2006年05月01日

セーラーの超長軸 プロフィット・モザイク5

2006-05-01 Sailor 01 この超長軸Sailor Profit モザイクは、ずいぶん以前に長原先生のペンクリにうかがった時に、コンコルド・エンペラーのペン先付きで購入したものじゃ。万年筆のかなり後ろを持って書くのが好きなので超長軸を待ち望んでいた。

 日ごろからキャップを後ろに挿すと飛躍的に長さが伸びる【オマス・パラゴンシリーズ】を愛用していたので、このセーラーの超長軸を見たときには即座に【くだされ!】と声を上げた。

 拙者はエンペラーは好きではない。せっかくの美しいペン先の模様が無粋な金の板で隠れてしまう。そこですぐに外してしまう。

 ただし、外してしまうとペン先がぐらつく。Sailorのペン芯の精度はおそらく世界一であろう。従ってエンペラーを首軸に突っ込む為に、ペン芯の下側を削ってスペースを上に作り、その隙間にエンペラーを突っ込んでいる。そのため、エンペラーを外す時にはペン芯を新品と交換する必要がある。

 コンコルドを超長軸で使うと非常に面白い。先生いわくの【ショベルカーの運転台でから操作しているような感じ】がする。あるいは内視鏡手術のような感じかも。自分の手ではないもので書いている感じじゃ。

 その後CP7を購入したところペン先がMSの大型ニブだった。このニブは待ち望んでいたものだがCP7には似合わない。CP7には長刀太字が似合う。そこで軸とペン先の組み合わせをイロイロ変えているうちに、この超長軸にMSニブが回ってきた。

2006-05-01 Sailor 022006-05-01 Sailor 03 上から見たのが左の写真で、横から見たのが右の写真。このMSというのはミュージックなのかスタブなのか?と見解は分かれるところじゃが、他社比較で言えば明らかにスタブ。しかしSailorでは昔からミュージックと呼んでいた気がする。ここはそれにも敬意を表して、Music風Stubの頭文字をとって【MS】と解釈しよう。

 それにしても美しいニブじゃ。拙者はゴテゴテしたニブが大嫌い。特に限定品の懲りすぎのニブには辟易している。ニブは刻印を打っただけ内部にゆがみエネルギーを溜め、それが長い間にニブをゆがめてしまうなんて言われている。従って刻印は最小限が良い。その点Sailorのニブには無駄が少ない。そして無駄が少ないものは美しい。芸術は引き算じゃからな。

 このニブは上から見ても、横から見ても美しい。はやくこのペン先を調整して書いてみたいものじゃ。



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのトラックバック
女性からこれだけたくさんの白い歯を見せられたら、拙者ならおびえてしまうなぁ・・
70【何かなぁ?】at 2006年07月30日 07:40
 これは、ペンクリで購入した【長刀エンペラーの極太】からエンペラーを取り除いたもの。拙者はペン先のメーカーロゴを隠してしまうエンペラーが好きではないので、支障ない限り取り外している。本日は、極太長刀を15000番のラッピングフィルムで磨きすぎて、書き出しが...
極太長刀の調整方法 【ある一例】【万年筆評価の部屋】at 2006年05月01日 22:41
この記事へのコメント
ペンクリで神様親子に確認するしかないじゃろうな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月14日 11:57
ペン先もさることながら、軸の模様にほれ込んでしまいました。どこかで入手出来ないものでしょうか?
Posted by kure-1911 at 2006年05月14日 10:45
ヴィンテージ物を購入する際には、壊れたら自分で直す自信があるか、身近に修理できる人がいない限りはやめておいたほうが良い。
コレクター心理として、完璧な物を売ろうとは思わないし、売るとしても口うるさくメンテ方法を伝授するか、使わないように呪いをかけるか、修理に持ち込まれる覚悟をするかじゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月04日 14:19
この特殊加工軸にコンコルド・エンペラーがついて9万円でした。
その当時はVintageの1950年代 No.149が7万円ほど。
まよわずNo.149を買いましたが、すぐにオシャカになりました。
同じ値段なら現行品が無難と悟りました。
Posted by kure-1911 at 2006年05月04日 12:17
monolith6しゃん

もうすぐ、帰国じゃな。その際にでもお見せしよう。
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月01日 23:06
 このニブは横から見ると確かにスタブの形状に研ぎあがっていますね。私の手持ちの小型MSニブはいずれももっとナタ状の仕上げで、「これではミュージックどころではなくイタリックだろう」というのがセーラーMSニブに対する私の認識でした。でもこういった研ぎ方に出くわすと、職人さんによって舐め方が異なっているようで、スタブっぽいもの、イタリックっぽいものと分かれるようです。スタブ状のニブに出会いたいです。
Posted by monolith6 at 2006年05月01日 23:04
Zoomの方は未調整で使っておる。筆記角度をうまくあわせてやれば、調整無しで使える珍しいニブじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月01日 22:59
CP7にはMSとZoomが付いているとの噂がありましたが本当だったんですね。Zoomの方は試されましたか?
Posted by kure-1911 at 2006年05月01日 22:05