2005年12月19日

万年筆界の異端児 【エラボー】 またの名を 【FALCON】5

 パイロットは国内と海外とでブランド名や商品名を変えることがある。有名どころは、【キャップレス → Vanishing Point】そして 【エラボー → FALCON】 じゃ。PilotではなくNAMIKIブランドで販売しているところも共通している。

 今回の主役はエラボー、しかも初期型のエラボーじゃ。この誕生には大きな闇があり、それがエラボーの活躍を阻害していた・・・・・・


2005-12-19 Pilot_エラボー

 エラボーはパイロットと全国万年筆専門店会との共同開発といわれている。これは事実であるが、裏があるらしい。確証は無いが、全国万年筆専門店会とはセーラーが一番近く、2番目がプラチナ、パイロットは少し距離を置いていたらしい。

 全国万年筆専門店会の推薦万年筆は別の会社のものに内定していたが、それに対してパイロットが猛烈に巻き返しをし、全国万年筆専門店会の要望を100%受け入れる事を条件に共同開発という座を勝ち取ったとか。伝聞なので真実かどうかはわからぬ。

 エラボーを見てみるとものすごくコストをかけていることがわかる。最たるものはペン芯。なんと漆塗りである。塗り重ねているわけではないので、プチプチと気泡のような盛り上がりが経年変化で出てくる。不良品じゃ!とクレームつけたら漆ですから・・といわれてあわてて差し出した手を引っ込めた。貴重じゃ。新型になってからは漆塗りはやめた。

 そもそも新型にしたのは、作れば作るほど赤字になるほど製造コストが高かったから。そこで、コストダウンを図ると同時に定価を上げて収益化を図ったらしい。

 キャップの金の輪の細工、コンコルドの鼻先にも似た超柔のペン先、非常に凝ったつくりのクリップ。よくもまぁ、こんなにコストをかけたもんだと驚く!

 拙者は初期のエラボーが好きで良く使った。SF、SM、SBともに多少の調整で驚くほど柔らかい線を提供してくれた。唯一の弱点は嵌合式のため、首軸に傷が付き易いこと。この部分は新型になって改良された。

 ペン先の書き味も若干改良されて非常にお奨めな一本なのであるが、国内ではあまり販売に力を入れているようには見えない。海外では青軸も発売された。これは逆輸入で多くの万年筆ファンが持っている。なぜ青軸、赤軸、緑軸、黄軸を発売しないのじゃろう。万年筆ファンはこぞって買うと思うがのう。

最後に鳥海氏の【こだわり文房具】がフルハルターのHPに紹介されているのでLINKを貼っておく。ここにもエラボーの魅力が書かれている。



Posted by pelikan_1931 at 06:30│Comments(12) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのトラックバック
パイロットキャップレスの歴史は長い。拙者は中学校に入学した時に2000円の黒軸を買ってもらった。その時から廃盤になるまでに大きな変化は一回きり。ダブルカートリッジ式がシングルカートリッジになったタイミングだけだと思う。そのときに、クリップが下の写真のようにな....
NAMIKI Vanishing Point クーゲル状イリジウム付【万年筆評価の部屋】at 2006年04月16日 03:22
パーカーのT-1は世界初のチタン製万年筆であるが、あまりにコストがかかりすぎたためか、1970年に発表されて1971年には製造中止になってしまった。その後を追うように発売されたのがファルコンで、ステンレススティール製の軸とペン先だった。T-1がどちらかといえばずんぐ....
書き味はへんちょこりんだが、姿は綺麗! Parker Falcon【万年筆評価の部屋】at 2006年04月16日 03:20
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この記事へのコメント
並木良輔しゃん

書き味の差は個体差だけじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月04日 22:32
私は新エラボーしか所持していません。こんど旧エラボーを捜してみます。書き味の差はありますか?
Posted by 並木良輔 at 2006年01月04日 22:09
mothra-flightしゃん

ぜひおいでくだされ。ビッグレッドを忘れずにな。
みんな暖かいひとばかりじゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月21日 20:36
pelikan_1931さん
おかげさまで、ビッグレッドは小動物みたいにキュッキュッ鳴いてます。
エラボーのイリジウムですが、接写の能力がないためにどうも画像にはできません…すいません。
集いに蛮勇を奮って参加することがあったら…そのときにお願いします。
Posted by mothra-flight at 2005年12月21日 19:55
ジャスタスのペン先は薄いんじゃよ。エラボーは厚い。もしエラボーがジャスタスくらいに薄かったら、ものすごく柔らかくなったじゃろうな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月19日 22:52
pelikan_1931 様
頭が下がります 又 ご教授頂きました。
<<ペン先はもう少し、薄いペン先にしたほうが追随性が良いように<<
私には 具体的に どこを どうすれば 良いのか 解りませんが エラボウの書き味 悪くは 無いのですが ストレスを少々感じ ふだんあまり ONデスク では有りません(余談 ジャスタスの方が 登場率が 高いです。)
初期型は ペン芯。なんと漆塗り・ コスト度外視 等(万年筆店の オヤジ様の意見取りいれたのか?) 非常に参考になりました。
Posted by 京都和文化研究所 at 2005年12月19日 21:08
京都和文化研究所しゃん

エラボーを一切宣伝しなかったというので不思議に思ったのじゃが、売るほど赤字が増えれば、宣伝せんわな・・・
特に専用の金型やラインを持っているのでなければな。

エラボーのペン先はもう少し、薄いペン先にしたほうが追随性が良いように思うがな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月19日 20:11
mothra-flight しゃん

柔らかい書き味のカナダ製ビッグレッドはお元気ですかな?

> 表裏で互い違いに片方のイリジウムだけが平らに研磨

裏でも表でも同じ書き味にするために特注で研いだのなら別じゃが、不思議! 見てみたいのぅ。 いや、見せてくれぃ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月19日 20:08
stand_talker しゃん

プチプチの謎は不明

漆のペン芯に接している部分が先に乾燥して外側が斑になったのかなとも考えましたがな・・・不明。
ただ、平らに研げますよ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月19日 20:02
5
pelikan_1931 様 ありがとうございます。知らないことが沢山満載され 非常に嬉しいです。私も 下記のくだり 聞いたことがあります。<<全国万年筆専門店会の要望を100%受け入れる事を条件に共同開発という座を勝ち取ったとか。伝聞なので真実かどうかはわからぬ>>静岡の万年筆かわいのご主人に エラボウ開発時 専門店の主力が 全国から集まり新商品について 色々意見言い 開発に参加しました との話。・・・でもそんな経緯があったとは 非常に良い情報 ありがとうございます。 
余談・・・その時 ご主人は まだまだ オリジナル万年筆できる腕は有るが 部品調達が ゴム1つでも分けていただけず努力がたらんのかなぁ〜・・・・。 日本はまだまだ広く 今後見たことも無い万年筆出てくる可能性有り 楽しみにしてます。  
Posted by 京都和文化研究所 at 2005年12月19日 13:38
このペン芯の艶は何だろうと思っていましたが、まさか漆だったとは…
旧エラボー、嵌合式なので手軽に使えるくせにあの書き味。重宝してます。

ところで手元の個体は新古品で入手したものですが、表裏で互い違いに片方のイリジウムだけが平らに研磨してあって、よく市場に出たなあって一品です。書き味は問題ないと思いますけど…
Posted by mothra-flight at 2005年12月19日 10:57
>漆のプチプチ
 これって何なのでしょうか? 僕もペン芯でプチプチが出てきているものがあります。しかも購入時、新品の時からです。エボとの相性でしょうか。謎です。ボディにプチプチが出ていたら検品でハネられますよね。(^_^)
Posted by stand_talker at 2005年12月19日 08:02