この超長軸Sailor Profit モザイクは、ずいぶん以前に長原先生のペンクリにうかがった時に、コンコルド・エンペラーのペン先付きで購入したものじゃ。万年筆のかなり後ろを持って書くのが好きなので超長軸を待ち望んでいた。
日ごろからキャップを後ろに挿すと飛躍的に長さが伸びる【オマス・パラゴンシリーズ】を愛用していたので、このセーラーの超長軸を見たときには即座に【くだされ!】と声を上げた。
拙者はエンペラーは好きではない。せっかくの美しいペン先の模様が無粋な金の板で隠れてしまう。そこですぐに外してしまう。
ただし、外してしまうとペン先がぐらつく。Sailorのペン芯の精度はおそらく世界一であろう。従ってエンペラーを首軸に突っ込む為に、ペン芯の下側を削ってスペースを上に作り、その隙間にエンペラーを突っ込んでいる。そのため、エンペラーを外す時にはペン芯を新品と交換する必要がある。
コンコルドを超長軸で使うと非常に面白い。先生いわくの【ショベルカーの運転台でから操作しているような感じ】がする。あるいは内視鏡手術のような感じかも。自分の手ではないもので書いている感じじゃ。
その後CP7を購入したところペン先がMSの大型ニブだった。このニブは待ち望んでいたものだがCP7には似合わない。CP7には長刀太字が似合う。そこで軸とペン先の組み合わせをイロイロ変えているうちに、この超長軸にMSニブが回ってきた。 上から見たのが左の写真で、横から見たのが右の写真。このMSというのはミュージックなのかスタブなのか?と見解は分かれるところじゃが、他社比較で言えば明らかにスタブ。しかしSailorでは昔からミュージックと呼んでいた気がする。ここはそれにも敬意を表して、Music風Stubの頭文字をとって【MS】と解釈しよう。
それにしても美しいニブじゃ。拙者はゴテゴテしたニブが大嫌い。特に限定品の懲りすぎのニブには辟易している。ニブは刻印を打っただけ内部にゆがみエネルギーを溜め、それが長い間にニブをゆがめてしまうなんて言われている。従って刻印は最小限が良い。その点Sailorのニブには無駄が少ない。そして無駄が少ないものは美しい。芸術は引き算じゃからな。
このニブは上から見ても、横から見ても美しい。はやくこのペン先を調整して書いてみたいものじゃ。