2010年07月14日

水曜日の調整報告 【 セーラー木軸 18K-B 名前を忘れた・・・ 】

2010-07-14 01今回の調整は拙者が持っている萬年筆。いつ購入したのかは定かではないが、ここ5年以内のはず。国内のどこかの萬年筆店の通販で購入した。値段は3万円程度だったと思う。ひどくお買い得感があった。

木軸の表面に色を付け、透明漆を塗ったのかもしれない。なんせモデル名もスペックも一切思い出せない。そもそもそういうものを読んだ記憶も薄れている。ご存じの方がいたら教えて欲しい。

2010-07-14 022010-07-14 032010-07-14 04これを名古屋でのペントレに出品するにあたって調整することにした。

まだ一度もインクを入れていないので新品。ペン先は18金・・・最近のは全て21金になっているが、この木軸では、もともとは18金だった。それを金属部分に合せてプラチナ鍍金してあるようじゃな。

この古いモデルは、2006年5月4日に紹介したカタログに出ている。当時は首軸の象嵌?部分にも銀色の鍍金が施されていたらしいが、このモデルでは、そこだけ金色になっている。なんとなくアンバランスじゃな。

2010-07-14 052010-07-14 062010-07-14 07ペン先が詰まりすぎているのでスリットを開けたいのだが、国産でオープンニブでないものは分解が難しい。

だが、この木軸モデルは画像のとおりやれば簡単にペン先が外れる。

まずは、首軸の金具の部分を左に回して取る(中央画像)。次にピンセットを首軸内に突っ込んで左に回すとストッパーがはずれる。前からペン先を押せば、後退してスポっとはずれ右側画像の状態になる。

2010-07-14 08さらにペン先ユニットからペン先を引き抜くには、ロックしている部分に爪を立てて、グっと前にペン先を押し出すようにすればよい。思ったより簡単に外れた。間違ってもカッターナイフのようなものでやらないようにな!鍍金が剥がれて汚くなりますぞ。

2010-07-14 09外れたペン先のスリットを開く際には要注意!けっして隙間ゲージなどを使わないように。鍍金してあるペン先には、金属製品を使ってはいけない。必ず手で作業すること。

スリットは少しだけ開いておこう。このペン芯はフラットフィードだがえらく出来がよい。インクの追随性が良いので、筆圧をかけてもインクが途切れるようなことはない。

2010-07-14 10これが完成画像。首軸の象嵌?部分にもニッケルとロジウムの鍍金をかけておいた。スキャナーでは感じが出ていないが、肉眼で見れば昔のモデルとまったく同じ首軸に見えるはずじゃ。

書き味は・・・申し分ない。もともとこのペン先の書き味には定評があった。ただ存在自体が地味なので評価の声が大きくなかっただけ。このペン先をクロスポイントにしたものなど絶品じゃ。

木軸が再評価されつつある今だからこそ、この軸を復活して欲しい。出来れば削りだしたままで・・・


【 今回執筆時間:3.5時間 】 画像準備1h 修理調整1.5h 記事執筆1h
画像準備
とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整
とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間



Posted by pelikan_1931 at 09:30│Comments(10) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
白髪猫 しゃん

0.5%程度と記憶しているが、いつも適当に入れておる。
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月17日 21:29
神戸まで、残らないでしょうねえ。たぶん。
でも、今月は、智頭杉を手に入れて、ほかにもう一本と、
仕事関係のやつを落としたので、
ピンチでござりまする。
ついにボーナスをあてにできなくなったので、
師匠の机に座るのが怖いです。
あ、もう3つほど、座るのが怖い席があったなあ。

ところで、アスコルビン酸水溶液の濃度はどれくらいなのでしょうか。
200mlに何グラムの元抹を入れれば良いのですか。

アスコルビン酸は、とーーてもお安いので、
じゃんじゃん使いたいと思っています。
Posted by 白髪猫 at 2010年07月16日 22:36
蓮覇fe500rs しゃん

大宮の時には未調整だったので、書き味が良くなかった。今回は絶妙の書き味に!
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月15日 02:39
しげおしゃん

既に落ちかけているように思えますが・・・
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月15日 02:38
yakumoしゃん、炭焼万年筆しゃん、ロクリンパパしゃん

情報ありがとしゃん!他にも色があったのですな。
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月15日 02:37
英語ですが、説明が載っているものを見つけました。

http://www.stylophilesonline.com/archive/jan03/02sail.htm

ご参照ください。
Posted by ロクリンパパ at 2010年07月15日 01:10
それは、八雲さんの言われる通り、包丁のハンドル材などに、よく使われている、積層強化木を材料にしたモデルですね。2001年に今は無き、OCATの丸善にてセーラーのペンクリで川口法王にすすめられて、購入した覚えがあります。確かに世界の銘木シリーズのペン先は良いですねぇ!18金の細、中、太字、クロスに21金の中字に21金WGの中字、23金の中字を持っておりますが、18金がやはり最高の書き味です!とくにクロスなどはえもいわれぬ書き味ですね。
Posted by 炭焼万年筆 at 2010年07月14日 22:12
あれっ!?売れ残ってたんですか?
春の大宮例会で見かけて、長時間コレをいじり倒していましたよ。
良いものだから売れたと思い、あの後21や14k仕様を入手したのですが…そうでしたか、名古屋では絶対売れるでしょう(涙)。
Posted by 蓮覇fe500rs at 2010年07月14日 19:56
木軸の魅力は恐ろしいのであえて抑えております。
Posted by しげお at 2010年07月14日 14:11
こんにちは
これは海外限定(米国)の「積層材」という万年筆ですね!
3〜4年前まで?逆輸入品が複数のネットショプで販売
されていました。(蒲田ACTにもあったかも?)
僕もこの美しさにやられてポチッておりました。
復刻してもらいたい1本でもあります。
Posted by yakumo at 2010年07月14日 10:13