2007年04月14日

スケルトン軸 その1 【 Pelikan M800 Green Transparent 】

2007-04-14 01 この万年筆には正式な名称は無いのかもしれない。ペリカンの緑本では、Pelikan M800 transparent green color というような表現しかしていない。当時の米国の消費者からのtransparent モデルへの要望に答えて米国に2000本、伊太利亜と仏蘭西にごくわずか出荷されたと書いてある。

 1992年の1月にFPHに万年筆買出しに出かけた拙者も、これを見た記憶はある。ただまったく欲しくなかった・・・ MontblancやPelikanにはまったく興味が無く、Parker、Sheaffer と OMASに凝っていた時期だったのでな。

 当時USAでは550ドルで販売されていた。1ドル:80円くらいの時代だったので、5万円弱で購入できたはずじゃな。

 このM800 transparent は M800 Demonstratorとも呼ばれるが、Pelikanの中ではPelikan Golfの次に人気の無いモデルじゃ。限定番号が無いこともあるが、作った数が怪しいというのが一番。2000本よりはるかに多く作られていたらしい。

 aurora_88しゃんの青い海で紹介されているBlue Oceanは限定番号入りなので評価も高いが、このgreen transparent  と blue transparent は怪しいので値段は安い。特にblue transparentはBlue Oceanとして売られている場合もあるので注意。Blue Ocean には限定番号が入っている。

 透けてるモデルは日本では【スケルトン】とか【デモンストレータ】と呼ばれている。【デモンストレータ】は昔から存在し、販売店が吸入機構やメカニズムをお客様に説明する会話の中で、お客様を買わざるを得ない状況に追い込むToolとして販売店に配られた非売品。透けてる軸以外にも、機構の一部をくり抜いているものもある。

 ペリスケを日本市場に投入するにあたって、同様のスチール製ニブ付きのM481が10,000円に対して、半額の5,000円を定価とした。こんな安っぽいものが10,000円で売れるわけ無いと考えたらしい。

 それは当たっていたのかもしれない。ペリスケは爆発的に売れ、日本でだけ販売したため、海外では200ドルを超える値段までついたほど。

 なんといってもネーミングの奇抜さと、書き味の良さが評価された。当時の硬い金ペンよりははるかに柔らかいところが日本人に受けたのじゃろう。【F】ニブ付でしか販売されなかったが、M481用のBやBBを付けている人も多かった。

 拙者のペリスケでの教訓は【transparentモデルはインクを入れたらおしまい】ということ。キレイ好きの拙者にとっては、首軸内部のインク汚れや、ピストン裏の水滴が気になって仕方が無い。水滴を取ろうとして5本以上はペリスケを壊した・・・裏に水滴の付いているペリスケを持つくらいなら、壊れた方がましじゃ!てな感覚。これは今でも変わっていない。

 この M800 transparent はピストン機構を外して水滴を拭き取る事が出来るので、ペリスケよりはましじゃ。壊れる確率が低いからな。


2007-04-14 02 1991年ごろはPelikanのニブはp.f.マーク入り。もし無かったら取り替えられている事になる。マークの有り無しで書き味に変わりは無い。というか無く出来る。オリジナルならペン先の剛性が強い【p.f.無し】の方が多少硬い。この硬さを書いていて感じ取る事が出来る人は10人に1人くらい。拙者には無理じゃ。

2007-04-14 03  通常のM800との違いは尻軸の2本リングの間に繋ぎ目のような部分があること。かなり深くまで金属が入っている。リングの巾を一定に保つ為だろう。通常製品は上に塗料をかけているか、樹脂を被せているのかな?それともtransparent軸の素材が脆いので特別にこうなっているだけかな?通常のM800の尻軸の生贄が欲しい・・・・



Posted by pelikan_1931 at 09:30│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
こまねずみしゃん

生贄の意味は、差し出したら元の姿では帰らない状態にするということなのでな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月15日 11:53
最北のaki しゃん

おお、新情報ありがとしゃん。並んだリングの処理はキャップも尻軸も同じようじゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月15日 11:52
 あわわ・・・((((;゚Д゚)))
 破壊検査ですか!!!
 それじゃあ、生贄にはできません・・・
Posted by こまねずみ at 2007年04月14日 20:16
尻軸ではありませんが、M320のキャップのリングにも繋ぎがあります。
自分のはオレンジの塗料が薄く塗られていました。
Posted by 最北のaki at 2007年04月14日 18:39
こまねずみしゃん

壊れたM800の尻軸でないと・・・ガシガシ削って確認したいので、壊れたやつで無いとかわいそう。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月14日 16:16
 通常のM800なら、余り使っていないのがありますが、生贄に持参しましょうか?(^-^;
Posted by こまねずみ at 2007年04月14日 11:45