2005年11月18日

海の名を冠した万年筆 CP7 アトランティック5

 聖書と呼ばれる【ランブロー本】著者のランブローしゃんの会社【Classic Pens Limited 】が2003年に世界限定250本で発売したCP7のアトランティックが写真の万年筆。flammevagueという蝕刻が施され、ZoomかMusicニブが装填されて発売された。日本市場では12.5万円くらいの値段だったと記憶しちょる。

 ベースは大好きなSailor Profit 80、しかも純銀軸となれば買わざるを得ない。拙者はZoom付で入手した。

 ところが、入手していくらもたたないうちに、丸善が同じくProfit 80をベースとした純銀軸(いぶし金)を発売した。こちらは定価5万円。同じような銀軸でこれほど価格差があると【安い】と感じてしまい、こちらも購入した。ま、前日に川口氏のペンクリでそそのかされたのが主原因じゃがな。こちらは通常のBニブ付。

 両方を購入してからじっくりと比較してみたが、やはり、豪華さという点ではCP7の方が上じゃった。銀が曇らないように上にプラチナでも鍍金しているのかも知れない。純銀軸に彫刻が入っている場合、溝の中が曇ってしまうと黒っぽくなって小汚い。シルバークリーナー液に浸してもなかなか綺麗にはならないものじゃが、CP7は曇らないで輝き続けている。曇った銀の美しさは特筆に価するが、それは平面状で曇った場合のこと。彫刻の中で曇るのはいやじゃ!

 Zoomのペン先を2〜3年前に凝っていた【縦横同じ太さの筆跡&ヌルヌル調整】にしてみた。最近ではヌルヌルよりも蛸調整がお気に入りじゃが、敢えてヌルヌル調整にした。

 この調整方法が好きな友人は2人いる。今回もその2人の間での虚々実々の心理戦を期待したのじゃが、先に来られた方にあっさりとお嫁に行った。ドラマは成立しなかったわけじゃ。数人が心理戦を展開している中に遅れて参入し、あっというまに獲物をさらっていくので有名な書の達人。彼が下のフロアーに到着したという情報が4階に伝わったとたんに、これと蛸調整の4本がお嫁に行った。お婿さんは、皆、その書家に獲物をさらわれた経験の有る方ばかり。

 登場の噂だけで万年筆を売る書家。ひょっとすると世界一の宣伝マンかもしれない。彼はそうして入手した万年筆に関してフェンテ紙上で入手経緯を細かく書く。そうするとお見合いが成立しなかった花婿候補たちは、悔しさが倍増されていたのじゃろうな。今年の花婿候補たちの動きは機敏じゃった。

 姿形は過去のCPシリーズの中では最高じゃと思う。これでピストン吸入式じゃったら、とんでもない値段にまで値上がりしたじゃろうな。

2005-11-18 AM CP7



Posted by pelikan_1931 at 05:00│Comments(13) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 | 万年筆
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この記事へのコメント
クリップを止める仕組みまでほとんど同じじゃ。
重要部分を接着剤で留めとるとこもな。 (T_T)/~~~
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月18日 18:57
pelikan_1931様

ベースはプロフィット80と思われますが、中の仕組みも同じでしょうか。
Posted by kure-1911 at 2005年12月18日 11:54
No.256にもこんな純銀軸が欲しいです。
Posted by 256命 at 2005年11月25日 22:56
立体視するとへこんで見えますな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月22日 23:59
このCP7の写真を立体視すると面白いですね。
Posted by 256命 at 2005年11月22日 22:46
浦島しゃん

大勝利おめでとうござんす。
黒インクはカーボン、緑インクはヌードラーズのグリーンだす。瓶の背が高いので重宝しとります。

書き味を出すならプラチナ・カーボン、細字にはヌードラーズ・グリーン。そのほかにはオマス・ベスプッチレッド、ペンマンサファイヤくらいしか使っておらぬ。

ギャザードは近日中に紹介。こいつも数奇な運命じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月20日 11:12
続き・その3

アトランティックと一緒にいただいたプロフィットギャザードのコンコルド、今内ポケットに挿してます。
本当に面白い1本です。
こちらも大活躍中です。

ところで、アトランティックに入っていた黒インクは、カーボンですよね?
ギャザードに入っていたグリーンのインクは、どこのインクですか?
とても良い色ですね。

Posted by 浦島 at 2005年11月20日 10:33
続き・その2

丸善の銀軸も持っていますが、アトランティックの方が容姿で水をあけていますね。
実用性でもアトランティックに一日の長があるようです。
丸善の銀軸は、キャップを尻軸に挿したときの安定性が悪いんですよ。
私のだけかと思っていたら、ペンクリニックで会った方が「私のも同じ」と仰っていました。
でも、丸善モデルもとても良い万年筆ですけどね。
これで5万は本当にお買い得でした。

Posted by 浦島 at 2005年11月20日 10:31
上の続きです。

遡ること2年。
ステピュラの1本では書家先生に対し一敗地にまみれた私でしたが、今回は借りを返した形です。
でも、私の場合、決して書家先生を意識して早掴みしたわけではないのですよ。
伏兵はどこにいるかわかりませんからね。
ご期待の書家先生との心理戦をお見せできなくてごめんなさい。
しかし、心理戦になったら、その時点でもう書家先生には勝てないなぁ。
書家先生は、即断即決ですからね。
Posted by 浦島 at 2005年11月20日 10:30
あっ!書き込めた!!
昨日は、どうやっても書き込めなかったのに。
書き込みの量の問題かな?
分割して書き込んでみます。

pelikan_1931さん、おはようございます。
いつも楽しく拝見しています。

あの日、CP7のアトランティックを掻っ攫った私は、今日もムヒヒとほくそえんでおります。
このペンのバランス、重み、姿の美しさ、そしてpelikan_1931さんの調整による極楽の書き味!!!
もう、もう、もう、素晴らしいの一言っす。
Posted by 浦島 at 2005年11月20日 10:30
コメントがかきこめないよぉ。
困ったなぁ。
Posted by 浦島 at 2005年11月20日 10:26
ご本人も、

【こねぇな、すげぇ営業はおりぁあせん。行かんでも売るけぇなぁ。宣伝料もらわなぁいけん!】

とおっしゃってたぞぃ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月19日 10:17
>彼が下のフロアーに到着したという情報が4階に伝わったとたんに・・
裏事情がわかるとそのときの慌しさが理解できましたぁ しゅごい影響力なんですねぇ いやぁ 楽しい
Posted by 298 at 2005年11月19日 03:54