Montblanc シリーズ 【その5】 142
Montblanc No.142は1950年代 14Xシリーズの末っ子。現代には継承されていない大きさだ。しいて言えばモーツァルトに相当するかもしれない。
テレスコープ吸入式で小型の割には驚くほどの吸入量を誇る。現行のNo.149に負けていない。テレスコープ吸入式のピストンは2段階に伸びるのでピストンのストロークが長い。おかげでたっぷりと軸内にインクを保持出来る。
50年代前半の平べったいペン芯は、インク保持能力が劣るので、うかうかしているとポタポタとインクが漏れる危険がある。ところがこれが受けている!ポタポタとインクがたれそうな万年筆は逆に言えば、ペン先へのインク供給能力が高いわけで、書いていてまったくストレスを感じることなく極太の字が書ける。現代の【カートリッジにペン芯の根元を差し込むためのボトルネック部分】が無いからインクフローが良いのかもしれない。
とにかくこの時代のインクフローを堪能してしまうと、飛行機の中でもインク漏れしません!という謳い文句がアホ臭くなる。てやんでぇ、こちとら飛行機なんぞは年間で3時間ほどしか乗ってねぇや。しかも万年筆はいっぱいある。なんで1950年代のNo.142を飛行機の中で使わにゃならん!べらぼうめ!
インク漏れの危険が高い万年筆はデスクで使えば良いわけ! 人材には適材適所といいつつ、道具には万能を求めるのは間違っている。
数多くの1950年代No.14Xを使ってみた。見栄えならNo.149、書き味ならNo.146がダントツ! そしてかわいさ、愛おしさならNo.142が最高。しかも書き味、インクフローとも恐ろしく良い。またこれは以外に知られていないが、N0.149やNo,146/No.144と比べて故障が圧倒的に少ない。内径が小さいのでピストンにかかる負担も少ないのかめったに壊れません。
No.144はどれも3番手といった感じで印象が薄い。が、最近No.146人気に引っ張られるように値段もじわじわと上がってきた。特に縞軸のNo.144は高い!
1950年代のNo.142にはスパイの小道具のような精密感があり、非常に好きだ。ただ、出来ることならば、小柄の女性に使っていただきたい大きさではある。
実はこのNo.142に関してはピストン修理用のコルクをストックしている。従って故障してもすぐになおせる。やはり杞憂無く使えるのが万年筆に取っては一番重要。とくにVintageはね。

Posted by pelikan_1931 at 06:00│
Comments(15)│
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万年筆 |
万年筆
Np.142は黒軸はさんざん使ったし、何本も調整したので、グレーの縞軸でも見つけてあがりにしたいですな。
手帳用ならNo.252です。
どちらも買わないって言ってたのに、既に心がぐらついてますな。
No.142とNo.252のどちらかを手帳用に購入しようと考えています。
ペン先はF。さてどちらがお奨めでしょう。
銀を温泉で真っ黒!
み、魅力的! 今度試してみよう。燻し銀大好きじゃもんね。
温泉浴というか、冷水浴なわけですが、
コンウェイを曲げただけでは飽き足らず、最近エボを曇らせたまとりっくすです。
経験から学んでます・・・・でもさすがに銀は温泉にはもっていきませんよ
・・原理がわかっているからw というか、アクセサリを真っ黒にしたから_| ̄|○
まとりっくすさん
万年筆の温泉浴ってのもあるんかいのう。
気をつけねば軸が変色するかも、、、特にエボナイトには注意?
漏れない限界と思われる標高値までペン先に書いてある、、、
プラチナは 3776
Montblancは 4810
Sailorは 1911
けっこう幅のあるのもある
ルマン100初代 1883-1983
お粗末さま
やっぱり格安航空券だとインクも漏れるんでしょうか(笑)?
久しぶりに飛行機に乗るので不安で・・
持っていくか迷っているのはヨーロッパ最高峰のアレです(笑)
たぶん漏れませんよ。気圧の調整しているから。(^_^)
インクが漏れるようだったら、それは万年筆の問題ではなく、飛行機の問題です。ヒエー。(^_^) そうなったらすぐに脱出するように。(^_^)
冗談はともかく、その実験やってみたことがあります。(^_^)
別の万年筆でしたが、キャップを外してペン先を下にしてズーっと見てたんです。離発着時に。
普段はポタポタ漏れる万年筆でしたが(!)、機内ではおとなしかったです。空ん奪取のバカー。(^_^)
何とかサミットって、頂上って言うくらいだから、万年筆持って登山して、気圧との関係を調査するのですよね?漏れない限界と思われる標高値までペン先に書いてある万年筆もあるらしいですからねぇ。あなどれん。(^_^)
まとりっくすしゃん
そうそう、一旦入れてから大半を出して、中の空気が多い状態、すなわち気圧の変化を受けやすい状態にしておいて実験してくだされ。
いまどきの飛行機で漏れるとは思えんというのが本音。
No.142のニブはハート穴から先が上に反るようにしてペン先も左右に開く。現代のNo.146やPelikan M400はハート穴から先が上に反らないで左右にだけ開く感じがする。
ボールペン世代に合わせてそうしているのだろう。
拙者はNo.142のクーゲルを使ったことはないなぁ。
30%ほどにしておくって どうやればいいんでしょう?
maxを吸入して計って、その3割分だけ吸入した状態で搭乗するってことでしょうか?
142は実にかわいい。非常に頼れる、名品だと思います。
クーゲル付がよく出るけれど、すべて買い占めたいくらいです。
いままで4本クーゲル付を購入したけれど、
どれも滑らかでやさしい書き心地の万年筆でした。
その昔、モンブラン社に入社したばかりのころ、森山さんは、
研修で西ドイツに行き、現地のマイスターから
さまざまなことを教えてもらったといいます。
この142のニブで「鍛金」とは何かを教わったそうです。
142のニブは素晴らしい鍛金の典型だそうです。
インク量を30%程度にしておくと、噴出しやすいので、ぜひ実験してくだされ。それでインク漏れしなければGoodですね。
やっぱり50年代ものに、飛行機は無謀ですかね?
サミットの際に持っていくかどうか悩んでます
どうせならやって燃え尽きてみようという気もしますがw