2006年02月27日

Pilot Coarse と Sailor Zoom は似ていた!

2006-02-27 Pilot 軸 先日、通称【悪魔の館】あるいは【やかた】と呼ばれるユーロボックスで2本の国産万年筆を入手した。片方には【H977】という刻印がある。


2006-02-27 Pilot 正面 これは1977年の9月に製造されたニブであることを表している。今から30年近く前に作られたペン先。状態はMintでまったくの未使用。それが発売当時の定価で入手できた。極太&ミュージックのペン先コレクターの拙者にとっては無常の喜びじゃ。帰宅してから調べてみたらキャップの金色部分が長い方の万年筆は3本目だが、全て同じペン先。目に付くと今までに買った物の記憶は吹き飛び、欲しい!という気持ちだけが急上昇するようじゃな。

2006-02-27 Pilot 拡大

 2本のニブを拡大してみると【COARSE】との刻印がある。そう超極太のコースニブじゃ。最近ではPilot 823のコースニブをフルハルターで研いでもらうのが流行している。拙者も一本研いでもらった。オリジナルよりもかなり太い字が書けるような気がする。拙者はインナーキャップを外してペン先が外から良く見えるようにして使っている。もちろんキャップを締めた時にクリップがペン先の真上になるようにペン先の位置も調整している。話は脱線するが、なぜ823に黒いインナーキャップをつけて売るのかさっぱり理由がわからない。無いほうがはるかにエレガントなのに・・・ずっと以前にPilotの人に聞いたら【インナーキャップが無いと、ペン先のインク汚れが目立つから・・】という理由じゃった。ボロ隠しかよ・・・ そういう理由よりも【立派なペン先を見て欲しい!】という前向きな気持ちで堂々とインナーキャップを外して欲しい。


2006-02-27 Pilot pen先 現代のコースニブの原型ともいえる1970年代の【COARSE】はどんなのかな?とルーペを覗いてびっくり!現代のコースは大きくて卵型のイリジウムで【どうにでも調整して!】とでも言いたげな形状。ソレに対して当時のCOARSEは左の写真のようにすっぱりと斜めに切り落とされている。切り落とされた表面には縦に筋のような削り跡が残っている。2本ともじゃ。

 そのままインクをに浸して書いてみたが、どうにもザラザラする。接紙面積が広いので削り跡は問題ないと思ったが、やはり現代の上質紙の上ではザラザラが気になる。一本を2000番/5000番の耐水ペーパー、金磨き布で調整し、最後にエッジだけ15000番のラッピングフィルムで舐めてみた。非常に気持ちよく書けるペンに激変したが、それは拙者がイリジウムの角度に合わせて書いたから。この角度が合わなければ酷い事になったろう。
 何かに似ていると思って比較したら、セーラーのZoomの研ぎにそっくり!Zoomでは切っ先に近いほど細くなる研ぎをして字幅の変化を持たせる工夫をしている。どうやらこの時代のCOARSEはその後のPilotのコースニブとは趣を異にした作品らしい。拙者はこの時代のCOARSEも現代のコースも、はたまたSailorのZoomも全て好きじゃ。

 これは仮説じゃが、この【COARSE】ニブは店頭で調整してから売るのを前提としたニブではなかったのか?そうでなければ削り跡があれほど残っているペン先は売れないじゃろう。ま、それだからこそ、30年後にMintの状態で入手出来るのだから文句言う筋合いは無い。

 もし店頭調整を前提としたニブだとしたら・・・それはこれからの時代にこそ必要なニブではないか! このニブは登場が30年早かったのかも知れんな。



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
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この記事へのコメント
並木良輔はん

純正のルーペは中心にしかピントが来ないから難しいぞ。
アクセサリーにしては安っぽいし。
やはり実用品じゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年03月15日 22:05
私も25倍のルーペが欲しくなりました。
いえ、使うわけではありません。
パイロットファンとして持っておきたいだけです。
Posted by 並木良輔 at 2006年02月28日 21:31
昔は、営業の人も25倍のルーペ携帯が必須で、販売店のオヤジさんと丁々発止のやりとりが出来ないとダメ!といわれたそうじゃ。
そういう営業が継続できれば変わっていたかも知れんな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月28日 07:44
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pelikan_1931 殿

よんだ結果 了解しました。
ところで 今回の ニブについて 調整出きる 販売店は 本等の意味で 本来の万年筆の販売が カスタマイズに出きるのですが? 当時 学校の購買部等 P社は幅広い販売ルートを持っていた と考えられ 逆に販売店にノウハウが 無いと 非常に不味い 結果として ・・・・・・・・・・・ も考えられ 販売先教育から 行うには 当時無限大に 広がるマーケットを コントロール出来なかったのか? これが BPに負けた又 欠陥品として 万年筆暗黒の時代に突入の トリガーだった とも考えられる。 ・・・・ 作り手と 販売先 の ズレ は 恐ろしい結果を 生むのですね。
Posted by 京都和文化研究所 at 2006年02月28日 05:47
京都和文化研究所しゃん

読んだ結果を教えてくだされ。
本がMINTなのでなかなか開けんのよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月27日 23:23
5
pelikan_1931 殿
私はまだ 色眼鏡で見てますが 確かに1929年に発刊書物に(書物とゆうことは それ以前)に シャイベンに相当するニブが有り 又それを書き始め→二十万文字→六十三万文字付近の書き味テストを やっている事実が有り 3歩も100歩も下がって土下座もので 今全盛期の万年筆に嵌ってます。
Posted by 京都和文化研究所 at 2006年02月27日 23:01
京都和文化研究所しゃん

kugel_149しゃんに教えてもらったが、Pilotの万年筆と化学には1928年ごろ既に、シャイベンに相当する匙ペンという研ぎ方が紹介されていたらしい。Pelikanが万年筆製造を始める前にそこまで行っておった。創業から20年もたたないうちにな。そういう意味では、その時代のユーザの厳しさはあんしゃんのいうとおりかもしれんな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年02月27日 22:38
5
pelikan_1931 殿
<<この【COARSE】ニブは店頭で調整してから売るのを前提としたニブではなかったのか?>>!!!・・・・・・・・。
凄い仮説です。当時の老舗万年筆専門店の殆どが OEMで各地で自店万年筆を 製造販売しており 当然ニブ調整もある程度は出来たと考えられます。
又現代の万年筆より 約80年前の方が完成されていたのも 事実として上げられ(圧倒的に使用する人口が違う 文化国化の全国民・全世界人口)為
・・・・・・・国産品に対して書き味は今より 厳しい眼を標準で持っていた!!と考えられる為。 pelikan_1931 殿凄いアングルで見られ さすがです。


Posted by 京都和文化研究所 at 2006年02月27日 21:20