今回のSheafferのカタログはそれほど古くはない。タルガ、コノソアール、ニュー・コノソアール(プレステージ・コノソアール)、クレスト、トライアンフ、そしてノスタルジアなど、ラインナップが非常に多かった時代。Sheaffer自体が次の時代の定番品を模索して苦しんでいた様子がわかる。 このカタログはUSAで印刷されている。また中で紹介されている万年筆の中には、輸入筆記具カタログに掲載されていないのもある。米国用のカタログの英語説明の部分を日本語で置き換えて、そのまま印刷したのではないかと思う。1993年~1994年くらいのものではないかな?
Sheafferにはカタログに掲載されな宝飾モデルが多々ある。不思議に思っていたのだが、W.A.Sheafferが宝石商であるならわからないでもない。
【細部をおろそかにしないクラフトマンシップ】とあるが、歴代Sheafferが比較的苦手なのが、キャップのネジ切り。コノソアールやNew コノソアール(プレステージ・コノソアール)の首軸を見ると泣きたくなる。
また、クレストの金属キャップがカクカクと締まっていく手ごたえも多少なさけない。しかし、いったんインクが出始めるとその弾力に惚れ惚れしてしまう。最近のSheafferの書き味は知らないが、タルガからレガシーあたりまでのB【太字】の書き味と、スノーケルの時代のF【細字】の書き味は秀逸。特に後者は60年代の2桁Montblancに負けてはいない。感触はまったく違うが、書きあがった筆跡の見事さは甲乙つけがたい。 ノスタルジアは元宝石商の面目躍如たるモデル。インク壜やペーパーナイフ、ブロッターなどはすばらしい出来じゃ。これらは今でも非常に人気がある。
ボールペンも良い出来じゃが機動性が無いところが弱点。万年筆にいたっては、オイオイ・・・
左の写真の2と3の首軸のネジ山を心眼で見て欲しい。ノスタリジアはまだネジ山が尖っているが、バーメイルなどはねじ山の頂点が平らじゃ。このネジがコノソアールやNew コノソアールにも見られる。
どうも年代が進むにつれて迷走が進んでいるようじゃ。【細部をおろそかにしないクラフトマンシップ】をぜひ思い出して良い製品を提供して欲しい。ペン先だけなら世界のトップクラスなのじゃから!