2006年06月08日

パイロット会社案内 その8

2006-06-08 Pilot 192006-06-08 Pilot 20 左は【万年筆の出来るまで】と題した見開きの頁じゃ。これを見て初めて万年筆製造の全貌が見えた!最近のメーカーが提供してくれる写真や動画は全て、ある1工程だけのもの。全体像をあらわした図解は見せてくれない。当然かもしれない。伊太利亜の新興メーカーなどはペン先は全てOEM、ペン芯もOEMで、せいぜい軸加工とアセンブル程度しかやっていない。中にはデザインと販売しかしていないところもあるほどじゃ。

 そういう会社では当然、工程の全体図など書けるわけも無いし、そもそもどんな工程があるか知らない可能性だってある。その点、当時のパイロットは平塚工場で一貫生産をしていたので、全ての工程を示せたわけじゃな。

 図解だけから判断すると、ペン先加工が最も複雑な工程に見える。単に細分化して表現しているだけかもしれない。が、このペン先製造工程こそが、当時画期的だった。

2006-06-08 Pilot 21 左の頁に詳細な説明がある。通常はコンベアー方式が適用できるのは組み立て工程のみ。万年筆でいえば、ペン先、ペン芯、首軸、胴軸、キャップをアセンブルして一本の万年筆に組み立てる工程じゃ。たしかにこれならベルトコンベアーから流れてくる部品を人間が組み立てるだけなので、ラインは比較的簡単になる。

 非常に難解な記述ではあるが、パイロットではペン先加工工程をコンベアー化した事が誇りのようじゃ。通常は加工工程は人間の手作業で、そこでの成果物【ユニット】をコンベアーにのせる。ところがパイロットでは、手作業が必須だった加工工程をコンベアー化した。これが当時としては画期的じゃったらしい。

 Günther Wagner社の加工工程 ======> 工程   工程   工程

 たしかにGünther Wagner社では加工工程はコンベアーライン上には無い。ところがパイロットではこの加工工程にコンベアーを適用したらしい。自動切割り機というのがあるが、これはイリジウムを溶接したままのペン先を流すと、自動で切割りを入れてくれる機械じゃろう。

 パイロット社のペン先製造の動画をみると、イリジウム接合は完全自動化されている。ペン先の切割りも人間はペン先を押すだけ。しかも切割りが入ったペン先はそばにストックするのではなく、直ちにコンベアに乗せられる。

 こういう自動化によって等速で流れてくるラインの場合は、作業員が体調不良の時なんぞ、切割りが行き過ぎたり、ペン芯が捩れて装着されたりという可能性があるはず。自分のペースで仕事が出来ないので品質にばらつきが出る可能性は高い。それを最後に確認する意味で、試し書き工程があるのじゃが、図解からは省かれている。企業秘密だったのかな?

 この当時のパイロットで一貫生産されていた部品を、企業間分業で作っているのが新興伊太利亜ブランドじゃ。設計や製品コンセプトがしっかりしていれば、むしろ企業間分業の方が良いものが出来る可能性がある。独逸のペン先製造工場では世界の万年筆のペン先のかなりの割合を製造している。パイロットの何倍もの規模の生産量らしい。最先端の工作機械がありどのような形状のペン先でも形状加工出来るとか。餅は餅屋かぁ・・・

 こういう時代だからこそ、手作業で加工した長刀などに魅力を感じてしまうのかもしれない。製造技術からすればウェーバリーのペン先の方がはるかに高度なワザが必要なのじゃがなぁ。



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
丸刈太しゃん

最後は8の字旋回じゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月12日 20:02
むーなるほど。見てみたいなあ・・・。特にコースの仕上げ。
Posted by 丸刈太 at 2006年06月12日 00:58
丸刈太しゃん

最終工程は6000番から8000番で仕上げしているようじゃが、
研ぎの部分は秘密のベールじゃ。
どう考えても自動研磨は太字に関しては無理じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月11日 23:52
こんばんわ。

最近パイロットのカスタム67(B)を買ったのですが、ニブポイントに
削った跡も生々しくカドがたくさんあって、そのままではとても書ける
状態ではありませんでした。カドを丸くして、ついでに裏でもヌラヌラ
書けるように研ぐのに半日かかりました。結果として非常に好みの
万年筆なのですが(結果として研ぐのも楽しかったし・・・趣味に
なっちゃいました)。

現行のカスタム74などは全くいじる必要がないくらい精密に研ぎ出さ
れているのですが、これがもし平均的(中級)量産品の品質の差なのだ
としたら、もしかして「自動研磨装置」か何か?に格段の進歩があった
のでしょうか・・・いや実は手作業だったりして。
Posted by 丸刈太 at 2006年06月11日 23:45
298しゃん

このころ20歳くらいの方なら現在でも65歳以下じゃ。
ばりばりのおばさんざかり。見つけたいものじゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月09日 07:54
この会社案内に写ってる方とか、このころ働いてたわって方がいらっしゃらないですかね〜♪ さぞや活気があったんでしょうね!
Posted by 298 at 2006年06月08日 23:08
並木良輔しゃん

何となくわかるような気もするが、よくわからない・・・・
こういう状態で満足出来るのが日本人の良いところじゃ!
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月08日 21:51
ずわいがにしゃん

GUNTHER WAGNER社ではインク樽に付き添っている男性以外は帽子がほとんどいなかった。女性もじゃ。本当に帽子被っていなかったのか、社史に出るから帽子かぶらなかったのかはわからん。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月08日 21:47
ペン先をペンの形に打ち抜くという工程の機械はものすごくデカイですね。打ち抜くペン先が小さいだけに、本当にこんな大掛かりな機械が必要なのか理解できません。

男性も女性も帽子を被っているのがペリカンの工場と大きく違う点ですね。
Posted by ずわいがに at 2006年06月08日 20:46
組立工程のコンベアー化は簡単だが、加工工程のコンベアー化は難しいということでしょうか。

農業しているとピンと来ませんが、含蓄がありそうです。
Posted by 並木良輔 at 2006年06月08日 20:21