前回予告したとおり、Remington Combo とNew Banker Comboとの微細な差をごらんに入れよう。
まずは双方ともPencilでの状態じゃ。スキャナー使用時のハイライトの明暗設定が違うので、Remingtonの方が色が薄く見えるが、実際には同じ模様と言ってよい。微細な違いは、レバーフィラーの構造と刻印、クリップの構造とメーカー名くらい。キャップバンドもペンシルの口金も同じに見える。Remingtonの方が長く見えるが、これはNew Bankerの方がキャップが深く挿さっているためで、本体の長さは同一。
万年筆状態にして比較する。ペン先の構造はまったく同じようだ。ペン先の刻印は違うが、構造は同じ。また首軸の設計も同じ。この図では見えないがペン芯もまったく同じ物が使われている。
差があるとすれば、軸に刻まれたネジ山の数がNew Bankerの方が一本多いように見えるが実物を比較してみると同じだった。ただネジ山の彫りはRemingtonの方が綺麗で、結果としてキャップの開け閉めの感触も良い。他のComboと比べてみてもRemingtonはキャップの回転がスムーズじゃ。
さらに細かく比較するとNew Bankerのレバーフィラーは高級モデルと同じ二重構造だが、Remingtonは簡単構造。素材は同じでもNew Bankerの方がコストをかけた作りになっている。
Remingtonのペン先の刻印は【WARRANTED】【DURIUM】【TIPPED】【14K】【GOLD PLATE】となっている。
New Bankerでは【NEW BANKER】【DURIUM】【POINTED】【14K】【GOLD PLATE】となっている。TIPPED と POINTEDのニュアンスの差はわからないが、【DURIUM】っていったい何だろう。
ずっとスチールのペン先をペンチで潰したのが安物ペンのペンポイントだと考えていたが、改めてこいつらのペンポイントを見ると、銀色をしている。ということはスチールより硬い素材を溶接しているのであろう。ただ磨耗が非常に早いことから考えて、イリジウムではない。はてDURIUMとはいったい・・・・・?
ペン先の設計は同じと考えて良い。ペンポイントを正面から見ると、どちらのペンポイントもスリットが右上から左下方向に斜めになっている。他のNew Bankerにはこうした現象は見られなかったので、これら2本に固有のものだろう。
それにしても良く似ている。同じ会社で作られたものが、ブランドだけ変えて販売されていたのかもしれない。少なくとも製造場所は同一だろう。キャップのスムーズさも個体差の範疇と言えなくも無い。
双子の姉妹のような万年筆が違うメーカーからどんどん発売される・・・万年筆自体の需要が山のようにあった時代ならではのことじゃな。両者を比較すると、ほとんどの部分でNew Bankerが高級路線ではあるのだが、クリップの構造、刻印だけはRemingtonが美しい。拙者はどちらも好きじゃよ。
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