小さなペンを作るのが得意だったKawecoのペンシル
Kawecoは何回か紹介しているが、万年筆には傑作と呼ばれるものは無い。Kaweco Sportは爆発的に売れたが、万年筆としてみれば【安物万年筆】の域を出ていない。SoenneckenやMatador、Osmiaなどと比べると高級感も劣る。
しかしPencilにかけてはGoodだ。非常に多くの種類を出している。首軸の色が芯の色を表す色ペンシルの太軸などはMontblancブランドで売られていた同じような商品と比べても遜色ない。最初Montblancの色ペンシルを見たときにはKawecoがOEMで作っているのかと思ったほど。
一部の例外を除き、Kawecoは万年筆もペンシルも小ぶりだが、特に写真の世代のペンシルは小さい。右が回転繰出式（非繰戻り）で、左がノック式。Kawecoの回転繰出式は非常に種類も数も多くてポピュラーだが、ノック式（Pix方式）はそれほど数が出ていない。海外のオークションでもほとんど見かけない。
左写真の物は独逸の万年筆関連部品メーカーの社長で、Kawecoブランド権を購入した社長が日本訪問した際に、彼のコレクションの一部から譲ってもらったもの。Pix方式ではあるが、Pixよりもはるかに小さいのでかわいいことこの上ない。ただ、、、ノック感触などはPixほど頑丈な感じはしない。ま、いつ壊れるかというようなスリルを楽しみながらノックを繰り返すのも一興。
これらのペンシル用の芯は1.18�弌�これの4B程度の芯というのが日本でだけ入手可能だ。万年筆倶楽部の会長が自費で10万本作ったのを、ユーロボックス他で購入できるようにしている。ペンシルコレクターの為の配慮でありがたいことだ。拙者も400本ほど購入したが、これで一生分あるだろう。太い芯はデッサンでもしない限りはなかなか減らないからな。
もしオークションなどで左のタイプのペンシルを見かけたら確保しておくことをお奨めする。
Posted by pelikan_1931 at 18:00│
Comments(9)│
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Carterしゃん
お主もそうじゃったか。拙者の緑軸も曲がっておる。オークションでは真っ直ぐ見えるところから写真を撮るので騙される。
しかし、うまく持てばかえって気持ち良いので重宝しとるよ。
Kawecoのペンシルは安くて丈夫と言われていますが、オレンジ色やグリーン色の軸のペンシルは、胴体がひん曲がっているのもあります。これはセルロイドに対する知識の欠乏ではないでしょうか？
フリッツさん
＞Kawecoについては
なるほど。メーカーを絞って話されていたのどすなぁ。研究されとるなぁ。
ペン先の形状の理論と実践、研究書もあるぐらいですからねぇ。
こういった話ができて、本当に嬉しいどす。
フリッツしゃん
320の研ぎは長刀よりの多少エッジが立っているので、日本では【鉈（なた）研ぎ】と呼ばれていたようどす。狙った効果は長刀と一緒で、腹で筆記させることです。
ただし鉈では腹で細字を実現しようとしたのに対して、長刀では腹で横太+縦細字を実現しようとしたところが本質的違いでしょうね。
管理人さん
う〜むむ、するどいご指摘。ドイツの長刀研ぎといえば、1970年代の320等の先長EFは、あれも一種の長刀研ぎといえそうですね。あのフニャフニャの。
フリッツしゃん
> Sonderklasse
英語では Special Class でっか！
ぜひ試させてくだされ。
Kawecoは短い軸が多いので、ニブをお辞儀させるとペンポイント頂上で書くような感じになり現実的ではなかったのでしょうな。もし長刀研ぎが独逸にあったらKawecoは別の対応をしていたかもしれんな。
確かに極論でしたね。ハイ、、、
同じメーカーで同じ14K、同じ形状であれば相対的に大きい方が余裕があるのは勿論ですが、Kawecoについては例えば同じEliteシリーズでも802〜805まで試した上での理論で書きました。私がいいたいのは、似た形状でも切り割の長さやニブを断面で見た場合の半円の角度の採り方等の細かい要素を除いて、小さいという事は、紙面に触れたペンポイントから力を受ける許容量の違いだということです。なお1950年代というドイツの黄金期でも、Kawecoはニブを下向きに反らせる方法を採用しなかった事実も、公平に見るために付け加えておきます。
＞ニブのくびれが細いという事は小さいのとほぼ同じで、弾力にも余裕を持てない。
フリッツさん、それは極論すぎますよー。それだけ見ては言えませんよ。
と、僕は思うのですが。
Kawecoのペンシルはさして入手はしなかったが、私は万年筆中心にそれなりに付き合って来たと自負している。歴史ある（1885年創業）、しかもフルラインナップメーカーの割には万年筆に対する評価が低いのは管理人さんと同意見だが、ペンシルは確かに先進的だ。Kaweco Spezialという２色鉛筆の元祖のようなモデルが好例。残念なのが万年筆で、デザインや軸バランスも悪くないのだが、概ねニブのくびれが細すぎて、太軸であってもドッシリした余裕ある筆記が楽しめない。そのため、Kawecoのペン芯とニブは他のペンの互換性が無いに等しい。ニブのくびれが細いという事は小さいのとほぼ同じで、弾力にも余裕を持てない。ところで管理人さん、Kawecoのマイスターシュテュック対抗の最高級シリーズ、Sonderklasse（ゾンダークラッセ）を試しましたか？ EliteやDIAはともかく、これを使って「やっぱり駄目だ」というなら、私も文句はありません（失礼）。
