2008年02月21日

解説【萬年筆と科學】 その69のかわりに【 偽Pelikan M600 W.Germany 】

2008-02-21 01 最近独逸のeBayで落札したもの。拙者の大好きな初期のPelikan #600 W.Germanyじゃ。現行のM600よりは小さく、M400と同じ大きさ。この時代の18Cのペン先はヘロヘロに柔らかく、短時間のイタズラ書きなら至福のひとときを与えてくれる。長時間には向かない。

 拙者が初めて買ったPelikanが#600だったということもあり(しかもすぐに叩き折った)、回りから見ると異常なほどの#600好きじゃ。

 独逸人に限らず、欧州の人々は物を大切にする。従って萬年筆も中古にはアセンブル(いろんな万年筆の部品を組み合わせて一本にしたもの)が多い。また何とか修理して使おうとして、途中で挫折したようなものがいっぱいある。

 そういう事もあって独逸eBayはそれほど活発な市場ではなかったが、近年、出品数が増えてきた。こういう時は要注意!質の悪いSellerが増える。現在では良い物を出品するSellerは米国eBayにほとんどが移ってしまったようじゃ。

 従って、最近拙者も独逸eBayは、右から左に受け流す〜 状態だったのだが、【W.Germany】という文字をキャップから読み取って、目が曇った・・・

2008-02-21 02 上は拙者が持っている本物の#600 W.Germany。下が今回送られてきた物。確かにキャップにはW.Germanyと彫られているが、尻軸のリングが細い。これはM250系の尻軸に間違いない。やられた!アセンブル物じゃ!

 独逸という国も、独逸人も大好きだが、eBay独逸に出品している奴は大嫌い!いままで何本も購入したが、いずれもどこかにチョンボがあった。部品取り用市場と考えた方が良さそう・・・

2008-02-21 03 こちらがキャップを外した画像。上が正しい#600で、下が今回のチョンボ品。首軸はやはりM250系。そしてなんと金鍍金ペン先がついている。これは初代ペリスケについていたのと同じ物。あまりに酷い。

 メールで苦情を言ったら、【私の表現は100%正しい。18Cのペン先がついているとは書いてない】と言い張る。

 そこで【私はかくかくしかじかの者で、私との取引に置いて、今回のような詐欺行為をする事は、あなたの今後に大きな不利益をもたらすであろう。詐欺行為を認めてお金を返しますか?】と返信した。

 【私は詐欺行為は一切していないが、eBayのルールに基づき、品物が到着したら返金はする】と言ってきた。独逸人らしい返答じゃ。以前、品物を返送しても返金されなかったトラブルがあり、eBay提訴した事もあったが、結局はどうにもならなかった。こういうトラブル時の面倒見の悪さがたたって、eBayの業績は今一歩。
昔の雑誌の片隅にあった【売ります・買います】コーナーの売り主から掲載手数料を取るような形態は今や古すぎる。もっとエレガントなビジネスモデルを考えないと、株主から見放されてしまうかもしれない。

 こんなまがい物持っていてもしようがないので、勉強代のつもりで、返品してみることにした。


2008-02-21 04 こちらが正しい#600のペン先。まったくの未調整なのでスリットは詰まっている。コレクションには調整を施さないのが拙者の(最近の)主義じゃ。こんなすばらしいペン先はもったいなくて使えない。

 将来は、この柔らかさを必要とする人のもとへお嫁に行くことになるのだろうが、その時までは、磨いたり眺めたりして楽しみたい。


2008-02-21 05 これが今回のペン先。インクは付けていないが、ペリスケと同じペン先なので、かなり柔らかく書き味も秀逸なはず。実際、ペン先の斜面はこちらの方が急角度。

 しかし実際に書いてみると、その柔らかさの違いは大きい。#600のペン先は#700トレドの初期と同じニブ。もう別次元の柔らかさ!柔らかいだけで字形が整うわけではないが、ペン先を紙の上に這わせているだけで癒しの効果があるのじゃ。

 同型の18C-BBニブ付きの#700トレドを持っているが、こちらは拙者が死ぬまでお嫁にやらないつもり。棺桶に入れるのではなく、銘品として将来に伝えたい。このペン先に触発され、柔らかいペン先を持つ萬年筆が将来製造されることを祈りつつ・・・





Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
最近ヤフオクで新品のM600とボールペン、シャーペンの3本セットがあったので、軽い気持ちで入れていたらなんと落札!(結構安かった)したのですが、とどいたのは新品でしたが、付属の保証書は緑で、ほかのペリカンとまったく違うので??さらに手持ちのM400と大きさがあまり変わらず、主力のM800よりかなり小さいのでまたしても??と思っていたのですが、こちらのブログを読んで確認したところW-GERMANYの文字が・・・。ラッキーでした。全くミントの状態でコレクションにしておきます。M600現行モデルは
またの機会にします。
Posted by kutakuta_124 at 2012年08月03日 20:38
師匠

ちょっと言葉足らずでしたね。形態は変容・進化していますので、現時点はうねりのある発展型ビジネスモデルの1時点という認識で。今後は下層のインフラもNGNにてさらに強固なものに、既存の商流での信用取引の裾野もさらに広がり安心型ビジネスモデルで購買力もさらに増えますね。はたまた師匠の仰るプラスアルファ・差別化を含んだ多機能型の出現によって進化・発展していくと思います。
Posted by M764 at 2008年02月22日 00:42
M764 しゃん

amazon.comの中古市場は物流は直接だが、商流はamazon.comが管理するので安心じゃ。

ただ、もっと良い利用者から見たビジネスモデルもある。

物流機能と金融機能をつかさどる企業がオークションサイトに参入したら、世界は変わる。

誰から何をどれだけGetしようとも、一定期間の運送費は一定・・・
これなら落とす商品が飛躍的に増えますぞ。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月21日 22:41
Bromfield しゃん

取引相手を悪評化すれば、仕返しがあるので、悪評価を付けにくい。コレが正確な評価が分からない理由じゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2008年02月21日 22:36
師匠

こんばんは。全く同感ですね。このビジネスモデルは安直過ぎます。昔から衰退のリスクを抱えていると感じてました。これからは新たなモデルも出現するでしょうが。
Posted by M764 at 2008年02月21日 21:57
オークションサイトで万年筆を購入しはじめて日が浅いのですが、最近気づいたのは、商品の写真が取引される実物ではなく、万年筆のカタログからであったり、ひどい場合には他の人のオークションに出した万年筆の写真をそのまま転用したりしたものなどがあることに気づきました。そして、取引する相手の評価もあまり信頼できないことも、このようなことから気づきました。

やはり、店頭で購入したり、インターネットの万年筆専門店、ペントレやフォウンテンペン・ショーなど対面での取引できるものが一番確実なのでしょうが、多くの方のお話を聞くうちに、オークションには「良い勉強をした」と諦められる額(一回分の飲み代程度)のものにしか、手を出さないようになってしまいました。
Posted by Bromfield at 2008年02月21日 12:45