2008年11月27日

解説【インキと科學】 のかわりに 【 GlanzAus neo 21K H-M 】

2008-11-27 01 サンライズ貿易から発売されている【GlanzAus neo】は非常に魅力的な万年筆じゃ。萬年筆研究会【WAGNER】岡山大会の当日、丸善岡山店で一目惚れして購入した。極太好きの拙者ゆえ、たまたまBニブ付きが無いということで多少迷ったが、勢いで買ってしまった。

 その後、箱からは出していなかったのだが、フルハルターでのみ販売する【GlanzAus neo】のZoomニブ付きを注文したので、Mニブ付きのこちらを先に使ってみることにした。

 カートリッジを入れた重さでは34.7gある。純銀を使った軸だけにかなり重い。比較のために他の万年筆の重さを計測してみると、

 漆塗りのモンブラン No.149 インク入り 
30.8g
 Pelikan M800 黒軸 インク入り 29.5g
 Pelikan サハラ インク入り
33.0g

 となり、【GlanzAus neo】は海外大型モデルよりも重いことがわかる。

 Pelikan トレドと同じように、軸の中央部が重いので、持っている時のバランスが実によい。ただ少し滑る。純銀軸の上にプラチナかなにかを鍍金しているのだと思うが、握りやすさから考えたら純銀地肌の方が好みじゃな。

 もっとも鍍金しないで出荷したら、曇った!錆びた!・・・と大騒ぎになるであろうからメーカーとしては当然の措置。必要なら自分で鍍金を剥がせばいいやと割り切って使うことにした。

2008-11-27 02 まったくの未調整でもインクはスルスルと出てくる。字巾はMだが、最初はFかな?と思った。極太万年筆ばかり使っていると、国産のMは相当細く感じてしまう。

 既にカートリッジを入れて日常使用として持ち歩いているが、コンパクトで実に扱いやすい。昨日は受講生の出席簿に記入してみたが、【ああ、細字ってこういう時にニーズがあるんだ】と再認識した。


2008-11-27 032008-11-27 04 こちらは横顔。セーラーのペン芯は実に見事な設計で、書いている途中での息切れがない。

 最近ペンクリに【筆記途中で突然インクが出なくなる】といって海外製有名万年筆が持ち込まれる。拙者は【これはペン芯の設計に問題があるので調整では直せません】と答えている。

 セーラーのペン芯は、空気とインクがバランスして、息切れが発生しそうになる際のバイパスを持っている。従ってインク切れがほとんど発生しない。

 長時間筆記し続けるような必要がある人は、国産万年筆をお使いなされ。今後一切のインク切れを経験する事無く一生をおくれるであろう。



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(15) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆紹介 
この記事へのコメント
zaki しゃん

ここ数年のものなら、ニブストッパーが空気の流れを止めている可能性もある。機会があったらお持ち下され。
Posted by pelikan_1931 at 2008年12月01日 22:28
pelikan_1931さん

お付き合いいただき申し訳ございません。

ここ数年のものだと思うのですが、正確な製造年はわかりません。
リングにPixの刻印は無く、製造番号はPI1026123です。
(ペン芯の形状をアップしたかったのですが、URLがはじかれてしまいました。)

この情報ではなんとも言い難いと思いますが、定例会等にお邪魔する機会があったら見ていただけると幸いです。
Posted by zaki at 2008年11月30日 23:41
zaki しゃん

インクフローが悪い原因には、インクの問題、エボ焼けなど様々な物があるので、まずは調べる必要がある。何年頃のNo.149ですかな?
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月30日 07:23
pelikan_1931さん
最北のakiさん

レスありがとうございます。
私の所有するインクの出なくなる万年筆とはM社の*49です。
最初はインクがドバドバ出てくるのですが、少しするとかすれてしまいます。インクはレーシンググリーンを入れています。
現行はあまり評判が良くないのは知っていましたが、ここまでダメとは思いませんでした。構造の問題では、M社に持っていっても改善しなさそうですね。
Posted by zaki at 2008年11月29日 13:05
zakiさん。はじめまして。
そのM社万年筆は、カートリッジ式ではありませんか?
自分の現行カートリッジ式もインクが途切れる症状があります。
特にボトルインクを使用した場合に起きやすいと思っています。
一時コンバーターを使ったり、空きカートリッジに詰め替えたりして使っていましたが、インク切れが多かったので、あきらめてカートリッジを使うようになりました。

現行ロイヤルブルーのカートリッジを使う限りでは、問題は発生しなくなりました。
Posted by 最北のaki at 2008年11月29日 08:59
Dahliaしゃん

だんだんとデスクペンに興味が湧いてきました。

そういえば、ドルチェヴィータにもデスクペンがあったような・・・
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月29日 06:37
2
こんにちは。
つきみそうさんのディスクペン僕も好きで中学の時、一年生の終わりからずっと使い続けていました。キャップが半透明な頃のプラチナのディスクペン。文字の幅が極細という中では今でも一番好きなペンです。

指で持つ辺りが程よく太くて、全長もそう長くなく。アレを学生服の胸ポケットにサッと忍ばせているのが好きでしたね。

中学校の数学の先生が赤のプラチナのディスクペンでマル付けしているのを見てイイなぁ〜と思ったのが今思えば万年筆にのめり込むきっかけでした。

あのピンク色が実に綺麗で採点が映えるんですよね。 プラチナの赤は。

プラチナのディスクペンで書いた極細の黒字もまた味わい深いです。 黒は所々鼠色のようにも見えたような気がします。 思えばあの色が万年筆は他の筆記具。 シャープペンやボールペンとは何か違う!と感じた初めての体験でしたね。

ただ、ディスクペンはキャップが透明だととても汚れが目立つんですよね。
それが難点といえば難点・・・。

でも、安価でしかも本格的な万年筆の入門としては実に良いとおもうんですけど^^

では、失礼します。
Posted by Dahlia at 2008年11月28日 10:52
zaki しゃん

少なくとも拙者は、かのペン芯のままで途切れを無くす技を持ってはおらぬ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月28日 05:50
便乗ですみません。
筆記途中で突然インクが出なくなる海外製有名万年筆とは、もしかして、Mでしょうか。
私の所有する現行品もまったく同じ症状のため、今度みていただこうと思っていたのですが・・・。
残念です。どうしようもないのでしょうか?
Posted by zaki at 2008年11月27日 23:23
ぽん太郎しゃん

どうやっても直せません・・・インクによっては漏れない物もあるようですが・・・ま、相性の問題です。
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月27日 20:27
つきみそうしゃん

なかなか魅力的な話ですな。そのデスクペンを試してみたい物です。
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月27日 20:26
 しまみゅーら さん

 私のところでは、生徒が書く出願書類(の一部)だけがペンでの一発勝負。公立関係で教師が書くものは、すべて鉛筆書きしたものをコピーして提出となりますので、相当に楽です。
 古いものの在庫では、この前、ガンヂーのインキ消しが新品で残っているのを発見。思わず開封して懐かしい刺激臭を味わいました。
 出席簿も、細字のボールペンが普通。生徒の調査書を書くのも水性ボールペンという人が主流派ですね。
Posted by つきみそう at 2008年11月27日 14:43
 つきみそうさん、はじめまして。

 学校によるのかもしれませんが、私の勤務している(もしくはここ数年勤務していた)学校では、もはやデスクペンさえ使わなくなってきました。消耗品にも入っていないという…(というか、誰も使わないので倉庫にどっさり在庫がある)。デスクペンの出番は、3年生の履歴書書き(生徒に貸す)か転勤希望を書く個人調書の時だけに…という事態です。

 万年筆を普段使いしてるのは、私だけかもしれません…

 前の前の学校では、プラチナの1世代前のブルーブラックカートリッジが何箱かあって、「私が使います」と1箱いただいてきました。今思うと、何箱か持ってくればよかった…。

 前の前の前の学校では、パイロットとプラチナ、それぞれ黒軸と赤軸が用意してありました。今思うと、天国のようなところだったかも(笑)。
Posted by しまみゅーら at 2008年11月27日 13:16
「調整では」直せません、ということは
「調整」の域を越えた「手術」「改造」ならば直せる、
という意味が言外に含まれているのでしょうか。

深読みしすぎ?
Posted by ぽん太郎 at 2008年11月27日 12:40
 出席簿に記入する、ということを日常的にやっておりますと、結果として、国産各社のデスクペンが一番使いやすい、ってなことになります。
 おろしたてでカリカリしていたのが、生徒が卒業する頃には手放せない書き味になっていることが多いのです。
 学校の職員室には、この手の、使い込まれて今が一番いい状態、というデスクペンが結構あるように思います。
Posted by つきみそう at 2008年11月27日 11:53