2006年05月30日

昭和51年の【THE PEN】 その1

本日から、毎週火曜日に【昭和51年のTHE PEN】を8回に分けて掲載する。1976年から輸入筆記具総合カタログがあったとは驚きじゃ。カタログそのものには年度は入ってなかったのじゃが、同封されていた正誤表に日時が記載されていた。
2006-05-30 1 表紙2006-05-30 2 裏表紙 裏表紙を見ると【輸入万年筆協会】と書いてある。アイワ通商株式会社が中心となって編集したのであろう。

 現在にいたるまで、The Penはメーカーや輸入代理店の意向よりも編集側の意向を強く出した構成になっている。メーカー毎の頁数制限などもさることながら、全てに価格がついているのが画期的じゃ。昔は製品のライフサイクルが長かった為、一回カタログを作っておけば長期間使えた。その間の為替変動による価格変動影響を受けないようにするために、メーカーカタログには価格を表示しないのが普通じゃった。それを一覧にし、メーカー毎の比較が出来るようにしたのが The Pen 。読者に取ってはありがたいことこの上ない。が、価格比較すると、ものすごく物欲を刺激される。これが編集上のねらいだったのじゃろう。

 第一回目の今日はCrossを紹介しよう。

2006-05-30 3 Cross 012006-05-30 4 Cross 022006-05-30 5 Cross 03







 当時h、サラリーマンがスーツの内側のポケットにCrossの純銀、あるいは14金張りのボールペンを挿すのがオシャレだったらしい。そういえば、拙者、入社2年目。社内で表彰をうけた先輩は必ずCrossの14金張りのボールペンとシャープペンのセットを副賞としてもらっていた。従って、周り中Cross持ちだらけ。

 Cross欲しさに働きまくって首尾良くCrossを手に入れたのじゃが、クリップに会社のロゴが付いている。これが興ざめで、結局は自分で純銀軸のセットを購入した。

 昭和51年より何年も後じゃッたが、定価は同じく15000円。アメ横価格で9000円。今から考えれば高かった。現在Crossの純銀軸は定価10000円。当時新築アパートの家賃が20000円。高かった!

 当時のボールペンの芯はCrossが最高で、ほかの会社のは実用に耐える色の濃さが出なかったと記憶している。インクカスも現在のCrossよりはるかに少なかった。レフィルの個体差かもしれないが、今まで使ったCrossの黒・Mの中では最初の一本が最高じゃった。

 下段真ん中に紹介されている【カップルズギフト】というのは面白い。いずれもがボールペンじゃがクリップ付が男性用、クリップ無しが女性用。女性用にはケースが付属している。こういうオシャレなギフトは最近あまり見ない。

 そういえば当時の【アベック】は必ず腕をしっかりと組んで歩いていた。最近そういうカップルをあまり見かけないような気がする。男女がセットとして扱われる事が気恥ずかしくなったのかなぁ?


Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
ネコ・パブリッシング「こだわりの万年筆」よりはしょって引用

1930年代〜1940年代にルボーフ社という会社より機構部品を受け取って150周年のオリジナルとなる万年筆が作られました。
万年筆の製造が再開されたのは1982年のようです。


以下自分の手元の資料より

ルビーポイント、当時のカタログを見て興味がありましたが、ご覧になったとは羨ましい。
ちなみに私の持っている価格表ではボールペンリフィルの値段やシャープの替芯の値段は同じですが、ソフトチップが発売される以前で消しゴムの値段が3個100円となっています。
ちょっと古いようですね。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月10日 17:34
298しゃん

なるほど、そういう事は考えても見なかったな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月30日 22:53
インクカスとボールの材質がルビーからステンレス?に変わったのと関係ありでしょうか? らすとるむさんに見せていただいたルビーのボールが黒く見えるのが特徴でした。 
Posted by 298 at 2006年05月30日 22:48
centenaireしゃん

拙者は20ポンドの羊よりも、不良パーツで作られたペンが良いな。たくさんなら・・・もし、金無垢なら一本でも良い。
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月30日 22:32
アイルランドの西、コークに廃材から金を取り出す廃棄所があった。
昔、そこを訪ねたことがある。

主の本業は羊飼い、双眼鏡を渡され、東西南北の山々の遠くを
覗かされ、これが全部自分の土地で、羊を数千匹飼っていると説明
を受けた。

そして20ポンドで一匹どうか、家の芝刈りが楽になるぞ
と勧められた。

お土産に、不良品パーツで作られた沢山の金のクロスのペンから
好きなのをどうぞと言われた。

クロスのペンはアイルランドでも作られていました。
Posted by centenaire26 at 2006年05月30日 08:17
本文に書き忘れたが、なんと万年筆がカタログに載っていない。
当時は、まだ万年筆は作ってなかったのかな?
Posted by pelikan_1931 at 2006年05月30日 05:30