2005年07月26日

モンブラン フィッツジェラルドがすごい!5

 ここ2〜3年ほど、万年筆の店頭での販売数が激増しているらしい。最低だった時期の3倍ほどになっているとか。新しいユーザ層が増えた事、一人が何本も万年筆を買うようになった事などが影響しているのだろう。

 販売金額に目を移せば、Pilot 65を起点とする限定万年筆がヘミングウェイ以降で爆発し、販売単価を相当押し上げている。

 これで利用者が増えれば、もっともっと万年筆文化は花開くだろう。文化が花開けば販売方法も変わってくる可能性がある。一般的なデパートでの販売から、メーカーが楽天などを使った直接販売、調整付で販売する専門店、アクセサリーの一つとして販売するブティックなどに集約されるかもしれない。

 そうやって販売数が増えれば、万年筆は安くなる。万年筆は在庫リスクが非常に高いので、販売価格にそれが織り込まれている。実際工場原価は驚くほど安い。拙者はこの構造を変えたいのじゃ。メーカーが儲かり、消費者にとって今までより安い価格で、より使いやすい万年筆を供給することが出来れば、万年筆文化が再度花開く。

 いまの万年筆ブームは若い人が引っ張っている。年配の人でも大量に購入しているのは大抵がネット得意人種じゃ。すなわち、万年筆の世界ではネットが購入を促している状態じゃ。

 ネット族はのめりこみ方がすごい。情報を集めるのはお手のものなので、あっというまにいっぱしのコレクターになってしまう。もし仲間がいれば、どんどん盛り上がっていく。

 拙者がこのBlogを立ち上げたのは、万年筆文化満開の時期を少しでも早めて、三途の川を渡る前に【万年筆文化興隆に貢献した人】の一人として表彰状をもらいたいからじゃ。考えて見れば過去の表彰状は全て破り捨てていて一枚も無い。エフェメラコレクターとしては紙物は非常に重要じゃ。自分が表彰された万年筆関係の表彰状なんて最高のコレクションではないか!

 ということで、1年後の1日平均訪問者数500人、ページビュー2000件を目指して本日よりはじめる。本日のお題はMontblanc フィッツジェラルド。拙者が最も好きなMontblancの限定品じゃ。

 フィッツジェラルドは2002年の限定品で14000本作られた。定価10万円の割には、質素な作りだ。まず作家が日本であまり有名でない事、また安っぽい素材のせいで限定品の中では最低人気ではないかと思う。最高はヘミングウェイじゃがな。
 
 しかし、分解調整/清掃を繰り返す拙者に取っては最高傑作じゃ。特別な器具を使わなくてもピストン機構をはずせる。最近こういう万年筆はPelikan 1931から始まる限定品以外には無い。軸も短くてオシャレだし、ペン先も良い。白と黒と銀という取り合わせも非常にオシャレ。本当は何本でも欲しいくらいじゃが、偽物が横行していて、とても海外からは購入できない。とりあえずは2本で我慢している。

 ヘミングウェイのような人気者にはならないだろうが、良さが分ると離せなくなる。もしお財布が許す価格で販売されていたら捕獲することをお奨めする。拙者が奨めた理由は使い始めれば分るじゃろう。

Montblanc フィッツゲラルド



Posted by pelikan_1931 at 22:25│Comments(15) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
この記事へのコメント

某通販系文具店から、
『ポイント2倍』
『特別割引』
のご案内が来たので、
結構なディスカウントだったのもあって、
お試しで買ってみました。

『先端がドライアップしない』
『書き癖に合わせて育つ』

というのが本当か、
実践配備してみて一度検証してみます。

レフィル1本位書いたら、
御報告いたしますね。

(^-^)

.
Posted by きゃんでぃ小海老爺です。 at 2011年12月07日 08:32
嬰啓_221 さん、きゃんでぃ小海老爺さん

実物を握ったことはありますが、書いたことはありません。
しかし、萬年筆に似せたギミックから抜け出して、書き味を微調整できる筆記具になるなら、将来性はあるかもしれません。

今のままでは、筆記時のピントのズレが発生しますので興味はありませんが。
Posted by pelikan_1931 at 2011年12月04日 22:18

>嬰啓_221 さん

横から失礼します。

先日(フエンテの日)、伊東屋さんに行ったら、ちょうど発表展示会の様なことをしていたので、書いてみました。

筆記角度の自由度が、ボールポイントやローラーボールより高くて、
イージーフローみたいな“ぼて”もなく、
比較的快適に書けて、
確かに線の品質も濃度がしっかりしていて上質でした。

でも、やはり仰る通りで、

『これに2万円、、、』

と感じてしまって、購入には至りませんでした。

私も、“流行らない方に一票”です。

.
Posted by きゃんでぃ小海老爺です。 at 2011年12月03日 05:04
http://www.buneido.com/fs/fountainpen/c/0000000673

記事内容とは全く関係ありませんが、見易い場所で報告までに。

万年筆、ローラーボール、ボールペン、ペンシルに続く第五の筆記具とのこと。

実用面から見れば、素晴らしいものがあることは確かなようですが、個人的には「流行らない」方に賭けたいと思います。

その理由として、

・新しい物好きの若年層を取り込むには、いささか値段が高すぎる(7掛けで約14,000円)。

・発音が難しい

ということで,クリティカルマスの達成が難しく、新時代の常識(デファクト・スタンダード)を担うにはいささか難しいと拙考しますが、師匠はどのようにお考えでしょうか。
Posted by 嬰啓_221 at 2011年12月02日 16:28
> メーカーが儲かり、消費者にとって今までより安い価格で、より使いやすい万年筆を供給することが出来れば、万年筆文化が再度花開く。

上記は、Pilotの創立当時からの方針じゃった・・・

やはり並木良輔一派はすごかったなぁ。

しかし、既にそれはできなくなっておる。新しい時代に即したビジネスモデルが必要じゃ。Montblancが脱却したのもその一環であろう。

【万年筆ヲタクをターゲットからはずす】というのは非常に優れた見識じゃろうな。数が多くは無いからな。ちと寂しくはあるが・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年07月26日 16:19
いつでもどうぞ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月17日 23:57
師匠、調整有難うございました。まるで別物です。
筆記角度などもあいまいなままお送りしましたが、ここまですばらしい状態になるとは思いませんでした。ほかにもありますので、よろしくお願いします。
Posted by 256命 at 2005年12月17日 09:12
256命しゃん

それならメールくだしゃれ。何とかしよう。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月30日 23:28
pelikan_1931様

機会があればぜひ。とはいっても私は最果ての地に住んでいますので、なかなか都には行けません。残念です。
Posted by 256命 at 2005年11月30日 21:18
256命しゃん

機会があったらペンクリに持ってきんしゃい。フィッツジェラルドはそのままで使うにはペン先が詰まりすぎておる。特にBはな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月28日 22:48
写真を見ているうちに、No.256との類似性を感じてしまい、一ヶ月かけて入手しました。ペン先はBです。まだインクフローは今一歩ですが、pelikan_1931さんのおっしゃるとおり分解掃除が出来るところが気に入りました。No.256よりも高いものに手を出してしまいましたが、今では満足しています。初めての現代物です。
Posted by 256命 at 2005年11月28日 22:03
まとりっくす しゃん

万年筆は内部機構は全て安っぽいんですぜ。
メディチもルイ14世も。

フィッツゼラルドは外装にお金がかかっていない分、機構にお金をかけているので、まだましなんですぜ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月05日 07:14
ふふふ ついにはずしちゃいました 
なんか安っぽいんですけどw
Posted by まとりっくす at 2005年10月05日 02:41
まとりっくすさん
ピストン部分の下のベルト地帯(白軸のすぐ上の幅1センチ弱)のところを左に捻ればピストン機構ははずれます。ゴム板で握るのがいいかな、、
Posted by pelikan_1931 at 2005年08月02日 04:48
ようやく念願のフィッツジェラルドをGETしました。
そんなところがすごいことになっているなんて。
ああ、あのペンクリから幾星霜、しばし涙で使えませぬ(笑)
Posted by まとりっくす at 2005年08月02日 01:05