2010年07月05日

KIVISでの出会い

7月3日(土)に山梨県笛吹市で行われた、【もじをつむぐ2010】@喫茶キヴィスですばらしい物語のある萬年筆との出会いがあった!

前日に毎日新聞山梨版に紹介記事が掲載されたのを見た、S氏(75歳)が、ご自身の萬年筆、それに関連のある書籍、その著者から祖父宛に送られた葉書を持たれて来訪された。

もう何十年も使っていなかった萬年筆の状態をチェックしてもらうのと、その萬年筆がどういう物なのかを調査するのが目的であったらしい。

S氏の祖父は東京高等商船学校卒業で、現在のパイロットの創設者、並木良輔氏の2年先輩。かなり篤い親交があったらしい。

今回S氏が持ち込まれた萬年筆は、その並木良輔氏がS氏に贈ったもので、S氏の銘が蒔絵で書かれている。大型のインキ止め式で、ペン先は50号、Pilotの文字が彫られているが、形状はダンヒルナミキの50号ペン先と同じ(らしい)。

図柄はカエルで、これはS氏の祖父が大好きだったもの。構図は代表的なもので、N御大によればすばらしい出来映えだとか!

そして並木良輔氏の著書(新品)もあり、そこにはS氏の祖父に感謝するという記述もある。この本の存在もN御大は知らなかったとか。

そして、その本には並木良輔氏からS氏の祖父に宛てた葉書が入っている。ずっと本にはさまれていたせいか、色も一切変わっていない。

萬年筆自体は一時S氏の父が使っていたこともあり、中でインクがネバネバになってはいたが、アスコルビン酸をはじめとする各種の液による洗浄によって、ほぼ元にもどった。あとはペン先清掃や、パッキンの交換などが必要と思われるが、これは怖いのでやめておいた。

S氏とN御大のお話の後、N御大が【コレを拝見出来ただけでも山梨まで来た甲斐があった】とおっしゃったのが印象的だった。

S氏とN御大は、今後、交流を続けるらしい。S氏は、ご子息がこの萬年筆にまったく興味を示してくれないのが残念なようす。

ちなみに、S氏のご子息は、女優の松たか子のご主人だとか!

Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
この記事へのコメント
正にヒストリーです。
素晴らしいのひと言!!
本当に、本当に『逢えて良かった』ですね。

松たか子さんのご親戚とは・・・2度ビックリでした。

kivisさんの自家製ジンジャーエールもとても美味しかったし、大満足でした。
Posted by たかや at 2010年07月05日 21:10
 蓮覇さんに教えられて、その方に見せていただきました。
 私、風邪をひいていましたが、その万年筆を見て、体が震えるようでした。
 蓮覇さんのいうとおり『逢えて良かった』です。
 
 行ってよかった!
Posted by サイクル at 2010年07月05日 20:38
価値の分かる人の所にある事で、その方のお祖父様や、お父上の供養になるとも思いますから。

Posted by 蓮覇fe500rs at 2010年07月05日 12:54
いらして間もない時に、清掃前の実物を見ました。
私が何を言っても、陳腐になります。ただ、『逢えて良かった』です。
このペンは、信用の置ける博物館での、永遠の命を望みます。
その方の親族が無関心な以上、そうしなければ悲惨です。もったいない。
Posted by 蓮覇fe500rs at 2010年07月05日 12:25
ありそうでもなかなか無い超レアなお話。感動します!ドラマのようですね。自然界の法則でしょうか?溜まるところへはどんどん溜まっていく、良いものも悪いものも。川の流れのように、運ばれたものが留まる場所があるように、人間世界にもあらゆるものが留まったり流れていく位置があるのかもしれませんね。いろいろ考えてしまって、、、、
Posted by takechanfavor at 2010年07月05日 10:32
万年筆による人間物語ですね。
感動しました。
Posted by しげお at 2010年07月05日 08:02