2007年03月03日

TIFFANY&Co. ATLAS のペン先に意外なマーク

2007-03-03 01 ティファニーがPelikanに製造委託したATRASという万年筆がある。ティファニーは過去にもMontblancのNo.149やNo.146のクリップにTIFFANYと刻印しただけのOEM品を発売したことはあるが、デザインにも手を入れたのは久しぶりではないかな? 

2007-03-03 02 M800用の14C-O3Bを数個入手したので取り付ける軸を捜したが、適当なのが見つからないのでATRASに装着してみた。Pelikan M800がベースだけにそれほど不似合いでもないが、胴体に銀色部分が無いので、ニブを金一色に鍍金したほうが良いかもしれない。

2007-03-03 03 実はオリジナルのニブには、社名が刻印されている。それをルーペで見ていて気付いた。元々WAGNER仲間で【伊太利亜刻印】では?との噂も流れた刻印が【M】の左側にあるのは知っていた。これは全てのATRASニブにあるわけではないらしく、うらやましがる人もいたが・・・【18C-750】ではなく【18KT-750】にこそティファニーのこだわりを感じるなぁ。

 ソケットを外してみると、根元付近の右側にもう一つの刻印がある。最初はDINTかと思ったがソケット内部にDINTが出来るわけも無い。といってインクのしみでもない。

2007-03-03 04 ルーペで拡大してみると【P.F】ではないか!しかも通常はペン先の内部から外側に向かって刻印してあるが、これは外側から内側に向けて刻印してある。

 実はATRASのニブはめちゃくちゃ硬い。現行のニブと同じくらい硬い上、刻印が深いのでさらに動きが制約され、ますます硬くなっている。弾力ではなくインクフローで書くニブじゃ。当然【P.F】マーク無しの時代に作られたと考えていたのじゃが・・・・

 現在では【P.F】マークは製造委託先の印ではないか?との説も出てきている。現在のニブはマーク無しで、自社生産と言われているので、まんざらガセではないかもしれない。ということは【E.N】マーク付のニブはまた別のOEM先なのか?なかなか楽しませてくれる刻印じゃ。

2007-03-03 05
 ちなみにマーク無しのO3Bニブの根元には刻印は無い。14Cのニブは地金が薄く、刻印が浅いので柔らかい弾力になっている。ただし素材は硬い・・・

 18C-PFニブは地金が厚く、刻印も深いが、形状と素材そのものの組成で柔らかさを演出している。どうやらこうして工夫した柔らかさが市場クレームになったのか、最近ではガチガチのニブが市場に出回っている。こちらの書き味もなかなか良いが、やはり刻印が無いとニブが殺風景じゃ。なにか我々を煙に巻くような刻印を入れてもらいたいな・・・・いやいや、そんなことに無駄なコストを使うよりは、天冠の彫りを戻してもらった方が良いな。


Posted by pelikan_1931 at 08:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
らすとるむしゃん

考えようによっては時代を超えた恐るべき標準化がされているとも言える。

マウント変更を拒んだ一時のニコンのようじゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年03月04日 20:42
こんばんは。師匠。

これは新発見かどうか判りませんが・・・とても意外と言うか驚きました!。
ペリカンのピストン弁はもしかしたら1000と800と400系とが同じ物で螺旋棒を含めて互換性があるように思います。400系ということは700や250や200も含まれます。300だけは未確認ですが・・・ということは現行品は皆同じということになります。それより呆れてしまったのはIBISも現行品のピストン弁で修理可能だったと言うことです。ということはビンテージも含めてピストン径は皆同じなのかも知れません。何10万の限定品とM200のピストンシステムが同じ部品だなんて口が裂けても云えません!夢を壊すような話ですみません。
Posted by らすとるむ at 2007年03月04日 17:53
M764しゃん

神はDetailに宿る!じゃよ。まさに。
Posted by pelikan_1931 at 2007年03月04日 16:40
師匠

確かにペリカン社は、結構鷹揚なところがあるようですね。そのような社風も、このご時勢では逆に魅力に感じます。新たな情報など発見しましたらご報告いたします。といっても部品レベルで見ないとモノの真の姿は見えてこないんですよね。
Posted by M764 at 2007年03月04日 09:24
めだかしゃん

今後とも新発見は皆で共有しましょうぞ!
Posted by pelikan_1931 at 2007年03月03日 12:34
M764しゃん

ますます謎が深まるPelikanのニブ。情報管理が甘いペリカン社ならではですが、そういうところが好きですな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年03月03日 12:34
PFニブが必ずしも“柔らかい”のでは無いのですねえ。
ひょっとして、委託先は複数あった可能性も…。もし、そうなら柔らかいPFとそうでないPFがある理由も納得できます。それにしても、謎ですなあ。
いやはや、勉強になります。
Posted by めだか at 2007年03月03日 09:32
師匠

おおおお。これは大きな発見ですね。そんなところにPFマークが刻印されているのですね。ペリカンのニブは新発見があって、これからも面白い展開がありそうですね。それにしても18KT-750も含め、ニブにTIFFANY&CO.とホールマークがきっちりと刻印され、字幅を示すMの字体・サイズも異なるようで、TIFFANY社の細部への物凄い拘りを感じられずにはいられません。これでますます好きになりました。私のニブはやや柔らかく感じますので、ATLASでも複数種類のニブの可能性もあるのかなあ?
Posted by M764 at 2007年03月03日 09:20