2005年10月21日

これはいけてた! Sheaffer Balance タイガー5

 Sheafferはネジ式キャップが得意ではない。Sheffer プレステージ・コノソアールは非常に良い万年筆だが、ネジの仕上げは笑ってしまうほどだ。通常は三角形の山が連なっているようなねじ山だが、Sheahherの場合、長方形が連なっているような山だ。使用には問題ないが、なんとも興ざめだった。といって勘合式のキャップは首軸に傷を付けやすい。この点が日本市場でSheafferが受けない理由じゃろう。利用者がそれを知っているからではなく、首軸に傷が付いた人が不良品では?と言って販売店に持ち込むので、販売店側で取り扱いを敬遠してしまった為だろう。拙者のように傷よりも書き味を重視する人間ばかりだとメーカーもやりやすかろうに。

 Sheafferの弱点はキャップ、首軸回りなのだが、このBalance シリーズでは良いネジが切れている。回転式キャップなので、首軸に傷も付けない。Sheafferとしては理想的な万年筆になるはずだったが、なぜか受けなかった。

 日本国内で受けなかった理由は価格設定を間違えたから。高くしすぎた。定価2万円であれば、相当売れたはず。Sheafferはカートリッジ容量が大きいことや、壜インクの色が豊富と言う長所があるのに、それを壊すようなコンバーターの価格設定にもあきれた。

 その昔、セーラーが修理を引き受けていた時代は非常に安心のブランドだった。ある時、デパートに行ったら、顔見知りの販売員の方が【Sheafferがサービス体制に関する調査をしている。国内販売代理店を変えることを計画しているのかも?】と耳打ちしてくれた。その情報はただしく、その後、Sheafferはセーラーとの提携を切ったがそれからSheafferの国内での凋落が始まった。満足な修理部門を持たないで、うるさい客ばかりの日本市場で万年筆の商売をするのは無理ですぜ!

 日本市場での成功を目指すなら、まずは外に露出している部分の素材は手抜きしてはならない。見えないところは手抜きしても性能に影響なければ、拙者のような分解マニア以外に知れることは無い。Sheafferにアドバイスするとすれば、首軸の素材を丈夫にする事、ペン芯はプラスティックのテカリを押さえた素材にすることが第一だろう。ペン先の性能はすばらしい!あとは見栄えと
メンテ体制構築とその広報ですな。販売者が安心して売れなければ、売り上げは増えんからな。
期待してまっせ!Bニブ好きはSheafferファン!

2005-10-21 AM Sheaffer_Balance_Tiger

Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
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この記事へのコメント
最近はかなりの作業が外注化されているので全体的な品質管理が手薄じゃな。それがブランドイメージを落とすことに経営者が気付いていないのが残念じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月07日 21:51
pelikan_1931さん

やはり現代物のSheafferはネジも問題ですか。先ほどコノソアールでもコメントしました。でも復刻のBalance LEは大丈夫そうでしたが。
Posted by 井筒屋 at 2006年02月07日 19:13
Sheafferがこういう綺麗な樹脂製の万年筆製造を止めたのは何故か?
想像じゃが、なれない樹脂製のネジが狂ってクレームが続出したのじゃろう。万年筆製造や調整は理屈の世界ではなく、伝統【失敗の積み重ね】の世界じゃ。思いつきで成功するほど甘くない。
そこが魅力なんじゃが。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月05日 10:45
monolith6しゃん

まだお持ちでしたか! 拙者は嫁にやったので手元におまへんが、少なくともペンクリで見た記憶はありませんな。

SheafferのBニブのすばらしさを伝える良い万年筆どした。
Posted by pelikan_1931 at 2005年10月24日 23:52
5
 この軸を日本で持っている人って何人ぐらいいるのでしょう。私もLEVENGERから購入したクチですが、ボッテリとした丸いイリドスミンのBニブは大変太い字が書け、軸の美しさと相俟って私のお気に入りの一本です。
Posted by monolith6 at 2005年10月24日 23:33