2005年08月13日

番外編:Kaweco Carat 小型ペンシル

Kawecoは独逸マイナーブランドではあるが、けっこう生き延びた。一旦万年筆をやめていたが、ブランドの商標権を購入した新オーナーがViscontiに製造委託したセルロイド製の限定品を皮切りに往年の名作Kaweco Sportを多くの軸バリエーションで作っている。今回紹介するKaweco Caratはその新オーナーから直接譲ってもらった物だ。彼はkaweco中心にebayでも販売していたのだが、ある時彼の出品物でかなり大型のポスターを拙者が落札した。彼曰く『航空便で送ると送料の方が高くなる。近々プロモーションの為に日本に行くのでその時に持って行く』『いつごろ?』『来週!』。当日は朝8:00に京王プラザホテルのエレベーターホール横の休憩スペースに【左手に万年筆4本をはさんでいるのが拙者じゃ】という待ち合わせ方をしたのだが、、、あまりスマートではなかったな。時間過ぎてもいっこうに来ないので、エレベーターから外人が降りてくる度に万年筆を4本はさんだ左手を上げて微笑みかけるという作業を20回以上やった、、、今ならプラスティック爆弾かなにかと間違われて大混乱を引き起こしただろう。しかも長いほうが良いだろということで、長原さん謹製の超長軸を用いていた。じっくり拙者の動きを監視していた人は大笑いしたことだろう。

幸いにして、20分遅れで落ち合うことができ、さっそく品物を受取ると同時に、コレクションを見せてもらった。さすがにKawecoがぎっしり!こちらも日本製の古い万年筆をチラチラ見せながら商談をはじめ、数多くのkaweco PencilをGet!独逸人は商売の交渉はあまりうまくないようだ!ラッキー!
そのうちの一本がこのCarat。ごらんのようにまったくのMintだ。天冠を回すと芯がニュルニュルと出てくる。Kawecoはペンシル作りとしては一流メーカーだったのか、非常に数多くのモデルが残っている。特徴は【小さい】こと。Montblanc PIXの半分程度の大きさのものが多い。非常にかわいい!拙者の日常にとって最もよく使うのは万年筆。ボールペンはサインくらい。そしてペンシルは手帳への下書きだ。極細万年筆で清書するので、消え易いものが必須。小さくて使いにくいと思ったがまったく逆。拙者体重は重いが筆圧は低い。従って長いペンシルだと、寝かせて書こうとしてものすごく疲れる。かなり押さえつけないと筆跡が見えない。しかし短いペンシルだと必然的に首軸先端を持つことになり、筆圧は高くなる。筆跡も濃くなり結果として疲れも少なくなる。低筆圧者の必需品=短いペンシルだ。

Kaweco Pencil

Posted by pelikan_1931 at 15:00│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック ペンシル | ペンシル
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これは以前のBlogで紹介したKawecoの現在のブランドオーナーからごっそり譲り受けたものの中の一本。Kewecoには回転繰り出し式のPencilは数多くあるが、ノック式というのはKaweco Sportを除けば数は少ない。Kaweco Sportのノック式はPixに近い上品なノック音だが、こちらはガ...
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この記事へのコメント
このKaweco Caratに限らず、ペンシルは小さいのが好みじゃ。長時間ペンシルで筆記する機会など皆無じゃ。長時間なら万年筆を使う。
従ってペンシルは書きにくくてもよい。可愛ければよい!
そういう意味で、Kawcoのシリーズと、Sheaffer Tuckawayのペンシルは大好きじゃ。またぞろ使いたくなってきた。
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月29日 07:47
拙者よりM's Dad しゃんの方が先にフレンド商会に行き当たっていたようどすな。
拙者が行ったころにはバキュマティックの新品を5万円で売ってた。買ったのはKawecoとかProfit 75とかMontblancのNo.227とかだった。既に2桁台の目ぼしい物は姿を消しておった。
そうそう天冠にオパールのついたParker75を5万円で買った。イリジウムは手溶接で書き味も良かったなぁ。

最近ではめったに店を開けないらしい。
Posted by pelikan_1931 at 2005年08月14日 15:54
今から20年位前、
店を開けているフレンド商会を偶然見つけたときは、
正直わが目を疑った。
陳列棚の中にある万年筆、おいおい、宝の山ではないか!
モンブラン#22を初めて購入したのはそのときである。
フレンド商会の女性二人は、
とても親切に万年筆のことをレクチャーしてくれた。
パーカーのブルーダイヤモンドを見せながら
たっぷりと自慢話をしてくれたっけ。
カベコーを知ったのも、フレンド商会のおかげなのだが、
こんな話をしていただいたのを今でも覚えているのだが、
真偽のほどは…?
「カベコーをよく見てごらんよ。似てない?
お客さんが買ったモンブランの#22にそっくりでしょ。
カベコーはね、モンブラン#22の職人が辞めて作ったモデルなのよ」
Posted by M's Dad at 2005年08月14日 01:53