2007年09月04日

Pelikan 125 Jahre Katalog その3

2007-09-04 この125周年カタログは1963年に発行されている。逆算すれば創立は1838年となる。

 以前紹介した社史にもあるとおり、ペリカンの創立は、カール・ホルネマンが絵の具の価格表を初めて発行した1838年4月28日なので計算は合っている。

 【萬年筆クロニクル】によれば、1871年にギュンター・ヴァーグナーがカール・ホルネマンから経営を引き継ぎ、1878年にペリカンの親子をシンボルマークにした。ここまでは知っていたのだが、最初はPelicanと表記されていたとは知らなかった!

 蛇足だが、【萬年筆クロニクル】の122頁にはPelikan 100Nのペンポイントの形状がイラストで書かれている。これを見ればPelikanのクーゲルとシャイベンの違いが一番よくわかる。

 一般的にカタログには、その時点の主力商品を最初に掲載する。その理屈からいけば当時の主力商品は、上の画像のとおり、タイプライター・リボンじゃ。

 100周年の社史では、最も扱いが丁寧だったのはカーボン紙。25年の間に手書き用の消耗品であるカーボン紙から、タイプライター用のリボンに主力が移行した事がわかる。

 カタログのカテゴリーにある【schreibbänder】を翻訳ソフトにかけると【write volumes】となる。意味わかんねぇ〜。誰か教えて!

 カタログには何色かのパッケージがあるが、色違いではなさそうじゃ。インクリボンの素材の違いで色を変えているのではないかな?

 ナイロンとかパーロンとかコットン(baumwolle)とかシルク(seide)とか・・・

 この色の付いたインクリボン・ケースはオークションでも見かけた事はない。4羽の子ペリカンが刻印されたインクリボン・ケースはいくつも持っているがな。

 そうそう缶に入ったインクリボンの未開封というのがあった。いつかWAGNERで開封してみよう。

 このインクをそのまま使うのか、スプールに挟んで使うのかがわからない。当時のタイプライターを使った事がないので想像がつかん。

 このカタログを見ていて感じるのは、ペリカン社は絵の具製造から始まって、総合文具メーカーになり、最近では徐々に筆記具に資源を集中し始めている。

 一方でMontblancは創業以来、筆記具一本で来て、最近になって装身具ブランドへ変身している。筆記具一本で来たことによって、ブランドイメージが出来上がったのだろう。

 一方でペリカンは総合文具メーカーだった事が災いして、高級ブランドのイメージを確立するのが難しいのが現状だ。しかし拙者の読みでは、必ずペリカンもブランド化する。その為の布石が現在の高価な限定品戦略と見た。

 問題は総合文具メーカーのイメージを何年で払拭出来るかだろう。大きなお世話かもしれないが、M600以下はペリカーノ・ブランドにしてはいかがか?【ペリカン】=高級品というブランドイメージを出すには、それが一番かと・・・


過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog

2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2 
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1 



Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
stylustipしゃん

万年筆メーカーが生き残るには、ブランド化(高級化)、ファッション化
(ネクタイのように何本も)、ファンシー化(子供向け)、カスタム仕様化(個々人に合わせてカスタマイズ)しかない。

どの道を取るかは企業風土の問題じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年09月07日 05:55
補足
>何所を向いて商売したいのか、で、ブランドの持つ意味も大きく変わりますね。
自分(顧客)の立ち位置(身の丈)との相対関係で決まるのでしょうね。
Posted by stylustip at 2007年09月06日 07:15
stylustipしゃん

20年ほど前、Watermanてどんな会社?という問いに【日本で言えばパイロットのような会社】と伊東屋さんで聞いた時、自分で何を思い浮かべたか・・・これを思い出せば回答が得られそうじゃ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年09月05日 22:11
「総合文具・事務機器メーカー」の響きには、
親しみと安心感を感じさせる「何か」があるような気もします。
何所を向いて商売したいのか、で、ブランドの持つ意味も大きく変わりますね。
Posted by stylustip at 2007年09月05日 21:28
しまみゅーらしゃん、こうたろうしゃん

なるほど! どちらにしてもインクリボンのイメージになりますな!
これですっきりした!
Posted by pelikan_1931 at 2007年09月04日 21:33
こんにちは。

大修館書店ジーニアス英和辞典によると、
write volumes自体の意味は出てきませんが、
「volume」の意味の一つに、「巻(第一巻、第二巻などの)」があります。
ドラマでは、第何話のことをvolume〜(数字)という使われ方してますね。

volumeの語源は、(文字を書いた)巻き(volve)物(me)だそうです。
write(書く)volumes(巻いた物)、やはりインクリボンぽいですね。
Posted by こうたろう at 2007年09月04日 11:04
 すみません、「複数形にウムラウトが付いた」んじゃなくて、「複数形だからウムラウトが付いた」の間違いですね。
Posted by しまみゅーら at 2007年09月04日 08:15
三修社独和辞書→http://www5.mediagalaxy.co.jp/sanshushadj/
によると…

schreiben 「書く」
band    「テープ、帯」

が合わさって、bandの複数形にウムラウトが付いた感じだと思います〜。なんか、インクリボンのイメージわきますよね。(^^)
Posted by しまみゅーら at 2007年09月04日 08:08