Parker Falconに対抗したPilot ミュー
先日紹介したファルコンに対抗してパイロットが発売したのがミュー!この対決は面白い。似ているようで似てない。やはり開発コンセプトが違うのだろう。
ファルコンはチタンで失敗したParker T-1のリターンマッチの感じがする。デザイン優先でデザインにあわせて仕上げを選択している。良いデザインの筆記具を追及していたらたまたまこうなった、、のでそれにクリップをつけて切り割りを入れたらなんと万年筆になってしまいました!という感じ。万年筆をまったく意識させないデザインだ。
一方のミューはパイロットがステンレス素材で万年筆を作ったらこうなる!という主張をヒシヒシと感じる。ファルコンよりははるかに書きやすいぞ!見てみろとでもいう作りだ。一方でデザイン的には新しいところは感じない。
はたしてこの競争はどうなったのだろうか?日本人の拙者からすればFalconのデザインに強く惹かれてしまうが、米国ではミューが圧倒的に人気が高い。米国内に出回った数の少なさと、出来の良さが評価されているのであろう。軸のバリエーションもいろいろあるからな。
さて拙者自身の評価じゃが、どちらも良い出来じゃが日常筆記に使うとなれば面白みに欠ける。両者ともガチガチに硬いニブだが、インクフローは良い。従って紙へあたる部分の調整をしっかりやれば、ヌラヌラとは書ける。これで満足する人には十分な書き味を提供してくれる。しかし、Vintage Pelikanのような弾力を期待するのは無理だ。そもそもコンセプトが違う。
これらのステンレスニブの万年筆は極細や細字のペン先が向く。そして十分なインクフローを与え、低筆圧でインクが出るように調整すれば離れられなくなる書き味になるじゃろう。もちろん弾力が必要ない人にとってじゃがな。
左がミューで右がFalcon。
Posted by pelikan_1931 at 06:00│
Comments(3)│
mixiチェック
│
万年筆 |
万年筆
パイロットキャップレスの歴史は長い。拙者は中学校に入学した時に2000円の黒軸を買ってもらった。その時から廃盤になるまでに大きな変化は一回きり。ダブルカートリッジ式がシングルカートリッジになったタイミングだけだと思う。そのときに、クリップが下の写真のようにな....
パーカーのT-1は世界初のチタン製万年筆であるが、あまりにコストがかかりすぎたためか、1970年に発表されて1971年には製造中止になってしまった。その後を追うように発売されたのがファルコンで、ステンレススティール製の軸とペン先だった。T-1がどちらかといえばずんぐ....
情報源と記憶力の問題があるので、真実かどうかははなはだ疑問だが、このNew Capless はPilotの若手デザイナーの作だとか。だとすれば大英断じゃな。新しい人たちが新しいニーズを作っていくので、デザインも世の中の一歩先を行ってないと爆発的ヒットは生まれない。 拙者...
欧米でバカ受け! Pilot New Capless【万年筆評価の部屋】at 2006年04月16日 03:15
パイロットは国内と海外とでブランド名や商品名を変えることがある。有名どころは、【キャップレス → Vanishing Point】そして 【エラボー → FALCON】 じゃ。PilotではなくNAMIKIブランドで販売しているところも共通している。 今回の主役はエラボー、しかも初期型のエ....
万年筆界の異端児 【エラボー】 またの名を 【FALCON】【万年筆評価の部屋】at 2006年04月16日 03:12
足を骨折したのとあまりの混雑のため、今回のペントレでは自分用の万年筆は一本しか購入出来なかった。それも終了の間際。それが今回紹介する【ピンクのキャップレス】じゃ。 拙者が中学生になったお祝いに父が買ってくれた【パイロット・キャップレス黒軸】と色違い。....
ピンクのキャップレス【万年筆評価の部屋】at 2006年04月16日 03:09
...
ファルコンやミューは使おうとするからストレスがたまるのかも?
飾っておくものだと考えれば気がらくじゃな。
ミューは本当に高い値が付くなぁ。しかし自分が欲しいと思わない万年筆ひは触手が伸びんなぁ。どうしても。
ファルコンにはバリエーションが少ないですが、ミューにはたくさんの種類があるようです。当時は工場のラインを頻繁に組み替えられるほど需要があったんでしょう。
デザイン的には秀逸なものも紹介されていて、いつも画像だけ楽しんでいます。スタットラーさんのHPです。