2005年11月05日

Parker 75 との因縁5

 因縁というと語弊があるが、拙者とParker 75とはなかなか相思相愛になれない感じがしている。不思議じゃ。コレクション対象としてはいけてる。ただし日常使いとして拙者のペンケースの一角に半月以上常駐したことはない。

 拙者が初めて接した外国製万年筆は、父が持つParker 75だった。ペン先はUSA製のMで、まん丸な玉。従ってヌラヌラではなく、ゴリゴリとした書き味。経理マンだった父は記帳には極細の安い万年筆を使い、サインするときだけこれを使っていたように記憶している。父の英語のサインは非常にカッコ良く、拙者のサインはそれを真似している。

 一体何本のParker 75系を購入しただろうか?インターネット経由で購入したものを除くと11本。伊東屋で購入した純銀軸のF、銀座松坂屋で購入したマラカイトとラピスラズリのF各2本、アメ横で購入したバーメイル軸、マシーフ、オパールトップ2本、金ペン堂で購入した茶漆軸、尾道で入手したレインボー。この中で残っているのは5本。あとは壊れたりプレゼントしたり、お嫁に行った。

 ペン先はXF、F、M、B、XB、MIは使ってみた。Parker 75の特性を生かすならMが最高だとは思うが、筆圧が低い拙者としてはBニブ、それも仏蘭西製のBニブが最も手に合っている。米国製のBはコレクションとしては良いが、ペン芯の素材は仏蘭西製が最もゴージャスで好きじゃ。

 さて、何でこいつとの愛が長続きしないのじゃろうか?30分ほどいじくりまわした結果理由が分った。軸が短いからじゃ。今なら首軸後端のさらに1センチ上に人差し指を当てる感じになる。とすればキャップ先端は親指と人差し指が作る輪から外れそうになる。これでは書きにくい。しかし、首軸のギザギザがある所を親指と人差し指で挟むようにして筆圧をかけて書けば非常に気持ち良いことも分った。これはcentenaire26しゃんの為にあるような万年筆じゃな。

 そういえば、centenaire26しゃんはParkerのプリミアシリーズを金無垢モデルを含めて全部入手したとか。ペンマンインクを使うために集めたそうじゃが、実は必然じゃったかもしれんな。これからはParkerで檸檬じゃ! 【楽屋落ち】

2005-11-07 AM Parker 75 燻銀

写真のParker 75は銀燻し液に浸してからひまし油で拭いた物じゃ。写真よりもうすこし黒っぽい。

Posted by pelikan_1931 at 05:00│Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
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拙者もそうだったが、Parker 75 の初年度モデルを見たことが無い人が多い。一般にはフラットトップが初年度モデルと思われている。だがフラットトップは最初数年の間作られているし、市場に出ている数も非常に多い。本当の初年度モデルは写真のような首軸を胴軸にねじ込む部....
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この記事へのコメント
今週にでもフランス製のBニブが何個か入手出来そうじゃ。さてどれにとりつけるかな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月16日 18:55
燻しただけでは白くなる。そこから油を擦り込むんじゃ。ヒマシ油が一番じゃが・・・買うのが恥ずかしい。ホモ御用達じゃからな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月07日 22:50
銀燻し液というのが気になって取り寄せてみました。燻すと白っぽくなり、酷く汚れてしまいました。いったいどうすれば写真のようになるのでしょうか。
Posted by Mr.Snake at 2005年12月07日 21:28
溶剤は、インクを早く乾かすために混入させていた揮発性物質だと思われます。罪なことです。何故か多くの作家達が「早く乾く」という理由だけで採用していた。好きな作家が使っているから、という理由だけで多く使われたのだと思います。本当に罪なことです。

298さん
 冷静に冷静に。。(^_^)
Posted by stand_talker at 2005年11月07日 22:32
またNo.256を狙うライバルが増えたかと思うたわぃ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月05日 11:30
あれ!! あれーーー!! 寝ぼけてたようです!! 256ではなく298です。 最近800を足そうか45も足そうかなんて考えてると、元の数字もあやふやに・・・・(汗) やっぱり298で通します(笑)
Posted by 298 at 2005年11月05日 10:27
256しゃん

ペンマンインクはph(ペーハー)は7.0前後で中性。非常に安全なインクということであったが、溶剤がMontblancの限定品の素材を溶かすということが、川窪氏の実験でわかってから国内では大騒ぎとなった。海外でも同様の事故も報告されていた。
少なくともアウロラとモンブランはインク窓を溶かす。ペリカンもやばい!ということで、コンバーターで使うのがお奨め。

拙者はインクで冒険するほうじゃが、人には奨めんよ。

現在、1940年以前に製造のインクを実験中!
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月05日 08:55
Centenaire26しゃん

貴殿が高校生の時に購入したPatker25を、拙者は20歳後半で購入したのじゃが、、、

それまで東南アジアへの出張しかなかったが、初めて米国出張した際、ロスの空港で買った。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月05日 08:50
pelikan_1931 さん
楽しく読者させていただいてまーす。 
お父さんのサインがかっこいいっていいですね。 一本目の149はサインの一つも書くようになるといいなぁと買ったものですが、サインに使うことはまだありません。(笑)  一つ教えてください。末尾にペンマンインクが出てきましたが、モンブランには使えない危険なインクと聞いてますが、みなさんその危険なかほりにひきつけられるのでしょうか? 色がすばらしいとか・・?
Posted by 256 at 2005年11月05日 08:32
pelikan_1931 さん

なるほど高校生の時に、25に出会ったのも、運命だったのですね。(笑)
Posted by Centenaire26 at 2005年11月05日 07:22