2007年04月17日

暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】 その1

2007-04-17 012007-04-17 02 本日より火曜日には、過去のムック本で、拙者の万年筆人生に影響を与えたものを紹介する。単なる拙者のノスタルジーじゃが興味があればお付き合いくだされ。

 最近万年筆にのめりこんだ人にも、キッカケとなる書籍があるのではないかな?4本のヘミングウェイだったり、万年筆の達人だったり、101本の万年筆だったり・・・

 ムック本では趣味の文具箱が一番かもしれんな。時代によって影響を与えた本は違うかもしれない。そういう情報も未来へ向けて残しておきたいので、【私を堕としたこの一冊】 てのを教えてほしい。

 拙者にとってはこの本と同じ時代に何冊か出されたムック本を読んでいるうちに、鉛筆に嵌り、高級ボールペンに嵌り・・・最後に万年筆に嵌ったわけじゃ。万年筆に嵌めた本の記事は覚えているのじゃが、本自体は思い出さない。たしか
ユーロボックスにはあったはず。殺し文句は【オマスはオーセンティック・・・】というものだった。作家の人が昔のオノトの書き味を持つ万年筆を追求しているうちにたどり着いたのがオマスで、似たような書き味・・・という記述だった。いま思えば、1970年代のヘロヘロのペン先を持つオマス・ジェントルマンじゃな。

 この暮しの設計 No.117 1977年 【世界の文房具】という本は万年筆の特集をしているわけではない。ただし万年筆コレクションという趣味があり、中園宏さんに紙上で出会った・・・ その後読んだムック本の中では、すなみまさみちさんにも遭遇する。現在はお二人ともWAGNERの会員で、とくに中園さんは千葉在住で、以前代官山にお仕事でよくいらしてたとの事で、裏定例会には頻繁に参加され、会員に興味深いお話をしてくださる。

 すなみさんにからは、すでにペントレのポスターをお送りいただいている。毎年作ってくださるのじゃ。感謝感謝!神戸在住なので、年に5回ほどしかお会いできないが、万年筆に関する知識はすごい。拙者がBlogで書いてある事項に誤りがある場合などには、そっとメールで教えてくれる。拙者はその都度、速攻で修正している。従って過去記事に関してはかなり修正されている。90%書き直した記事もある。たまには、読み直してほしいものじゃ。

 このムック本群に出合ったころには、このお二人と一緒にお話が出来るようになるとは夢にも思わなかった。それが可能になったのは、中谷でべそ さんが年に3回出している【フェンテ】のおかげ・・・・拙者の時代には、万年筆に堕とす悪魔は、ほとんどが書籍じゃった。最近ではHPやBlog、はたまた本当の【悪魔の館:ユーロボックス】などが出現してきているが、やはり書籍の持つ影響力は大きい!

 好きな人が出来ると、その人の過去も含めて知りたくなる。同じように万年筆に興味を持つようになると、その周辺情報やうわさ、はたまた携わっている人々・・・など全てについて知りたくなる。プラチナ万年筆が建てた工場の設計図を持っている人もいるほど。【君の全てが知りたい】状態になるのじゃ。きっかけは書籍が与えてくれる。それを広げるには、どうしても仲間がいる。ひとつの趣味で結ばれた仲間は、自分が心を開いて参加すれば気持ちよく迎えてくれる。そういう仲間の集合が全国にぞくぞくと出来ている。良い時代になった。あとは、そこに参加する勇気を持つだけで心は豊かになり財布は軽くなる・・・・・のじゃ。


 この本の発効日は昭和52年12月1日(1977年)。そう今から30年前。それほどたくさん万年筆が紹介されているわけでもなく、また、華やかな物が皆無だったこの時代の万年筆に拙者が興味を持ったわけではない。失恋直後の心の隙間(と時間の余裕)に忍び込んできた悪魔の書であったのは確か。その経緯については次回から紹介しよう。

2007-04-17 042007-04-17 03 この本の目次のなんとも味気ないこと。この目次を読んだだけでは、この本に興味は持てない。しかし、中の記事と写真は非常に魅力的。目次の大切さを教えてくれる本でもある。最近のムック本は、目次だけで堕としてくれる・・・本を買う度に万年筆も買わされてしまうからな・・・

 ともあれ、次回からこの本で興味深かった記事を紹介していくことにする。いまから見れば、【三丁目の夕日】
のような本でほっこりさせてくれる。まさに名著じゃ。 お楽しみに!

Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(9) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
会長さま

先週、八重洲地下街の古書店の店頭にこのムックがありました。
(向かいの文具店のお客に向けてビームが出ていました、笑)

当然、速攻で購入。
読んで驚いたのは1977年ですでに万年筆が過去の文具でビジネスマンは使わないと書かれていたことでした。
なるほど、だからモンブランがダンヒルに身売りしたのが1977年なのだと納得しました。

これに味をしめて、今週、「文房具の研究」「万年筆(平凡社カラー新書)」「世界の万年筆 傑作万年筆ブランド」と3冊をアマゾンで購入しました。
中谷氏・森山氏が若者でした!
Posted by NEXTNEXT at 2011年07月01日 13:23
monolith6しゃん

同じ時期にフェンテに入ったのじゃったな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月19日 19:00
>拙者がフェンテに入会し万年筆関連の友人が出来たのは、やはり文房具の研究じゃった。

 私もそうでした!これを書くのをうっかり忘れていました。考えてみれば、私の万年筆ライフが「文房具の研究」をきっかけに10年も続いているのは、やはり愛好家の皆様との交流があればこそでした。改めましてお知り合いになった皆さんに感謝申し上げます。
Posted by monolith6 at 2007年04月19日 08:25
二右衛門半しゃん

拙者がフェンテに入会し万年筆関連の友人が出来たのは、やはり文房具の研究じゃった。エポックメイキングな本だったなぁ。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月19日 06:07
プラチナ70周年の設計図ならいただいたコピーが手元にあります・・。

ちなみにこちらは藤井さんに落とされたので書籍でのめり込んだわけではありませんが、最初の一冊はやはり「文房具の研究」でした。
上記「暮らしの設計」の焼き直し版ですね。
Posted by 二右衛門半 at 2007年04月19日 01:06
めだかしゃん

おぬしも、TAKUYAをデビューさせた男として語り継がれるかも・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月18日 23:13
monolith6しゃん

文房具の研究に出会って、丸善にいくまでの気持ちの高ぶりは、以前のフェンテに掲載されてましたな。非常に緊迫感のある描写でした。

昭和58年といえば、1983年。拙者がル・マン100を買って万年筆デビュー(再デビューかな)した年じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年04月18日 23:12
この手のムック本は、文房具の紹介記事がほとんどでしたが、カタログ的な記事であっても隅から隅までよく読んだものでした。あの、すなみさんや中園さんは、天上界の方々で、ボクには畏れ多い存在でした。初めてお会いしたときは、ぼーっとしたものです。今やpelikan_1931さんも、そういうお一人ですね!
今後の展開が楽しみです。
Posted by めだか at 2007年04月17日 23:50
「私を堕としたこの一冊」は、書名を失念しましたが、昭和58年頃に出た一冊。この書で初めてオノトやコンクリンの存在を知りました。アンティークの魅力にどっぷりと引き込まれた一冊です。

 もう一冊は「文房具の研究」。この書で酒井栄助さんの手造りオノト型万年筆、フルハルターの森山さんと出会いました。それまでは万年筆に絶望しかかっていて、興味を殆ど失いつつも仕事で使ってはいたものの、調整によって書き味が良くなることを改めて知らされました。

 この二冊に出会わなければ、私の万年筆ライフはなかったでしょう。
Posted by monolith6 at 2007年04月17日 23:09