2008年09月15日

月曜日の調整報告 【 WARL 金張り Pencil Set 14C-M ペン芯が緩い・・・ 】

2008-09-15 01 今回の依頼品は販売当時の紙製の箱に入っていた。もちろん箱はボロボロだが中身は綺麗!Rolled Goldの衣装を纏っている。

 大きさから見て女性用。ペンシルの方はリングトップなので、首から吊す仕様だったのかもしれない・・・首からペンシルをぶら下げているレディは・・・パーティ会場ではイケテナイような気がするが、職場であれば評価は確実に上がる!

2008-09-15 02 萬年筆はレバーフィラー方式で、サックは生きている。すなわち吸入は可能じゃ。またクリップも洋服の生地をホールド出来る程度にしっかりしている。

 首軸にまでRolld Goldが施されている非常にエレガントな仕上げ。拙者も以前、この手のセットに凝った時代があったなぁ・・・

2008-09-15 032008-09-15 04 ペン先の素材はなかなか良いのだが、筆圧をかけたとたんにペン先とペン芯がズレてしまって筆記出来ない。そのズレた状態が右側の画像じゃ。

 よく見ると、この時代にしてはペン芯の出来が良すぎる。オリジナルのペン芯を壊してしまったので、別の時代のペン芯を装着したのであろうが、径が合ってなくてユルユル状態・・・

2008-09-15 05 ペン先とペン芯を分離して眺めてみたが、確かに径があっていない。ペン芯の方が径が小さい。この状態で首軸に押し込むと、ペン先の径も小さくなりペン先は曲がりすぎて、ペンポイントが背開きになってしまう。

 ではペン芯をふさわしい径の物に交換しよう!といってもそう簡単ではない。部品箱の中にあった数百のペン芯を試してみたが適合するペン芯は一本も無かった。
2008-09-15 06
 それならば太いペン芯から削り出せば良いと言うことで、現行M400のペン芯を削って使うことにした。かなり径が太かったのでサンドペーパで磨いていては何時間もかかる!そこでルーターを引っ張り出してきてブィーンブィーンと削った。それでも形状を整えるのに30分以上はかかってしまった。

 ごらんのようにM400のペン芯は数价擦ぁこれが悪い影響を及ぼすのではないかと実験してみたが、とりあえずは問題は無さそうじゃ。

2008-09-15 072008-09-15 08 こちらが調整後のペンポイントの状態。ごくわずかのスリットを開くのに思いの外苦労した。

 この当時のペン先はかなり鍛錬されえいるので、多少の力を加えても変形しないし、調整戻りも大きい!利用者にはごきげんなペン先だが、調整師にとっては手がかかる難物じゃ。

2008-09-15 092008-09-15 10 こちらが横顔。かなりペン芯を削ってやっとペン先とペン芯の最適位置を見つけ出した。

 首軸にもぴったりと収まり、まるであつらえたような感じの書きごこちになった。書き味はかなり神経質だが、その神経質さがまた良い!少しの手の動きにも素早く反応してくれる。最近の免年筆にはこういうのが少なくなってきたなぁ・・・


【 今回執筆時間:6.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整3.5h 記事執筆1.5h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
      
    

【これまでの調整記事】

2008-09-13 1950年代 Montblanc No.146 14C-KOB → KB 却下!      
2008-09-10 1950年代 Montblanc No.144 14C-KEF クーゲルらしく      
2008-09-08 梅田阪急限定ブライヤー 21K-M・・・シャリシャリ感撲滅       
2008-09-06 Montblanc No.242G 14C-KF クーゲルの書き味ではない    
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2008-09-01 Montblanc No.134 14C-OB ペン先波打ち修整       
2008-08-30 柘製作所 マイカルタ 21K-B ペン先段差   
2008-08-27 1950年代 Montblanc No.144 14C-OBB 生贄 
2008-08-25 1960年代 Montblanc No.72 ペン先曲がり、そして・・・
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2008-08-16 1970年代 Montblanc No.149 14C-F 尻軸ユニット破損 
2008-08-14 NAMIKI Vanishing Point 14K-B インクフロー改善 
2008-08-11 1960年代 Montblanc No.149 14C-M 首軸破損 
2008-08-09 Parker Victory 酔いどれの後始末  
2008-08-06 Montblanc No.149 18C-EF ペン先曲がり   
2008-08-04 Sheaffer インペリアル 14K-F 手が伸びるペンに!      
2008-08-02 Montblanc No.149 14C-F ピストン動かず・・・    
2008-07-30 Pelikan M700 雑巾トレド 18C-M 書き味微調整    
2008-07-28 Montblanc No.144G 14C-OB→B 研ぎ出し    
2008-07-26 Parker Duofold International 18C-XXB 生贄    
2008-07-23 1950年代 Montblanc No.142 14C-M 書き味向上     
2008-07-21 Parker Duofold センテニアル 18C-XXB 生贄       
2008-07-19 1950年代 Montblanc No.146 14C-BB 生贄      
2008-07-17 Pelikan 500N 茶縞 14C-M インクフロー改善      
2008-07-15 Montblanc No.149 14C-M 書き味向上     
2008-07-07 Delta ドルチェビータ オーバーサイズ 呼吸困難  
2008-07-05   Sheaffer インペリアル 純銀 首軸ユニット交換   
2008-07-02   Montblanc No.149 胴軸交換   

2008-06-30 Pilot 旧エラボー 14K SB ペン芯乖離                     
2008-06-28 Warl Eversharp Red Ripple 14K-Flexible                      
2008-06-25 Pelikan M800 18C-M 現行品最高の書き味に!   
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2008-06-21 Montblanc No.342 14C-EF ひっかかり 
2008-06-18 Sheaffer Tuckaway 14K-XF ペン先曲がり   
2008-06-16 AURORA 88 14K-B 書き出し掠れ解消   
 
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Posted by pelikan_1931 at 10:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
Dahliaしゃん

風貌と年齢のアンマッチがすばらしいですな!次回までに鉄扇を準備するともっと似合うかも!

あのProfit 80の18金ニブはすばらしいですな!
Posted by pelikan_1931 at 2008年09月15日 23:23
先日の名古屋ではお世話になりました。
パーカーのデュオフォールドはこんなにも書きやすいペンだったんだ・・・。 と驚いてしまいます。

凄い丁寧に調整していただいてありがとうございました。
Posted by Dahlia at 2008年09月15日 21:08