2005年09月07日

Pelikan M200 Demonstrator 【二代目ペリスケ】5

独逸のPelikan社は材料の管理が甘かったらしく、よく材料やプロトタイプが社外に持ち出されていたようだ。業者に売り渡す手引きをしていた人が内部いたのかもしれないあくまで独逸での噂だが。Pelikan社では正式に製造していないのに、部品は全て純正品という万年筆もあった。Pelikan社もその部品が純正品であることを正式に認めたらしい。それはPelikan M400 Demonstratorで、初代ペリスケに14Kニブが付いて独逸国内に少量流通した。実はもう一箇所違う部分があるのだがこれは秘密にしておこう。ペリスケはあくまでも日本市場だけの為に作られたはず。それを独逸国内で正規品として売るはずが無い上に、14Kペン先付だ。ペリスケは金鍍金ペン先。ある販売店が材料の提供を受けてアセンブルしたもの。一時、独逸の販売店の間でこれに対して良識を云々する議論が戦わされたと聞いている。ペリスケは写真のM200 Demonstratorの先代モデルで国内で5000円だった。同じペン先が付いたM200が1万円だったことを考えると、破格値。海外では100〜200ドルで取引された。M400 Demonstratorは400ドル弱の高値で取引。持っているが写真掲載は控える。
M200 Demonstratorになって1万円に値上がりし、しかも限定品扱いでアメ横でも4割引ではなく3割引きになった。拙者は10本ほど買って海外の友人にプレゼントした。非常に喜ばれてお返しにすばらしいものをいくつもいただいた。

海賊品はコレクターに取っては魅力的だ。万年筆は
小さな部品の集まりだけに管理は非常に難しい。プラチナでもUSA向けに出荷したはずのスクリプト用ニブ付が手違いで、国内市場に並んででいたことがある。【こんなもの国内では売ってないよ】とプラチナの企画の人に言われた時、そこのデパートのショーケースの中にスクリプトが展示されていたことがある。速攻で買った。
こういう会社好きだなぁ。

メーカーには被害者妄想がある。客は何か難癖つけて会社を脅そうとしている!という感覚で商品を作っているのではと思うことがある。セーラーから大型のコンバーターが出ないのも、各社のペン先がどんどん硬くなるのもそのせいだろう。万年筆愛好家は万年筆製造会社に対して文句は言わない。出来が悪くても作ってくれるだけで感謝しているから。万年筆に愛情を持ってない人がクレームを言う。それに合わせてメーカーが製品を改造していったことが万年筆愛好家を失望させる万年筆が増えてしまった原因。

そこに気付いて欲しい! そういう想いでこの
Blog
を立ち上げた。
わかってください万年筆メーカーさん。我々こそが皆さんの味方です。

2005-09-07 PM



Posted by pelikan_1931 at 18:00│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
この記事へのコメント
メーカーでのムーブメントがちっとも伝わってこんなぁ。また自分達だけでムーブメントを起こそうとしているのかな。古い体質の会社じゃな。まったく残念じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月30日 21:59
M's Dad しゃん

ムーブメントが現実のものとなれば、1983年以来初めての変革が起こるかも知れませんな。それを期待してます。
Posted by pelikan_1931 at 2005年09月08日 05:27
光るもの、必ずしも金にあらず、という言葉があるけれど、
キラキラと輝く光を、黄金だ、ゴールドだと、
日本人ほど信じ込む民族もいないのではないか。
stand talkerさんの言うムーブメントを肌で感じた一人として、
本物の金を見抜く眼力の持ち主がメーカーにいて、
エポックメイキング的なことを真剣に取り組もうとしているのを知った時、
ますます万年筆が面白くなりそうだと確信した。

pelikan_1931さん、文章を紡ぎつづけるのは大変ですが、
これからもよろしくお願いいたします。
自らの眼鏡が曇らぬよう「万年筆評価の部屋」を熟読していきます。
Posted by M's Dad at 2005年09月07日 23:16
stand talker しゃん

ヘビーユーザーの声に耳を傾けてくれるムーブは歓迎ですね。
とりあえず要望を言ってみたいのと、ユーザの代表者を決定会議に出させてほしい。敵は品質管理部長だから。品質がよくてつまらないものを作ってもしようが無い。あこがれるものを作らないと!
Posted by pelikan_1931 at 2005年09月07日 20:43
解ります! その気持ち。

携わる個々の人間は正しい考えをもって行動しているはずなのに、
会社というレベルに上がった途端に別なものになってしまい、
「誰のために造っているのか?」という事がよくあります。

社員達も「製造メーカーとは空しいものよ」と思っているのでしょう。
特に万年筆のような個人の好みの差が大きい製品は難しいのでしょう。

そこで大事になるのは、しっかりした眼と思考を鍛えた「良いユーザ」
だと思うのです。最近はメーカーも気がついてきていますよ。
そういうムーブメントも実際あるのです。

pelikan_1931 さんの想いは伝わると思いますよ。徐々に。
Posted by stand talker at 2005年09月07日 19:36