2009年01月25日

拙者の【 調整 】の歴史・・・その1

 最近、拙者の中で【調整】に対する考え方が徐々に変化しているのを感じる。書き綴ってきた文章を読み返すことは無いが、なんとなく・・・・

 そこで時代を遡って思い出してみることにしよう。

【混迷の時代】
★値段が高い萬年筆ほど書き味が良いと思っていた。
★自分の所有する高級萬年筆よりも、部下の安価なMontblanc No.221の方が圧倒的に書き味が良い事にショックを受ける。
★書き込んでいけば手に馴染んでいく・・・という噂を元に、色々な紙に強筆圧で書きまくるが書き味はまったく改善しない。

【発芽の時代】
★【私のパパはペリカンのペン先をサンドペーパーの上で研いでいてよ】で閃く。
★サンドペーパー、マッチの擦る部分、砥石、トレーシンブペーパーの上で書く。
★またたくまに数十本の萬年筆のペン先を飛ばしてしまう。

【研究の時代】
★文献を貪るように読んで、金ペン堂の存在を知る。【ペン先とペン芯の結婚】という言葉に触発されて位置を変えつつ実験。
★お手本が必要と金ペン堂で数本購入。
★店頭のNewコノソアールのペン先が軸に1于,傾んであると指摘。良くわかったなと褒められる。
★調整前と調整後の#500のペン先をルーペで見せられ区別付かず・・・挫折。

【発見の時代】
★伊東屋で15000番のラッピングフィルムを見つけたのを契機に転換。
★耐水ペーパーで形を整えて、ラッピングフィルムで仕上げる方式を独自で思いつく。
★形も書き味も良いのにインク切れするケースが頻発し困惑。

【開眼の時代】
★インク切れ解消を目指して、(当時はまだ研いでいなかった)川口先生のペンクリで自分の研ぎを見せる。
★その場で、長原先生のペンクリが後日あるので行きなさいと奨められる。
★蒲田のペンクリに行くと、長原先生(研磨)と川口先生(修理)の二枚看板。
★長原先生に自分の研ぎを見せる。ええ腕しとる弟子にならんか?生活は苦しいけど楽しいよ!とからかわれる。
★この萬年筆は呼吸困難じゃ!とペン先を力ずくでグニャグニャするとインク切れ皆無に!
★研磨は調整の一部でしかないと気付く。
★後日、川口先生のペンクリでインクフローの解説を受け開眼。

【修業の時代】
★自分のペン先は望み通りに調整出来るようになったので、他人のペン先調整にトライ。
★最初は同僚のパーカー45。ペンポイントがナイフで切ったように摩耗。丸く研いだら絶賛される。
★それから手当たり次第に回りの人のペン先を調整し、喜ばれる。


【転換の時代】
★萬年筆倶楽部【フェンテ】に入会し、仲間の萬年筆の調整をやり褒められる。有頂天!
★調整で自分に出来ないことはないと誤解。

【挫折の時代】
★フェンテ会長宅での懇談会。初めて【ダメ出しの女王】に遭遇。
★皆さんがワインを飲んで楽しんでいる2時間、徹底的にダメを出され続ける。
★初めての挫折を経験し、まだまだ修業が足りないと痛感。

【実践の時代】
★知り合いではない人の調整をしないと腕は上がらないと、虎視眈々と機会を狙う。
★丸善での筆記具フェアでペンクリをやらないかとの誘いがあり、無謀にも受けるが大成功。
★他人の萬年筆を大勢の前でやる緊張感と快感を知ってしまう。

【学習の時代】
★海外の文献や過去文献で調整の真髄を探るが、どうもすっきりしない。
★初めてフルハルターへ行き、森山さんにセンテニアルを森山スペシャルに研いでもらう。
★受取に行った際、調整のコツを親切に教えていただく。
★行けるペンクリには全て行って調整した萬年筆を購入。また自己調整物へのアドバイスをいただく。

次回へ続く



Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
嵐山 言丸 しゃん

これは次回で終わってしまうが、拙者の歴史の整理じゃ。あまりにも変節しているので、自分でもビックリ。
Posted by pelikan_1931 at 2009年01月26日 21:55
しげおしゃん

27才の頃、18才くらいの高校生とTVに出ていたころを思い出した。
当時の10回平均31秒/回は無理だが、2分あればいまでも出来るであろう。
ツクダオリジナルに送付した手書きの解法ノートも残っている。

認定書によれば、拙者の認定番号は No.000077じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2009年01月26日 21:51
素晴らしい歴史です。後世に残るものです。私は、このブログで最も
楽しい文章でした。
ありがとうございます。
 それと、先日は九州大会で調整していただいた万年筆は、とても気持ちよく書けます。遅くなりましたが感謝しています。
 7月お目にかかれることを楽しみにしています。
Posted by 嵐山 言丸 at 2009年01月26日 10:43
色々な過去の書物にて師匠や諸先生方の事をも日本の万年筆調整の歴史と受け止め興味深く読んでいましたが師匠自らこのように発表して頂けると感激です。番外編でルービックキューブの解析法も教えて下さいょ(笑)
Posted by しげお at 2009年01月25日 23:57