昨日、左のような箱を買ってきた。かなり立派な箱で、2個で17,000円強になる。
中身はフィルム。Rolleiの【PAN 25】と【RETRO 100】じゃ。箱の中には10本ずつパトローネが立った状態で入っている。【PAN 25】が1本約1,000円、【RETRO 100】が1本約700円になる。
どうしてそんなに高価なフィルムを使うのか?と聞かれれば【いろんな種類のフィルムを現像して楽しみたいから・・・】と答えるしかない。
ひねくれ者の拙者は、萬年筆は書いて楽しむのではなく修理と調整、写真は撮影して楽しむのではなくフィルム現像と考えている。実情は、【字が下手で書いては楽しめない】ことと、【出不精で決定的瞬間に出会うチャンスが無い】ことにつきる。
フィルムカメラを手にしなくなって28年経過したが、先日帰省した際、当時の現像データと仕上り状態を克明に自分で記した【現像処方データブック】を眺めているうちに、ムクムクとフィルム現像がやりたくなった。
フィルム現像するためには、フィルムカメラとレンズと現像セット【機材+薬品】が必要ということで、一挙にそろえ、フィルムの入手が最後の仕事だった。
種類の少なくなった白黒フィルムではあるが、現像薬の希釈度、温度、時間との組み合わせを考えると、少なくとも20年以上は研究の種が尽きることはない。
それにしてもフィルム現像の器具に関しては、28年前からまったく進歩がない。コンピューターも自動車も考えられないほど進歩した中で、一切進歩を止めているフィルム現像の器具達!進歩なんか無くったって十分幸せになれるではないか!ちょっと嬉しい発見だった。 フィルムを購入する前に、カメラストラップのアドバイスを受けるために、KINGDOM NOTEを初訪問してきた。
非常に好評だったマップカメラの筆記具部門を別会社化し、同じビルの六階に書斎館に似た豪華な内装で運営している。ずっと明るいがな・・・
萬年筆研究会【WAGNER】の仲間も大勢訪問していると聞いていたのだが、なかなか新宿へ行く機会が無く、今回が初訪問だった!新品と中古が半々の品揃えだが、今回、非常な珍品を入手した。 2006年6月14日の記事で、【Sheafferのカートリッジ専用モデル】と紹介したモデルの色違い。そうそう出会える代物ではない。しかも完璧な状態!金属部分は金みがき布で磨いたら見違えるように美しくなった!
ペン先も完璧!またSheafferは首軸にキャップとの摩擦による擦り傷がつきやすいのだが、それもほとんど無かった。プラスティック磨き布で擦っていたら、ごくわずかに残っていた擦り傷も完璧に消えてしまった!
何の調整も施していないが、インクフローも良く、書き味も柔らかい。すばらしい物に出会えた!何も期待しないでふらっと行っただけにうれしさも倍増、三倍増じゃ! 軸とペンポイントのこの美しさは半端ではない。
ペンポイントの形状も実に良い。これならどんな筆記角度の人にでも合わせられる。
それにしても樹脂と14金ペン先をどうやって一体化するのだろう?ペンポイントを取り付けるタイミングは?切り割りを入れるのは一体化の前か後か・・・などどんどん疑問があふれてくる。一本でこれだけ楽しめれば安い物。【PAN 25】のフィルム10本分相当の値段だったが既に元を取ったな! そして、以前の記事を訂正しなければならなくなった原因がこれ!左側は軸の窓が素通し。そして右側では中に何か入っているのがわかる。
なんとコンバーター!てっきりカートリッジ専用モデルだと考えていたら、コンバーターも装着出来た・・・・・ じつは、現行の中押式より丈の短い、当時のコンバーターを使えば、問題なくコンバータ式になる。
下の現行コンバーターではつかえてしまい胴軸が首軸ま届かない。またモンテヴェルディのコンバータでは、ごらんのように5滴分ほどしかインクが入らない。
カートリッジ専用ではなく、カートリッジ / コンバーター併用式だった! という事実は良い意味での驚き!
とはいっても透明インク窓からコンバーターの金属が見えるのは無粋。やはり鮮やかなブルーのカートリッジを入れて楽しみたいものじゃ。