2009年02月01日

拙者の【 調整 】の歴史・・・その2  世界の萬年筆まつり等

前回の一回で終わるはずだったが、あまりに変節しているので、長くなってしまった。

前回についてはこちらを参照されたし。

【混迷の時代】
【発芽の時代】
【研究の時代】
【発見の時代】
【開眼の時代】
【修業の時代】
【転換の時代】
【挫折の時代】
【実践の時代】
【学習の時代】

と短かい間に多くの迷いがあったわけだが、これから先はそれほど変化していないはず。

【冒険の時代】
★萬年筆仲間からの要請で自宅に調子の悪い萬年筆を送ってもらい整備して返す事を始める。
 これは面白くて病み付きになったが、すぐに飽きてしまった。多種多様な書き味への対応をやりたい気持ちが高まる。
★第一回の世界の万年筆まつりへ、フェンテとしてコーナーを提供する話が舞い込み、その中で2日ほどペンクリをやることが決定。
 メーカーペンクリと並行してやるので、仲間内だけのペンクリのはずだったが・・・
 最初のお客は2人づれ。一人が黒柿のセーラー・プロフィット80を差し出し、【書き味良くして!】と笑う。
 セーラーの川口さんで、連れはフルハルターの森山さん。
 その万年筆の細字の書き味が今の拙者の細字に対する目標となっている。

【蓄積の時代】
★本物の境地に至るには、徹底的に数をこなすしかないと考え、万年筆談話室のオフ会からフェンテ交流会まで、
 ことある毎にペンクリを実施し、調整、修理の経験を積む。
★その中で、長原先生のご推薦もありフェンテより【Genuine Civil Meister】の称号を贈られる。2005年10月のことである。

【啓蒙の時代】
★2005年7月より細々とBlogを立ち上げていたが、【Genuine Civil Meister】の称号を贈られた事で軌道修正。
★萬年筆の楽しさや歴史、調整の基礎を公開する方向にシフト。同時に2005年12月より萬年筆研究会【WAGNER】を立ち上げる。

【共存の時代】
★創設当初の萬年筆研究会【WAGNER】は、万ヲタ集団との色眼鏡で見られることも多く、メーカーからも煙たがられていた。
★萬年筆研究会【WAGNER】の目的は万年筆文化の再興であってメーカーは関係ないとの気持ちも強かった。
★ただし万年筆関係者の協力
無しに万年筆文化の再興はあり得ないと皆で話し、共存路線へとシフト。
★まずは地方の万年筆専門店の訪問と紹介に力を置く。
★逆に萬年筆研究会【WAGNER】会員が中心となって企画した店も新宿に出現した。
★国産3大メーカーの現役、OBの方々も萬年筆研究会【WAGNER】定例会に参加しメーカーとしての知見を披露していただく。
 さすがに専門家の言葉や経験はすごい!理論に裏打ちされた話は研究会のテーマにピッタリ!実に楽しい。

【継承の時代】
★上記と時代的には重複しているが、萬年筆研究会【WAGNER】には公認、未公認、見習い含めて14人の調整師がいる。
  1人はプロ、2人は著名コレクターなので、実質的には11人がアマチュア調整師。
★これを3年以内に30人に増やしたい。全国で書き味に悩んでいる人を助けて上げたいという思いが強くなり育成を急いでいる。

 ここまでが今にいたる歴史じゃ。そして今後の夢は・・・

【国際貢献の時代】
★まずは海外在住の萬年筆研究会【WAGNER】会員がいる国での定例会を開催したい。
 具体的には2010年の10月10日にソウルで萬年筆研究会【WAGNER】定例会を開催する予定。
 日本語、韓国語に堪能な人材は確保。あとは会場の手配と、地元万年筆愛好家への連絡が必要になる。
 調整の小技を2時間で伝授したい・・・
★その後は台湾、そして中国と万年筆の盛んな国へ出かけていきたい。

【完】



Posted by pelikan_1931 at 15:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 
この記事へのコメント
garbo しゃん

韓国籍のWAGNER会員の方は非常に細かいことにこだわっているので、やはり人それぞれであろう。

聞くところによれば、韓国にも萬年筆愛好家の集まりというか、団体はあるらしい。

ただ・・・もし仏蘭西人の萬年筆愛好家がEBIS303で萬年筆のミニ集会をかいさいしたとして、何人の日本人が参加するか?やはり言葉の壁は大きい!数人は韓国語をしゃべれる人を連れてきたいのでご協力よろしく。
Posted by pelikan_1931 at 2009年02月06日 06:51
来年はソウル進出なんですね!
韓国の万年筆愛好家のみなさんとも交流してみたいです。

万年筆に関する言葉は特殊ですし韓国と日本で万年筆事情や万年筆に求める事の差が大きいので辞書には無い単語がたくさん出てきそうですね。
自分でも「これって何て言うんだろう???」と思ってわからない表現を韓国人の友人に聞いてみたら「韓国人はそんな細かい事は気にしない!」とバッサリ・・・^^;
韓国にもこだわりを持つ人がいるのか興味があります。
Posted by garbo at 2009年02月03日 09:48
嵐山言丸 しゃん

いやいや、おふたりの前ではちょうせいしてませんよ、さすがに。
プロフィット80をひったくって・・・【いくら?】とは聞きましたが、笑って取りかえされてしまいました。
Posted by pelikan_1931 at 2009年02月03日 06:26
最初のお客は2人づれ。一人が黒柿のセーラー・プロフィット80を差し出し、【書き味良くして!】と笑う。
 セーラーの川口さんで、連れはフルハルターの森山さん。

この部分は以前にも耳にしていましたが、凄い。その時のお二人の両巨匠の前でペン先調整される森師匠の顔、また手元を見たかったです。
 本当に楽しい文章感謝します。

 
Posted by 嵐山 言丸 at 2009年02月02日 10:41
ペリカン堂しゃん

志半ばで・・・と言われないように、長生きしたいものじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2009年02月02日 05:19
やっくん しゃん

萬年筆研究会【WAGNER】会員になるには、定例会に参加するのが唯一の方法じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2009年02月01日 23:57
前回に引き続き、読み応えある文章が、簡潔で分かりやすくまとめられていて大変参考になりました。日本万年筆文化の偉大なる軌跡です。軌跡だけではなく、未来まで語られているのが凄いところです。

Posted by ペリカン堂 at 2009年02月01日 22:53
萬年筆研究会【WAGNER】の会合に参加したり、会員になる方法をご教示願えませんか?じつはここ2時間ほどサイト内を捜しているのですが、申し込み方法とかが見当たりません。とゆーか、捜し方が悪いんでしょうが、どこに書いてあるんでしょうか???
Posted by やっくん at 2009年02月01日 22:17