一時マイナーブランドの万年筆に凝った。最初はCombo【万年筆とペンシルの合体】。次には独逸マイナーブランド、そして最後が英国のマイナーブランドじゃった。
英国のマイナーブランドの万年筆は比較的価格が安く収集はしやすい。また酷使された物が少ないため、作られた時代と同じ構成での入手が可能だ。
PelikanやMontblancなどは、ボディ、ペン先、ペン芯、クリップが別々の時代のものからアセンブルされたVintage品が数多く存在する。物を大事にする独逸人気質もあろうが、人気モデルでは注意が必要。拙者はMontblancのNo.256のBB付の前期モデルを持っておるが、完全に前期の部品を集めて一本の万年筆をアセンブルするのに、混合アセンブルのNo.256を3本購入した。【ペン先と尻軸刻印の合致】【薄いペン芯と無色インク窓】 の2つの条件さえ合えば完璧になる。
これに比べれば英国のマイナーブランドでは混合アセンブルを見た事が無い。そもそも規格化がされていないとか、定番モデルが少ないとうことが原因かもしれない。いずれにせよ購入する時の不安は少ない。
軸の模様は必ず確認してから購入するから問題は無い。書き味はそれ相応に調整できる。問題はキャップや尻軸がスムーズに回るかどうかじゃ。このあたりはマイナーブランドはそれなり・・・と覚悟していたほうが良い。はっきりいって英国のマイナーブランドで満足のいくものは少なかった。
そういう中で、Mentmoreのこの一本は非常に気に入った。3000円からせいぜい6000円程度で購入できるAutoflowというモデルのリザードスキン模様だが、ペン先の形状を見て欲しい。拙者が最近のM400系のペン先に施している蛸調整と同じ形状をしている。またペン先先端はOnotoのようにやや下向きに傾斜している。Pelikanのような曲線的お辞儀スタイルではなく、真っ直ぐにやや寝かせたというスタイル。しかも肉厚が薄いので柔らかい。
SwanやConway、Onotoなど英国メジャーブランドはすべからく柔らかいニブを持っている時代があるが、Mentmoreの絶頂期は、まさにこの柔らかい英国ペンの時代にあたる。うまく調整されたペン先からニュルニュルとインクが流れ出る光景は、いつもながら自己満足に浸れる最高の時間。この時間が永遠に続けば良いと思うのじゃが、朝起きると現実に引きもどされれている。