2005年08月11日

真のExecutiveの持ち物 【Waterman Edson】

今から数年前、ある研究会で60がらみの紳士に会った。聞けば先ごろ本を出版したらしい。金融機関の上席管理職の方だった。
本にサインをいただいたのだが、そのときにお使いになっていたのが、Waterman EdsonのルビーレッドのF。書かせてもらったら非常に滑らかな書き味でびっくり。写真から想像すると、ペン先は巻き込んだ形状になっているし肉厚。しかも軸に組み込まれたような作りだ。どう見ても柔らかいペン先にはなりようが無い。
しかし筆記感とは恐ろしいもので、インクフローがよいと筆記時の筆圧が下がり、結果として紙の上を抵抗も無くペン先を走らせることが出来る。すなわち、普通の人なら【柔らかい】と感じる書き味になる。
そこで書かせてもらった感触が忘れられずエドソンを買っちまいました。ただし、廃盤になってからなので、ずいぶんと安く入手出来た。

でも書いてみてがっかり。いつもと同じ感覚で太字を発注したのだが、太字はどこのメーカーの物であれ、ちゃんと調整すればメーカーの差をほとんど感じさせないくらいに調整出来る。従って、拙者にとっては当たり前の書き味になってしまったわけよ。この瞬間に細字に再度目覚め、7月末に紹介したNo.146でとどめをさされたわけ。
キャップがバーメイルだったらもっと良かったのに、、、と思いはしたな、正直。
値段設定間違えたので決して成功とは言えないモデルになってしもうたが、拙者にとっては真の紳士が持っていた万年筆という感覚は強烈に残っている。
彼は、フランスのデパートで購入したそう。そういう事実も含めて真のExecutiveが持つべき万年筆との称号を与えたい。残念ながら拙者には似合わなかったぞぃ。

Waterman Edson 

実は、その研究会には彼以外に3人が万年筆を持って現れたが、そのうち2人がウォーターマンの万年筆で、拙者だけが煤竹のクロスエンペラーだった。
すなわちウォーターマン3人にセーラー1人だった。海外渡航の多い研究者にはウォーターマンのファンが多いのだろうか? 

それにしてもあの細字の感触が今でも忘れられない。



Posted by pelikan_1931 at 03:00│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
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この記事へのコメント
先日、エドソンを調整して思った。胴体の重さと、ペン先の硬さがバランスしすぎていて面白くない書き味かも?とな。

1日くらいは非常に満足するのじゃが、毎日使っていると重荷になるのではないかな。あまりに安定した書き味で飽きも速い気がした。

やはり万年筆は面白い。奥が深い。100人いれば1000通りほどの万年筆理論が出そうじゃ。自分でも何がすきか理屈は立てられなくなった。
理屈じゃなく、時々によって変化する【好み】で決めるしかない!
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月29日 07:31
太字はどこのでも同じじゃ。エドソンの妙味は中字か細字じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月19日 23:07
エドソンは隠れた名品だと思います。自分では持っていませんが、書かせてもらった事はあります。インクフローの良いペン先だと思いました。
Posted by Carter at 2005年12月19日 20:26
M's Dad しゃん

煩悩を刺激するのはやめとくれぃ。
最近やっとVintage物の呪縛から逃れられたのに、、、
オノト1850やウォーターマン58、100年ペンは保持している人の記録をコレクションしとりますがな。
すでにおぬしの物もわがコレクションにいっぱい登録されとりますぞ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年08月11日 06:20
小さくて、決して軟らかくなかったけれど、
スラスラと楽しく書けたのが、
ウォーターマンのCF。
ブラックボディーに銀キャップ。
小さいニブを馬鹿にしちゃいけない、
そう思いました。

一方で、古英語の研究で世界的な権威である
F先生(日本人デス)に見せてもらったウォーターマン58が
いまだに脳裏に焼きついたままである。
オノトの1850も大きなニブだが、
58のニブの存在感にはため息が出た。

100年ペンに、ルマン…、
pelikan_1931さんが、いずれ、記事をお書きになることでしょう。
楽しみ。
Posted by M's Dad at 2005年08月11日 03:23