2008年12月01日

月曜日の調整報告 【 2008年10月29日のSheaffer Snorkel 14C-F 復活! 】

2008-12-01 01 2008年10月29日のBlogで部品不足から修理を中断していたSheafferスノーケルに再度挑戦した。shokubutsuen99しゃんからパーツの提供があったのじゃ!

 パーツさえあれば修理は簡単!と思っていたが、それは甘かった・・・パーツとボディには相性があり、そこを克服しないと気持ちよく可動しない。動きがぎこちなくなってしまう。このあたりが修理・調整の妙味・・・燃える!

2008-12-01 022008-12-01 03 まずはペン先の状態から。右側の画像を見ると、ペン先はわずかに上に反ろうとしている。気のせいではなく、多少上方向に曲がりかけている。

 この状態を覚えておいて欲しい。このスノーケルは割と反りが少ない・・・上に反ると言うより、お辞儀の角度が途中から弱まった感じ・・・

2008-12-01 04 不具合があったのは上の部品。途中で軸が折れていた。これではスノーケルの過酷な動きは受け止められない。

 そこで譲っていただいたのが下側の代替部品。かなり傷んではいるが、利用上の問題は何一つ無いはずだった・・・

2008-12-01 05 ところが首軸内に吸入機構が入らない。せっかく交換したのにおかしいなぁ・・・とルーペで調べてみて納得がいった。なんと端がめくれ上がっているのじゃ。その部分が首軸にひっかかって吸入が出来なくなっていた!

2008-12-01 06 拡大してみると、画像の一番下の部分。ここの一部が曲がっている!これが原因!

 そこでまずはヤスリでゴリゴリ余分な部分を削り取った。しかる後に、首軸の形状に最も近い向きを捜して、その位置からスノーケルの管を吸入機構に押し込む位置を決めるのじゃ。

 この部品からゴムの栓を取り出す正式な方法は【細い金属棒を後の穴から差し込んでトンカチでたたき出す】とSheaffer修理マニュアルに記載されている。

 その方式を用いれば、端がめくれ上がる事なく、スポッと押し出せる。ただし棒を栓に当てる位置を手探りでちゃんと決めないと、栓の中に差し込んであるスノーケルの筒を折ってしまう。


2008-12-01 07 こちらが代替品の部品に従来からある吸入機構を押し込んで完成・・・ではなく、作業の始まり。特に筒の向きと長さはペン芯から出るスノーケルの筒の見映えに大きく影響するので絶対に手を抜けない分野。微調整につぐ微調整を繰り返す。

2008-12-01 082008-12-01 092008-12-01 10 首軸内部にワセリンを塗り込め、さらにはシリコングリースで可動部分の動きを軽くしてみた。

 これなら儀式のように厳かな動きでインク吸入が出来る。それにしてもいつもは10分以内で出来る修理が、足かけ二ヶ月かかったことになる。たまたま修理工具が手元に無かったこと、代替部品が無かったことによって中断していた修理ではあるが。やっと終わった!

 ペン先の反りはほとんど無く、スノーケルの筒にぶつかりそう!これはペン先を反らせ気味にすると腹開きになり、ペンポイントのおいしい所を削り取ってしまう事にもなりかねないので、逆に現在おいしい部分がちゃんと紙に当たるように微調整を施したから。

 萬年筆研究会【WAGNER】関西地区大会で依頼者の元へ二ヶ月ぶりで戻っていった。このピンク軸は拙者のスノーケル第一号と同じもの。懐かしかった・・・



【 今回執筆時間:5.5時間 】 画像準備2h 修理調整2.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間
    
     

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Posted by pelikan_1931 at 07:30│Comments(5) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
 失礼しました。
 上の2枚の写真ばかりに目が行って下の写真を
 見落としていました。
Posted by Mont Peli at 2008年12月03日 08:15
Mont Peli しゃん

下から二段目の画像の位置が正解です。
Posted by pelikan_1931 at 2008年12月02日 21:38
 掲載されたprotector tube assemblyの写真を見ると、「ばね(spring)」のストッパーの役割をしているthread ringの位置が本来の位置より左にズレています。
 このまま収めるとばねが狭い範囲に押し込められてストレスがかかるので、本来の位置である「ネジ径の右端」に戻してやる必要があると思いますが戻して収めたのでしょうか。
 釈迦に説法とは思いますが、ちょっと気にかかりましたので書き込みしました。
Posted by Mont Peli at 2008年12月02日 08:31
つきみそうしゃん

一回で成功しなかった唯一の例となった・・・
スノーケルが現代まで生きながらえている方が奇蹟に思われる。すくなくとも手入れしていない物は、あと10年は持たない!

いまのうちにお楽しみ下され。手入れすれば、あと50年は持つでしょうか・・・
Posted by pelikan_1931 at 2008年12月01日 22:30
 何不自由なく、普通に使えるペン。世間一般では当たり前のことですが、その裏側に、これだけの物語が隠れているのを知ると、感動ですね。
 人日、という単位がありますが、師匠お一人に2ヶ月お願いしたとして60人日。ここに貴重なパーツを提供くださった方なども含めますと、すごいことに。製造するより維持する方にコストがかかるスノーケル、恐るべし。
Posted by つきみそう at 2008年12月01日 11:17