2008年02月14日

解説【萬年筆と科學】 その68のかわりに【 最近のプラチナ#3776赤軸 】

2008-02-14 01 【萬年筆と科學】その68は【スチログラフ】の話題なのでまたしてもスキップ!

 今回は、つい最近入手したプラチナ#3776赤リブの最新作を紹介しよう。定価は税込みで21,000円。20年前に10,000円だった事を考えると、値上率は低いと言えよう。

 このリブは機械では彫れなくて、ロクロで削りだしていたと聞いた。いまでもそうなら5万円くらいしてもおかしくない。

 拙者の相場感で考えれば、もしペン芯がエボナイト製だったら3万円なら即買い!ということは定価5万円は付けられると言うこと。ペン芯一本を5,000円で作ってもペイするはずなのだが・・・

 職人さんがいないのでもはやエボナイト製ペン芯自体を作るのが不可能らしい。残念じゃ!


2008-02-14 02 それにしても綺麗な赤色!昔からこんなに鮮やかだったかなぁ・・・

 普通の細字でこの細さ!さすが【細字はプラチナ】と言われるだけの事はある。

2008-02-14 03 拡大してみても、ここまで小さなペンポイント。これで細字。このほかに極細超極細というのがある。どこまで細いのだろう?

 この細字で書いても、インク供給量が非常に少ないこともあって、通常の海外メーカーのEFより細い線が書ける。それより細い極細超極細となると想像もつかない。

 長原ジュニア作の細美研ぎは5亰咾砲劼蕕なが50文字楽に書けるが、日常生活でそのような小さな字を書く機会はない。細字の世界は拙者にはようわからん・・・。ただ極太好きより極細好きが多いのが普通。WAGNER会員はM以上の太いペン先が好きな人が大半だがな・・・

2008-02-14 04 こちらが横顔。最近のプラスティック製ペン芯は、なんとも見映えが悪い。いかにも安そうに見える。事実、エボナイト製ペン芯からプラスティック製ペン芯に変える一番大きな理由はコスト削減らしい。

 萬年筆コレクターが社長のViscontiですら、ペン芯をプラスティックに変えてしまった!最初のVoyagerが出たころのエボナイト製ペン芯は萬年筆の歴史上最高のペン芯だったのに・・・(ひとりよがりじゃが)


2008-02-14 05 見映えは悪いし、設計にもあまり凝っていないが、不思議と性能は非常によい。ペン芯の構造は複雑な物ほど危機管理能力が高いと考えていたが、こういう極めてシンプルな設計でもまったく問題は発生しない。あとの問題は見映えだけ・・・もう少し黒い方が良いと思う。インク誘導液に浸したところ多少濃い黒になった!

2008-02-14 06 こちらが調整前のペン先。プラチナのペン先とペン芯はゴム板で真っ直ぐに引っ張れば抜けるが、非常にきっちりと首軸に入っていて簡単には抜けない。すなわち、まったくグラツキが無い。ここが最大のメリット!

2008-02-14 07 こちらがスリットを拡げてインクフローを改善した状態。これでやっと拙者の筆圧でも字が書けるようになった。極細の字巾にもかかわらず、無筆圧でインクがとろとろ出てくる感触はすばらしい

2008-02-14 08 ほんの少し開いたスリットがなせる技。今回の試し書きはPelikanのブルーで行ったが、このペン先ならプラチナ・カーボンのカートリッジで使いたい!どれほど心地良い細字が書けるのか楽しみじゃ。

 拙者がプラチナの萬年筆を使うのは、基本的にはプラチナ・カーボンインクのカートリッジを使いたいから。瓶入りのカーボンインクならどのメーカーの萬年筆でも使えるが、カートリッジはプラチナのみ。このカートリッジと瓶のカーボンインクの差を実感したいのじゃ。

 今回はペン先は一切研がなかった。細字のペン先は、よほど酷い引っ掛かりがあるケースを除いては研ぐものではない。研げば研ぐほど酷くなる!

 細字は無筆圧で書くもの。インクフローだけで書くのじゃ。そうすればガリガリ感は一切無い。ところが細字好きほど最初は筆圧が強い。これを筆圧ゼロで楽しめるまでには二ヶ月ほど訓練が必要。

 その訓練が終わったあとの細字の極楽を知れば、もう強筆圧には戻れない!

2008-02-14 09 調整の終わった赤リブをペンケースにしまおうとしたら、一番最初の赤リブ軸を発見。上が古い方。やはり相当にくすんだ色だった!

 拙者は現行の鮮やかな色の方がはるかに好き!これは嵌りそうじゃ!



Posted by pelikan_1931 at 08:15│Comments(14) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
カミオソウイチロウしゃん

どんどん堕ちていっているようですな!すばらしい!
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月17日 17:02
この記事を拝読したおかげで、プラチナ万年筆のペン先とペン心を無事交換することができました。
ありがとうございました。
Posted by カミオソウイチロウ at 2008年02月16日 19:11
monolith6しゃん

昔と違って、今はベースにニッケルをメッキした上に、金をメッキするので耐久性はかなり上がります。

ただ鍍金は鍍金面が滑面でないと弱いので、ミクロレベルではかなりざらついているのかもしれませんな。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月16日 12:15
 プラチナのメッキ・ニブは超音波洗浄機にかけるとすぐにメッキが剥がれてしまうそうです。あと、ペリカンの金メッキ・ニブも。

>メッキの出来不出来は脱脂作業次第。自分で再メッキすれば直ると
>思われます。色合いの変化がきにならなければですが。

 一度やって頂きましたが、1ヶ月ともたず、再びメッキに錆が発生しました。これで諦めがつき、手放した次第です。思うに、プラチナの金具は金メッキするよりもむしろ、ロジウム・メッキとかクローム・メッキになっているヤツの方がまともであるようです。
Posted by monolith6 at 2008年02月15日 12:37
 失礼します。国産は
何故かプラチナだけ、持ってません。
本日給料入りましたんで、悩んでみます。

Posted by 三日堂 蓮覇 at 2008年02月15日 11:41
●超極細
 カーボンインク(カートリッジ)を使っているせいか、柔らかく感じます。でも、「超極細」を期待して使っても、ちょっとの筆圧で切り割りが開いて、細字と同じくらいの線幅になってしまうことがあるんです。

 思うのですが、皆硬い硬いと言うプラチナの万年筆ですが、こと#3776の最近の平形ニブに関しては、元々がそれほど硬いわけではないんじゃないかな、と思うのですが、どうでしょう。厚みがあるので調整は手強そうですが、実際書いてみてストロークの短いチューンドサスのような書き心地だと感じます。馬車の書き心地よりは数段上質な感じがするのですが。

 だから、超極細が独特な柔らかさなのではなくて、#3776の素質なのかもしれません。

 あと、私の超極細は「長原調整」されているというアヤシイ1本です。(笑)
Posted by しまみゅーら at 2008年02月15日 09:10
二右衛門半しゃん

おお、プラチナ70周年記念のメッキが強いとは良いことを聞いた。
今度調べてみます。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月15日 08:10
monolith6 しゃん

そういえば、金鍍金ペン先のメッキが超音波洗浄機で剥がれた事故もありましたな。あれもたしかプラチナだったのでは?

メッキの出来不出来は脱脂作業次第。自分で再メッキすれば直ると思われます。色合いの変化がきにならなければですが。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月15日 08:08
しまみゅーらしゃん

ペンポイントに向かってペン先が薄くなっていく作り方だと、萬年筆らしい弾力は出ないはずじゃがなぁ・・・。極細ローラーボールの様な感じでは?
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月15日 08:05
ボビーしゃん

#3776はカートリッジ式なので、分解清掃すれば必ず復活しますぞ。
極細好きの日本人には、たしかに最高峰だったかもしれんな。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月15日 08:03
プラチナ70周年記念はOEMなのかメッキは強いですよー。
ただ、蒔絵軸でもメッキが弱いのがあるのには凹みます。
Posted by 二右衛門半 at 2008年02月15日 01:09
 新型の赤は、意外にも赤みが強いのですね。私は旧赤軸を持っておりましたが、メッキが直ぐに錆びる(Pelikan_1931 さんのお手持ちもそうなっているような...)、メッキが直ぐに剥げるのにがっかりして手放してしまい、今は手元にありません。メッキの弱さは、プラチナの致命的な欠陥であると思います。何しろペン・ケースに入れて1ヶ月も出し入れしながら使っただけで、キャップ・リングのメッキが剥げてしまったくらいで、それ以来私はプラチナは専ら家で使うものということにしました。メッキの表面に透明マニキュアでも塗って錆の発生を遅らせるぐらいしか手はなさそうです。
Posted by monolith6 at 2008年02月14日 19:33
 ギャザード赤軸、最近在庫放出をしたようで、ネットのショップでは1万そこそこで手に入ります。30年前と同じくらいの価格!黒軸は1万5千円くらいが相場のようですが、断然赤軸の方が魅力的ですよね。

 私は、以前のモデルの渋い色合いが大好きです。現行の鮮やかな色は、バランスの赤軸と同じ派手めの色合いだと想像しますが、こちらはモンブランのラブレターインクが軸色にピッタリで、香り(臭い?)とともに派手の極み!という仕様でいくのが私好みです。(笑)

 ところで、同じ細字でも、初期のアーチ型と最新の平形では筆跡が少し違いますよね。昔はスタブ系で、字がキレイに見えるのがお気に入りです。超極細は、さらにペンポイントが小さく、ペンポイントに向かってペン先が薄くなっていく作り方になっています。その薄さのせいか、超極細は独特のしなりがあるように思います。
Posted by しまみゅーら at 2008年02月14日 10:57
あまりに懐かしいペンなので,思わず,書き込みをしてしまいました(Wagner参加,まだ2回目の新参者です).この万年筆,高校生のときに小遣いをはたいて1万円で買いました.3776は富士山,つまり日本の最高峰というCMの万年筆だったと記憶しています.まだ実家にあるかも,もちろん,使い物にはならないでしょうが(笑).
Posted by ボビー at 2008年02月14日 09:51