今回が最後の【Parker Encyclopedia】。カタログに挟み込まれている新旧のカタログを見ていると面白い発見もある。
消費税の導入は1989年4月1日だが、それまで贅沢税といわれた物品税(貴金属は15%)が消費税(3%)になって値下げしたのかも知れない。物品税は内税だったので、5万円÷1.15=4.3万円となり辻褄が合う。これに外税が3%がかかったので支払額は45,150円だったはずじゃ。
価格はどうでも良い。1990年のモデルの首軸先端を見て欲しい。1987年の首軸と違うのがわかるかな?実はこの首軸のプリミアを捜してるのだが、お目にかかった事がない。
既に欲しい萬年筆がほとんど無くなってしまったが、この首軸だけは欲しい!首軸の酷さでパーカーの経営を傾けてしまったプリミアの中で、唯一光っているのがこの首軸・・・ああ、出会いたい! 1990年9月のカタログにあるのが、ビッグレッド・セット。1990年限定で1000セット発売された。
ところが1992年のカタログではちゃっかりと復活している。
復活に際し、限定品を購入していた人から不服が出ないような価格設定にした。結果、非常に高い物になってしまった。実はこれがデュオフォールドが割高に感じられるようになった真の原因ではないかと推察している。
拙者も限定セットを購入したクチで、萬年筆+ペンシルが10万円を切ったら文句言ってやろうと考えていた。残念ながらぴったり10万円だったので文句が言えなかった・・・ しかし同じような素材の黒軸ペンシルが2.5万円で、オレンジのペンシルが3.5万円というのは絶対におかしいと感じたものじゃ。
【限定品とはウッドボックスとのセットのことで萬年筆やペンシル単体を指すのではありません】という姑息な手を使うから価格整合性がとれなくなったのじゃ。やりたくてもこらえなければ!顧客を裏切った代償は大きかったですぞ・・・ このコレクターズボックスは買おうかどうしようか、さんざん迷って買わなかった・・・上のビッグレッドの限定品と定番品を比較すれば、限定品についていたウッドボックスは無料ということになる。あれが無料なのに、これが2.5万円かい?という気持ちがじゃましてどうしても買う気にならなかったのじゃ・・・。
ビッグレッドのセットにウッドボックスさえ付いていなければこのデスクセットを買ったのに・・・。こう思わすところがマーケティングの失敗。顧客心理を読み違えたのかも。拙者の心理が一般人を代表しているとは思わないが、萬年筆愛好家の気持ちは代表しているはず・・・ 買う気にさせて欲しかったなぁ! こちらは1992年4月からカタログに掲載された金張軸と純銀軸。これもビッグレッド・センテニアルの6.5万円という価格設定がなければ8万円だったはず。それなら売れたであろう。
当時はMontblanc No.1468(純銀軸)の定価が11万円。それに対抗するにしても10万円では勝負にならなかった・・・。8万円だったら拙者でも買ったはず。当時はMontblancもParkerもアメ横では割引率は同じ。買値で18,000円の差があればデュオフォールドを選ぶが、差が6,000円ならソリテールを選択する。
もしビッグレッドを姑息な手段で世に出さなかったら・・・少なくとも日本での純銀軸は爆発的に売れたであろう。
10万円なら悩むまでもなくNO!を出した。その決断にまったく後悔はないが・・・コレクターズボックスは買っておくべきであった・・・
つまらぬ事を思い出してしまったワィ・・・・
【過去のシリーズ記事】
Parker Encyclopedia その16
Parker Encyclopedia その15
Parker Encyclopedia その14
Parker Encyclopedia その13
Parker Encyclopedia その12
Parker Encyclopedia その11
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Parker Encyclopedia その9
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Parker Encyclopedia その5
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