この125周年カタログは1963年に発行されている。逆算すれば創立は1838年となる。
以前紹介した社史にもあるとおり、ペリカンの創立は、カール・ホルネマンが絵の具の価格表を初めて発行した1838年4月28日なので計算は合っている。
【萬年筆クロニクル】によれば、1871年にギュンター・ヴァーグナーがカール・ホルネマンから経営を引き継ぎ、1878年にペリカンの親子をシンボルマークにした。ここまでは知っていたのだが、最初はPelicanと表記されていたとは知らなかった!
蛇足だが、【萬年筆クロニクル】の122頁にはPelikan 100Nのペンポイントの形状がイラストで書かれている。これを見ればPelikanのクーゲルとシャイベンの違いが一番よくわかる。
一般的にカタログには、その時点の主力商品を最初に掲載する。その理屈からいけば当時の主力商品は、上の画像のとおり、タイプライター・リボンじゃ。
100周年の社史では、最も扱いが丁寧だったのはカーボン紙。25年の間に手書き用の消耗品であるカーボン紙から、タイプライター用のリボンに主力が移行した事がわかる。
カタログのカテゴリーにある【schreibbänder】を翻訳ソフトにかけると【write volumes】となる。意味わかんねぇ〜。誰か教えて!
カタログには何色かのパッケージがあるが、色違いではなさそうじゃ。インクリボンの素材の違いで色を変えているのではないかな?
ナイロンとかパーロンとかコットン(baumwolle)とかシルク(seide)とか・・・
この色の付いたインクリボン・ケースはオークションでも見かけた事はない。4羽の子ペリカンが刻印されたインクリボン・ケースはいくつも持っているがな。
そうそう缶に入ったインクリボンの未開封というのがあった。いつかWAGNERで開封してみよう。
このインクをそのまま使うのか、スプールに挟んで使うのかがわからない。当時のタイプライターを使った事がないので想像がつかん。
このカタログを見ていて感じるのは、ペリカン社は絵の具製造から始まって、総合文具メーカーになり、最近では徐々に筆記具に資源を集中し始めている。
一方でMontblancは創業以来、筆記具一本で来て、最近になって装身具ブランドへ変身している。筆記具一本で来たことによって、ブランドイメージが出来上がったのだろう。
一方でペリカンは総合文具メーカーだった事が災いして、高級ブランドのイメージを確立するのが難しいのが現状だ。しかし拙者の読みでは、必ずペリカンもブランド化する。その為の布石が現在の高価な限定品戦略と見た。
問題は総合文具メーカーのイメージを何年で払拭出来るかだろう。大きなお世話かもしれないが、M600以下はペリカーノ・ブランドにしてはいかがか?【ペリカン】=高級品というブランドイメージを出すには、それが一番かと・・・
過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog】
2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1