2008年11月29日

土曜日の調整報告 【 Montblanc No.242G 14C-F グレー縞 ガチガチ! 】

2008-11-29 01 今回の依頼品はMontblanc No.242Gグレーストライプ。今までに黒軸は触ったことはあるが、グレー縞軸は初めて!実に美しい!

 縞柄軸の美しさに引き込まれてしまう・・・単なる縞ではなく、素材が混ざる過程で色々な文様を生み出したような感じさえする。使うのはもったいないな・・・呪いをかけようかな

2008-11-29 022008-11-29 03 上申書には書き味がガチガチで超悪いと書かれている。ペン先を拡大してみても、形状的に異常な所はない。

 ただし、ペン先先端が背開きになっているようじゃ。柔らかいペン先が背開きになっていると、一画ごとに全て引っ掛かってしまう。まことにタチが悪い!まずこの部分はなおさねばなるまい。

2008-11-29 042008-11-29 05 こちらは横顔。かなり良く整備されており、形状やペン芯とペン先の設定位置などに問題はない。ペン先とペン芯との間の隙間もまったく無い。

 ちゃんと調整して販売する人から入手したのであろう。ただし調整戻りのような段差がある。これと背開きの相乗効果で【極悪書き味】になっている。

 ほんの少しの差で地獄に堕ちるところがVintageのペン先の怖さなのじゃ!

2008-11-29 06 背開きを直すにはペン先を首軸から外さねばならない。ソケットに溝が無いので工具で抜くわけにはいかない。

 そこで80度くらいのお湯に首軸の1僂らい上まで浸してかき混ぜ、2分ほど経過した時点で首軸部分を左に回すと首軸は外れる。

 あとは首軸からペン先とペン芯を押し出せばよい。前から引っ張るとペン芯が歪んだり折れたするのでフラットフィードの場合は緊急避難時以外はやめておいた方がよい。
2008-11-29 072008-11-29 08 左が清掃前、右が清掃後にスリットを開いた状態。

 やはり清掃するとペン先の魅力は数段上がる。出来ればVintage萬年筆も清掃してからオークションに出すという文化が根付くと良いなぁ。見えるところだけコチョコチョと清掃するのではなく、完全清掃したものを流通させる。そういう時代を夢見て、せっせと分解方法を公開しているのでな。

2008-11-29 09 こちらが調整後のペンポイント付近の拡大図。極わずかにスリットが開いているところがミソ。

 よく見ると背開きが直っているのがわかるであろう。実は結構苦労した。あまりに小さいペン先に対して、拙者の指が太すぎたのでな・・・

 こういう点から考えれば、極太指先オジサンよりは、白魚指先小娘の方が調整師には適していると思う。我と思わん方は・・・いないかなぁ?

2008-11-29 102008-11-29 112008-11-29 12 こちらが首軸にセットした後で、多少研磨したもの。依頼者の筆記角度にあわせてマイクロスイートスポットを作り込んだ。

 インクをつけて書き味を試してみると・・・ああ、これがVintageの書き味だぁ!と感心する。柔らかさだけならNo.342のペン先のほうが上。ただし筆記時の気品はNo.242が数段上。

 やはりある程度までは、萬年筆の価値は値段の関数であると感じてしまう。



【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1.5h 修理調整1h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
     


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Posted by pelikan_1931 at 10:00│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
emh1899しゃん

毎週火曜日に質問とアンケートのコーナーがあるので、そこに質問を入れて下され。急いでいれば、火曜日の過去記事に対して質問を入れていただいても結構です。
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月30日 12:35
有り難うございます。
私の持っているビンテージ149で1個だけ内ネジのキャップが有り、どうも軸としっくり合わなかったのです。
時代が違うキャップを合わせられていたんですね@eBay
そのキャップは他の古い149にも微妙に合いません。
ネジ山が1本ぐらい数が合わない様なフィット感です。
山のピッチは何とか合うようです。

追伸
今後この様な質問の場合はどちらに記載させて頂けば宜しいでしょうか?
あまり場違いな所に書いてしまってもコメント欄を混乱させてしまうかと思いまして、、、恐縮です
Posted by emh1899 at 2008年11月30日 12:06
emh1899しゃん

年代による違いです。1991年以降は必ずキャップ内側からネジで止める方式ですが、いつごろからそうなったのかは不明。

またキャップのネジのピッチも、たまに違う物があります。互換性があるものと無いものがあるようです。
Posted by pelikan_1931 at 2008年11月30日 07:21
質問で恐縮です
モンブラン149のクリップはネジ式で取り外せますがキャップ内側にネジで止まっている物と
キャップ本体にネジ山のある突起が有る物と2種類有りますが年代に寄る違いなのでしょうか?
現行品はネジで止めていると思われますが年代に依って何種類も有るのでしょうか?

Posted by emh1899 at 2008年11月29日 19:58