2005年09月19日

初代 Parker 75 再登場

Parker 75は1964年に発売された。最初の年だけにつくられたのがフラットトップモデルで天冠と尻軸先端に窪みが無いものだ・・・・というのを信じている人もいよう。ほんの5〜6年ほど前までは拙者もそうだった。下の物を手に取って見るまではな。

下の写真が正真正銘の初年度モデルだ、イロイロ特徴もあるようだが、良くは知らない。が、首軸を胴体にねじ込むところの処理を見て欲しい。金属製!

ここだけ見れば何本でも欲しい!という気持ちになるのだが、拙者はフラットトップが嫌いだ。なぜかといえば、すぐに鍍金がはがれてしまうし、鍍金表面に傷が付きやすい。要するにそこだけがアキレス腱みたいに弱いんだな、、、それにフラットトップなんて腐るほど市場にあるので、価値も無い。

拙者の父親が使っていたのもディンプル有りのモデルだった。ディンプル付の胴体に、初年度版の首軸を付け、仏蘭西製のBニブをつければ最高のParker 75になるのにな。

昔の三種の神器はパーカーの万年筆、ロンソンのライター、オメガの時計といわれたものだが、その時代のParkerはなんだったのだろうか?数が出ていたことから考えればParker 51 か Parker 75だと類推されるが、世の中の景気から考えれば東京オリンピック後が妥当。とするならばParker 75が三種の神器のひとつであったのじゃろう。もし特定出来るひとがいたら教えてくれぇ。

ところで、これに対抗させると現代ではモンブランの万年筆、ダンヒルのライター、ロレックスの時計というのが妥当と書いてあった。なんでモンブランの時計じゃだめなの?どうしてダンヒルの万年筆じゃだめなの?ダンヒルの時計じゃダメなの?という疑問を呈してみると現代社会が浮かび上がってくる(おおげさ)

昔のメーカーは代表的商品で売上のかなりの割合を占めていたので、パーカーといえば万年筆、ロンソンといえばライター、オメガといえば時計しか作ってない会社だと思われていた。しかもそういう専業メーカーが【憧れのトップブランド】だった。今のブランドは多角化していて、ルイ・ヴィトンといえども鞄から万年筆からシステム手帳まで作っている。ロレックスがいつ水深200メートルでも使える万年筆を出すか?と待ってもおかしくない時代だ、、、そりゃ無いか、、、

こうなってくると、万年筆といえば【・・・・・】の中に入ってくるのが、販売店【付加価値を上げてくれるところ】に変わっていくのかもしれない。
カメラといえばヨドバシカメラという時代があったように。

2005-09-19 PM  Parker_75_Flat_Top



Posted by pelikan_1931 at 18:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
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拙者もそうだったが、Parker 75 の初年度モデルを見たことが無い人が多い。一般にはフラットトップが初年度モデルと思われている。だがフラットトップは最初数年の間作られているし、市場に出ている数も非常に多い。本当の初年度モデルは写真のような首軸を胴軸にねじ込む部....
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この記事へのコメント
サカエチカしゃん

海外オークションなら100ドルも出せば程度の良いのが買えるじゃろう。最近相場はあがり気味じゃがな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年08月31日 06:02
5
知らなかったです。
フラットトップはいくらくらいで買えるのですか?
本初期モデルじゃなくても欲しいす。
Posted by サカエチカ at 2007年08月31日 05:47
最近、この初期型をネット上で見なくなったな。
非常に贅沢なつくりなのが良い!

ただし書き味は後の時代になるほど良いのがParkerの特徴じゃ。
Parkerは改良をしていった・・・
Montblancはコストダウンをしていった・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月31日 21:54
>三種の神器は超一流品ではなく、庶民が少し背伸びすれば手が届く

ほほう、良い分析じゃな。今ならiPod?
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月23日 10:45
三種の神器は超一流品ではなく、庶民が少し背伸びすれば手が届くものだったようです。
ライターが三種の神器の一つだったとは時代を感じさせられます。
今では煙草を吸う若者が激減した上に、ライターといえば100円ライターです。
Posted by Mr.Snake at 2005年12月23日 04:47
今朝雪隠にて文房具の研究を読書中、113頁に三種の神器の万年筆はParker 51との文を発見! それが真実かどうかは定かでない。
Posted by pelikan_1931 at 2005年09月23日 11:06
写真の万年筆は、そもそも拙者のものではないのだが、仏蘭西製のBニブは今でもいくらでも入手可能。
75もそろそろ相場が上がってきた。特にMint物は当時の定価になった。
Posted by pelikan_1931 at 2005年09月20日 05:43
嫁いでいなければ、の話ですが、
フランス製のBニブ、書いてみたいのですが?

やっぱり1本は持っていたいなぁ。
Posted by M's Dad at 2005年09月20日 00:54