2005年07月29日

Montblanc No.149 1970年代 14C-O3B

この万年筆は珍品だった。あとでわかったことだが。
Monblanc No.149のO3Bを入手するのは、日本ではなかなか手がかかる。
いったん通常のペン先付で購入したあとで、一定期間以内にペン先交換を
申し出れば交換してくれる。ただし保証書は必要らしい。
本国独逸ではオブリークのペン先はポピュラーらしく、一般的に入手出来る
のかもしれない。オークションで知り合った独逸人が訪日したというので
京王プラザホテルまで会いに行ってダベったが、その時彼が持っていたのが
これだった。Pilotの漆モデルと交換でGet!
一応の手入れと若干の調整をしてオブリークらしい書き味にして、ペントレで
並べておいた。譲る気はないので相場より相当高い値段をつけておいた。
ペントレでは目が肥えている人が多いので、人気ブランドの人気モデルが
相場より安く売られていないと絶対に売れない。従って安心していた。
まだ何も思い出の無い万年筆を手放すのは拙者のポリシーに反する。
少なくとも実力を最大限発揮できるまで鍛えてからお譲りしたい。

ところが、左利きの若者にお願いされた、、、、

拙者も筆記と箸以外は左利きなのでわかるが、日常生活は結構不便。
特に彼の書き癖は左手の手首を相当内側に巻き込んで書くので、たしか
にO3Bにぴったり。で、18KのO3Bをお薦めしたのだが、書いてみて、
この14C-O3Bの方が理想に近い。これでなきゃだめだとか。
そこで18KのO3Bを書き癖にあわせて調整してあげたら、書き味はこちら
が上だが、格好は14Cがよいので、14Cをこれと同じに調整して欲しい!
とどうしても14Cにこだわる。根負けして14Cを調整してあげたら、そこには
【感動と絶叫】が!そこまで喜んでいただけたら本望なのでお譲りした。

それ以降、14C-O3Bには2度とめぐり合えない。
いっしょにすごした時間が短かっただけにかえって想いが強い。
いまごろどうしているかなぁ、、

Montblanc_149_70_14C_O3B



Posted by pelikan_1931 at 09:13│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
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この記事へのコメント
左利きとしては非常に気になるペン先です。ただ、通常のOBBは手に合わないのでO3Bもダメかな。一度試してみたいです。
Posted by ネオソフト at 2006年05月03日 22:35
kugel_149しゃんが最近手に入れたようじゃな。
さてどう料理するかな?
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月04日 23:02
調整しだいじゃよ。調整無しでは使いこなしは難しいじゃろうな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月17日 23:55
最近、極太が好きになってきたので、このO3Bというのも、非常に気にかかっています。普通に持って書けるのでしょうか、それとも。特別な持ち方をしなければなりませんか?
Posted by 256命 at 2005年12月17日 09:17
どるゥさん、どうもどうも。
やはり一緒でしたか!この時代のMontblanc No.149が一番好きです。50年代はそろそろ朽ちかけているものがほとんどでかわいそうで使えない。60年代はインク窓と尻軸が弱く、また胴体が薄いのでクラックが入りやすい。90年代になると首軸先端がラッパ型になり興ざめ。
やはり70年代と80年代のNo.149が最高です。ピストンガイドが金属製でない、軽いやつが好きです。
Posted by pelikan_1931 at 2005年08月01日 21:56
どうも、失礼します。どるゥです。

149の画像拝見しました〜。まさにわたしのと一緒です。
幸いなことに、わたしのはずっと放置されていたにも拘らずカンタンな掃除だけで復活しました。同時代の18kニブで書いたことないので14との違いがどんなものなのかちょっと気になりますねー。
Posted by どるゥ at 2005年07月31日 15:47