2006年06月21日

最近のペン先はちょっと変?

 昨年の9月に【万年筆は刃物!】と題して10回連載で調整講座を寄稿した。最近、ペン先調整に持ち込まれる万年筆のペン先を眺めていて気付いた事がある。

 【新品万年筆のペン先はほとんどが背開き!】ということ。背開き状態では、インクフローが潤沢とはいえない上に、ガリガリと紙に引っかかる確率が高くなる。何より不恰好!

 ペン先は左右のエラを曲げてから切り割りを入れるのが普通じゃが、まるで切り割りを入れてからエラを曲げたかのように酷い背開きが多い。たとえばPelikan M800の3B、たとえばDELTA ドルチェヴィータのB、たとえば・・・ごまんとある。

Delta_ドルチェビータ_Large


 傾向としては、ペン先とペン芯を挟んで直接首軸に挿しこむのではなく、いったんソケットに挟んでから首軸にねじ込むタイプに多い。エラの曲げの甘さではなく、根元の曲げが弱い段階で切り割りを入れ、それを狭いソケットにねじ込む段階で背開きになってしまうと見た。

 こういうペン先の調整は、過去記事を順に読んでいけばわかるはずなので、Linkを貼っておく。

万年筆は刃物! その1 【研ぐとは?】

万年筆は刃物! その2 【心構え】

万年筆は刃物! その3 【準備する工具類】

万年筆は刃物! その4 【インクフローの調整】

万年筆は刃物! その5 【書出し掠れの調整】

万年筆は刃物! その6 【引っ掛りの調整】

万年筆は刃物! その7 【ガタツキ、ズレの調整】

万年筆は刃物! その8 【書き味硬め調整の極意】

万年筆は刃物! その9 【書き味柔らかめの調整】

万年筆は刃物! その10 【ペン先曲がりの調整】

全部読んだら早速実験すべし! 度胸があれば・・・



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(24) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
遅ればせながら・・・書き込ませていただきます。

>ぴよぴよさん
 
 ルーペについて教えてくださり、ありがとうございます。
 いつかは入手しようと思っていますので、ぜひぜひ参考にさせていただきます!

>師匠

 確認点、ありがとうございます。
 実は私、みなさんんがルーペで見る時の表情が、それぞれ個性的で、ついつい注目してしまいます。
 皆さんのそのときの顔写真を撮りためてアルバムにしたら、とっても面白いものになると思うんですよね〜。

>298さん

 おっしゃってましたものね〜。とっても研究熱心ですよね!
 私も赤と黒、買ってあるので、挑戦してみようかしら。。

>丸刈太さん
 
 サファリでも練習できるんですね!私のものはとっても書きにくいので、やってみようかしら。まず、皆さんがお持ちの、ぴらぴらした紙を用意しないといけないですね!
Posted by みーにゃ at 2006年06月26日 19:42
こんばんは。
わたくしはLAMYサファリでだいぶ練習しました。
ペン先が固いしエラがないので、指先でヤワヤワと開くコツを知るまで
に、あれこれ試行錯誤をしました。
今はペン先Bのサファリを研いだものが気に入っています。ペン芯の
2ピース構造のせいか、インクフローは潤沢になります。
Posted by 丸刈太 at 2006年06月23日 00:57
298しゃん

そういう意味で、赤と黒は最高の素材でしたな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月22日 23:53
>皆様は果敢に挑戦されているんですね。
私の場合は自分でいじるのは本のおまけのものだけです。 超入門用として利用してます(笑) でもいじって良くなったときはウキウキですよ!!
Posted by 298 at 2006年06月22日 23:50
基本的にルーペで確認すべきはイリジウムの段差、スリットの状態(背開きか腹開きか)、エッジの丸めの状況ていどじゃ。

7倍から15倍程度のルーペなら何でも良い。全体感を把握するものじゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月22日 23:29
ああ、同じ内容でコメントいくつも書いてしまいました。
スレ汚し済みません。
Posted by ぴよぴよ at 2006年06月22日 21:02
ルーペですが、私はボシュロムの宝石鑑定用ルーペを愛用しています。
倍率はx20とx14,x7(今手元にないので不確か)
これ、画像の切れが良く素晴らしい、ルーペです。
もっと高倍率の顕微鏡も欲しいのですが、流石にそこまでは。。。

東京だと、銀座のなんとか眼鏡店で買えたと思います。
(名前が思い出せませんでした、済みません。)
Posted by ぴよぴよ at 2006年06月22日 21:00
みーにゃしゃん

調整は論理展開に誓いでな・・理屈の世界じゃ。
試行錯誤から確立されたのがその1からその100くらいまであり、表現しやすい10個を選んでみた。理屈がわかればあとは場数ですな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月22日 19:21
ルーペはボシュロムの宝石鑑定用の物が、視野の明るさや解像度・質感描写の点でぴかいちです。
東京だと確か、銀座にある有名な眼鏡屋さん(店名失念失礼)で、おいていたと思います。
機会がありましたら是非、のぞいてみてください。
Posted by ぴよぴよ at 2006年06月22日 16:09
皆様は果敢に挑戦されているんですね。
私は生来不器用で乱暴者なので、やめておきます。。

皆さんがルーペで覗いているのを見ると、ルーペは持っていた方がいいかなと思いますが。

まずは、師匠がどういう作業をされているのか理解できるようにログを読み込もうと思います♪
Posted by みーにゃ at 2006年06月22日 10:23
ぴよぴよしゃん

おお、ずいぶんと進歩したじゃろうな!
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月22日 07:05
すでに20本を越えてしまいました。。。orz
Posted by ぴよぴよ at 2006年06月22日 06:37
ロブオしゃん

自分でやるには10本くらいは犠牲者が必要じゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月22日 06:12
5
万年筆の奥深さを、嫌というほど思い知らされました。
書き出しかすれの時々起こるペリカンの太字万年筆を眺めつつ、
これは私がやってもいいことなのだろうかと自問自答。
毎日書き続けていれば自然に調子よくなるさと素朴に信じて使ってきましたが、
そう簡単な話でもなさそうですね。
Posted by ロブオ at 2006年06月22日 03:23
う〜ん、そのあたりはこちらには敷居が高いです、だいいち146は持っていません。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月21日 23:05
二右衛門半しゃん

MontblancあNo.146/149あたりがばらすと面白いですな。
ばらして調整しやすい設計になっておる。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月21日 23:00
まぁ、ばらすといってもピストンをはずしてある程度だったのでなんとか歯が立ちましたが、必然性に迫られなければ、ああいうのはごめん蒙りたいですね。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月21日 22:41
購入すると真っ先にペン先の段差確認はしますが、お歴々のチェックはまた厳しいですね!まだまだ修行が足りません。
ちなみに二桁モデルは、10回は吸入機構をばらしていると思います。
おそらくばらそうとして途中で諦めたか、戻せなかったのか、そういう状態のものを何本か入手した経験がありますので。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月21日 22:12
298しゃん

調整しないで出荷・・・かも。
あるいは、調整もどりが激しいのか・・・

いずれにせよ、万年筆を買いに行くときには、まずルーペで確認じゃ!
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月21日 21:48
こまねずみしゃん

生贄お待ちしてます。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月21日 21:47
ぴよぴよしゃん

最低10本は持ってからはじめなされよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月21日 21:46
ほとんどが・・ですかぁ!! なんと!! そのうち割り切りも省略なんてことないですよね!! 微調整しないで出荷というのもあるのかもしれないですね。 これをやると書き味悪いとそっぽ向かれるのわかりきってますよね。
Posted by 298 at 2006年06月21日 21:10
全部読みましたが、実践するのはやめておきます。不器用なので(^^;
そういうわけですので、シビル・マイスター様、宜しくお願いしますm(__)m
Posted by こまねずみ at 2006年06月21日 17:56
5
こんにちは。
最近どんどん深みに嵌りだして、エライ事になりつつあります。
実験する日も近いかも。。。
Posted by ぴよぴよ at 2006年06月21日 16:35