2006年02月24日

どんなルーペを使うのか？5

　万年筆のペン先を調べたり、軸の傷を調べたり、はたまた日常的に持ち歩く為のルーペは何が良いのだろうか？　これはペン先調整に挑戦し始めた人が最初に悩む点。拙者も相当になやんだものじゃ。
2006-02-24 ルーペ　
　金ペン堂で拝見すると、かなり倍率の低いルーペを30�儖幣緻椶�ら離して使っていた。詳細は過去のkugel_149しゃんのblog参照。
　
　ペンクリなんてなかったので、他でルーペを使っているところを見ることもない。貿易センタービルにあった、モンブラン・サービスセンターで、森山さんに当たる確率は10%程度。しかも確認はかならず奥でやるのでルーペの使い方などわかりはしない。

　当初倍率の低いルーペを目から離して使おうとしたが、近眼・乱視にもかかわらず眼鏡はレンズに接する時にはしない主義じゃった。カメラも眼鏡をかけては使用せず、必ず-5の視度補正レンズをつけていた。1960年代後半のミランダかトプコンには乱視用の視度補正レンズまであった。要するにレンズを覗き込む時には眼鏡をかけてはいけないのね！という刷り込みがあったので、いまだに眼鏡をかけてレンズは覗けない。　

2006-02-24 ルーペ 2　左はとりあえず現在持っているルーペじゃが、�＾奮阿魯▲�セサリーみたいなもので、ほとんど使わない。

　�，�15倍で通常の調整時に愛用している。どこでも使えるように家の中に5個くらい転がっている。安いので無くしても気にならない。

　�△�22倍でイリジウムの表面の光を確認したい時に使う。せいぜい２ケ月に一回程度。視野が狭く、深度も浅いので15倍のルーペと同じ要領では使えない。

　��は30倍。非常にコンパクトで良いが、あまりに深度が浅くて使う気になれない。必要性があったことは無い。

　�い�25倍。ＤＩＭＥのパイロット工場訪問漫画の中で、パイロットでは全ての工程で25倍のルーペで確認している・・・という説明があったが、あれじゃ。パイロットの人からいただいたので本物。使う際には、目から30�僂曚瀕イ靴董▲ぅ螢献Ε爐寮菽爾世韻魍稜Г垢襪茲Δ犬磴�、拙者の場合目から30�冦イ靴臣奮�で30�兩茲望播世�合わない。従って目にくっつけて見ることになる。流石に明るくて見やすいが、深度が浅いのはいかんともしがたく、めったに使わない。非常にコンパクトなので、ペンクリキットには15倍のとともに鎮座している。イリジウムにスが入っている疑いがあるときの確認用やＥＦのイリジウムを見る時に使う。

　�キΔ魯�ズミというやつで、プロはこれを使う人が多い。眼鏡をかけてイリジウムを見るにはこれしかないのと、慣れてくれば倍率を上げなくても調整の出来は確認出来る。拙者はまだ書いてみないと安心出来ないがな。

　結論から言えば、どの倍率のルーペを使うかは感性しだい。どれを使うと気持ちよくなれるかが勝負じゃ。拙者は７倍から顕微鏡まで試してみたが、やはり15倍が最も使いやすかった。

　15倍で見た感覚で調整方針が浮かぶようになっているので、他の倍率では何も考えられない。見てもふ〜ん！となるだけじゃ。ルーペを使う真の目的は見る為ではない。調整の全体像を頭に叩き込む為じゃ。従ってイリジウムの一部にしかピントが合わないものではイメージのしようがない。プロの倍率が極端に低いのは、イリジウムだけではなく、ペン先全体としてのバランスをも見たいからではないかと想像している。カモノハシ調整などは、ニブ先端近くを細く削る。そうすると当たりが柔らかくなりしなりが出てくる。前と同じ筆圧で書くと、イリジウムが紙に接する角度が微妙に変わる。また紙に接する範囲が拡大する。となればスイートスポットの位置が変化し、削る位置も変わる・・・
　調整は部分に対して行うのではなく、全体に対して行う。ペン芯とペン先の位置、ペン芯の上で左右の張りがバランス取れているか、ペン先に傷は無いか・・・・　そういう全体感を把握する為のＴｏｏｌがルーペ。単なる確認用のモニターではなく、攻撃用照準なのじゃ！
武器は使いやすくなければならない。バズーカー砲を持った初心者よりも、竹やりの熟練者の方が強いようにな。

　ルーペ議論になるとつい熱くなってしまうが、ルーペは攻撃用と心得よ！ということじゃ。　　　　　　　　　　　　



Posted by pelikan_1931 at 08:00│Comments(14)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック │周辺Goods | 万年筆
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この記事へのコメント
そうそう、近寄らん方が良いぞ。
拙者もライカだけは近寄らんようにしておる。
ツァイスは６６で使ったな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月26日 23:48
pelikan_1931さん、黒船さん、こんばんは。WAGNERカメラ（レンズ）分科会。恐ろしくて近寄ることも出来ません。ライカ、ツァイス！この世界に一歩でも踏み込むとえらい事になる、と自分の性分を思い崖っ縁で踏みとどまっています。
Posted by mizuho at 2006年02月26日 23:02
父はジンマーＳを使ってました。暗箱でした。
Posted by 黒船 at 2006年02月26日 22:32
カメラのレンズの話になると、WAGNERの面々はうるさいですぞぅ。
さすがにタンバーグが良いとか、エルマーを舐めて使えと言う人は少ないがな。
いちど、とことん語らせて見たいもんじゃ。その後で、作品を持ち込んでいただく・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月26日 16:27
ポートレート用の名玉、オリンパスとペンタックスの懐かしいレンズ。私も学生時代ズイコー28ｍｍＦ3.5と50ｍｍＦ1.8の二本を愛用しておりましたが、ルーペにも中望遠開放でピントを一点にキリリと合わせ前後ボケを生かす、広角で絞って被写界深度をかせいでスナップを撮る、といった使い分けがあるのですね。ルーペにも倍率と開放値が表示してあると便利？
Posted by mizuho at 2006年02月26日 12:18
ルーペにも用途があるようじゃよ。

確認用ルーペは一点だけ高解像度で見え、それ以外はわざとボケが大きい設計。プラナーの85��F1.4みたいなものじゃな。
調整用ルーペは周囲まで解像度良く見える必要がある。
オリンパスの21��F3.5か、オートタクマー35��F3.5。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月25日 23:25
pelikan_1931さん。ご教示を頂き有難うございます。趣味のカメラ（写真）のレンズ購入の際の楽しい悩みと共通点を感じます。単焦点の明るいレンズと、暗いズームレンズでファインダー越しの被写体の見え方に違いがあるように。レンズの中心で見る分歪曲収差は気に止めなくても良いようには思えますが。見るだけから、調整へ。私の万年筆の興味の焦点！
Posted by mizuho at 2006年02月25日 22:44
mizuhoしゃん

見るだけか、調整構想も立てるかによって倍率はかわるでな。視野、ボケ、焦点深度・・・総合的に加味してじっくりと決めなされ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月25日 22:09
ルーペ選択の基準。「どの倍率のルーペを使うかは感性しだい。どれを使うと気持ちよくなれるかが勝負」。写真用の5.5ｘ、15ｘを持っていましたが、最近キジミを知り、8ｘ、10ｘと増え机上に四つのルーペが鎮座しております。日々ペン先を見つめ私にとってベストなルーペを決めて行きたいと思います。
Posted by mizuho at 2006年02月25日 14:32
らすとるむしゃん

ＥＦなどを調整するには３倍ではちとたらんかな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月24日 22:31
２９８しゃん

皆、自分が慣れ親しんだ物が最高なんです。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月24日 22:30
いや、お恥ずかしい！！。
師匠もご存知かと思いますが時計用のルーペ（たしか2〜3倍）しか持っていません。これは両手が使えるので見ながら加工出来ますので・・・ずっとこの方法でやっております。ちょっと変でしょうか？？。ニブの両サイドを削り落としたりする場合ルーペで見ながら削っています。イリジュームの成形も見ながら削ります。自己流もいいところですね！！。
Posted by らすとるむ at 2006年02月24日 21:00
ルーペの見え具合もいろいろあって面白いですね。　印象に残ってるのが・・　ニコンの宝石鑑定用の１０倍というのが値段のせいか良く見える気がしました。（買ってません TT ）　それと・・田舎の萬年筆店のおじさんが使っていたルーペで非常に視野が広い感じがしましたね。　倍率聞くの忘れてましたが　『こりゃぁ　萬年筆用じゃけぇ　そりゃぁよう見えらぁ』ということでした。　使いこまれているものの風格がありました。
Posted by ２９８ at 2006年02月24日 14:23
kugel_149しゃんの生地見の記事は10月21日じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月24日 09:56
 
 
 
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