2006年04月18日

プラチナのミュージック・ニブ 【その1】5

 30才のころ、1年間の異業種同部門交流研究会に参加していた。会社のお金で就業時間中に他社の同部門の人と集まって研究会を実施し、1年間の仕上げに共同執筆で論文提出が義務付けられていた。通常は月に1回、5時間の会合じゃが、論文の提出期限が迫ってくると月2回になったりする。都合15回ほど(合宿も含めて)交流会を開催した。

 業種は違えども同じ仕事をしている人の集まりなので、悩みはまったく同じで、非常に話が弾んだ記憶がある。WAGNERはどうか?職業も年齢も性別もイロイロ、唯一共通しているのが【万年筆に夢中】ということ。悩みを共有しているのではなく【悦楽を共有】しているので、よりいっそう盛り上がる!良いですぞぅ!

 その異業種同部門交流研究会では毎回議事録を取った。当時はワープロなんて一般的ではなかったので、書いた議事録がそのままコピーで出回る。従って若手で読みやすい字を書き、まとめが上手な人が選ばれ、毎回議事録を取ってくれた。

 彼が議事録を取っている様子を見ると、万年筆で書いている。しかも横細、縦太の字で非常に読みやすい。紙の一番上に書かれた【議事録】というタイトルは、斜め線をほとんど使わないほれぼれするようなイタリック調の文字で書かれていた。聞けば楽譜を書く万年筆で書くとか。会社でも若手なので議事録を取る係りにされることは多く、慣れていると豪語していた。彼のすばらしいところは議事録を取ってはいても、ちゃんと議論に参加していたこと。当初20人くらいいた研究会が組織変更や転勤で最後は6人くらいまで減り、論文執筆は泣きそうだった。なんとか入賞をいただいたのも全て彼の綿密で読みやすい議事録のおかげ!と皆で感謝したものじゃ。

2006-04-18 プラチナ Music 001 彼が使っていたのが、このプラチナのミュージックじゃ。かなり使いこまれていたが間違いない。当時の複写機は青字ははっきり出ない事もあって議事録は黒色と決まっていた。彼は当然カートリッジを使っていたが、必ずスペアインクを1箱持ち歩いていた。

 実はこの事実が根底にあって拙者が万年筆を買おうという気になった。あの【うまくはないが読みやすい字】にあこがれてな。彼は【この楽譜用の万年筆で書くと下手な字がちょっとはマシに見えるんです】と言っていた。

2006-04-18 プラチナ Music 002 ペン先を拡大してみると、スリットが斜めに2本入っている。上のスリットはハート穴のやや下にずれているのがほほえましい。ハート穴もスリット切りも通常の自動化工程では出来ないのでおそらくは手作業。1万円程度の万年筆に手作業のペン先というのは非常にお徳じゃな。

2006-04-18 プラチナ Music 003 このプラチナのミュージックが他社のミュージックと大きく違うのはペン先の厚さが異常に厚い事。真横から見ると左のようになっている。
イリジウム近辺の厚さはエラの部分の5倍もある。ハート穴近辺もけっして薄くない。結果として非常にガッシリとした字が書ける。ミュージックペンというと、ペラペラの書き味になりがちじゃが、プラチナのミュージックはガッシリとしていて、むしろ通常の太字としても非常に魅力的。いまでは伝説になったプラチナ・スクリプトには及ばないが、このミュージックも相当すごい。彼の性格からして無造作に選んだのではないはず。おそらくは各社のミュージックを試して、自分に一番合ったものを選んだのじゃろう。

 ふと彼に会いたくなった  ・・・ 万年筆は思い出も増幅してくれる ・・・



Posted by pelikan_1931 at 07:00 │Comments(21)この記事をクリップ!万年筆 
この記事へのコメント
stylustipしゃん

Soennecken中心でお願いします。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月09日 14:03
昨夜脳内棚卸しをしてみました。
(ペンシル含む)
Wagner:10ぐらい
モンブラン:17ぐらい
Soennecken:6ぐらい
プラチナ:ミュージック2本
パイロット:3本
セーラー:1本
小さいの:2本
あと、空を飛んでいる最中なのが3本(カヴェコ、Aurora、不詳)
まずい、Wagner劣勢。当日の寄付受け付けます。
Posted by stylustip at 2007年06月08日 08:06
stylustip しゃん

持てるだけ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月08日 07:37
大阪大会には何を持って参上いたしましょうか?
て言うほど、持っては居ませんが。
pelikanの本数が少なかったらどうしましょう。(冷や汗。)
Posted by stylustip at 2007年06月07日 20:49
二右衛門半しゃん

そういえばこの個体は地球マークが刻印されてますな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月07日 02:56
羅焚屋しゃん

WGは銀の含有量が多い合金なので、ペン先の特性としては通常のものより良いようですな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月07日 02:55
こちらのが持っているものはPマークのですから現行品に近いのかも?
上に18K、下にMUSICとあります。
Posted by 二右衛門半 at 2007年06月06日 00:07
自分のWGミュージックはフルサイズの長いやつです。
名称はわかりませんが、プラチナ・プラチナのフルサイズスターリングシルバーの同型機種です。自分の知る限り3つのパターンまでは、見たことがあります。今回のは3つの内、始めて見るものでした。ところでWGミュージックは硬い中にも、一種のしなやかさがあるようです。
Posted by 羅焚屋 at 2007年06月05日 22:08
二右衛門半しゃん、stylustipしゃん

プラチナのミュージックは実に良い品じゃ。
大阪大会に集結させたいものじゃが・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月05日 21:15
同じ形状の革巻き風赤色のプラチナ・ミュージックを持ってます。
分厚いニブはしっかりしていて頼もしいですね。
Posted by stylustip at 2007年06月05日 17:14
そういや、手元にプラチナのミュージックニブ付き極太軸が一本ありました。
インキ止め式で軸本体は身元不明、ペン先は後付ですが、149より太い。。
リビエール型のペン先です。
厚み、確認してみます。
Posted by 二右衛門半 at 2007年06月05日 06:52
羅焚屋しゃん

柔らかさを追求しないニブには硬いニブがよさそうですな。
硬いといえばプラチナ合金のニブじゃが、そちらにはミュージックニブはないこかなぁ・・・

プラチナプラチナ・ミュージックなんてのが見てみたい。

おぬしが手に入れたホワイトゴールドのニブが付いたモデルの名称は何でしょう?短い軸ですか?
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月05日 06:40
お久しぶりです。以前アマゾンについて書かせてもらった羅焚屋です。私もプラチナミュージック(ポケットサイズ)は10年前に購入しました。所蔵のシェーファーライフタイム、エリオット等の大型ニブよりもはるかにぶ厚いのには驚きでした。(これで当時3千円とは…)
そしてこの度、ホワイトゴールドのミュージックを手に入れました。ボディはストライプのスターリングシルバーで、全体的にガッチリとした印象です。重みのあるシルバーとミュージックの組み合わせは、とても良い具合です。
Posted by 羅焚屋 at 2007年06月04日 22:46
ずわいがにしゃん

見においでなされ!
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月23日 20:55
pelikan_1931 さん

プラチナ・スクリプトと違うのはどんなところでしょう?
Posted by ずわいがに at 2006年04月23日 09:41
京都和文化研究所しゃん

ミュージックニブは世界中でプラチナが一番じゃろう。
ただ最近出た、OMASのミュージックは気になっているのじゃがな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月19日 05:17
mochidukiしゃん

それをUSAでは、Scriptと呼んでいるはずじゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月19日 05:16
5
プラチナのミュージック良いです!!
私は ペン先だけ入手し プラチナの絵が付いた 万年筆に付け替え使用してますが格別な書き味。私には解りませんが 2本のスリットが斜に 入りどうゆうわけか インキの出かたが非常に良く 筆記ラインも面白い。 不思議な ニブ。
Posted by 京都和文化研究所 at 2006年04月19日 00:04
>いまでは伝説になったプラチナ・スクリプト
もう手に入らないのでしょうか。JISマークのないミュージックニブ付き#3776はオアゾ丸善にありましたが。
Posted by mochiduki at 2006年04月18日 23:57
今から20年以上前であることは確かじゃろうな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年04月18日 21:50
地球マークということは・・ 先代社長のころなんですかね??
Posted by 298 at 2006年04月18日 21:41