な内容は少なかったが,その分各作業の丁寧さを重視し,完成度の高さを追及した.個人的にはそれなりに納得のいく仕上がりだと思っている.

 

 他人の萬年筆を預かり調整を加えるのは今回が初めてだったが,気後れすることなく,普段自分の萬年筆に手を加えるのと同様の気分で作業することが出来た.

 

 作業中に強く感じたのは,やはり始めにしっかりとした調整理論を組み立てておき,次に現物の問題点をきちんと把握・整理し,それを理論に組み込むことではじき出される調整の最適解を順次適用してゆけば,たとえ人の持ち物であろうと,迷うことなくスムーズに事を運べるということだった.

 

今まではどちらかといえば,人の調整例を参考にしたり,専ら自らの健全な萬年筆を実験台にしたりすることによって調整の基礎理論を構築・確認することに重きを置いてきた.守破離の型でいえば守の段階にあったといえる.

 

 これからは少しずつ実践に力を要れ,理論の応用力を高めてゆきたいと思う.そのために,今まで以上に多くの失陥萬年筆を経験し,現実の依頼者の欲望を満たす訓練を積まねばならない.この抱負を据えたところで,今回のレポートを終了する.

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2008-10-25 01











    それでは全文を一挙に掲載しよう。

 論文自体はBlogのフォーマットの制約にとらわれず、実に綺麗に配置されていることがわかる。

Easy-WebPrintなどのソフトがInstallされていれば、綺麗に印刷できるであろう。

 あるいは、画像を選択してしばらく待つと、左上に出るアイコンの右から二番目【このイメージを電子メールで転送します】をクリックし、【元のサイズを維持します】というチェックボックスを押すと、電子メール送信の画面が出る。そこにファイルが添付されているので、それを右クリックして【名前を付けて保存】するとページ毎にDownloadできる。ただ、この方法はWindowsXPに依存しているかも知れない。

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ならび順は、

 1頁 → 2頁 → 3頁 → 4頁 → 5頁 → 6頁

 7頁 → 8頁 → 9頁 → 10頁 → 11頁

となっている。

  
Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月24日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その5

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

) ピストンの修復

2008-10-24 01
左:図ホ-1 分解されたピストン機構の俯瞰図      

右:図ホ
-2 正常な尻軸との対比

 



2008-10-24 03

 

 

 

 

図ホ-3 挿入直前のピストンユニット

 

図ホ-1に示した各部位を,ここでは上から順に a:胴軸」「b:可動部」「c:ピストンガイド」「d:尻軸」

と呼ぶこととする.また,b,c,dを組み合わせたものに「ピストンユニット」という名称を与え,aにこれを加

えたものを「ピストン機構」という包括的呼称で表す.

 

一見したところ,acについては非常に良い状態を保っており,特に問題は見受けられない.

異常があるのは「d:尻軸」である.この部位には本来,「b:可動部」を上下させるための螺旋棒が付与

されているはずだが,それが見当たらない.不審に思い「d:尻軸」の底を覗いてみると,なんと螺旋棒が

内部で途中からねじ切られている[1]

 

 ピストン動作を蘇生するためには,問題のある尻軸を正常なそれと交換する必要がある.幸いにして,私の保有ジャンクパーツには同年代の146の軸が一式揃っていたため,そこから流用することにする[2].螺旋棒が生きている尻軸との比較は,図ホ-2に載せておく.

 

 b, c, d’を先に組み立て,のちにaへねじ込む(図ホ-3).このときねじ込む際の力加減は,先に開催された萬年筆研究会【WAGNER】第33回月例会において新倉が講演した通りに行う.すなわち,「徐々にゆっくりと締めつけてゆき,最後の刹那にトルクを高める」のである.

 

 以上の工程を終えたのち,胴軸を右手でつまんで固定し,尻軸をそっと反時計回りに捻ってみる.わずかな,しかし確かな手ごたえをもって回転してゆき,やがて弁が下がる姿がインク窓から覗かれる.ピストンが完全に降りたところで,今度は尻軸を逆に旋回する.降ろすときと同じ感触で,今度は弁が段々とせり上がり,昇りきったところで尻軸がピストンガイドを軽く締め付け,一部の隙もなく胴軸へ.完璧な動作である.



[1] この種の症状は森によればさほど珍しいケースでないという.主として,老朽化した萬年筆の内部インクの硬化や潤滑剤の消耗,軸そのものの経年収縮が原因でピストン運動が円滑に行われない状態にあるとき,過剰な力をかけて尻軸を捻ると,螺旋棒に負荷がかかり,そのまま折れてしまうということらしい.現在このレポートを閲覧されている諸兄が,もしピストン動作の鈍い旧式萬年筆を所有・使用されているのなら,なるべく無理な加力は避け,早期に近隣の調整師へ提出し,メンテナンスを施せしめることを推奨する.

[2] なお,今回は軸部品の年代の整合性を重視し同年代の尻軸を用いたが,現行品の尻軸も互換性を有することを確認した.すなわち,現行品の146におけるピストンガイド自体の概観は旧式のそれとは異なるものの,c-d間のねじ山のピッチは,少なくともこの20年間不変であるということである.しかしこのことが,メーカーとしてのMontblancがアセンブルの利便性を考慮して設計し続けていることを示すのかは定かではない.その理由としては,第一にブランドメーカー化の道を邁進し,小売店の排斥を始めるなどといった,しばしばユーザーの切捨てとも受け取られかねない行為を進める現在のMontblancが,現地修理の便宜を図るなどの深謀遠慮を働かせることは考えにくいということが挙げられる.第二に,a-c間におけるねじの規格には新旧で差があり,したがって-間の規格のみが同一なのは,この部位にのみ金型を流用しているか,さもなくば偶然であろうと思われるためである

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2008年10月23日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その4

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

) ニブの整体

 

 冒頭で述べたが,今回は研ぎは行わない.依頼者の筆記性癖を把握せずペンポイントを研ぐことは,海図を持たないまま出航することに等しい.大方,座礁する.また,今回の個体が備えていたポイントは,とても齢三十数年とは思えないほど無垢で美しく,ほぼ未使用といっていい逸物であり,出来ることならば下手に弄り回すことなく,純粋なまま後世にその御姿を残し奉りたいと私の本能が命じたのである.

 

したがって,今回書き味について調整を加えられるのは,整体の範囲内のみである.そのうち,ペン先の清掃とスリットの浚いはロ)において既に済ませた.その他の整体についても,ポイントが無傷のまま残っていたのと同様,ニブ本体にほとんど歪みがない状態だったので,特段手を加える必要は感じなかった.

 

唯一,例のごとく切り割りは先端において詰まり気味だったので多少幅を拡げた(図ハ-2).金一色時代の146のニブは,それ以前のものとは比べ物にならないとはいえ,90年代以降のものよりは大分腰が柔らかく,尋常の筆圧を掛ければ,紙に接地した瞬間僅かに切り割りが拡がるため,実際にはそれほど神経質になる必要はないかと思われる.ただし,低筆圧・低角度のエキスパートが集うWAGNERの平均筆圧にも動じないインクフローを実現するには,この程度はスペックを上げておく必要があると判断し,調整を行った.

2008-10-23 01








図ハ
-2切割り拡張前()と拡張後()の対比


ニ)   ニブの首軸への埋め込み

 

ここで触れる調整は,萬年筆の書き味にはさほど影響を与えない.Pelikan M800に比べ,Montblanc 146はニブとペン芯の整合が多少ずれていてもペンポイントの段差を生じにくく,フローにも影響を与えない設計になっているからだ.したがって,この作業に注力することの目的は大部分が美観のためである.時間に追われ,作業の効率性を優先せねばならない環境にあるプロの調整師は,この作業は極力簡素に済ませると思われる.

 

しかし,アマチュア調整師はプロとは比べ物にならないほどの調整の猶予期間を持ち,気が済むまで美観を追求することができる.時間対効果を度外視できることそれでも速いに越したことはないがが,アマチュアがプロに優れる数少ない要素であり,「神は細部に宿る」を肝に銘じて取り組むのが森の門下たる者の使命でもある.

 

 景観を重視してニブを首軸へ埋め込む際,特にMontblanc 146については気をつけたいこと2点ある.1つは,前方方向から見たときの整合性であり,2つめはニブの露出量である.

 

 まずは,前方方向から見たときの整合性について触れる.ここでいう「整合性」の内容とは,

 

a) ペン芯とニブが垂直に整合しているようにすること.

b) ペン先の垂直二等分線と首軸の溝同士をつなぐ線が重なること.

 

以上の2点である.図ニ-1に示されているペン先上の赤線と青線が垂直に交わり(=a),ペン先上の青線と首軸上の青線が一致する(=b)ような位置関係が,最も端正で整合性が取れた状態であると考える.

2008-10-23 02







図ニ
-1 青い補助線が重なる位置でペン先()を首軸()に埋め込む

 


 この状態に持ってゆくのに,手練の調整師ならばワンアクションで済ませてしまう.私はまだその域まで練達していないゆえか,あるいは単に神経質のため疑心暗鬼に駆られて埋め込み後の歪みを認識してしまうせいか,
23度抜き差しを繰り返してやっと満足のいく位置で埋め込むことが出来た.

 

 

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2008年10月22日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その3

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

 

ロ)   ペン先(ニブ+ペン芯)の清掃

 

まずは確認を含め,ペン先を軸本体から外す必要がある.萬年筆の種類によっては,ペン先をゴム板で包み前方から真直ぐ引き抜くだけで外すことができるものもあるが,Montblanc 146はペン先が首軸へ埋まっている量が比較的多く,簡単には外せない.

 

さらに,この年代のものに装着されているペン芯はエボナイトで形成されている.エボナイト製のペン芯は,のちのプラスティック樹脂製のそれに比べ,剛性に優れるものの,延性に劣る.すなわち,ゴム板で挟み軸から引き抜くという方法をとると,ペン芯のフィンの基部にストレスがかかり,プラ製のものなら変形して倒れこむだけですむところ,エボナイト製ではフィンが根元から破断するリスクがあるのである.

 

したがって,今回はペン先を軸の後方から押し込み,叩き出す方法を用いる.手間はかかるが,この方法であれば確実かつ安全にペン先を取り外すことができる.

 

工具を用いて胴軸からピストンユニットを引き抜き, そこから先端を削った鉄釘を滑り入れる.首軸を下にし,

ノックアウトブロックの無数に開いた穴のうち,ニブ径の合致するものへ差し込み,片手で固定する.そして,もう一方の手で握り締めた鉄鎚を,釘に軽く叩き込むこと数回,ペン先が取り出された感触を確認する.参考として,この時点の写真を図ロ-1に示す.
  

2008-10-22 01













図ロ
-1 ペン先叩き出し風景

 

 無事に軸から産み落とされたペン先は,既にニブとペン芯に分離した状態となっている.ここで一旦これらを引き離し,それぞれに洗礼を浴びさせる.

 

まず,ニブはその表裏にこびりついたエボ焼けとインク糟をこそぎ落すため金磨きクロスで表面を丁寧に磨きこむ.ロジウムやプラチナ,24金などが装飾されたニブは,鍍金を傷めないよう注意を払って磨く必要があるが,この点,地金が露出したモノカラーニブは楽である.この作業の遂行に掛かる時間は正味10秒程度.

 

 ペン芯は,スリットにインク糟が詰まっている可能性がある.ロットリング洗浄液があればそれを用いるのが最良だが,生憎手元に置いていないので,台所用中性洗剤一滴を湯呑一杯の水道水で希釈したものに一晩漬け込む.翌日,液から取り出し,スリットをラッピングフィルムで浚ったのち,流水で洗浄する.これらの処置を施す前と後の比較は図ロ-2の通り.
2008-10-22 02











 図ロ-2 清掃前()と清掃後()のペン芯とニブの対比

なを、
ニブの表側についたエボ焼けは,人によっては美的価値を認める場合があるので,鑑賞目的ならば必ずしも除去する必要はない.実用にする場合,裏側に付着したエボ焼けは,萬年筆のインクフロー
(流出量)を抑制する効果があるということが,森を中心に議論されている.先に述べたが,萬年筆が書き手に与える感覚(書き味)のうち,インクフローは重要なウェイトを占め,大方の場合,インクフローが多い方が好まれる傾向がある.

 

 今回の依頼内容は「ピストン機構を復活させ,インク吸入を可能たらしめよ」とのことなので,おそらく依頼者は少なくとも1回はこの萬年筆にインクを通し,実際に使用するであろうと予想される.この事を含め,依頼者に確認を取ってから,今回はエボ焼けを除去することに決定した.

  
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2008年10月21日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その2

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

) 置き

 

作業内容に触れる前に,萬年筆の書き味に関する考察と,そこから展開する私個人の調整観について述べたい.しばしば人々は萬年筆の書き味の良し悪しを論じ,あるものを「書き味が優れる」といい,あるものを「書き味に劣る」という.そこでは,あたかも萬年筆自体に「書き味」の甲乙が存在するかのように語られるが,しかし厳密にはこれは誤りだろうと思われる

 

なぜならば萬年筆自身は書き味を構成するいくつかの性質を帯びているが書き味そのものの良し悪しについて最終的・総合的に評価するのはあくまでそれを用いる人間であるからだそして同時に書き味というものは書き手が萬年筆から受容する印象に過ぎずそこには多分に個人の主観が介在するある人が書き味が良いと判断したものに他の人も同じ評価を下すとは限らない(図イ-1)

2008-10-21 01








図イ-1 同じ万年筆でも人により書き味の評価は異なる

 


 好みの他にも使途や筆記性癖,味覚の閾値あるいは単にその場の気分などといった様々な主観のフィルターが存在し,これらを通して,人々が同一の萬年筆から得る印象は随分と異なってくる.また,同じ人であっても,経年によって上記のフィルターに変化が生じれば,ある萬年筆について,過去の評価とは異なる印象を受けることも十分に考えられる.例えるならば,若いうちは到底理解できなかった酒の味が,年を追うことによってその芳醇さに目覚めることがあるようなものである

 

 【続きを読む】をクリックして下さい!

   

  続きを読む
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2008年10月20日

Yemo-221の【 萬年筆調整レポート:1970年代 Montblanc No.146 14C-B 】 その1

 本日より6回にわたって現役大学生であるYemo-221しゃんが、他人の萬年筆を調整したプロセスと結果を論文にまとめたものを掲載する。

 卒論の練習を意識してか、本格的な論文調の文章でなかなか良い。内容や記述方法に関してのアドバイスは歓迎とのことなので、どんどんコメント下され。

 それでは 【その1】から・・・・


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 

萬年筆調整レポート

1970年代 Montblanc No.146 14C-B

2008-09-12

萬年筆研究会【WAGNER】会員番号:00221

Yemo-221

 

[1] 依頼調整内容

 

 今回預かったクランケに関する症状及び依頼者の要請は次の通り

 

A) ピストン機構の破損によるインク吸入不具合の解消.

 

これらに加え私自身の判断により以下の調整を行った

 

B) ニブに付着した遊離硫黄(以降,「エボ焼け」と称する)及びインク糟の除去.

C) ニブの切割の拡大によるインクフロー向上.

D) ニブペン芯首軸の配置バランスの変更.

 

なお依頼者の筆記性癖が不明であることと個体の希少性に基づく不可逆的な同一性保持の観点から

今回はペンポイントの研削(以降,「研ぎ」と称する)の実施は見送ることにした

 

このレポートは萬年筆の調整について知識の乏しい人が読むことを想定して執筆したため随所に調整のいろはのようなことを挿入しているがこの道の識者の方は適宜読み飛ばして欲しい

 

[2]修理調整経過

 

) 前置

) ペン先(ニブ+ペン芯)の清掃  上記調整内容の内Bに該当

) ニブの整体              C

) ペン先の首軸への埋め込み   D

) ピストン動作の修復        A

 

以上の順を追って解説してゆく

なお,調整内容と経過解説の順序が異なるのは,実際の作業手順の再現を優先したためである

 と、格調高い書き出しで始まったところで、以下は明日に続く・・・・


 これから自分でMontblanc製品の修理、調整を始めようとする方には、良い参考資料となろう。記述されている方法が唯一無二の方法ではなく、また、最高の方法である補償はないが、萬年筆研究会【WAGNER】の調整師軍団の技を分析し、適宜質問して自分でも確かめる・・・という作業を約1年間やった成果の報告じゃ。お楽しみに!

  
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2008年10月19日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】裏例会(08.10.18)〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51222012.html

 

今回ほど大笑いした定例会は初めて!

病み付きになりそうです・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 21:21Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

来週末は年に一回の【フェンテ交流会】

 10月25日(土)、26日(日)には、年に一回のフェンテ交流会が開催される。

 全国からフェンテ会員が北欧の匠中央区銀座1-15-13 / Tel:03-5524-5657】に集まって、ペンクリ、萬年筆販売、革製品販売、オークション、講演会などを楽しむ。

 講演会は26日(日)15:00から 【六善】の吉村さんから【古い国産萬年筆は面白いなぁ〜】というテーマで行われる。
 吉村さん自体が面白い人なので、講演も爆笑に包まれるかもしれない。

 オークションは26日(日)15:50〜終了まで。仲間同士のオークションは熱くなることなく、遠慮がちなので、驚くほど安い落札価格になる。25日からオークション出品商品を見ることが出来るので目星はそこで!

 会場にはフェンテ会員しか入れないが、会場での入会も出来るのでお気軽に。

なを昨年10月27日の拙者のBlogには以下のように書かれている。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 いよいよ本日からの2日間、万年筆くらぶ【フェンテ が主催するフェンテ交流会が銀座の【北欧の匠】で開催される。

 悪魔の館【ユーロボックス】もこの2日間は【北欧の匠】に出店するため、臨時休業じゃ。もっとも【ユーロボックス】と【北欧の匠】は目と鼻の先。徒歩2分程度。

 WAGNER会員の半分以上はフェンテの会員ではないので、ここで、フェンテWAGNERPen Collectors of Japan の関係について整理しておこう。

★萬年筆くらぶ【フェンテ
  1994年に結成されたと想像している。年3回(4月、8月、12月)発行される会報【 fuente 】の2007年8月版がNo.41である事から逆算すれば、No.1は1994年4月に発行されたはず。拙者が会員になった時の号にmonolith6しゃんのインクの話
が掲載されていたのを記憶している。【 fuente 】は最近のもの以外は全て実家で管理しているので手元に無いが、たしかNo.10【1997年の4月号】だったはず。
 活動は、年3回の【 fuente 】へ会員が記事を投稿し、会長のでべそ氏が会報を製本し、会員に送っている。運営資金は会員からのカンパのみ。

 そして秋に全国の会員を集めて開催されるのが【フェンテの集い】。10月の最終週の土・日に開催される。すなわち今年は今日明日じゃ

 毎年趣向を凝らしたイベントが企画されている。旧交を温めるチャンスでもある。ここではらすとるむしゃんと拙者ペンクリという形で協力している。

 会員数400人(定期的に会員のクリーニングをした上での400人)の最大団体

★Pen Collectors of Japan【PCJ

 2000年12月26日に結成された、日本初のペンコレクターの会。発端はでべそ会長から【フェンテでは萬年筆そのものが好きな人のニーズを満たしてあげられないので、萬年筆コレクターのための受け皿も必要】という要請を受け、拙者が代表幹事として発足させた。発足時は100%フェンテ会員だったが、その後、出入りがあり、現状ではフェンテとの重複は半分程度。

 活動は春に実施される【ペントレーディング in 東京】だけ。第1回目は2001年2月に実施(3日間)された。ずっと白金台の画廊で実施していたが、あまりの混雑状況を緩和する為、本年4月の第7回目は恵比寿のEBIS303の大会場で実施した。2日間の開催だったが1テーブルの売上が100万円に迫るバイヤーもいた。会員間のコミュニケーションは全くない状態で会員応募もしていない。会員の60%はWAGNERと重複している。登録会員数64名。

★萬年筆研究会【WAGNER
 WAGNERはこのBlog開始以降に作られた団体。
2005年12月17日に発足し、最近では月に2回の定例会を実施している。2008年には37回の会合が予定されている。現在会員数は170人。そのうち158人が定例会かペントレに参加した経験がある。平均年齢は若い。ネット時代の倶楽部と言って良かろう。


ひとことでまとめてしまえば

WAGNER】がすそ野を広げ

PCJ】が物欲を満たし

フェンテ】がを満たす

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 その後、WAGNER会員は一度の会員継続確認を経て、現在では会員数271名、参加経験会員数263人になっている。1年間で100人増えた勘定になる。

 萬年筆を慈しみ萬年筆業界内でモラルある行動をし仲間を攻撃しないという当たり前の行動が出来る事、そして電子メールでの連絡がすぐにとれる事が参加資格。年齢制限も入会金も必要無い。

 入会は、現在ではWAGNER 表 / 裏 / 地方の交流会受付ペントレ受付、そしてフェンテ交流会のペンクリ現場でのみ受け付けている。お気軽にどうぞ!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 

2008年10月18日

最も手に合う萬年筆 Waterman レタロン

 今朝の読売新聞の【五郎ワールド】に、特別編集委員の橋本五郎氏が【万年筆ベストコーディネート賞2008】に選ばれた喜びを語っている。【今まで貰ったどの賞よりも感慨深いのである】とか。うきうきとして誇らしげな感じが伝わってくる名コラムであった。

2008-10-17 01 それを読みながら、自分はどの萬年筆が好きなのか?と考えてみた。日々分析的観点から萬年筆に接していると、どれが好き、それが嫌いという感情で萬年筆と接する事がなくなってしまっていた・・・

 【で、本音で、一番好きな萬年筆はどれなのさ?】と自問した結果、このレタロンが浮かび上がってきた。

 ボディは純銀製で36gとなかなか重量感がある。そして何よりクリップのホール感がよい。

2008-10-17 022008-10-17 03 ペン先の形状はエロティックで刻印も凝っている。バイカラー嫌いの拙者にはペン先が金一色というのもありがたい。

 そして太字のペン先はぬめぬめとした極上の書き味を提供してくれる。太字好きならWatermanLSheafferBを調整して使うことをお奨めする。非常に上品な太字の醍醐味は、この2社でこそ楽しめるような気がしている。

2008-10-17 042008-10-17 05 横顔も、贅肉を省いたすっきりとした美しさ!実に良い!

 このペン先はフィリアスと互換性があったので、フィリアスのボディにレタロンのペン先を搭載して、【羊の皮を被った狼】を気取っていた時期もあった。

 完璧な調整になった萬年筆には興味が持てず、すぐにお嫁に出してしまうのだが、このレタロンだけは手放す気にはなれなかった・・・

 先日まではビニール袋に入れて銀の曇りを防止していたのだが、せっかくの機会なのでしばらくは手元に置いてなで回してみよう。インクを入れる気はないが・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 07:30Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 

10月18日(土)はWAGNER裏定例会@自由が丘

10月18日(土)WAGNER 定例会 【新規入会歓迎】 

日時:1018日(土)  10:00〜18:00
    

場所:
自由が丘グリーンホール 201会議室  (下記地図参照)


参加費:18歳未満は    無料
    本籍海外の方は  
¥1,000  
    
18歳〜25歳は  
¥1,000
    
26歳〜59歳は  
¥2,000
    
60歳以上は   
¥1,000

内容:ペンクリ、情報交換会

   
.撻鵐リは 10:30-16:00 のみ実施
     ペンクリ希望の方はお早めに!
     裏定例会は
まったりとしていてペンクリ希望者には最適!

   企画進捗状況確認
    WAGNER 限定萬年筆 2008SP     完成間近! 2009SPではありません。2008SPです。
        WAGNER 手ぬぐい 完成頒布
ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!〕 執筆者で、
                    現在もWAGNERの会員登録をされている方々には1枚無料で差し上げます。
                                    ただし会場か、フェンテの会で受け取れる人のみ。
                    郵送はしませんので悪しからず。

                    その他の方への販売価格は1枚1,500円!


会場は10
:00からオープン。いつ入場していつ退場してもけっこう!


定例会参加にあたっては個人情報
住所/氏名/電話番号/メアド)の開示をお願いします。匿名での参加は出来ません!

この個人情報は他の会員からの要望があっても公開しませんし、取り次ぎもしていません!

WAGNERへの新規入会を受け付けています。参加資格は【萬年筆が好き】であることだけ!

初めての方は、顔を引きつらせて入会申込みされますが、お帰りの時は頬が緩んでいます。楽しいですよ!

BlogSNSで個人批判をされている方や、各販売店からクレーマーとみなされている方の新規会員登録はお断りします!

ペンクリは午前中で申込み終了になる可能性がありますのでお早めに!
なを、
ペンクリが利用できるのはWAGNER会員だけです(新規入会の方もOK)

 

会場案内:貸自由が丘グリーンホール 201会議室
2008-09-20 @@
〒152−0035
目黒区自由が丘2-15-10 A&Dハウス201号室

★自由が丘駅正面口を出るとロータリーです。

★左方向に進み、踏切の手前を右折します。

芳賀医院の手前を右折すると突き当たりに温室のような建物があります。その右側に隣接するビルの二階です。


2008-09-20 G12008-09-20 G22008-09-20 G3 左端が芳賀病院の手前(立て札は撤去されていてありません)。奥の薄茶色の建物が芳賀病院です。詳細地図は以下をクリックください!

http://map.yahoo.co.jp/pl?p=%CC%DC%B9%F5%B6%E8%BC%AB%CD%B3%A4%AC%B5%D62-15-10&lat=35.60454028&lon=139.66950306&type=&ei=euc-jp&sc=3&lnm=%BC%AB%CD%B3%A4%AC%B5%D6%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%F3%A5%DB%A1%BC%A5%EB&idx=33

  
Posted by pelikan_1931 at 04:00Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2008年10月17日

Pen Doctors' Rules その40

Doctors Rules 今回は40回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.見た事については文献を読み、行った処置についてはその結果を見るべきである。これが臨床医学を学ぶ唯一の方法である。

 → まずは行ってみて、何が悪かったのかをルーペと文献(Blog)で確認するほうがてっとりばやい。失敗が成功への近道である。

 → 失敗をペンクリで解消しようというあざとい考えはダメ!失敗事例分析の先に桃源郷がある。



2.人間の身体には自然治癒力や自浄力がある。完璧な体内自動制御機構を備えた精密器械である。
  もし製造工程に欠陥がなく、燃料も適切に供給されていれば、長年にわたって故障もなく働いて当然である。

 → 萬年筆には自然治癒力は備わっていないが、適切な燃料(インク)が継続的に供給され続けていれば、長年にわたって故障もなく働いてくれる。

 → カゼインの軸には自然治癒力があるので、傷がついても消えてしまう。が、水に入れておくと溶けてしまう・・・かも。自然にも帰りやすいのじゃ。


3.医療で成功するための3つのAは,下記の順で需要である。
  【1】Availability:いつでも求めに応じること
  【2】Affability:愛想の良さ
  【3】Ability:能力

 → ペンクリで重要なのは、Affability→Ability→Availability じゃな。

 → ペンクリで魅力的なのは・・・
  【んたのためにつくったんじゃけぇ・・・・
  【いごの一本・・・



4.医師として成功するうえで、白髪と痔疾を持つことが助けになる。
  白髪によって円熟を示す外観が得られ、痔疾があると気遣いの顔つきになる。

 → プロの調整師はすべからく大酒飲みである。
    飲んだら研ぐな!研ぐなら飲むな!だが、研いだ後のビールはうまい!

 → 海外では調整中に酒を薦める習慣があるらしい・・・


 → そういえば拙者は白髪もあり、痔疾経験者であり、体重もかなりある・・・



5.脊髄の手術で患者が良くなる可能性は、手術を重ねるに従って指数関数的に小さくなっていく。
  二度目の脊髄手術で良くなる患者はほんのわずかであり、三度目の手術で良くなる患者はほとんどいない。

 → ペンポイント復元の可能性は、素人調整を重ねるにつれて指数関数的に小さくなっていく。
   素人調整→ペンクリ→素人調整となったペンポイントは調整困難であり、
   さらにペンクリ→素人調整となったものはほぼ絶望!

   

 → 素人調整→ペンクリ→ペンクリ→ペンクリ・・・といくか
    素人調整→ペンクリ→素人調整→素人調整→素人調整・・・
    が正解であろう。
    一度は調整に対する方向性をペンクリでアドバイスしてもらうのは悪くないかも・・・
   

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Posted by pelikan_1931 at 09:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 先人の教え 

2008年10月16日

解説【インキと科學】 その7−2

2008-10-09 012008-10-09 02 今回は反応を抑制する【負触媒】作用の説明じゃ。これは通常多くある加速的な触媒作用の反対の働きをするもの。

 たとえば非常に不安定で分解しやすい過酸化水素水でもこれに極少量の硫酸か食塩を混ぜておくと、熱に対して分解が遅れ、大いに安定になるのだが、これは硫酸や食塩が負触媒として働くかららしい。

 インクの世界で硫酸のような酸分を混ぜるのは、硫酸第一鉄が酸素と化合して硫酸第二鉄に化成するのを、酸の負触媒作用によって防御するものと見ることが出来る。こういう負触媒安定剤と呼ぶこともある。

 それではインキ中の酸分が鉄ペンを浸食する反応に対しても負触媒をするものが無いだろうか?というのが研究テーマ。

 さらに、ついでに、その負触媒がインキ中の粒子の電荷統一も出来る物でありたいと夢はふくらんだ。

 ・・・ そして ・・・ 成功した
   
 特許説明資料は前段、中段、後段に分かれ、

 前段では【コロイド電荷を陽性にする統一することにより自然沈殿を防止する作用】について説明し、

 中段では【ペン先の浸食によりインキが分離沈殿するのを防止する作用】について述べ、

 後段では【負触媒作用によりペン先の浸食を防止する作用】について説明している。

 それが実際に効果があるかどうかについては、英国のリデアル博士の研究結果が出ている。

 1932年4月8日に報告された物で、当時としては非常に権威ある物であったらしい。おそらくはパイロットが研究依頼したのであろう。

 ちなみにこの記事が掲載されたのは、同年の7月9日。約一ヶ月の船旅を経て届いた実験結果を見て、喜び勇んでこの記事を執筆したのではないか?文体にうれしさがあふれている!

 上の表のように、パイロットは圧倒的にインキの沈殿量が少なかった。またペン先写真のように、パイロットインキに浸した鉄ペンは、他社製インクに浸した物は冒されて黒く変色しているが、パイロットだけは色が変わってないのがわかるかな?

 当時の印刷をそのまま複写して掲載した物を、さらにスキャナーで取り込んでいるので、他社製インキに浸した鉄ペンの浸食具合の差はよくわからないが、パイロット・インキに浸した物だけは、白いままで一切冒されていないのがわかる。


2008-10-09 03 上の表をグラフに表してみると、左のようになる。これはインキ粒子の電荷を統一した事と、負触媒作用を利用した事の相乗効果として達成されたもの。まさに【あまりに破天荒の事実!】とか【思わざりき、国産の威力!】と自画自賛していたのもうなずける。

 当時日本はおろか、欧米でもインキ粒子の電荷を陽性に統一して自然沈殿を防止し、かつ、負触媒作用を利用して鉄ペンの浸食を防御するという新原理によって作られたインクはなかった!

 実験報告を行ったリデアル博士も、実際に試験をおこなうまでは信じてなかったらしいが、実験結果を見てからは、このインキに非常に興味を持ち、共同出資で英国にパイロットインキの製造工場を設けたいとか、特許権を譲り受けたいとさえ言ってきていたとか!

 それほどまでの衝撃を研究者に与えたパイロット・インキは、当時としてはまさに画期的な発明であったのであろう。

 拙者が子供のころ衝撃を受けたのは、いつまでもポンポンはね回っているスーパーボールだったが、おそらくは当時の文化人は、このインクに対してスーパーボール並の衝撃を受けたのであろう。

 
萬年筆の調子が良くなり、また、鉄ペンが今までの倍以上長持ちし、かつペン左記が汚れない】という手紙が発売と同時に続々と舞い込んできていたらしい。


【過去の記事一覧】

解説【インキと科學】 その7−1 
解説【インキと科學】 その6−2 
解説【インキと科學】 その6−1
  

解説【インキと科學】 その5  
解説【インキと科學】 その4   
解説【インキと科學】 その3−2 
解説【インキと科學】 その3−1  
解説【インキと科學】 その2−3    
解説【インキと科學】 その2−2  
解説【インキと科學】 その2−1  
解説【インキと科學】 その1     

  
Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 文献研究 

2008年10月15日

布教活動から帰還した萬年筆

2008-10-15 01 布教活動の一環として、3週間ほど前に5本の萬年筆を貸し出した。納得のいくまで使ってみて、一本を選択せよ!という指令を与えた。

 左は戻ってきた4本で残りの1本が選択された。選択されなかったのは左の4本。

上から順に・・・

【1】セーラー・キングプロフィト 21K-B
【2】プラチナ・WAGNER 2008       14H-Music
【3】ペリカン・140 緑縞     14C-BB
【4】ペリカン・M350       18C-BB


じゃ。

2008-10-15 02 左から右へ向かって【1】→【4】となっている。この4本は、どれもインクがぬらぬらと出るように調整してあるが・・・・

 キングプロフィットはややペンポイントの表面を傷つけ、筆記時に滑らない加工を施した。これは大きな手の人には最高の萬年筆になるだろう。今でも見つけると買ってしまう。まったくの現行品なので、どこでも入手できる。

 WAGNER 2008は、自分用に調整した物なので、ヌラヌラと書けるが、実はインクに細工をしている。プラチナカーボンブラックにロットリング洗浄液を混入させて、紙に滲むようにしている。薄い墨で半紙に書いた時のような感じを狙った物・・・一般受けはしないはず。

 Pelikan 140は珍しBBニブ付き
。筆圧が強かった場合を想定して混入させておいたもの。拙者の通常調整は低筆圧を前提に調整してあるので、高筆圧の人が使うと、インクが切れてしまう事がある。この140は筆圧を書けてこそ、面白い字形が楽しめるのじゃ。

 最後のPelikan M350は一番初期にBBニブ。現行品と比べて丸みが少なく、柔らかい書き味になっている。M800のp.f. マーク入りと同じ形状で非常に柔らかい書き味だが、BBの形状を残しているので、萬年筆を捻って書く人には厳しい・・・

 結局選ばれたのは、
http://pelikan.livedoor.biz/archives/50938322.html で紹介しているティファニー・アトラスと同型で、青軸のもの。そしてペン先は【F】。

 インクフローは非常によいが、細字で、ペン先は硬い。ほとんどしならない。

 長時間使うならアトラス、短時間の利用ならM350を選ぶが、話しているうちにキングプロフィットに落ち着くはず・・・と考えていたのだが、話す時間があまりなく、唐突に結論を迫ったので、アトラスを選択した。

 問題は、【ならアトラスをどっかで買いなされ!】と言ったところで、店頭販売はやってないこと。やはり・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 

2008年10月14日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第1回岡山大会(のはずだった会)報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51220237.html

来年の萬年筆大会【WAGNER】中国地区大会予定日は、2009年8月15日(土)!

会場も同じ場所を予定しているが、開始時間を9時から12時に変更

お盆の最後近くなので、交通機関の混雑が予想される

ご予約はお早めに!

  
Posted by pelikan_1931 at 06:12Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

火曜日の質問コーナー その51

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが

第51回目の今回は筆記具全般に関する質問


拙者の個人メールアドレスに頻繁に質問が入るが、一切回答していない。質問は必ずこのコーナーへ!



 前回のアンケート結果を読むと、布教活動に成功して、仲間を増やしている人が多い!拙者もがんばらねば・・・

 今回は、萬年筆の手入れ状況調査。

質問:あなたはどの程度萬年筆のお手入れをしていますか?


頻度に関する質問;

A-1:ほぼ毎日

A-2:一週間に一度程度

A-3:一ヶ月に一度程度

A-4:半年に一度程度

A-5:1年に一度程度

A-6:まったくしていない


作業者に対する質問;

B-1:自分で清掃・調整する

B-2:ペンクリで依頼する

B-3:メーカーや調整師の自宅へ送って清掃・調整してもらう


困ったことは?

自分で調整していて、困ったこと、あわてたことがあれば教えて下さい



それでは
GO

  
Posted by pelikan_1931 at 00:01Comments(23) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2008年10月13日

月曜日の調整報告 【 Pelikan M805 18C-F 上品な書き味に 】

2008-10-13 01 今回の依頼品は長らく利用した萬年筆の微調整。どんなに完璧に調整してある萬年筆といえども、時間が経過すると筆圧や衝突によって調整が狂ってくる。萬年筆とは、本来は自分で微調整をしながら良い状態を保っていくものじゃ。

 車に定期点検、空気圧のチェックが必要なように、萬年筆にも定期点検が望ましい。本当に愛用するとは、ひたすら書き続けることではなく、たまには休ませたり、スリットのゴミを除去したり、可能であれば、分解して再アセンブルするなどして、常に良い状態を保ちながら使うことだと考えている。

2008-10-13 022008-10-13 03 ペン先をつぶさに観察すると、ペン芯とペン先の位置関係、首軸に挿す位置・、スリットの開き具合など、ほぼ完璧な状態を保っている。

 これはプロの仕事に間違い無い。メーカー出荷時点でここまで完璧な状態はありえない。

2008-10-13 042008-10-13 05 横顔を見ると、筆圧でペン先がペン芯から浮き気味になっている。また長年の使用でペン先が斜めに削り取られたような状態に磨耗している。

 この状態では多少下品な書き味になっているのは否めない。しかしエッジが立っているだけでは、ここまで品が無い書き味にはならない。もうひとつ理由がある。それは・・・

2008-10-13 06 左右の段差!左画像のように左右に段差がある。依頼人はこれまで多少左に捻って書いていたが、最近では右捻りが出てきて、ペン先もそのように傾いてしまった。

 ところがエッジの調整は左捻りの時のままなので、納得のいかない書き味になったように感じているのだろう。これはエッジを多少丸めればよい、書き癖の移行期にはえてして書き味が劣化したような感覚を受ける。何も知らないころの拙者は、そういう時にむやみに研磨して萬年筆を何本もダメにした・・・

 最近、他人の萬年筆の調整を通じて、やっとからくりがわかってきた。実は自分の書き癖は正面から見えないので、変化に気付かない。しかも過信がある。結果として自分の萬年筆の調整に一番時間がかかってしまうのじゃ・・・。床屋が自分の髪を刈るのが苦手なのといっしょかな?

2008-10-13 07 このペン芯には加工が施されている。上から見ると、溝の根元と先端部にナイフで溝が補強されている。また何度かの調整の際に、途中の溝もナイフで軽くさらわれている痕跡がある。実はこういう微調整は調整して販売する店で行われるケースが多い。各メーカーの萬年筆を長年取り扱って、欠点を知り尽くした人の調整であろう。

2008-10-13 08 驚いたことに、溝だけではなく、ペン芯の根元にも加工が施されている。通常は左図下のようになっているペン芯の根元が、削り落とされている。

 これを削り落としたことによって、その部分に溝が無くなって、そこに新たな溝を作ったというのがひとつ上の画像の説明じゃ。

 では何のために削り落としたのか?拙者も初めて見たので想像でしかないが、やはりインクフローの向上か、筆記途中のインク切れ対策であろう。おそらくは後者・・・

 拙者はヘビーライターではないので、筆記途中のインク切れ息切れ呼吸困難発作とも呼ぶ】を経験したことは無い。が、資格試験受験者カルテを書く人にとっては致命傷となりかねない症状。このあたりは先人の知恵にすがるしかないが、今回の調整はそのヒントになるのかもしれない。実効性の検証は必要だろうがな・・・

2008-10-13 092008-10-13 10 こちらが微調整後の状態。ペン芯は極わずか後退させた。0.5舒焚爾琉榮亜スリットから見えるペン芯とペン先の模様の位置を合わせるのが拙者の趣味なので今回は完璧にあわせておいた。

 またペン先とペン芯を密着させるため、ペン芯先端部を研ぎ、さらに上に反らせた上で熱湯調整!ペンポイントは酷使前の状態を想像しながら丸めた。

 こういう微調整は実に楽しい。また元々すばらしい調整が施された萬年筆の微調整というのは、作業が楽なうえ仕上がりも良い。まるで自分の腕が上がったかのような錯覚を覚える。実に気持ちよい!


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月12日

25日/26日はフェンテの集い

2008-10-12 01 数日間、南の島にいた。どの店に行っても萬年筆は置いていなかった。1983年の11月1日以来、連日萬年筆と戯れていたのだが、ついに記録が途絶えた。萬年筆に触らない日が4日間もあったのじゃ。

 こんなことなら萬年筆を持っていけばよかった。現地調達を考えたのがまずかった・・・

 萬年筆くらぶ【フェンテ】のアンケートに【無人島にもって行きたい萬年筆は?】というのがずいぶん前にあった。どういう状況で無人島に行くことになったかは、個々人の想像に任せて・・・

 拙者は【無人島で一週間休暇:ゆっくりと本を読む。食料は冷蔵庫にふんだんにある】という楽な設定をして、【Pelikan ホワイトタイガー】を選んだ。デルタの黄色インクを入れ、ラインマーカー代わりにしながら本を読む・・・とした。ひょっとすると麒麟だったかもしれない。

 設定を緩くするほど面白い回答が出る。【XXXX】と女性会員の名前を書いて、数年後、見事にその人と結婚した猛者もいたらしい。

 最初にフェンテ会員が集まったのは【愛知県刈谷市逢妻】にあるコレクターのお宅。でべそ会長や古山画伯、すなみまさみち氏など20人ほどの初対面の方と出会った。

 拙者はパテで軸を太らせた改造萬年筆を数本持ち込み、【ああ、なんて事するの・・・】と顰蹙をかったような記憶がある。鍍金セットを持ち込み、目の前でペン先に鍍金もしてみせた・・・

 その時の仲間は、ほとんどが今でもフェンテ会員として、素敵な萬年筆ライフをおくっている。会員の半分程度がだぶってはいるが、フェンテは【萬年筆愛好家集団】、WAGNERは【萬年筆愛蔵集団】というところか?

 そのフェンテの年に一回の交流会10月25日と26に銀座の【北欧の匠】で行われる。もちろんペンクリも実施するが、こちらはWAGNERに参加出来ないフェンテ地方会員向け。従って東京近郊のWAGNER会員はご遠慮いただくことになるので悪しからず。フェンテ地方会員であれば本数制限は無い。お気軽にお持込くだされ。


2008-10-12 022008-10-12 032008-10-12 04 こちらは昨日、岡山の【PTA】で遭遇した萬年筆。仏蘭西製萬年筆でスチール製ペン先だが、えらく筆記バランスが良い。またペン先も立派で、ペン芯はスティピュラの高級品と同じ。インクはカートリッジ専用だが、太さはNo.149よりもはるかに太い。どちらかといえばプラチナ・グラマーに近い。

 なんといってもこの太さでキャップが後ろに挿せる(回転式)というのが良い。また右端画像のように、直立させることも出来る!今までに見たことが無い。

 値段は一本31,500円と21,000円。購入するのは、初めて萬年筆を使う人が大半とのこと。字も書けるアクセサリーとして購入されているらしいが、どうして萬年筆としても秀逸!この大型ペン先は本当に良く出来ている。

 個人的には黒一色ボディに蒔絵を書いてもらうのも面白いかなと考えている。あるいは蒔絵シールなども・・・

 本日なら、WAGNER会場で即時調整できるので、ぜひお持込くだされ。あるいは通販で入手し、後日、らすとるむしゃんに、フォルカン改造してもらうのも良いかも・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ペンシル 

萬年筆研究会【WAGNER】 第1回中国地区大会 at 岡山

10月12日(日)は 第1回の WAGNER 中国地区大会 【一般参加歓迎】  ミニ・ペントレ あり!


日時:10月12日(日) 9:00〜17:00
 

場所:第一セントラルビル1号館 5F C会議室 定員30名

住所:岡山市本町6番36号 丸田産業株式会社 第一セントラルビル
 
電話:086-231-7724

地図:
http://map.yahoo.co.jp/pl?p=%B2%AC%BB%B3%B8%A9%B2%AC%BB%B3%BB%D4%CB%DC%C4%AE6-36&lat=34.66118361&lon=133.92240639&type=&ei=euc-jp&sc=3&lnm=%C2%E8%B0%EC%A5%BB%A5%F3%A5%C8%A5%E9%A5%EB%A5%D3%A5%EB&idx=33

岡山駅正面出口の真向かいにある高島屋デパートのとなり。三菱UFJ信託銀行が入っているビルの5階。

2008-10-12 @012008-10-12 @022008-10-12 @032008-10-12 @04






高島屋の右隣の三菱UFJ信託銀行の左側に第一セントラルビルへの入口あり。

そこをはいって、奥に行くとエレバーターホール。エレベーターにのって五階へ!
自動販売機の奥に会議室がいくつかあるので、一番奥のC会議室へ。

ちなみに拙者が8時50分に鍵を開けるまで誰も入れないのでお待ちを!

参加費:18歳未満は     無料
    
本籍海外の方は 
¥1,000  
    
18歳〜25歳は    
¥1,000
    
26歳〜59歳は    
¥2,000
    
60歳以上は   
¥1,000

定例会参加にあたっては個人情報住所/氏名/電話番号/メアド)の開示をお願いします。匿名での参加は出来ません
この個人情報は他の会員からの要望があっても公開しませんし、取り次ぎもしません

WAGNERへの新規入会を受け付けています。参加資格は【萬年筆が好き】であることだけ!

ただしBlogSNSで個人批判をされている方や、各販売店からクレーマーとみなされている方の新規会員登録はお断りします

内容:

ペンクリ

ペンクリ

ミニペントレWAGNER 限定てぬぐい販売

  
ペンクリタイム  10:00-15:00  会員限定!
   それ以降に持ち込まれた物は後日返却 一ヶ月で修理は終わります
  
  
情報交換:めったにお会いできない方々との情報交換

  ミニ・ペントレお嫁に出しても良い 萬年筆 や 関連Goods があれば値札を付けて集団見合い
                  全て専用売上表に記入、販売総額の5%を運営費として徴収

16:30WAGNER終了後、禁酒会館での写真展見学 そして・・・宴会!

駅から見える位置なので、多少遠方からでも来られたし!

  
Posted by pelikan_1931 at 04:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2008年10月11日

ふにゃふにゃのペン先 初代Pelikan #600 18C-M 岡山のミニペントレに登場!

2008-10-11 012008-10-11 02 左記は明日萬年筆研究会【WAGNER】中国地区大会に出品するもの。いまや幻となってしまった最初期の#600じゃ。

 ボディの大きさは現行のM400と同じ。当時の#500(現行のM400相当)が14金ペン先であったのに対して18金ペン先付き!

 このペン先がヘロヘロに柔らかかった。#600の18金ペン先も、#500の14金ペン先も柔らかかったが、あまりに柔らかすぎてペンを立てて書く人には不評であった。

 14金モデルは、すぐにHMとかHEFになり、18金モデルはバイカラーの14金ペン先となった。拙者の感触では18金ペン先の方が腰が弱く、まさにヘロヘロというか、ふにゃふにゃであった。

2008-10-11 032008-10-11 04 ただし、ふにゃふにゃは、調整を施さない限り使えたものではない。

 調整を始める前の拙者は#60018C-EFを購入したが、当時はペンを立てて書いていたこともあり、【最悪の書き味の萬年筆】と日記に記した記憶がある。

 しかし調整を施せば・・・まさに夢の書き味!このペン先を拙者は何本か持っているが、もったいなくて全て宝物扱いとしてきた。今回、第一回の中国地区大会を、拙者の実家のある岡山で開催するに当たり、目玉として出品する事にした。


2008-10-11 052008-10-11 06 ご覧のようにスリットを調整しただけで、ペンポイントは一切いじっていない。あまりに柔らかいペン先なので、いくら長期間愛用してもほとんど摩耗しない。

 すなわち書き癖に合わせて調整を施さない限り、一生良い書き味は経験できない代物じゃ。ぜひ調整を施して利用していただきたい。会場で調整もやるので、お楽しみに。


  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月10日

Pen Doctors' Rules その39

Doctors Rules 今回は39回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.怒っている患者にはその理由を尋ねなさい。

 → 患者(萬年筆)に処置を施す前に両親(持主)の育て方(書き癖)を懇切丁寧に説明しなさい。
    いかに自分が変わった持ち方か理解すれば、調整が未熟でも・・・そんなものか・・・と思ってくれるかも。

 → 怒ってる患者がいたら、いっしょになって怒りなさい。ただし矛先は別のところに向けなさい。同志意識が芽生えて友人になれます。



2.必要時には「すみません」と言うことが、愛される家庭医となるためには必須である。

 → 萬年筆を買いすぎたのがバレたら、「すみません」とあやまりなさい。しかし「二度と買いません」と言ってはならない。
    あやまるのは口先ですむが、嘘は信頼を損なう。信頼を損なうと全てを疑われる・・・

 → 何度も「すみません」と謝っていると、愛されはしないが、運が良ければあきらめられる。
    隠しているのがバレると痛くもない腹をさぐられる。「ごめ〜ん、また買ってしもた・・」と謝る方が被害は少ない。



3.良い家庭医は優れた診断医である必要はないが、患者の有能なマネージャーでなければならない。

 → そういえば、ペンクリ・マネージャーのような活動をしている会員がいる。
    プロの調整師よりも依頼人の好みを知っている。脱帽!
   
 → 萬年筆愛好家は調整の名人である必要はないが、個々の萬年筆の状態の変化に敏感でなければならない。
    変化は99%悪い方向に向かっている。変化を感じたら、より詳しい人に相談されたし。



4.臨床医学は病気についてではなく、病気を持っている人についての学問である。

 → ペンクリの真髄は、技術ではなく、話術である。

 → ペンクリは放射線科(診断)→循環器科(インクフロー)→整形外科(研磨)となる

 → 修理は放射線科→外科(機構修理)→整形外科・・・といくが、たまに検死と葬儀が必要になることがある。



5.症状を多く訴える患者では主な問題を2つ本人に選んでもらい、残りについては後日にするように頼みなさい。
  この方法は患者を助けるうえで役立つことがある。

 → メーカーペンクリで依頼する萬年筆は2本までとしなさい。残りは後日。
    ペンクリに並んでいる人はライバルではなく、数少ない萬年筆愛好家です。
   
   
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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 先人の教え 

2008年10月09日

Pelikanの旧工場がホテルになっている・・・

http://japan.hotels.com/hotel-doitsu/hotel-braunschweiger-land/sheraton-pelikan-hotel-hanover/

なんとシェラトンホテルになっておる!

一泊素泊まりで15,000円ほど?

いい思い出になりそう!

死ぬまでに一度は泊まりたい・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 18:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 

Delta ドルチェビータ ミディアム 吸入式登場 

2008-10-09 01 欧州への出張から帰国したWAGNER会員から2本の萬年筆が送られてきた。上はドルチェビータオーバーサイズで、下がミディアムサイズの吸入

 オーバーサイズは日本ではカタログ落ちしていたし、吸入式は噂だけ先行していて、日本市場投入に不安を感じていたが、海外では既に販売を開始しなかなか人気とのこと。これなら日本市場登場も確実であろう。

2008-10-09 02 それにしてもミディアムサイズの方がキャップを閉じた状態でも、後に挿した状態でも長いというのは新発見!通常のコンバーター式の場合はどうなのだろう?

 ちなみに重量はオーバーサイズ44.7gに対して、吸入式39.8g。さすがにオーバーサイズの方が重い。胴軸の太さは15.714.5となっている。

 M800好きの拙者にとってはミディアムサイズの方が圧倒的に握った感触がよい。ちなみにM800の胴軸径は13.2でミディアムサイズよりもさらに細い。


2008-10-09 03 胴軸の黄色い半透明の部分がインク窓。デルタのレバーフィラーはゴムサックが弱くて、あっというまに吸入できなくなり顰蹙をかっていた。今回の回転吸収式は、満を持して!というよりも、レバーフィラー式にかわって投入されるのかもしれない。となると各種限定萬年筆にも適用されることになり、期待は一気に高まる。

 今まで【レバーフィラーである事がデルタ購入の足かせ】になっていた拙者にとっては朗報、財布とワイフにとっては訃報かも・・・

2008-10-09 04  吸入方式はペリカンやモンブランのように、尻軸をひねると尻軸自体が伸びてくるわけではなく、回転しても摘んで回す部分の位置は変わらない。ファーバーカステルの限定品に似たブラインドキャップの回転吸入方式じゃ。中にコンバーターを内蔵した回転吸入式もどきでないことを祈ろう。

 待ちに待ったドルチェビータ吸入式だが、夢(欲)はふくらむ!出来ればスタウトを吸入式に出来ないかなぁ・・・吸入量はちょっぴりでも良いので・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 06:01Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 

2008年10月08日

水曜日の調整報告 【 1950年代 Montblanc No.146 14C-KOB 何か変? 】

2008-10-08 01 今回の依頼品は、またしても1950年代No.146。いままでに多くの症例を紹介したが、同じ物は二つと無い。この時代のモデル・バリエーションがいかに多かったかに驚かされる。それだけNeedsが多かったのであろう。

 また、拙者と同い年くらいの萬年筆が、これほど良い状態で残っているのには、物を大事にする国民性だけではなく、湿気が少ない気候も影響しているのではないかなぁ・・・。高温多湿の日本の環境では、素材の劣化や、インク漏れの頻発で、途中で捨てられてしまったものが多いはず。

 この個体はキャップリングの緩みなどの外観上の劣化がほとんど無い。日本の気候の中ではこういう状態では残り得ないはず。良いボディをみつけたものじゃ。

2008-10-08 022008-10-08 03 こちらはペン先の拡大画像。例によってスリットは詰まっており、かなり筆圧をかけないとインクは出てこない。

 また書き味も酷い。スイートスポットがまったく作られていないので、日本文字を書くには適していない気がする。元々クーゲルニブが何故出来たのか?と想像してみるに・・・

 当時のB、BB、BBBはイタリックの文字を書くことを前提に作られており、横細縦太の字になる。漢字を書くのであれば実に綺麗なのだが、英語を速書きするのには向いていない。カリグラフィーではゆっくりと書くのが基本。そこで縦横の字巾が一緒の文字を書くペンポイントとしてクーゲルが生まれたのであろうと想像している。

 このペン先を観察していて、なんか変だなぁ・・と感じた。その理由はすぐにわかった。ペン先が金一色じゃ!この時代のNo.14Xのペン先はすべからくバイカラーであったはず。どうやら鍍金した銀色部分がすり切れてしまったらしい。

2008-10-08 042008-10-08 05 こちらが横顔。これぞクーゲルの真の姿!というほどに典型的なクーゲル型のペンポイントじゃ。

 ただしかなりタッチは硬い。どうやらホンの少しペン先がお辞儀するような力が内部にかかっているような気がする。筆圧をかけると、かなり反発を感じる。これはクーゲル本来の書き味ではない。

 筆圧をかけると、世界のナベアツ3の倍数の時のような感じで、ペン先が開くのがクーゲルポイントの妙味!この状態では多少もの足りない。

2008-10-08 06 ソケットから外してみると、バイカラー鍍金部分はしっかりと残っている。これほどまでにクッキリと差があると言うことは、ペン先をサンドペーパーで削ってバイカラーを落としたとしか考えられない。そういえば、上のペン先表面の拡大図では、表面が必要以上にザラつている。おそらく表面にひっかき傷でも出来て、それを消そうとしてこうなってしまったのかも知れない。

2008-10-08 07 こちらは表面を金磨き布で丹念に磨いた後で、スリットを開いた状態。まるで新品のような輝きじゃ!

 金磨き布で磨くにはコツがある。布を上から被せて、布を動かすのではなく、10僂曚匹旅發気里△訛の端を金磨き布二枚重ねで覆い、その上にペン先を力一杯擦りつけると効果絶大。ぜひお試しあれ。


2008-10-08 082008-10-08 09 こちらが首軸にとりつけた後の画像。しっかりとスリットは開いている。

 調整前よりもペン先が前に出ているが、ちゃんとキャップ内部に入るかどうかはテスト済。テストしないでねじ込むと、ガリっと音がして、キャップの天井にペンポイントがぶつかり、無惨に曲がってしまうので要注意!

 多少ペン先を反らせ気味に改造し、それに伴ってペン芯も多少反らせた。熱湯に入れて、クィっと力を入れれば、ペン芯は簡単に反る。微調整はペン先を首軸にセットした状態で熱湯につけて、ルーペで確認して、冷水につける・・・という作業を繰り返せばよい。今回は一発で決まった。

2008-10-08 10 ペンポイントにスイートスポットを作り込むと・・・見違えるようにソフトな書き味になった。

 依頼事項の中には、オブリーク形状のペンポイントをノン・オブリークにして欲しいとの要望があったが、これは却下。実はオブリーク形状であっても筆記角度に合わせて研げば何の支障もない。クーゲルというある意味アグリーな形状のペンポイントであれば、さらにオブリークが付加された方が面白い。また将来左利きの使い手に遭遇するかも知れない。その場合に備え、形状は維持して研ぎだけで対応することにした。


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
   
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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月07日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第34回月例会報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51218026.html

冒頭写真のニブには驚愕!

太さ表示のないM800ニブとは!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:30Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

火曜日の質問コーナー その50  勤務先に同好の士はいる?

万年筆評価の部屋】では毎週火曜日に、質問コーナーを設けているが

第50回目の今回は筆記具全般に関する質問


拙者の個人メールアドレスに頻繁に質問が入るが、一切回答していない。質問は必ずこのコーナーへ!



 前回のアンケート結果を読むと、意外と危機的状況にある人は少ないようじゃ。
長い時間をかけて、あきらめさせてきた努力がうかがえて微笑ましかった・・・
萬年筆があるといつも心穏やかでいられるため、家族に精神的ストレスをかけないのが良いのかも知れない。

 今回は、仕事場での状況調査。

質問:あなたの仕事場、取引先には萬年筆愛好家がいますか


A-1:いる。その人から影響を受けて萬年筆にはまった・・・

A-2:いる。萬年筆を使っている人を見たことはあるが、話したことはない。

A-3:いる。萬年筆を使っているのを見かけて声をかけた / かけられた・・・今では萬年筆談義友達。

A-4:いる。自分で布教活動をして、仲間を増やした。

A-5:まったくいない。


それでは
GO

  
Posted by pelikan_1931 at 00:01Comments(32) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

2008年10月06日

月曜日の調整報告 【 1990年代 Montblanc No.146 14K-BB 激変 】

2008-10-06 01 今回の依頼品は【生贄】扱い。ヘミングウェイと同じ形状でやや小振りなペン芯を持つNo.146でペン先は14K-BB

 No.146のBBには一時凝った事がある。手持ちのNo.146ベースの18K-M付きモデル8本をモンブラン・サービスセンターで全て18K-BB付きに換えてもらった。ずいぶん前のこと・・・たぶん10年以上前。のどか良い時代だった。

2008-10-06 02 献体をつぶさに拝見すると、やはりペン先のスリットが詰まっている。

 昨日のWAGNER例会で【Vintage萬年筆のペン先がすべからく詰まっているのは、エボナイト製ペン芯が経年変化でお辞儀し、ペン先を支える力が弱まったのではないか?】という仮説が提示された。

 その仮説は、少なくとも現行品に対しては当てはまらない。これは各社の現行品が販売時からスリットが詰まっているからじゃ。ところが・・・

2008-10-06 032008-10-06 04 この個体では、通常の詰まりかたよりもはるかに強く詰まっている。しかも左画像を見るとわかるが、ペン芯とペン先との間に隙間がある。

 すなわち、ペン芯はペン先が下にお辞儀する力を押さえてはいない! 仮説と同じ状態になっている・・・はて?

 この状態ではインクフローは潤沢だが、時々ボタっとインクが玉になって紙に落ちる事がある。また筆記途中でインクが切れることも頻発する可能性がある。

 少なくともペン先とペン芯とは密着しているべき。このヘミングウェイ・タイプのペン芯は熱湯で柔らかくなる上、ペン先とペン芯の位置を固定するストッパーが無いので、微調整がしやすい!ありがたいことじゃ・・・

 この後のモデルからペン芯にストッパーが、ペン先に切れ込みが付き、相対的な位置が固定されるようになった。組み立て時の生産性と精度は上がったはずだが、調整の妙味は味わえなくなってしまった。遊べる最後のNo.146がコレじゃ。

2008-10-06 052008-10-06 06 左が調整前、右がスリットを拡げた状態のニブ。ペン芯がプラスティック製なので、エボ焼けは発生しない。

 スリットを拡げるには、エラの部分を揉むようにしながら左右に引っ張ればよい。それだけでスリットは開くが、ペンポイントの段差も同時に出来ることが多い。その場合は、前からペンポイントを見て上下を揃えるようにすればよい。

 気をつけるべきは、ペン先単独では段差が無くなっても、ペン芯の上に載せるると酷い段差が出る場合。これはペン先とペン芯の形状が合わないケース。時間をかけてペン芯とペン先の位置を微調整したり、ペン芯側を削って合わせるしかない。

 首軸にセットした後で、力ずくでペンポイントの上下を爪で合わせる人がいる。拙者もつい最近までそうやっていた・・・。この場合、ペン先の片側にパワーが溜まりすぎて、書き味が不安定になるような気がしてきた・・・そこで現在では、ペンポイント微調整ではペン芯側も調整するようにしている。

 理想はペン先単独の場合と、ペン芯とセットで首軸に突っ込んだ際のペンポイントの状態が同一になること!かなり時間がかかるが焦らないでやることにしている。趣味の世界で焦っても仕方ない・・・

2008-10-06 072008-10-06 08 こちらが首軸にセットされた状態。この微妙なスリットの開き具合が悦楽を味合わせてくれる!

 スリットからのぞき見られるペン芯先端の位置にも注目。この位置関係が拙者は一番美しいと感じている。【生贄】なのでこのあたりは好きにさせていただいておる。現行品ではもう少しペン芯が前に出てきているので、うっとうしい感じがする。

2008-10-06 092008-10-06 10 ペンポイントは依頼者の書き癖に合わせて大胆に研磨した。太字萬年筆ばかり使っている依頼者なので、これくらいにしないとヌラヌラ感は味わえない。

 なを調整前にあったペン先とペン芯との間の隙間は消滅している。ペン芯を反らせる熱加工をしたからじゃ。熱で曲げたものは、熱で戻る。真夏に炎天下に放置すれば元通りになる可能性もあるが・・・そうなったらまたWAGNERに持ち込むか、自分で微調整すればよい。

 このBlogは・・・・本来微調整しながら使うべき萬年筆に【微調整マニュアル】が無い事・・・・を苦々しく思っていた古山画伯の(脅迫にも似た)強い勧めで始めたのじゃ。従って本来の目的は自己調整推進。そして失敗したら、新しい萬年筆を買っていただいて萬年筆販売に貢献すること!

 最近は自己調整に失敗した萬年筆をメーカーペンクリに持ち込む人が多いと聞くが、これは拙者の意図するところではない。失敗したら何故失敗したかを検証して、仮説を立て、作業し、仕上がりを確認するというPDCAを回してこそ次なるステージに進める技が身につくのじゃ。

 その分析作業をするお手伝いをするのがWAGNERのペンクリ。自分の道具は自分で修理する力を持っていないと、存分には使いこなせないものじゃ。これはモノを扱う全ての趣味の共通点。調整に供する萬年筆は、その素材でしかない。

 大切な萬年筆は、スキルを上げた後で調整すればよい。50本も調整すればコツはわかってくる。そのためには、まずは50本くらいは買わなければ自己調整する資格はないのじゃよ。自己調整を施したものをメーカーペンクリに持ち込むのは、ルール違反自己調整の尻ぬぐいは自分ですべきじゃ。これが守れない人は自己調整をすべきではない!


【 今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整1.5h 記事執筆1.5h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
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Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(11) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月05日

0.9个離撻鵐轡襦ΑΑDELTA POMPEI

2008-10-05 01  DELTA POMPEIの萬年筆は非常に綺麗!実物を見た瞬間に購入を決意し、すぐに銀行に走った記憶がある。

 残念ながら当時のDELTA製レバーフィラーはほぼ100%サックが内部でくっついて、すぐにインクを吸入しなくなってしまったらしい。らしい・・・というのは拙者はインクを入れなかったので、その被害は受けていないから。が、修理の過程で何度もDELTA製レバーフィラーのサック・トラブルに遭遇している。

 歴史のあるオマス、モンテグラッパ、アウロラ以外の伊太利亜新興万年筆メーカーは世界各地で予想もしなかったトラブルを引き起こしていた。長い歴史の中で、いかに多くのトラブルを経験しているかが現在の製品品質の土台になっているのは間違いない。

 新興メーカーは、市場クレームから如何に学んで素早く製品を改良するかが勝負!その意味でDELTAは日本で受けが良かった。日本市場からの要望を真摯に受け止めてくれた。

 POMPEIのペンシルが日本で発売されたかどうかは記憶にない。少なくとも店頭で見かけた事はない。

 ある時、eBayで発見し即刻入手した。その段階で満足し、ペンケースに保護していたが、昨日引っ張りだしてみた。どうやらペンシルは300本限定らしい。

 捻ってみると、ゴリゴリと酷い感触で動く!これは機構
トラブルだな・・・と考えてキャップを引き抜くと、金属部分に緑青のようなものがびっしり!これが原因でゴリゴリ感があるのだ!と判断して、緑青のようなこびりつきをペーパーで排除。そして回してみると・・・

 スコスコと空回りする!芯が出てこないし、引っ込まない。どうやら接着剤にサビのような物がこびりついて緑青もどきになっていたらしい。それがストッパーのようになり、空回りを防いでいた・・・

 しかしそこに接着剤を塗っては消しゴムが使えない・・・ようわからんなぁ。

 ちなみにドルチェヴィータのペンシルでは、完璧に改良されている。まだまだ経験の浅かったころの失敗策であろう。

 ひとつだけ部品を変えれば問題ないし、事実、これに続くASTRAのペンシルでは設計変更されている。ここは一度本国にもどって、お召し替えしていただいた方が良かろう。

 湿気の多い、Far East の地で、金属がどういう変化を起こすのかを知るのは今後のDELTAにとっても良い経験となるじゃろう・・・

  
Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ペンシル 

萬年筆研究会【WAGNER】 第34回定例会

10月5日(日)第34回 WAGNER 定例会


 

 

 

 

日時:10月5日(日) 9:00〜17:00  ペンクリ会員限定当日登録も可)

場所:
EBIS303
  406会議室
 03-5420-4374 渋谷区恵比寿1−20−8  エビススバルビル      
              
http://www.ebis303.com/access_map.html

参加費:
18歳未満は     無料
    本籍海外の方は 
¥1,000  
    
18歳〜25歳は    
¥1,000
    
26歳〜59歳は    
¥2,000
    
60歳以上は   
¥1,000

会場は9:00オープン。定例会と違って表定例会は早くから混雑。ペンクリ希望者は9:30ごろまでの参加がお奨め


定例会参加にあたっては個人情報住所/氏名/電話番号/メアド)の開示をお願いします。匿名での参加は出来ません
この個人情報は他の会員からの要望があっても公開しませんし、取り次ぎもしません

WAGNERへの新規入会を受け付けています。参加資格は【萬年筆が好き】であることだけ!

ただしBlogSNSで個人批判をされている方や、各販売店からクレーマーとみなされている方の新規会員登録はお断りします

内容;

 


  
ペンクリタイム  9:30-16:00  会員限定!
   それ以降に持ち込まれた物は
後日返却

  万年筆分解勉強会 其の四
  毎回新しい知識が得られますぞ。拙者も毎回参加しておる(その間調整はお休み)
                 業界の専門家から得られる情報は貴重!

  
  
WAGNER 限定手拭い販売 \1,500
     【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】執筆者も早めに受け取って下さい


  フェンテ交流会(10月)出展検討会


 拙者は前日深夜帰国予定!従っておやつを買えない・・・
少しずつ持ち寄って下され・・・

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Posted by pelikan_1931 at 04:00Comments(19) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2008年10月04日

土曜日の調整報告 【 1980年代 Montblanc No.149 14C-BB 】

2008-10-04 01 今回の依頼品はNo.1491980年代14C-BBであり、歴代No.149のなかで最も形状の美しいペン先じゃ。拙者は最も醜い1970年代18C-BBBが好きだがな・・・

 国宝級に美しい逸品に思われるが、前の所有者の癖が残っているとかでゴツゴツ感が強いとか。

2008-10-04 022008-10-04 03 拡大画像を見ると、例によってペン先が詰まっている。これではインクは十分に出ず、書き味はゴツゴツしたものになる。またピストンは相当に硬く、インク滓が胴軸内側にこびりついていそう・・・

 しかし以前の所有者の癖などは残っているように見えない。正真正銘の開高健モデルのペン先。しかもBBというのは極めて珍しい。

2008-10-04 042008-10-04 05 横顔を見ても前の所有者の癖は見えない。そもそもこれだけ大きなペンポイントであれば、研磨しない限りは自然摩耗ではそう簡単には癖はつけられない。

 ペン先とペン芯の間にわずかな隙間がある。これではインク切れのおそれがあるので微調整が必要。幸いにして二段式ペン芯の場合は対応が極めて楽。二段の上側を上に反らせてペン先を乗せ、そのまま熱湯に入れ、数秒後に冷水に浸すだけじゃ。これでペン先の傾斜にフィットしたペン芯に変身する。

2008-10-04 06 ペン先の裏には夥しいエボ焼けがある。ということはMontblancの黒インクを使っていた可能性が高い。

 このインクとエボナイト製ペン芯を合わせるとすぐにエボ焼けが出来るという噂があったので、せっせと使った記憶がある。

 しかし意図してエボ焼けさせようとすると、なかなか出来ないもの。その時も途中で断念した。気長に時間をかけて待つ・・・という事が出来ない性格なので、プラモデルの車などまともに走った事がない。

 車軸にタイヤを固定したセメダインが乾くまで待てない・・・小学生の時ですら1時間も待てなかった。死期が近づいている今では一分と待てないかも知れない。

2008-10-04 07 こちらが調整後のペン先。綺麗に金磨き布で清掃した後で、スリットを開いた。Dumasの時と違い、エィっと0.5秒で作業を終わらせることは出来ない。

 調整戻りを考慮しながら左右を下げたり上げたりする微調整が続く・・・スリットを開くと言うことは、力を加えない限りは、ペン先を反らす事になる。とすれば、ペン芯とペン先との間の隙間はさらに拡がってしまうので、先ほど述べたペン芯調整をすることになる。

2008-10-04 082008-10-04 09 これがペン芯調整が終わったペン先。二段式ペン芯の上段と下段の間に隙間が見えよう。これは上の段だけ反らせた事によって発生した隙間

 もともとそういう作りになっている。そのむかしモンブランがペン芯だけを販売していたことがある。取り寄せてみると、上段と下段の間がハの字に開いていた。理由を聞くと、開いた状態でペン先を乗せて首軸に突っ込む。そうするとペ先は反ってスリットは開いた状態になる。

 その状態で首軸から先を熱湯につけるとエボナイトが柔らかくなり、ペン先を反らせていた力が弱まりペン先のスリットが元に戻る。その動きが止まったところで冷水につけ、エボナイトの変形を止めると、ペン先とペン芯がピッタリと密着するというわけじゃ。

 あまりに良くできた設計思想!おかげで二段式ペン芯を持つモデルは調整も非常にうまくいく。そうでない場合は、ペン先をお辞儀させてペン芯に合わせる必要があり、硬い感触になってしまう・・・

2008-10-04 10  こちらが完成した状態。まさに息を飲むほど美しい!インクを入れなくてもすばらしい字が書けそうな気がしてくる。こういう写真をコマーシャルに使えば、萬年筆はもっと売れるのに、強調しているのはボディラインとくさい台詞・・・

 萬年筆は説得商品ではない。言葉で必要性を説く必要はないし、効果もない。視覚に訴えかけ、錯覚を起こさせるのが最も効果的な商品ではないか?

 拙者も森山スペシャルの写真を見て、惚れて、入手した。理由は画像があまりに美しかったから。

 もし太字の萬年筆を販売するなら、上のような画像が効果があるのではないかな?


【 今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整2h 記事執筆1
h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間

     
   
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Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2008年10月03日

Pen Doctors' Rules その38

Doctors Rules 今回は38回目。

 まずは青字の文章を読む。

 それに対する拙者の 本音ギャグ を下に書いてある。

 これを真似て、青字の部分に関する【浅はかで愚かな解釈】をコメント欄に書いて下され。


1.あなたが耳を傾けるなら、患者はきっと何が異常なのか話してくれるでしょう。

 → ペンクリでは、あなたが口を開かなくても、愛用の萬年筆がかわりに不具合を伝えてくれるでしょう。

 → あなたが耳を傾けるなら、萬年筆に異常があるかどうかはすぐにわかるでしょう。
    異常のない萬年筆は綺麗な音色で作動します。



2.聴診器よりも椅子を使った方が、ほぼ確実に、多くの有用な情報が手に入る。

 → 原稿用紙よりも320番の耐水パーパーの上で字を書いてもらうほうが、依頼者の書き癖はよくわかる。

 → 320番の耐水ペーパーの上で書くと雑念を消すような大音響が発生する。ガリガリゴリゴリ・・・・



3.代替医療に基づく治療を評価するときは、頭がおかしくならない程度に心を広く持たなくてはならない。

 → 萬年筆を捻りながら書く人がペンクリに行くときには、頭がおかしくならない程度に心を広く持たなくてはならない。


4.非薬物的、非手術的治療が有効な病気は多い。そうした治療法に精通し、まずはそれを試してみなさい。

 → 分解もせず、研ぎもせず、清掃もしなくても書き味は向上できる。そうしたペンクリ技法をマスターしないとプロの調整師にはなれない。

 → スリット巾拡大、段差調整を5秒以内で終わらせると、魔術師、神様、法王と言われるようになる。

 → 調整師はおしなべて饒舌である。調整の締めは語り。
    【最後の一本!】【あんたの為に作っといた・・・】を出すタイミングがプロの技!



5.確信が持てない状況下で、患者にもう受診しなくて良いと言ってはならない。

 → 書き味が完全でない状態で、調整師に【すばらしい仕上がりです】と言ってはならない。

 → 【今日のところはこれくらいで、しばらく使い込んでみます】と10分程度で退散するのが混んでいる時のマナー。

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Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 先人の教え 

2008年10月02日

解説【インキと科學】 その7−1 

 第七章はパイロット・インキ特許内容の説明じゃ。

 最初にインキを何故酸性に保つ必要があるのかを説明している。次に触媒作用について、それが如何に世の中のために役に立っているのかを実例を挙げて説明している。その後の負触媒作用がハイライトなのだが、今回は、まずは前半だけ説明しよう。

 ブルーブラックインキは、タンニン酸没食子酸、および硫酸第一鉄主成分とし、これに青い染料を加えたものである。

 この3つの主成分を水に溶かして混合すると、その液は最初は薄い緑紫色をしているが、次第に色が濃厚となり、ついには青黒色となり、それとともに容器の底には夥しい沈殿を生じる。

 これは硫酸第一鉄が非常に酸化しやすい性質を持っているため、空気中の酸素と反応して、

 硫酸第一鉄 → 硫酸第二鉄

 となり、この硫酸第二鉄タンニン類と容易に化合して、水に不溶性の

 タンニン酸第二鉄、または、没食子酸第二鉄が出来、これらが沈殿となって表れるからじゃ。

 それゆえ、最初から硫酸第一鉄の代わりに硫酸第二鉄を混合すると、その液は忽ち濃厚な青黒色を呈し同時に夥しい沈殿を生じてしまう。

 インキ中の硫酸第一鉄硫酸第二鉄に酸化させない方法が見つけられれば、インキの沈殿は大いに軽減されることになる。

 インキに硫酸塩酸を加えると、硫酸第一鉄硫酸第二鉄に変化しにくくなり、従って沈殿も無くなる。これがインキに酸を加える理由じゃ。

 いったんインキが紙上に書かれると、添加してある酸は紙質の成分と作用して中和されるので、硫酸第一鉄は酸の束縛から解き放たれて、空気中の酸素と化合して硫酸第二鉄となり、続いてタンニン酸と化合して青黒色不溶性の物質、すなわち第二鉄塩となり、これが紙質中に沈着個化して初めてインキとしての機能を完結し、防水性のと耐久性を具備することになる。

2008-10-02 01 インキに入れるの量は多いほど良いが、当時は鉄ペンも多かったため、強酸性溶液ではすぐに冒されてしまう。その観点では酸は弱い方が好都合ということになる。

 このジレンマを解消したのがパイロットの発明である。実際には負触媒作用を用いて実現したのだが、急に負触媒といっても当時の人は誰もわからなかったかもしれない。

 そこでまずは、触媒作用について説明している。

 左のようにフラスコの中に酸素と水素を入れただけでは何の反応もしないが、海綿状の白金を入れると、酸素と水素が反応して水が出来る。

 しかし白金自体は色も変わらなければ、質量も変わらない。要するに何の変化も起こさない。

 こういうものが触媒である。と説明している。そしてこの触媒機能を利用した大発明が、天然藍に近い合成藍製造における水銀と、空中窒素固定法における諸金属の触媒作用であると結んで前半を終わる。

 この説明の後、いよいよ負触媒の説明に入る。それこそがこの章の目玉じゃ!それは次回に!



【過去の記事一覧】
 

解説【インキと科學】 その6−2 
解説【インキと科學】 その6−1  
解説【インキと科學】 その5  
解説【インキと科學】 その4   
解説【インキと科學】 その3−2 
解説【インキと科學】 その3−1  
解説【インキと科學】 その2−3    
解説【インキと科學】 その2−2  
解説【インキと科學】 その2−1  
解説【インキと科學】 その1     




  
Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 文献研究 

2008年10月01日

水曜日の調整報告 【 1950年代 Montblanc No.146G 14C-M ペン先干渉 】

2008-10-01 01 今回は【生贄】ということでの依頼。【生贄】の場合は拙者の好きなように調整して良いルールになっている。

 とはいえ、自分の萬年筆になるわけではないので、素材を与えられて【存分に料理して下さい。ただし食べるのは私です】と言われているようなもの。調整の行程を楽しむ事が生き甲斐の人間にしか理解できないルールじゃろう。

 獲物は1950年代のNo.146Gじゃ。書き味に納得できないとのことなので、まずはじっくりと現状把握をしてみることにした。

 毎週金曜日に掲載している【ドクターズルール】にもあるように、診断が最も重要。現状把握が出来ればあとは作業だけ。この診断に最も時間がかかるのじゃ。

2008-10-01 022008-10-01 03 何の破綻もなく美しいペン先!難点はスリットが詰まりすぎていること。この強烈な寄りではインクはほとんど出てこないだろう。

 それにしても何故ここまで強く寄ってしまったのか?調整をされた痕もないし、そもそもそれほど使われた形跡もない逸品じゃ。

2008-10-01 042008-10-01 05 横顔を見て原因が特定出来た。必要以上にペン先がお辞儀している。

 こういう場合、ペン先とキャップの天井が干渉している可能性が高い。もしそうであれば、キャップの内側に夥しいインクのミイラが付着しているはず・・・

2008-10-01 06 ということで天冠とクリップを外して洗ってみると、インク滓がモクモクと出てきた。やはりキャップ天井にペンポイントが干渉して曲がっていたのじゃ。

 それではと、ペン先をもう少し押し込もうとしたがビクともしない。ペン先を外してペン芯だけを首軸に突っ込んでみて原因がわかった。ペン芯がごくわずか太すぎて首軸内部まで入っていかない!

 ということは元々の不良か、修理店で当初
と違うペン芯を装着したかじゃ。いずれにせよペン芯が入るところまで入れて出荷した・・・キャップ天井とペン先の干渉をチェックしていなかったということじゃ。

 そこでペン芯の根元を耐水ペーパーで研磨して、首軸内部まで押し込めるようにした。

2008-10-01 072008-10-01 08 以前と比べるとペン先に彫られたMontblancという刻印の位置が少し奥になっているのがわかろう。これで干渉は無くなった。

 ただ念のために天冠底(=キャップ内部天井)も0.5个曚標λ瓩靴討いた。これで完璧!

 スリットも開いておいたので筆圧をかけないでも、すっと書き出しでインクが乗る。そして実はもうひと味の調整も加えている。

2008-10-01 092008-10-01 10 比較するとわかるが、ペン先のお辞儀が無くなっている。これはペン芯を反らし、さらにペン先も微調整を加えながら反らせ気味に少しずつ曲げていった。

 これで書き味は激変!ゴツゴツした感じがフェザータッチに変化した。カリグラフィーのような文字が筆圧をかけずにスラスラと書ける。極楽のよう!

 しかも最近調整した1950年代のNo.146のペンポイントは素材からしてザラザラのものが多かったが、今回のMニブでは非常に細かい粒度のペンポイントであった。

 素材の鮮度や季節によって料理方法を変えるように、調整も素材の生まれ、育ちを考えながら好きに仕上げていく【生贄方式】は実に楽しい!

 しかし【生贄方式】だけでは腕は上がらない。無理難題に直面し、冷や汗をかくことによっても調整師は育つ。ライブでやるペンクリと工房でやる加工。その二つのバランスを保つのが楽しく調整を続けられるコツだと考えている。


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1.5h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
     
   
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Posted by pelikan_1931 at 06:00Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整