2006年04月12日

伝説のセーラー プロフィット 80 その2 ペン先の変遷

2006-04-11 Sailor 2  元々セーラーのProfit 80には18金のペン先がついていた。そしてあまりに高価な為、かなり長い期間売れないで店頭に残っていたように思う。メーカーに返品されたものも多かったのではと想像する。

 その後、Profitの主流が21金になり、長刀やクロスポイントが出現して以降は、Profit 80のペン先も21金製の特殊ペンをつけて、ペンクリ会場で売られるようになった。そこで人気が沸騰したのじゃ。川口さんの有名な【これが最後の一本!】攻撃にあえなく轟沈した人も多いのではないかな。

 実はProfit 80についていた18金ニブはすごく良いものだったらしい。一度川口さんのProfit 80 with 18金 H-Fを試させてもらったことがある。あれは・・・・

 第一回目の【世界の万年筆まつり】の会場でのこと。第一回目だけは万年筆倶楽部【フェンテ】もブースを出していた。目的は万年筆初心者に興味を持ってもらうため。万年筆の買い方を指導したり、インクの楽しみ方、手帳の選び方、関連書籍の紹介に加えて、簡単なペンクリもやっておった。拙者も期間中に2日ほど休暇を取得して参加した。

 ある時、【万年筆の調子が悪いんですが、直してくれませんか?】という聞き覚えのある声。顔を上げると川口さんと森山さんが目の前の椅子にすわってニッコリ微笑んでいる。さすがに【ほほう、見せてみんしゃい】とは言えず、談笑するのみじゃった。

 その時に川口さんが書かせてくれたProfit 80 18C H-F付が、今までで一番書き味の良い細字!これには仰天した。もう一度遭遇したいものじゃ。

2006-04-12 Sailor Nibこれが現在ついている【初期クロス】じゃ。ジュニアがクロスを作るようになって以降は【クロス・ズレ】と呼ぶ。一般的には後者の方が引っ掛かりが無くて良いが、Profit 80は軸が短め、キャップが太めなのでどうしても首軸に近い位置を持つ方が安定する。その場合、【クロス・ズレ】じゃと筆記角度が合わない。従って【初期クロス】を装着し、ペン先におまじないをかけて絶品とした。

 クロスの調整には拙者の得意技である【金磨き布8の字旋回】が出来ない。やるとクロスの切れ目に繊維が大量に巻き込まれて酷いことになる。従って別のおまじないが必要となる。

 セーラーの大型Profitのペン芯は秀逸な設計じゃ。従ってクロスのように大量にインクを消費する場合にもインク切れはほとんど無い。エンペラーの効果も【ささやかな呪文】程度じゃ。キングコブラ・裏クロスをエンペラー無しで使っていたがインク切れは皆無じゃった。

 現在、このProfit 80 + 【初期クロス】のコンビに嵌っている。それにつけても大型コンバーターが欲しいのぅ。今年の限定品は回転吸入式じゃとの噂あり!期待しているぞ!


Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(16) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Blog紹介 
この記事へのトラックバック
 これはセーラーが以前発売した象牙軸の万年筆をデスクペンに改造し、ペン先をクロスポイントに変えたものだ。自分で買ったのではない。2対2の大型トレードで入手したもの。もう何年も前になる。拙者の出し物; 1:Montblanc No.139 Bニブ付 【ヘミングウェイの原型】....
セーラー 象牙デスクペン with クロスポイント 達筆者用【万年筆評価の部屋】at 2006年04月18日 06:07
 聖書と呼ばれる【ランブロー本】著者のランブローしゃんの会社【Classic Pens Limited 】が2003年に世界限定250本で発売したCP7のアトランティックが写真の万年筆。flammevagueという蝕刻が施され、ZoomかMusicニブが装填されて発売された。日本市場では12.5万円くらいの値...
海の名を冠した万年筆 CP7 アトランティック【万年筆評価の部屋】at 2006年04月18日 06:05
 拙者は32歳から44歳の間、煙草を吸っていた。学生時代は【麻雀、パチンコ、酒、煙草、競輪、競馬、ボーリング、スキー、スケート、ビリヤード】は不良のやるものと定義し、一切手を出さなかった。(もっと楽しいことが多かった) そんな拙者が煙草に手を出したのは結....
セーラーの純銀軸 実は鏡面仕上の銀軸は珍しい【万年筆評価の部屋】at 2006年04月18日 06:03
 セーラーのエグゼ・ラッカーは好きな万年筆ではあったが、非常に短期間しか作られなかった。しかし、その短い時間の間でも一回モデルチェンジしている。そのモデルチェンジの真意は何か?  その真意とは・・・・おそらくは部品の共通化によるコストダウンと、店頭で....
最後のプロフィット・エグゼ・ラッカー【茶軸】【万年筆評価の部屋】at 2006年04月18日 06:01
 拙者がセーラーのProfit 80を入手したのは銀座三越デパートの万年筆売り場。発売前からボールペンとのセットを濃淡2セット予約しておった。1セット10万円だったかな? 発売は1991年。そうヘミングウェイが発売される前年じゃ。まだ限定品がもてはやされる以前じゃし、国...
伝説のセーラー プロフィット 80 その1 【軸について】 【万年筆評価の部屋】at 2006年04月18日 05:59
 拙者がセーラーのProfit 80を入手したのは銀座三越デパートの万年筆売り場。発売前からボールペンとのセットを濃淡2セット予約しておった。1セット10万円だったかな? 発売は1991年。そうヘミングウェイが発売される前年じゃ。まだ限定品がもてはやされる以前じゃし、国...
伝説のセーラー プロフィット 80 その1 【軸について】 【万年筆評価の部屋】at 2006年04月12日 05:19
この記事へのコメント
とうとう浮気するようじゃな・・・
もっともWAGNER(ペリカン愛好家)なんぞ、【Rouge et Noir】と改名を考えなければならないほどのMontblanc愛好家ぞろい!
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月04日 14:23
プロフィット80は諦め、セーラーの95周年をに期待することにしました。
Posted by 並木_水兵_3776 at 2006年05月04日 12:24
そういう場合はハンドルネームを変えればよい。
並木_水兵_3776なら国産どこでもいけますぜ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月17日 21:18
軸の美しさには心惹かれますが、ハンドルネームからしてセーラーは無理?
Posted by 並木良輔 at 2006年04月17日 19:32
Dahliaしゃん

正式には黒柿軸は無い。じゃが、製造の試行錯誤の過程で作っていた可能性はあるな。川口さんが持ってたような気もするがな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月14日 16:32
2時間で!? そんなに早く艶が出るモノもあるんですね・・・。
80周年にクロスを付けたモノはよく聞きますが、きっとえもいわれない書き味なんでしょうね・・・。 太字の極み、一つは欲しいものですw

ところで、80周年には、ブライヤーでなく黒柿を使ったのがあるそうですね、木の軸が好きなもので、一度は見てみたい逸品です。
Posted by Dahlia at 2006年04月14日 15:26
Dahliaしゃん

> どれくらいかかりました?そこまで到達するのに?

いやなに・・・購入してからの累積使用時間は、まだ20時間くらいじゃ。
はがしてもらった後のスリスリもほんの2時間くらいでビカビカになったので、かえってがっかりしたほどじゃ。せっかくマットにしたのに!ってな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月13日 07:10
5
80周年はバランス、木目、手触り、キャップリング、どれをとっても僕の一番のお気に入りです(笑) 特に、書く時に気に入ってるのが、ねじ山が金属であること、ネジの尻軸方向に数ミリいった所にある段差が樹脂製のプロフィットにあるですが、ブライヤーにはその段差がない点が、胴軸の一番ふっくらしたところから、じ山にかけてを握って書く癖の僕には実に気持ちよく書け、重宝します。 

ところで、pelikanさんのブライヤー、美しい艶ですね・・・、
羨ましい・・・。 

どれくらいかかりました?そこまで到達するのに?
Posted by Dahlia at 2006年04月13日 03:41
最後の一本以外は18金のオリジナルのニブじゃったが、最後の一本だけは特別のニブがついていた。

ちなみに、Profit 80 以外なら、【最後の一本!】といわれてつい購入したのは、それこそ、星の数、いや星の角(6角)ほどじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月12日 22:12
うーん、最後の1本って言われるとうれしくて
ついつい手が伸びますよね
それにしても最後の1本を2度経験されるとは、
これはこれでうらやましいです
Posted by のもろぐ at 2006年04月12日 21:53
kure-1911しゃん
買った本数はもっとずっと多いが、部下の結婚のお祝いやペントレなどでずいぶんとたくさんお嫁に行った。お祝いだけで5本かな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月12日 21:14
師匠は三越で2本、川口さんから2本の計4本購入されたのですか?
Posted by kure-1911 at 2006年04月12日 21:04
最後の一本は少なくとも20本はあったじゃろうな。買った人を10人以上しっているでな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月12日 20:41
師匠

それでは・・・計算が合いませんね!!。
めだかさんを含めると「最後の一本」攻撃は何人いたのでしょうか?。
しかし、今は評価の高い万年筆に変身していますね。羨ましいです。
Posted by らすとるむ at 2006年04月12日 20:18
拙者は最後の一本を2本買った。 不思議じゃ!
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月12日 19:27
私も、池袋東武で川口さんから筆圧測定のついでに「最後の一本」攻撃を受けました。「これくらい書き味が良いと、筆圧がガクンと下がるでしょ」と。その翌々日には名古屋でペンクリとのことで、次の日まで1日悩む余裕がありましたが、結局買わずじまい。買っておけば良かったと、あとから大変後悔したのを覚えてます。
まだ、フェンテの存在も知らない頃でした。
Posted by めだか at 2006年04月12日 17:48