2010年06月30日

水曜日の調整報告 【 天才バカボン萬年筆のペン先交換 】

2010-06-30 012010-06-30 02今回は【天才バカボン万年筆】のペン先交換。

これは今年の6月23日〜7月6日まで、名古屋の赤塚不二夫展で販売されている。難波大会の直前にどーむしゃんにお願いして入手していただいたもの。

http://www.koredeiinoda.net/so-times/2010/06/post_187.html

軸製造は(株)カトウセイサクショカンパニー。おそらくは加藤さんの最後の作品であろう。原画はもちろん赤塚不二夫氏だが、拙者が注目したのは蒔絵師。

何でも父母ともが蒔絵師のご子息で、まだ非常に若いらしい。赤塚氏ののびやかなタッチを、ゆっくりと描く蒔絵でどこまで再現できるか疑問だったのだが、見事の一言!

100本限定販売だが、萬年筆愛好家がほとんど参加していなかった(知らなかった)東京での赤塚不二夫展ですら40本ほど売れたらしい。昨年のことらしいが・・・

http://www.fujio72.com/blog/2009/08/2.html

どーむしゃんが(依頼を受けて)3本購入したときには、まだ在庫はどっさりあったらしい。中部地区の方はチャンスですぞ。次の赤塚不二夫のスケジュールは広報されていないのでこのチャンスを逃すと次は来年かも?

2010-06-30 032010-06-30 04ペン先はシュミット製。ちゃんとペンポイント先端部は開いており問題なく書ける。

コレクション価値の高い【これ】を使うかどうかは悩みどころ・・・だが拙者はガシガシ使うことにした。

2010-06-30 05軸には限定番号が漆で描かれている。入手したのは82番で製造総本数は100本。価格は39,900円!

赤塚不二夫氏ご本人なら、82/∞ と、いい加減な表現をしたかもしれない。そちらの方が楽しかったかも?

もっとも加藤さんが亡くなった今では、追加生産は無理になってしまったなぁ・・・

2010-06-30 062010-06-30 07実際にガシガシ使うとなるとスチールペン先は厳しい。そこで手元にあるペン先をいくつかペン芯にあてがってみたところ、Pilotの10号ペン先が適合した。

ただし、お辞儀ニブの10号ペンとストレートニブ用のペン芯を合せると、ペン先が背開きになってしまう。そこでペン芯をヒートガンで曲げながらペン先と合せる事にした・・・のだがこれが大仕事。試行錯誤を繰り返してやっと良い状態になった。スリットがかなり開いているが背開きではない。

2010-06-30 082010-06-30 09こちらが横顔。ペン芯とペン先とはピッタリと密着している。

また拙者の筆記角度に合わせてペン先を研磨した。これにインクを入れて描いてみると・・・

まるで夢のような書き味!Pilot 10号ペンのBを筆記角度に合せて研いだ時の悦楽度は最高!こりゃ仕事にならん!


【 今回執筆時間:4.5時間 】 画像準備1h 修理調整2.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    

Posted by pelikan_1931 at 12:12Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月29日

火曜日のアンケート調査 【 愛用している緑系インクは? 】

第3回目の【赤系インク調査】の結果は;

モンブラン      :10票
パイロット       :10票
その他合計      :13票 (3票以上は無し)


となった! パイロットが色彩雫のいろんなカラーバリエーションを楽しんでいるのに対して、モンブランはボルドーのみ!
このボルドー偏重は、フェンテのでべそ会長の影響かもしれんな。


今回は、緑系インクと、それを愛用する理由を教えて下され。


それでは Go!


拙者の場合は、

No.1  WAGNER 2009 【カーキ】

     ハワイのホノルルペンショップで入手した、ペリカン(カートリッジ)のカーキ色のインクが原点。
     これを元にaurora_88しゃんがインク工房で作ってもらったもの。これに惚れた!


No.2
  スティピュラ 【グリーン】


     WAGNER 2009 【カーキ】は限定インクのため、無くなった時に備えて色味が似たインクを捜してたどり着いた。
これはWAGNER 2010 Zoomに入れて愛用している。

となる。

緑系インクは用途が多いわけではないので、利用者が限定されるかもしれない。
それもこれも梓みちよの【緑のインクでぇ〜】の歌が悪いのだが・・・
  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(26) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2010年06月28日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】公認 y.y pen club 主催 第1回なんば大会【yy day】報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51565432.html

実は血圧計をめぐる騒動が一番おもしろかったかもしれない?

本当に笑い声いっぱいのなんば大会でした!

  
Posted by pelikan_1931 at 21:21Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

月曜日の調整報告 【 Pelikan コンチェルト 18C-B こりゃまた何とも・・・ 】

@01本日はPelikan コンチェルト 18C-B。昨日独逸から拙者の元へ届いた品物。使用品でペン先などかなりくたびれているように思えたのだが、18C-B付きなので購入した。それにコンチェルトは持ってないし・・・

届いたブツを見て、【ああ、この値段ならやはりこの程度か・・・】と納得せざるをえなかった。届いてみて初めて知ったのだが、ペンケースはピアノの形状を模したもので出来は良い。傷だらけのところをみると、前の所有者はこのケースを机の上に置き、毎回ペンをこれから出し入れしながら使っていたのだろう。いいなぁ、そういう使い方!

@02@03ペン先の拡大画像を見ると、かなり汚れている。インクはPelikanのブルーブラックらしい。これでアスコルビン酸の効果が確かめられると多少ウキウキ!スリットが詰まっているにもかかわらず不思議とインクフローは悪くないのだが、少しスリットを開いた方がBニブには良いであろう。

ペン先はかなり首軸に埋まっている感じ。拙者はペン先の太さやP.F刻印の全身が上から完全に見えるくらいが好きなので、分解して位置調整をしておこう。M800はインナーキャップが深いので、かなりペン先を前に出してもペン先がインナーキャップの天井に衝突することはない。

@04@05こちらは横顔。まるで調整師によって研磨されているかのような綺麗なペンポイントにびっくり!PelikanのP.F時代のペン先は、横から見て台形に近い形状になっていると思っていたが、これは完全な鉈型。すなわち往年のMontblancの研ぎに近い。

まるで引っ掛かりが無くスムースなのだが、書き癖が付いている感じもしない。ひょっとすると自分で調整しながら使っていたのか?しかし、そういう能力があれば、このような汚い状態でオークションには出すまい。いやいや、親の遺品を遺族が販売しているのかもしれない・・・などと妄想するのも楽しい!

あまりに汚いので、ペン先ユニットをばらして清掃しようとして、ペン先とペン芯をゴム板で握って捻ったのだが、ビクともしない!こりゃインクが固まって大変な事になっているな!

まず80度くらいのお湯に浸してピストン運動を繰り返す。モクモクと煙のようにインクがいつまでも出てきて、いっこうに色は薄くならない。が、適当なところでペン芯を冷水で冷やし、硬くしてから再びペン先と共に捻ると、グググググゥ〜っと、ものすごい抵抗を示しながらペン先ユニットは首軸から外れた。

ネジの部分が青くなっているソケットを流水にさらしたが、いっこうに綺麗にならない。しかたなくスポンジでゴシゴシ擦って色が薄くなったところで、ノックアウトブロックを使ってペン芯をたたき出した。

ペン芯もインク滓にまみれていてなかなか綺麗にならないので、アスコルビン酸水溶液に浸け、ピンセットで摘んで液の中を1分ほど振り回したら、ウソのように綺麗になった。

@06画像はスリット部分が見えるように明るめにしてあるが、ごらんのようにすっかり綺麗になった。通常は隙間ゲージでの清掃もするのだが、今回はその必要なし!アスコルビン酸水溶液から引上げたペン芯のスリットをエアーダスターでシューっと一吹きすれば、この状態になる。アスコルビン酸水溶液恐るべし!

@07こちらは、ソケットからはずしたペン先を洗浄してスリットを開いた状態。これまた美しい!

インク滓が付いていたので傷だらけか?と思っていたのだが新品と見紛うばかりの美しさ。やはりP.F刻印付きのニブは美しい!実際にインクを入れてこのコンチェルトを使うならペン先は現行の18C-Mを付ける。こちらの方が拙者の好みにあった書き味なのだが、飾っておくならP.F刻印付きの方がシルエットが美しい!

これをペン芯と合せ、同じくアスコルビン酸で洗浄したソケットで固定して、首軸にねじ込んだ。実は、この首軸内部のインク滓洗浄に一番時間がかかった。ネジにインクがへばりついているので、アスコルビン酸を綿棒に浸して擦っても、賽の河原の石積みのように、いつまでもブルーインクが付着する。

最後はアスコルビン酸水溶液で満たした超音波洗浄機に首軸を浸けてやってみたが・・・それほどの効果は無かった。やはりネジ溝の内部にこびりついたインク滓は丹念に擦り落とすしかないようじゃ。

@08@09ペン先がかなり首軸から出ているのがわかろう。これでもペン先の固定はしっかりしているので問題は無い。細字の場合は、もう少しペン先を後退させている。拙者は細字で書く時には、ペンを多少立てて書くので、ペン先を引っ込めて、握る位置をさほど変化させないでもいいようにしている。

スリットもこれくらい開けばインクフロー問題は無くなる。ほんの少し拡げるくだけでいいのじゃよ。

@10こちらが横顔。実はペンポイントには一切研磨を入れてない。それでも書き出し掠れもなくすばらしい書き味。どうやらコレは当たりのペン先じゃ。このカーブを見ると人が研磨を入れた形跡はない。

ということは出荷時からこの書き味が実現出来ていたことになる。これほど書き味のよい萬年筆を自ら手放すとは思えないので、所有者が亡くなり、親族が独逸のオークションに出したという可能性が高まった!

言葉がまったく通じない人とのやりとりは、こういうのがあっておもしろい。敢えて独英翻訳機能など使わずメールのやりとりをした。全て想像でのコミュニケーション。今回はPayPalも使えなかったので、Postal Money Orderでの取引。ゆっくりとしたやりとりは久しぶり!そういえば昔は一ヶ月かかる取引なんてザラだったなぁ。


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1h 修理調整2h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間

  
Posted by pelikan_1931 at 10:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月26日

萬年筆研究会【WAGNER】公認 y.y pen club 主催 第1回なんば大会【yy day】

日時:6月26日(土)10:00〜17:00(開場は9:30
場所:難波市民学習センター 研修室
住所:大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATビル4  電話:06-6643-7010(代表)           
詳細こちら  

2010年/2011年の予定 ココを押して   名札をお持ちの方はお忘れ無く!

  
Posted by pelikan_1931 at 05:00Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2010年06月25日

金曜日の調整報告 【 Montblanc No.144 14C-KF インクが出ないよぅ〜 】

2010-06-25 01今回の依頼品は1950年代のMontblanc No.144 14C-KFじゃ。ピストンも完璧に整備されており、外観的にはパーフェクト。クーゲルのニブの形状も美しい。それにもかかわらず生贄扱いで預けられた。これは何かある・・・

2010-06-25 022010-06-25 03生贄扱いの場合は、まず最初に書いてみる必要がある。どれほど悪いのかがわからないのでな。そこでインクを付けて書いてみると・・・

アレアレ?筆圧をかけないと紙にインクがつかない。書き出し筆圧に関しては依頼人と拙者は同じくらい。従ってコレが原因だとすぐにわかった!

強筆圧の人の場合は、何のストレスもなく当時のクーゲルの筆記感触を楽しめるのだが、筆圧が低いと書き出しでインクがまったく出ない。筆記中でも力を抜くとインクが切れてしまうほどじゃ。画像を見るとかなり寄りが強いことが想像できる。

2010-06-25 042010-06-25 05こちらは横顔。見事なクーゲルの形状!クーゲルの場合、過度に研磨するとぬらぬらの書き味になってしまう。これでは当時のクーゲルの書き味とはならない。

最近の拙者の研ぎは、可能な限り発売されていた時代の特徴を生かすようにしている。従って、今回もヌラヌラではなく、サクサクに多少ジョリジョリ感を残した調整にしよう。これが(多少荒れたペンポイントの)特徴的な書き味なのでな。

2010-06-25 062010-06-25 07左側はスリット調整前のペン先(未清掃)で、右側は清掃後のペン先の裏側。この段階でスリットも拡げてある。

今回はスリットを開いてもペン先とペン芯との間に隙間が空かなかった。とうことはかなり強くペン先を寄せていたことになる。軟らかいペン先の寄りを強くすると、筆圧に応じて線巾に大きな差が出ておもしろいのだが、低筆圧の人には難儀なだけの萬年筆になってしまう。

2010-06-25 082010-06-25 09こちらがスリット調整後画像。ほんの少しスリットが開くだけでウソのように心地よく書ける。

実はスリットを開いた段階では、カミソリで皮膚をなぞるような感じで紙に引っ掛かっていた。この引っ掛かりがイヤで寄りを強めたのであろう。

2010-06-25 10こういう場合はエッジを多少削ればよいだけ・・・のはずなのだが、今回はそこら中が紙に引っ掛かるという状態だった。この紙にかすかに引っ掛かる感じを残しながらインクはちゃんと出るという調整を施せば、クーゲルの細字らしい書き味に変わっていく。

口で言うのは簡単だが、今回は多少時間を要した。そのぶん丁寧に調整出来たので仕上がりは Very Good じゃ!


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月24日

筆記具関連四方山話 【 ついでに・・・ 】

2010-06-24 01レバーフィラーやタッチダウン式のサックを接着するサックセメントの残量が40%を切ったので米国のFPHに注文した。以前に注文したのは10年以上前なので、拙者がもうろくするまでは持ちそうなのだが、こぼしたり、飛行機の手荷物検査で取り上げられたりすることもある。

そこで意を決して?購入したところ、入れ物が変わっていた。左側が10年前のもので、右側が今回入手した物。両方を使ってみたが、古い方のほうが重心が低いので、倒して中の液体がこぼれる確率は低そう。

過去に2回ほど倒して多少こぼした経験があるので、重心が高くなった新型は怖い。古いのが無くなったら新しい瓶から移し替えよう・・・というのが常識的な考え方なのだが、あたらしもの好きの拙者には耐えられない。リスクがあっても新しい物を使いたいので、修理工具セットには新しいものを入れた。

2010-06-24 02そのついでに、ぱいたんさんのBlogを見た5秒後には購入を決心したバッジ。これはかわいい!

ただ到着してみてびっくり!でかい!全長8センチもある。てっきり3冂度だと思っていた。

そして、サックセメントとバッジだけでは、送料がもったいないからと、ついでに購入したのが・・・

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Posted by pelikan_1931 at 07:40Comments(12) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2010年06月23日

水曜日の調整報告 【 Goldfink 幅広キャップリング 14K-F さえないインクフロー 】

2010-06-23 01今回の依頼品は独逸マイナーブランドの中でも姿形が非常に美しいGoldfink。いかついデザインが多い中で唯一優雅な(独逸というよりは伊太利亜のデザインに近い)のがGoldfink。

キャップリングには 14K gold filled との刻印がある。金を薄くのばしたのを貼り付けたのかな?ルーペで見ると所々金が剥がれているようじゃ。

それにしても美しい姿!これを復刻して3万円くらいの価格設定にすれば跳ぶように売れるであろう。

2010-06-23 022010-06-23 03ペン先には GOLDFINK の刻印が入っている。おもしろいのは切り割りを入れる時に手が滑ったのか、ハート穴を通り越してスリットが・・・。日本であればこのような失敗物は出していない!・・・と言いたいところだが、残念ながら1960年頃までのペン先には、こういう物をよく見かけた。さすがに一流メーカー品では見たことはない。

ペンポイントはガチガチに詰まっており、インクがほとんど出ない。

2010-06-23 042010-06-23 05こちらは横顔。これはFニブだが、Mニブから削りだしたような形状のペンポイント。すなわちペンポイントの両側を細く削って細字を演出しようという研ぎ。

こういう研磨をすると、非常に書き味がガサツになる。ここは元々のMをストレス無く書けるようにしたほうが良いであろう。

2010-06-23 06胴体はブラインドキャップの回転吸入式。この時代の安価な萬年筆の定番。

製造されてからかなりの年数が経過しているが、軸の収縮がないせいか軽い抵抗でピストンが上下する。

2010-06-23 07こちらがペン先。安価なペンにありがちだが、首軸内部でペン先とペン芯の密着に寄与するペン先の根元が短い。いつも引き合いに出すNo.149が萬年筆の王様と呼ばれるのは、この首軸内部の金の長さゆえと勝手に考えている。

ペン先のスリットは、この段階で開いておくのがベスト。ペン芯に乗せたままの状態でスリットを開くと、ペン芯とペン先が離れてしまうことが多い。

2010-06-23 082010-06-23 09こちらがスリットを開いたペン先をペン芯に乗せ、ペンポイントを研磨した段階の画像。スリットは必要十分なだけ開いているし、ペン先とペン芯が簡単にズレない位置まで首軸に突っ込んである。

またペン先を金磨き布で丹念に磨いたので、非常に綺麗な光沢が出た。

2010-06-23 10これが横顔。調整前の画像と比べると、ずいぶんと削りこんであるのがわかろう。

当初はインク色も薄く、さえない書き味だった。これはスリットが詰まり、なおかつ筆記角度と調整が合っていなかったから。

今回はスリット拡げ、スイートスポットを削り込み、十分に研磨したので、非常に心地よい筆記が出来るようになった。あとは表面をどこまでざらつかせるかじゃな。これは依頼人との対面で決めたほうが良いであろう。


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1
h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 08:30Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月22日

火曜日のアンケート調査 【 愛用している赤系インクは? 】

第2回目の【ブルー・ブラック】の結果は;

パイロット       :12票
WAGNER 2010  :6票
モンブラン      :5票
セーラー       :5票

が上位に! 予想どおりパイロットの圧勝!となった。


今回は、赤系インクと、それを愛用する理由を教えて下され。


それでは Go!


拙者の場合は、

No.1  Omas ベスプッチ・レッド

     鮮血のように赤い色味が好き。
     また危なそうな色の割には(いまのところ)インク窓を着色しないのも気に入っている。


No.2
  Montblanc ボルドー


     今までにインク窓着色自己を(拙者は)経験していないから。

となる。

赤系インクはインク窓を赤く染め、劣化させる危険と隣り合わせ。
従って出来るだけリスクの少ないインクを使う事にしている。

でも、たまに冒険してみたくなる。ベスプッチレッドは実験中というところかな。
  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(21) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第53回月例会報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51562484.html


今回は素敵な出会いもあった。

ある時計の企画・デザインに携わった人と、それを長年愛用している人が、
たまたまペンクリで隣り合わせに座り、話が弾んだ。

時計を発表したのがベルギー、購入したのは英国。
それを身につけて考古学探究の旅に出たとか。

そういう小さな感動もある萬年筆研究会【WAGNER】定例会

  
Posted by pelikan_1931 at 03:33Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

2010年06月21日

月曜日の調整報告 【 Waterman レタロン 18C-L 生贄 】

2010-06-21 01今回の依頼品はウォーターマン・レタロンの純銀製。2008年10月18日の記事で、本音で最も好きな萬年筆と告白したのが、これと同じレタロンの純銀軸。この気持ちは今でも同じで(限定品を除けば)いちばん好きな萬年筆!

2010-06-21 022010-06-21 03依頼品も18C-Lニブ付きなのだが、拙者が紹介したものよりは、いささかペンポイントが小さいし、丸研ぎになっている。拙者が入手したのは発売後すぐだったので、市場の評判を見て丸研ぎに変えたのかもしれない。

エラからペンポイントに至るカーブを見ると、途中で曲線が乱れている。このあたりがペンポイントの大きさが変わったことへの苦肉の策かもしれない。この曲線の乱れは美的には許せないので、発泡スチロールの筒へ両面テープで耐水ペーパーを貼り付けたもので削り、綺麗な曲線に変えることにする。

それと若干スリットが詰まっている。これを拡げるのに、表側から隙間ゲージを入れると金が表面に盛り上がって汚いので、ペン先を外して裏側から隙間ゲージを入れるのじゃよ。

2010-06-21 042010-06-21 05こちらがペンポイント。拙者のLニブとはまったく違う形状をしている。

これは個体差でかたづけられる差ではないので、明らかに設計が変わったと思われる。すなわちスタブ的な形状から、Zoomやコースの形状に変化している。

2010-06-21 06こちらはニブの刻印。左側が上で、右側がペン先の根元側。これも2010年5月31日に紹介したレタロン(青軸)とは向きが異なっている。

この刻印をニブ製造のどの段階で入れるのかは不明だが、M800で伊太利亜刻印と呼ばれているものの位置が縦横無尽にばらついているのと同じく、ペン先の形になったあとで打ち込まれたのではないかな。はたして正解は?

2010-06-21 07こちらはペン芯のペン先側。外側にインクを保留させるのではなく、ペン先で隠される部分にインクを溜める方式。非常にParkerに似ている。もともとクロスライセンスを結んでいたのか、同じ会社にM&Aされた後に技術の共有化を図ったのか?おそらくは前者と見ている。

2010-06-21 08外したペン先を清掃し、スリットを開いた画像。ペン先を直接スキャナーの上に載せて高解像度でScanした画像ほど美しい物はない。いつも魂が吸い込まれてしまう。

このレタロンでは、ペン芯側にニブの後退を止めるストッパーは付いているが、その前1个曚匹浪堝させられる。すなわちペン先だけを前に伸ばす事が可能となっている。いちばん奥までペン先を押し込んだ状態が最も美しいので、拙者はペン先を前進はさせていないが、動かす事は出来ますぞ。

2010-06-21 09こちらがスリットだけを調整した画像。これだけ開くだけでインクフローは格段に良くなる。書き出しでインクが紙に付きさえすれば、あとは紙がインクを引っ張り出してくれる。

ここまでスリットを拡げたものをペン芯にのせ、首軸に突っ込んでセットしてからペンポイントの研磨に入る。ここからは簡単じゃ。

2010-06-21 10依頼者の筆記角度でペンポイントをガシガシ削り、エッジを落し、ペンポイント表面を筆圧に応じて荒らし、書き出し掠れが出ないようにする。

特に今回はペンポイントの腹の仕上げに時間を費やした。調整の終わった萬年筆をインクに浸し、ペン先からインクを全てぬぐって、ペン先を下に向け、5秒待って書き出す。これでドボドボとインクが出てくればOK牧場!(ガッツ石松)


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 08:30Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月20日

6月20日(日)は萬年筆研究会【WAGNER】 第53回定例会@恵比寿

日時:6月20日(日) 9:30〜17:00(開場は9:00ペンクリ会員限定当日登録も可)
場所:EBIS303  402会議室  住所渋谷区恵比寿1−20−8 エビススバルビル4F 電話03-5420-4371 
2010年/2011年の予定   ココ を押して!   名札をお持ちの方はお忘れ無く!
  続きを読む
Posted by pelikan_1931 at 05:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2010年06月19日

セーラー音声ペン AP-1 これはおもしろい!

萬年筆研究会【WAGNER】会員の【あい】しゃんからの情報提供!

 

ラジオNIKKEI  http://market.radionikkei.jp/yume/

 

この番組の右上で、夢企業探訪(2010.5.22放送分)セーラー万年筆の社長のインタビューがポストキャットで聞けます。

 


とのことだったので、さっそく視聴した。

番組で紹介された【音声ペン】が欲しくなったので、
Amazon.com で入手した。

販売しているのは、(ヤフオクでも有名な)ナークションのようじゃな。頼んだ翌日には自宅に届いた!

2010-06-19 01本体と韓国語、英語のオーディオブックも同時に購入した。総額14,000円也。

英語の方は、システムの出来を確認するために購入した。翻訳の正しさや、発音を確認すれば、韓国語の方の出来も想像が付くからな。

正直、驚いた!女性の声での発音だが、非常にクリアーな音声がマイクから出てくる。これなら発音練習にも使える。旅行先で使う以外に、幼児に英語の正しい発音を教えるのにも役に立ちそう。

2010-06-19 022010-06-19 03使い方は簡単で、スイッチを入れ、どちらかの本に軽く触れると、音がして認識したと知らせてくれる。

次にページを開いて、場面をタッチすれば即座に内蔵マイクから翻訳した言葉が流れるという物。

これをペンの形にしたのが音声ペン AP-1!内蔵のミニSDカードに翻訳辞書が入っている。

2010-06-19 04本体にUSB接続が出来るようだが、部品としては付属していない。ためしにPCに繋いでみたが、Volumeランプが赤く点灯するだけ。Modeを押せば言語選択には反応するが、場面にタッチしても音は出ない。

どうやらデータ転送用らしい。残り477MBしかなかったので、200KBほどのEXCELファイルの書き込みをトライしたら・・・成功!

その後も翻訳機能は正常に機能した。

今後、逆変換や、もっとたくさんの単語、文章、また、自分で登録したい日本語を登録すると、翻訳した文章がまとめてDownload出来る有料サービスがあるとうれしいな。そのためには、本にタッチするというメカニズムを小さな二次元バーコードに変えるような工夫も必要かもしれないが・・・

いずれにしろ、久しぶりに楽しいおもちゃを手に入れた感じ。10月の韓国大会で使って見よう。

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 

2010年06月18日

金曜日の調整報告 【 Aurora Sole 18K-F 滑りすぎてつまらない書き味 】

2010-06-18 01今回の依頼品はAurora Sole。Deltaのドルチェヴィータよりやや薄いオレンジ色の軸。これを黄色と呼ぶかオレンジ色と呼ぶかは色々意見もあろうが、オレンジ狂いの女性オレンジャーが反応していたので、これをオレンジ軸と定義する。ただ、これはただのSoleではない。

2010-06-18 02なんとペン先には18金のハイレグニブが付いている。中部や関西のおじさま達が身もだえして欲しがるニブじゃ。

同じニブはカルロ・ゴルドーニ(やコロンボ)に付いていたが、このような限定品につくはずはない。基本的には首軸先端部が絞られていない限定品用のニブだったはず。おそらくは以前の所有者がペン先交換していたと思われる。
 2010-06-18 03
2010-06-18 04依頼者は、【なめらかだが、なぜかつまらない書き味。スムーズすぎてコントロール出来ない】との感想を述べている。これには感服した。

実はこのハイレグニブの弱点が、まさにそれ!FからBまで使って見たが、先細りのため、ペン先が柔かいわけでもないのに筆記が安定しない。これは14金のハイレグニブもまったく同じ傾向を示す。なぜ早々に姿を消したのかといえば、市場からまったく受け入れられなかったからであろう。

ただしインクフローを増やし、スイートスポットを削り込んでいけば、スーパーチャージを施したエンジンのように、パワーアップして蘇るのじゃ。

2010-06-18 052010-06-18 06まずは調整前のペン先を確認・・・・ということで拡大してみると、なんと既に調整師の手を経ていることがわかった。スリットに隙間ゲージかカッターを入れて左右に捻った痕跡がある。ハート穴の一部が変形しているのがわかろう。また画像では見えないが、上から見てスリットの右側部分の金が醜く盛り上がっている。これが隙間ゲージで左右にスリットを拡げようとした証拠。

スリットを拡げると同時に、この醜い痕跡を消しておく必要がある。拡大してもわからないほどだから実用には差し支えないのだが、気分の問題じゃ!

2010-06-18 07こちらが、スリットを開き、隙間ゲージによる傷を落し、ついでにペン先全体を金磨き布で丹念に擦るとここまで輝きが出てくる。

2010-06-18 082010-06-18 09拡大してみると、ハート穴の傷も、スリット右側の盛り上がりも消えていることがわかろう。

実は調整前はスリット両側の金の巾が違っていた。7:3分けほどではないが、4.5:5.5程度の比率であった。これを5:5になるように左側の側面を削ってバランスをとった。これも書き味には影響はないのだが、気持ちの問題!

2010-06-18 10最後にスイートスポットを削り込んだ。このハイレグニブの調整は非常に難しいのだが、今回は比較的うまくいった。

インクはにゅるにゅると出てくるし、筆記するとかすかな筆記音を残しながらペンは走る。ストップしたいところでペンは止まるし、書き出し掠れもない。

元々は格好だけで、性能的にはダメダメのハイレグニブではあるが、調整を施すことによって、格好も性能も良いニブに変身したのじゃ!


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 06:30Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月17日

筆記具関連四方山話 【 最近手が伸びる筆記具・・・ 】

2010-06-17今回は、最近拙者が頻繁に使っている萬年筆を紹介しよう。

通常は仕事で萬年筆を使う事は少ないのだが、6月に入ってから構想を練ったり、採点したりする事態が頻発している。

その中でも出番の多い萬年筆は・・・

【1】 Pelikan M800 黒軸 現行18C-M
    WAGNER 2010 クラシック・ブルーブラック
    会議でのメモ取りに頻繁に利用。
      アイスコーヒーをこぼしても書いた文字が消えない性能に何度も助けられた。

【2】 Pelikan 四神 フェニックス 18C-BB (p.f.)
     Omas ベスプッチレッド
    大きな構想図をA3用紙に書く際に利用。
    ヌラヌラのインクフローでストレス無く書ける。
    でも一番の用途は、構想に行き詰まった時のストレス発散。

【3】 WAGNER 2009 18C-B
     プラチナ 顔料・青
    これも飲み物をこぼす恐れのあるコピー用紙に筆記する際に利用。
    ペコしゃんの調整師検定合格品!手抜きのない調整は見事!書き出し掠れが一切無いので【2】とともに構想図書きに利用。

【4】 WAGNER 2010 21K-Zoom
     スティピュラ グリーン
    調整のベンチマーキング用。調整が終わった萬年筆の書き味を確認するための比較用。
    多少インクフローを絞った調整。これを基準にインクフローの多い・少ないを微調整している。
    ただ、これも書き味に溺れてしまい、ハッと気付くと原稿用紙3枚ほど無駄にしている。

【5】 WAGNER 2008 14K-Music
     プラチナ・カーボンブラック カートリッジ
    仕事でお礼状(葉書)を書く機会が頻発しているので、表も裏もこれ一本で書いている。
    耐水性、字が格段に上手に見える事がポイント。大嫌いな文字書きを楽しくしてくれる貴重な一本!
    カートリッジのカーボンブラックは、ボトルインクと成分が違うのか、ペン先が汚れないのも良い!

【6】 Aurora ローラーボール (純正黒インク)
     実は、これの使用頻度が一番高い。入手したのはペントレ。丸い缶に入っていた3本セットの中のローラーボール。
    手帳に高速筆記でメモを取る場合に愛用。筆記間隔が20分空いても掠れもせずすぐに書ける。
    油性ボールペンの王者であるDupontのDefi用のレフィルと比較しても、全ての面でこちらが上。安い買い物であった!  

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2010年06月16日

水曜日の調整報告 【 Sheaffer Lifetime 14K-M 何故か物足りない・・・ 】

2010-06-16 01今回の依頼品はSheafferのライフタイム。非常にファンが多い萬年筆じゃ。レバーフィラーであり、ゴムサックさえ交換すれば、半永久的に使える!コンバーター式の場合、WatermanのCFシリーズのように口のデザインが変わればアウト・・・になってしまう。誰にでもサック交換が出来るのもファンが多い理由であろう。サックセメントとサックを1,000円ほど買えば、一生修理できよう。

依頼者の不満は、なんとなくしっくりこない・・・というもの。とりたてて不満は無いがザラつくのかなぁ・・・とか。

実際には段差もあり、スリットも詰まっているのだが、それでもあまり不満を感じさせないのはさすがライフタイム!

2010-06-16 022010-06-16 03ごらんのように、ペン先はガチガチに詰まっている。ニブがものすごく厚いので少々力をかけてスリットを開こうとしてもビクともしない。拙者が渾身の力を込めても微動だにしなかった。

ペン先に刻印がある4129759は何を意味するのかな?パテント番号かな?【Sheaffer 4129759】でGoogle検索してみたが、意味のある情報は得られなかった・・・

2010-06-16 042010-06-16 05横顔を見るとニブの厚みがわかる!こりゃすごい。何故にここまで肉厚にする必要があったのか?欧州のメーカーが金を節約するため?に薄いペン先の萬年筆を作っていたので、米国の富の象徴として作ったのか?理由はよくわからないが肉厚のペン先はFでは実に気持ちよい。ただ今回のようにMとなると、書き味はボールペンと変わらなくなってしまう。そこには調整で少し味付けが必要じゃ!

2010-06-16 06基本的に修理済萬年筆なので、ゴムサックは生きている。ただし素材が薄いので勢いよくはインクを吸わない。

そこでより肉厚のゴムサックに変えておこう。これでインクを吸入するスピードもあがり、インク漏れのリスクも多少は減るだろう。

2010-06-16 07ペン芯とペン先を分離すると、固まったインク滓がボロボロと紙の上にこぼれ落ちた。古いブルーブラックが固まるとどうなるか・・・という恐怖を教えてくれる。数十年を経過し、とてもアスコルビン酸で溶ける様な状態ではないため、ナイフで削り落とした。

2010-06-16 08こちらがスリットを開いたペン先。ペン先の裏側から0.15个侶箚屮押璽犬鮑垢傾んで、少しだけ左右にクイクイと捻り、そのまま抜き取った。

ペン先の表と裏は、ロットリング洗浄液を浸した綿棒で丹念に擦り、最後に金磨き布でゴシゴシと、プラチナ鍍金を落とさない程度に擦った。

2010-06-16 09こちらがペン先のスリットの状態。たったこれだけ開くだけで、インクフローは上がり、書き味は激変する。

隙間ゲージをペン先の表側から入れて捻ると、金がスリットの両側に盛り上がるので、出来るだけ裏側から隙間ゲージを入れるようにしてくだされ。特にスリット周辺がプラチナやロジウムなど、銀色系で鍍金されている場合は、盛り上がりを耐水ペーパーで落とせないのでな。

2010-06-16 10こちらが依頼者の筆記角度に合わせて研磨したペン先の横顔。かなり寝かせて書いても気持ち良いように研いだ。

インクはにゅるにゅると出て来るが、あくまでも当時のSheafferの書き味から逸脱はしないように注意した。Sheafferの書き味をPelikan風にしてしまっては失礼だからな。あとは引き渡し時の書き出し掠れの微調整のみ。


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 09:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2010年06月15日

火曜日のアンケート調査 【 愛用しているブルー・ブラックインクは? 】

今後数回にわたって、(2年ぶりに)愛用インク・アンケートを実施する。

第1回目の【ブラック】の結果は;

セーラー・極黒:8票
プラチナ・カーボン:7票
セーラー・黒:6票

となった。

やはり黒インクはドロっとして書き味がよいインクが好まれるようじゃな。


今回は、愛用のブルー・ブラックインクと、それを愛用する理由を教えて下さい。

それでは Go!


拙者の場合は、

No.1  WAGNER 2010 クラシック・ブルーブラック

     最初は緑色で、乾くと黒くなるというところが好き。
     また安全性も完璧なので、これ以外は使っていない。
  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(28) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2010年06月14日

月曜日の調整報告 【 Morison 屋久杉万年筆 14K-F よそよそしい書き味 】

2010-06-14 01今回の依頼品はMorison 屋久杉万年筆で、ペン先は兜木銀治郎製の14K-F。非常に軟らかいと言われているペン先だが、書いてみるとかなり抵抗感がある。依頼人の感想は、【カリカリしていて、よそよそしく、思うように書けない。文字が下手に見える・・・】というもの。

2010-06-14 022010-06-14 03ペン先を拡大してみると、ものすごく寄りが強い。これでインクが出ている方が不思議と思われるほど!

ペン先にMorisonの刻印があるとは知らなかったが、シンプルで実に綺麗なペン先じゃ。てっきりMorrisonだと思っていたが、刻印を見るとMorisonとrは1個のみ。美しい形状だが、このカーブだと首軸に入っている部分は短かそう。

2010-06-14 042010-06-14 05横から見ると、ほとんどお辞儀をしていない。従ってスリットを拡げてインクが通るようにすれば、かなりふんわりとした感じの書き味になるはず。

またペンポイントは完全な丸研ぎでどこにもスイートスポットが無い。いくらなんでもこりゃひどい。ひょっとするとこのMorison向けに出荷された兜木ペンは、店頭での多少の研ぎを前提としていたのか、あるいは、長期間かけて自分の書き癖になじませる事を前提としていたのか・・・

かなり硬いペンポイントなのでスイートスポットを作らなければ、とても飼い慣らせない。依頼人の筆記角度に合わせて、小さなスイートスポットを作り込んでおく必要がある。

2010-06-14 06ペン芯は関西方面で作られていた物と思われる。櫛切りもスリットも綺麗だが、唯一、先端部の仕上げが美しくない。せめて最先端部の形状だけでも整えておくことにする。

2010-06-14 072010-06-14 08こちらがスリットを開いた状態のペン先。想像通り首軸内部に入っている金は短い。従ってペン芯の上でズレやすい。

このあたりの手抜きが無いのが1980年代のMontblanc No.149。敵?ながらあっぱれ!

このスリットを開くのには非常に苦労した。いくら開いてもすぐに戻ってしまう。当時の鍛造したペン先の特徴なのかもしれない。調整戻りも大きいので、しばらくは確認が必要じゃな。

2010-06-14 09こちらがスイートスポットの作り込みが終了したペンポイントの横顔。ほんの少し研いだだけなのだが紙当たりは大きく変化した。

Vintage万年筆の調整における拙者の(最近の)方針は、販売当時の書き味を生かす事。調整が終わった萬年筆であっても当時の書き味の名残を残していなければならないと考えている。

このMorisonにセーラーの黒インクをつけて書いてみると・・・ああ、兜木銀治郎は、こういう書き味が好きだったんだ!とわかってしまう。適度な柔らかさがあるにもかかわらず、書いていて飽きない心地よさ。使うほど、長時間書くほどに良さがわかってくるような書き味じゃ!


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 08:00Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月13日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第6回九州地区博多大会報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51557948.html


今回飲んで食った大会でした・・・

二次会で焼酎5〜6本

三次会で焼酎一升瓶1本

しかもたった12〜3人で!

  
Posted by pelikan_1931 at 20:30Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

2010年06月12日

萬年筆研究会【WAGNER】 2010年第2回 九州地区大会 6月12日(土)

日時:6月12日(土)9:30〜17:30(開場は9:00ペンクリ会員限定当日入会も可)
場所:アクロス福岡 6階 604会議室
住所:福岡市中央区天神1丁目1番1号  電話:092-725-9111(代表)
2010年/2011年の予定 ココを押して   名札をお持ちの方はお忘れ無く!
  続きを読む
Posted by pelikan_1931 at 05:00Comments(21) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2010年06月11日

金曜日の調整報告 【 Montblanc 1980年代 No.149 14C-BB つまらない書き味 】

2010-06-11 01今回の依頼品は1980年代のMontblanc No.149。胴体、ペン先を総合的に考えれば、1970〜80年代は最も流麗な形をしたNo.149の時代ではないかと考えている。1950年代のフォルムは何となく垢抜けないし、1960年代は尻のリングが片方だけテーパーというアンバランス。1990年代に入るとペン芯がプラスティック製になってしまう・・・

2010-06-11 022010-06-11 03その黄金時代のNo.149の中でも14Cで穂先の傾斜が美しい、いわゆる【開高健】型のペン先の美しさは他を圧倒している。

今回の依頼品は、BBにもかかわらずペンポイントの両側が丸く研ぎ上げられている。多少捻っても書き出し掠れが無いように調整したのであろう。ペンポイントの表面がかなり荒らされている事から見ても、以前の利用者はかなり書き出し掠れに悩んだあげく、お嫁に出してしまった・・・と想定される。

2010-06-11 042010-06-11 05横顔を見ると、かなり研いではあるのだがスイートスポットの作り込みがされていない。極太調整の場合にはスイートスポットが無いと、どうしてもゴツゴツした書き味になってしまう。特に独逸製のBBや3Bにおいては。

依頼者の感想は、【つまらない書き味なので直して欲しい】というもの。確かに筆記してみて楽しい書き味ではない。昔なら20年かけて手なずける必要ありと判断されたであろうが、調整が一般的になった現在では、この手の調整は意外と時間はかからない。

神経を使うのは、最後の書き出し掠れ調整だが、これだけは対面で実施しないと完璧には出来ない。理屈を超えた世界があるのでな・・・。今回は対面調整の前までの作業を行った。

2010-06-11 06黒インクを使っていたと思われるが、ピストンがかなり硬い。ピストンを外してみると、弁の横にもインク滓が付着している。この滓が胴軸内壁との摩擦を上げていた原因!

放置すると内壁を削ってしまうので早めの処置が必要。超電解水を噴霧するとあっという間に綺麗になった!これにシリコングリースを塗れば、数年は大丈夫じゃ!

2010-06-11 07こちらが外したペン先。この美しさは尋常ではない。神田うの様や沢尻エリカ様のような独特の魅力にあふれている。このペン先をルーペで眺めだすと時間が過ぎるのを忘れてしまう。

2010-06-11 08ペン先のスリットは狭い。詰まってはいないのだが、若干背開きで内側のエッジの処理も甘かった。それがゴツゴツした書き味の原因。

そこで画像のように、まずは、スリットを開いて背開きを解消した。この状態でペン芯に乗せ、首軸に突っ込んでからスイートスポットを作り込んでいく。スイートスポット作りは、かならず筆記状態に組み上げてから行って下され。

2010-06-11 09依頼人の筆記角度に合わせて多少寝かせた筆記状態でスイートスポットを作り込んだ。先端部の両側が既に丸められているので、そこを削る手間が省けたので、ずいぶんと楽だった。

インクをつけて書いてみると、以前と全く違った書き味。これが【開高健】が楽しんだ書き味なのか! ・・・ というのは大げさだが、No.149としては極上の書き味になった。


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 08:30Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月10日

iPad ペン入力

最近、【iPad ペン入力】というキーワードで訪問される方が多いので、試しにGoogle検索してみたら・・・

なんと最初に当Blogが表示された。不思議じゃ・・・誰も話題にしていないのかな?

  
Posted by pelikan_1931 at 14:51Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 

】筆記具関連四方山話 【 カコノッカー 】

2010-06-10熊本のカッコー氏から左のような木製トンカチが10本送られてきた。

実は2月の九州地区大会の時、何人かに分けていただいたのだが、これがまた実に使いやすく、皆から絶賛された。

そこで関東地区の調整師にも、ご好意で作っていただいたという訳じゃ。九州地区大会の時の物に、さらに改良が加えられており、絶妙のバランスになっている。

ヘッド部は、ブナとモミの木、打面はアルミ、柄は樺の木で、仕上げはクルミ油を2〜3回塗りとなっている。

柄とヘッド部の接着剤はHenkelの木工ボンドだが、熱風で温めるか、フライパンで熱すると外れるとか。

クルミ油も添付されて入り、こちらは温めてサラサラの状態にしたものに、綿で作った小型のテルテル坊主を浸けてから塗ると良いそうじゃ。

主として、ノックアウトブロックでペン芯とペン先を分離する際に用いる。Montblanc や pelikanでペン芯とペン先がソケットで固定されているものには、ノックアウトブロックともに必ず必要な小型トンカチ。ただし金属製は重い上に、打面が小さく外れたり、力が入りすぎたりするが、この木製トンカチはそういう心配がない。

また握り部分のカーブが実に良いのじゃ。一部には打面の裏に鉛が仕込んであるらしい。

作って下さったカッコー氏にあやかって、この木槌を【カコノッカー】と名付けて、調整師必携の品としたい!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 

2010年06月09日

水曜日の調整報告 【 Waterman Caren Blue 18K-M コントロールが難しい 】

2010-06-09 01今回の依頼品はWatermanのカレン。日本語の【可憐】と引っかけたわけではなさそう・・・

依頼者の悩みは、萬年筆をうまくコントロール出来ないと言うことらしい。過去に拙者も使ったことはあるが、その時の印象は【たっぷり筆圧をかければおもしろい】というもの。ボールペンが折れるくらい筆圧が強い人でも使える萬年筆じゃ。ただし筆圧が弱く、寝かせて字を書く人にとっては、耐えられないほど退屈な書き味じゃ。

2010-06-09 022010-06-09 03ペン先の形状を見て気付いた。これは迷品?Waterman CF の後継ではないかと。

CFは流麗で、今見ても魅力的なデザインなのだが、唯一、コンバーターが廃盤になっていてインク吸入が出来ないという弱点がある。ありとあらゆるメーカーのコンバーターを試したが、適合するものは皆無だった!

このカレンは、デザイン的にはCFほど垢抜けてはいないが、ロゴの彫りなどはけっこう綺麗に出来上がっている。

ただ、ここまでスリットがガチガチに詰まっていると、どんなインクを入れてもインクは出てこない。いくらなんでもこの状態での出荷は国内では有り得ないはずじゃ。

2010-06-09 042010-06-09 05こちらは横顔。萬年筆をかなり立てて書く人向けの調整が出荷時からされている。

ボールペン人口を考えれば極めて合理的な選択で、国内でもかなり売れているらしい。ただ、筆圧が低く、ペンを寝かせて書く人にとっては、極めて使いにくい萬年筆であるのも事実。

ペンポイントの切り落とし角度を見れば、筆記角度75度以上でないとピントがずれるはず。

2010-06-09 06ハート穴が無いタイプなので、空気はどこから入るのか?と不思議だったが、首軸裏面に大きな穴がある。おそらくはここから空気がはいるのであろう。

この空気をどういう経路でコンバーターまで導くのか分解して確認したいくらいじゃ。

2010-06-09 072010-06-09 08調整は簡単で、スリット拡げとスイートスポットの作り込みのみ。ただ、どちらも簡単にはいかない。

スリット拡げであるが、ペン先が外れないので、このままの状態で、スキマゲージをねじ込んで左右に捻るのだが、必ず中心部の金が盛り上がって醜くなる。

それを耐水ペーパーで落し、金磨き布で研磨し、最後に金の削りカスをスリットから吹き飛ばすのじゃ。これは結構根気のいる作業。

作業が終わり、スイートスポットも作り込んだカレンで筆記してみると、一昔前に流行したぬらぬらの書き味になった。これに対面で多少の魔法をかければ、カレンはスーパー可憐な萬年筆に変身するのじゃ。お楽しみに!


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
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修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
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Posted by pelikan_1931 at 18:00Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

本日の記事は遅れます

本日の記事は夕方UP予定です。まずは体をいたわる必要が出てきたので。

  
Posted by pelikan_1931 at 10:54Comments(14) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月08日

火曜日のアンケート調査 【 愛用しているブラックインクは? 】

今後数回にわたって、(2年ぶりに)愛用インク・アンケートを実施する。

第1回目は【ブラック】インク。

愛用のブラックインクと、それを愛用する理由を教えて下さい。

それでは Go!


拙者の場合は、

No.1  プラチナ・カーボンインク

     ぬらぬらとした筆記感は一度嵌ると抜けられない!

No.2  VintageのWaterman Black

     強烈な薬の臭いがたまらなく好き!

だけしか使っていない。

カートリッジも含めれば、これにセーラーが加わる。
  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(28) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート 

2010年06月07日

月曜日の調整報告 【 Lamy Edition 2000 14K-M なぜか使いづらい 】

2010-06-07 01今回の依頼品はLamyの限定品、Edition 2000。拙者も購入した記憶があるが、強くペンを握るほうではないので、軸が滑って書きにくく、すぐに手放してしまった記憶がある。おそらくは100文字と書いていなかったはず。

今回の依頼人も、【デザインは好きなのに、軸を持った指がすべる・・・】との感想を持っている。このペンで筆記するには、胴軸の唯一のプラスティック部分(黒い箇所)を握って書くしかなさそうじゃ。

Lamyではペルソナのチタン鍍金軸も滑った。プラチナ鍍金軸は滑らなかった。そのあたりの学習が今回の製品に反映されていない。製造技術の精度は世界最高レベルだが、材料から見た人間工学には多少問題があるかも?

2010-06-07 022010-06-07 03首軸から出ているペン先は小さい。ガチガチに硬そうだが意外と弾力はある。このあたりは通常のLamy 2000と同じ。

拙者も萬年筆歴が浅い頃、Lamy 2000に嵌った。まったくの未調整でもぬらぬらと書けたような気がしたし、ペンポイントのばらつきが非常に少なかったという記憶がある。

今回の個体はスリットの開き具合にはまったく問題がない。実に良い感じに開いている。インクフローも上等!ただ、書いてみるとしっくり来ない。どうやらスイートスポットが無いからだろう。それにしても全体で43g、キャップだけで17.7gというのはいかにも重い。筐体が小さいだけに異様に重く感じてしまう。

2010-06-07 042010-06-07 05こちらは横顔。ペンポイント先端部から根元に行くに従って急速にペン先の厚みが減っている!これが軟らかいと感じるペン先の秘密。

ドロドロめのインクを入れて書くと気持ち良いのだが、サラサラのインクを入れると書き味が悪化していく。これこそがスイートスポットが正しい位置にない事の証拠なのじゃ!

2010-06-07 06ペン先ユニットを取り出すには首軸部分を左にねじって胴体から外す。この際に首軸部分と胴軸部分との境目にある、円形の金属リングを無くさないこと。これが無いとキャップが胴軸に止まらないのでな!お願いしまずぞ!

2010-06-07 072010-06-07 08こちらがペン芯とペン先。なんとペン芯はSheafferと同じく、二段ペン芯となっている。ただし中に入れるペン芯の設計は凝っている。そのあたりが米国流とドイツ流のさ差なのかもしれない。

2010-06-07 09こちらがペン先。ペン芯に差し込んであるだけ。簡単にペン芯から抜けてくれる。従って清掃は実にしやすい。

Pelikan 100 や Pelikan 100N のように、こいつも分解清掃がやりやすい。ドイツのメーカーには伝統的に、萬年筆は清掃しながら使う物!という考え方があるのかもしれない。非常に分解は楽じゃ!

今回実施したのは、いったん分解したペン先ユニットを洗浄し、インク誘導液につけてから再度アセンブルし、首軸に取り付けた後でのスイートスポット作りの作業のみ。これで十分な成果がでると読んだ。

2010-06-07 10こちらが調整後の横顔の拡大図!依頼者のスイートスポットを研磨で埋め込んでいく作業こそが調整の妙味。

本来は、スポット(点)であるが、これを出来るだけ面積を広く作り込むのと同時に、【調整したペンポイントにふさわしい使いこなしかた】を、依頼者に正確に伝えてはじめて十分な結果が得られることを忘れてはならない。

インクをつけて、おそるおそる書いてみると・・・すばらしい!まったく違う萬年筆に変身した。これなら滑ることに気を取られることもあるまい!絶妙の書き味になった!大成功じゃ!


【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1.5h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
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2010年06月06日

aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】裏定例会 in 大宮報告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51553929.html


大宮大会はまったりとしていて、特に、午前中はじっくりと調整談義が出来ます。

代官山で行われていた裏定例会を彷彿とさせる【い感じ


沖縄タイムスの葬儀関係のページから、新しいビジネスモデルのヒントが得られました!

  
Posted by pelikan_1931 at 22:23Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 

2010年06月05日

6月5日(土)は 【裏定例会 in 大宮】 *** 将来日付でのご案内 ***

日時:6月5日(土9:30〜17:00(開場は9:00ペンクリ会員限定当日入会も可)
場所:大宮ソニックシティビル 707会議室
住所:埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5 電話:048-647-4111(代表)
2010年/2011年の予定 ココを押して   名札をお持ちの方はお忘れ無く!
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Posted by pelikan_1931 at 05:00Comments(15) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック イベント案内 

2010年06月04日

金曜日の調整報告 【 Cartier ディアボロ 18K-M 問題指摘出来な〜い! 】

201-06-04 01今回の依頼品はカルティエのディアボロ。Montblancがカルティエ用に提供したNo.144といったところか。

胴体が14.4g、キャップが11.8g、全体で26.2g。金属部分は全身銀色に鍍金されている。このあたりのこだわりはさすが!MontblancとCartierが同じグループに入ってからのカルティエ萬年筆は非常に垢抜けてきたように思う。

依頼人の悩みは、ただスムーズに書けるだけで感動が無い・・・もっと書く喜びを与えてくれるような萬年筆に変身させて!自分では問題を指摘出来ないのでよろしく!というもの。

実はこういう調整依頼はWAGNERでは少なくない。個々の萬年筆の事情や特性を知りすぎている故の悩みじゃ。初心者は【極細でヌラヌラ】というような理論上有り得ない願望を抱くがな・・・

201-06-04 02201-06-04 03ペン先表面には誇らしげにカルティエのロゴが彫られている。拙者は32歳でタバコを初めて46歳でやめたが、喫煙のきっかけはカルティエのヴァンドームという細いタバコ。この箱に憧れてタバコを吸う練習をしたのが始まり。従って今でもこのロゴは大好きじゃ。当然、カルティエ・ヴァンドームという萬年筆も持ってますぞ。

スリットが詰まっているので、インクフローは良くないはず。少し腹開きにしてインクフローを稼ぐ必要がある。

201-06-04 04201-06-04 05こちらは横顔。一般的な研ぎなので、スイートスポット等は一切入っていない。従ってどこも引っ掛からないのだが、おもしろくもない書き味になっている。萬年筆初心者なら嬉々として使うだろうが、この程度ではベテランを満足させられはしない。

依頼者の筆記角度に合わせて多少研磨し、スイートスポットを作り込んでおこう。また、あまりにツルツル滑るのは好みではないようなので、8000番程度での仕上げとしておく。

201-06-04 06こちらはコンバーター。Cartierとの刻印はあるが、Montblancのネジ式コンバーターと互換性がある。このタイプは簡単には抜け落ちないので良いアイデアだと思う。どうして他社は真似しないのかな?

201-06-04 07ペン先を捻るとユニット毎外れる。外してみるメリットはただ一つ、ペン先の正式な太さがわかることだけ。コンバーター式はペン芯を後ろからたたき出せないので、ソケットが外れることが分解掃除の生産性を上げるわけではない。

201-06-04 08こちらがペン先の全体像。根元の部分には高価な白金系金属を鍍金する必要はないのだが、そこまで色にこだわるのがカルティエ流かな?ペン先も小さいのでコストカット穴は空いていない。またペン芯とペン先の位置は固定されるようになっている。

201-06-04 09この画像はペン先清掃後、スリットを拡げた状態。スイートスポット作り込み前の状態。

ここからペンポイント先端部を多少落し先端部が角張るように研磨する。その後でスイートスポットを削り込んでいく。最後はバフかけ!

201-06-04 10出来上がった状態がこちら。かなり広めスイートスポットを作っておいた。

インクをつけて書いてみると、Mにも関わらずヌラヌラとした感じで書ける。これは試し書きに使っているセーラー・ジェントルインク(黒)の影響かもしれない。書き味の非常に優れたインクじゃよ。

ここまで調整しておいて、あとは対面でペンポイント表面の荒らし具合を変えれば望みの書き味になるであろう。

胴体重量が軽くてヌラヌラ書ける萬年筆は、手が疲れなくて非常に有り難いことを今回再認識した。


【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 10:00Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月03日

筆記具関連四方山話 【 Pelikan M800系 限定品 】

拙者はペリカン倶楽部の顧問であり、萬年筆研究会【WAGNER】創設者でもあるので、当然Pelikanが大好き!その中でもM800系の限定品が手に合う。特にビッグ・トレドと同じように胴軸が重い限定品が好きじゃ。

Pelikan社が限定品と認めているM800系限定品を時代順位に並べると以下のようになる。

1992年
 ★Green Demonstrator    3000本限定

1993年
 ★Blue Ocean         5000本限定   

1994年
 ★Hunting                     3000本限定

1995年
 ★Wall Street                4500本限定

1996年
 ★Golf              4500本限定
 ★Concerto           4000本限定
 ★Austria 1000        1000本限定
 ★Golden Dynasty           888本限定

1997年
 ★Golden Phoenix            888本限定

1998年
 ★Genesis of Olympiad     776本限定
 ★Kuala Lumpur              888本限定
 ★Humankind         1998本限定

1999年
 ★Nature            1999本限定
 ★White Tiger                 888本限定
 
2000年
 ★Technology         2000本限定

2001年
 ★無し

2002年
 ★Spirit of Gaudi            1000本限定
 ★Xuan Wu                     888本限定
 ★Icarus              800本限定
 ★Kirin                           888本限定
 ★CP6 Charlotte              500本限定

2003年
 ★無し

2004年
 ★無し

2005年
 ★月光               200本限定
 ★旭光               200本限定

2006年
 ★無し

2007年
 ★Evolution of Script        930本限定

2008年
 ★Calcuration of Times     760本限定


合計でM800系の限定品は41,491本発売されたことになる。

これらの中で拙者が持っていないのを赤で表現した。

★Concerto           4000本限定
★Kuala Lumpur              888本限定
★Technology         2000本限定

これら3本なのだが、何故購入していなかったのか?とつらつら考えてみると、そもそも人気がなかったのと、地味だったからというのもあるが・・・

この3本は店頭展示用デモンストレータを入手していたことを思い出した!

すなわちキャップも外せず、ピストンも動かないし、ソケットも飾りだが、ペン先だけは本物と同じというもの。

最初はおもしろがって遊んだが、すぐに飽きてペン先だけ生かしてあとは捨ててしまった・・・。ただ、一度持ったことがあると思ったのか、その後、触手が伸びていなかったのだろう。

今後も触手が伸びそうもないモデルだが、先日、Golfを2本入手した例もある。魔が差してこの3本をポチっとやってしまうかもしれないな。

これらの中で拙者が一番好きなのは、2010-06-03こちらの Golden Phoenix。手塚治虫の描いた不死鳥にまったく似ていないのだが、フェニックスといえば【火の鳥】を思い出す。あの漫画には原子のレベルから宇宙の話までが描かれていた。

【火の鳥】を読まなければ、いい年こいてNewtonのムック本を徹夜でむさぼり読むようなオッサンにはならなかったであろう。

最新の宇宙論を読むと、何故か無性に、この赤軸が使いたくなった。トレド型限定品にはインクを入れないという禁を破って、赤インクを入れて使うことにした。

インクを入れるのは6月4日の虫歯予防デー!ひょっとすると民主党も不死鳥のように蘇るかもしれない?

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 

2010年06月02日

水曜日の調整報告 【 大橋堂 漆塗軸 21K-B 手に合わせて! 】

2010-06-02 01本日の依頼品は仙台大橋堂の漆塗り軸。蒔絵や螺鈿などではなく、漆を盛り上がるように塗った軸。しかも違う色を幾層にも重ねて塗ってある。拙者は蒔絵には詳しくないが、塗りは好き。ただ、こういう盛り上げるように塗り上げる細工には、工芸品として抵抗がある。実は以前、手慰みで塗りをやったことがあるが、素人がやると結局はゴテゴテした仕上がりになってしまう。それと区別が付かないのじゃ。もっとも、それはピカソの絵を子供の落書きと言うに等しいのかもしれないが・・・

2010-06-02 02工芸品としてはともかく、筆記具として見れば、このゴツゴツした塗りの萬年筆は優れている。軸が軽いので、キャップを後ろに挿さなくてもバランスは良い。

ネジは一条なのでかなり回さないとキャップが外れない。従って外出先でメモを取るようなシチュエーションには向いていない。自宅で和服でも着て、小説家気取りで、髪の毛など掻きむしりながら、言葉を紡ぎ出すような時に最適な萬年筆に思われる。

2010-06-02 032010-06-02 04ペン先は太字だが、まん丸なペンポイントが付いている。これが仙台大橋堂の太字の特徴。聞くところによればペンをひっくり返しても書けるように・・・との配慮だとか。

拙者はペンをどう倒しても書き出し掠れが無いようにするための秘策ではないかと考えている。想定でスイートスポットのような平面をペンポイント上に作り込めば、必ずその角度に合わない人も出てくる。しかし球が半分に割れた形状であれば、かなりペンを捻らなければスリットは紙に触れ、インクは出てくる。

これなら対面販売で調整に長時間時間をかける必要もないし、重い研磨機械を運ぶ必要もないから・・・

2010-06-02 052010-06-02 06こちらがペンポイント。まさに球じゃ。一般にもこの状態で出荷してくれるオプションがあれば、これから調整を勉強しようという人がこぞって購入するであろう。自分にあったスイートスポットを表にも裏にも自由に作り込むことが出来る幻のペンポイントじゃな!

2010-06-02 07ペン先を首軸から抜いてみると、根元に【Sailor】の刻印がある。ずっと以前から仙台大橋堂はセーラーのニブに自社の刻印を施して販売している。

表面のOHASHIDOなどの刻印はレーザーではないかもしれないが、周辺の飾り文字はレーザー刻印であろう。

2010-06-02 08左画像の下はWAGNER 2010の刻印。こちらは100本限定のため、コストがかからないレーザー刻印を選んだが、何千本にも施す刻印ならば専用の刻印機を作った方が安いのかもしれない。

最近では手軽にレーザー刻印が出来るので、100本単位であれば、一本2000円程度で特殊刻印をしてもらえるはず。企業の創立記念日などに利用してはいかがかな?発注は文具店経由でやるのが確実じゃ。

2010-06-02 092010-06-02 10こちらが調整後のペンポイント。まずはスリットを拡げインクフローを良くするのだがけっこう難しかった。スリットを拡げようとすると、ペン先が反ってしまい、ペン芯と離れてしまうという現象が起こった。通常のセーラーのペン先では発生しないような現象・・・そこでペン芯を反らせ、その上にペン先を乗せてからヒートガンであぶってペン芯が自然に寝るのを見ながら一瞬のタイミングで水に入れて固定するというVintage Montblancのペン芯に適用する技を使った。

ペンポイントは球形を研磨し、依頼者の筆記角度に従って大きなスイートスポットを削り込んだ。いろいろなペーパーやラッピングフィルムでツルツルに仕上げた後で、ペンポイントの表面を2500番の独逸製耐水ペーパーで荒らした。

これにセーラーの黒インクを入れて書いてみると、シュルシュルという筆記音を出しながらインクがスムーズに紙の上に流れていく。決してヌラヌラではなくシュルシュルじゃ。

萬年筆で太字に嵌ると、最初はヌラヌラに行くのだが、そのうちだんだんとヌラヌラに飽きて、筆記音がする調整に興味を示す。4人に3人の割合でそうなるのだが、WAGNERの定例会に頻繁に参加している人だと、他人の言葉にも影響されて、10人に9人がそうなっていく。

今回の依頼者もヌラヌラでは物足りない・・・と感じているようなので、こういう調整にしてみた。このあと引き渡し時に、微調整をすれば【自分の手にぴったりこない。何故かわからない。どこをどう調整すれば自分お手に合うようになるのか?】と悩んでいた依頼者への素敵な回答になるであろう。


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 

2010年06月01日

火曜日のアンケート調査 【 ふで洗い 】

新聞社に勤める友人によれば、大晦日には【筆洗い】という儀式があったそうな。

すなわち1年間記事を書かせていただいた筆に、お礼といたわりを込めて、来年もよろしく!とお願いする。それをみんなでやったのが【筆洗い】の始まりらしい。

今でも名残として【筆洗い】という【萬年筆清掃】の儀式も残っているとか。

よく出来ているのは、その【筆洗い】の儀式を行う際には、どこからともなく萬年筆を修理する業者の方や、萬年筆を販売される方々が現れてくるらしい。たしかに千載一遇のチャンスかもしれない。

そこで新たに購入した萬年筆を年初に最初に使う事を【筆おろし】というかどうかについては聞きそびれてしまった。

さて質問です。あなたは一本の萬年筆をどういうタイミングで洗浄しますか?具体的に教えてください。

拙者の場合は、万年筆とインクの組み合わせに関してはEXCELで管理しているのだが、往々にしてUpdateを忘れてしまう。まったく信用できないリストなのじゃ。

そこで、インクがなくなるつど、完全分解して洗浄し、ペン先の微調整も行っている。

ついでに全部洗浄しよう!ということになれば、インクをすべて抜いて洗浄し、改めてインクを入れ、EXCELファイルを書き改める・・・これは【筆洗い】に近いかもしれないな。

まとめると、拙者の場合【筆洗い】年2回程度。それ以外は個別洗浄&調整というところかな。


皆さんはいかが?            それでは GO!

  
Posted by pelikan_1931 at 07:00Comments(12) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 質問・アンケート