2010年07月16日

金曜日の調整報告 【 台湾の回転吸入式萬年筆 Diamond 530 】

2010-07-16 01今回紹介するのは・・・名称は不明だが、とりあえず箱に書いてあるDiamond 530と名づけてみた。この萬年筆の情報はだいぶ以前から入手していた。かなり良いつくりであるとは想像していたのだが、今回、製造元から使ってみてくださいとのことで、試供品として数本いただいたので、分解し、その使用感などをレポートしてみよう。一言でいえば、回転吸入式としては理想に近い構造になっている。

2010-07-16 02本体はスケルトンモデルで、なんとなく安っぽい感じがするかもしれない。拙者も最初はそう思った。
  
2010-07-16 032010-07-16 04ところがPelikanのペリスケと並べてみたとたんに評価は一変した。ペリスケよりはるかに大きくて立派なモデルじゃ。もっとも尻軸にキャップを挿すと長くなりすぎるので、キャップは挿さない設計なのかもしれない。拙者はあえて挿して書いているが、これもなかなか味わいがあって良い。まるで、セーラーのモザイク長軸みたい!

2010-07-16 05この萬年筆のすばらしいところは、かなり細部まで分解できること。左画像では首軸ユニットを外しているが、これはVintageのPelikanでもなしえなかった快挙。特にDemonstratorにはありがたい。ペリスケでは首軸ユニット内に染み込んだインクが絶対に取れなくて困った!拙者がDemonstratorを使わなくなった原因がペリスケなのじゃ。

ところが今回のモデルでは首軸ユニットが外れる!すなわち存分に清掃できるのじゃ。これは嬉しい。これはマニアの意見を十分に聞いたうえで開発しているのに間違いはない。

2010-07-16 06そして尻軸ユニットもPelikanのM800と同じ方法で簡単に外せる。左画像のような3本100円のフォークの真ん中を折ったものを作り、それをインクを出し切った状態にしたピストンと胴軸の隙間に入れ、ピストンをきちっと締め直した上で、右に回せば外れる。

2010-07-16 07左の画層がその状態。M800と同じ道具で外れるのがすごい。
M800では尻軸のメーンになる部分は金属製だが、さすがにそこはプラスティック製。またピストンの弁の部分は非常に柔らかく、内壁への密着度が良い。ただし、効いているのは奥の弁であり、前方の弁は効いていない。

2010-07-16 08ピストンユニットを完全分解すると左の状態。どうみてもPelikanと似ている。おそおらくはライセンス料を支払ったか、特許が切れたのだろう。

特徴は軸全体にOリングをうまく使っていること。完全分解を前提とするならばOリングは必須。まいりました!と言いたいほど良い設計になっている。

2010-07-16 09こちらが首軸ユニットを分解した状態。これなら首軸内にいかにインクが回っても洗えばすぐに綺麗になる!

ペン先がスチール製だから日本市場では受けないかもなぁ・・・と考えていたときに、この萬年筆の凄さに気付いた!

2010-07-16 10このペン先ユニットは透明首軸の内側を押せば左画像のようにポンと外れる。そしてそこにもOリングがあるのだが・・・

ペン先ユニットごと金ペン先に交換することを視野に入れて設計されていると気付いたのじゃ。ご存知の方もいようが、スチール製のペン先は金ペンよりも肉厚じゃ。従ってスチール製のペン先を金ペンと交換しても、ぐらぐらして使い物にならない。

ただしペン芯ごと変えれば可能!もっといえば、上の図のソケット毎交換すれば、金ペンだろうがスチールぺんだろうが、はたまた萬年筆インクが使えるローラーボールだろうが、ラインマーカーだろうが使えるのじゃ。いざとなればインクは注射器で胴軸内へ入れればよい!

この設計思想を見て、改めてこの萬年筆のすばらしさに気付いた!

2010-07-16 11ただし、ペン先はダメ!スチール製の安いペン先なのだが、軸の価値を台無しにしている。せっかくの設計思想なので、金ペン先交換ユニットを出して欲しいなぁ。少なくとも日本市場に向けては!

調整しても、しょせんスチールペンの書き味にしかならない。もしPelikanの設計思想を踏襲するなら、戦時中のCN(クロームニッケル)ニブのような肉薄の弾力のあるペン先にすべきじゃ。重さも27グラムくらいあり、非常に筆記バランスが良い。胴体が最高なだけに、金ペンのユニット(あるいはCNニブユニット)が発売されたら、大ヒット商品になるであろう。拙者自身でも20本や30本は欲しいくらいじゃ。綺麗なインクを入れて並べておきたい!

しかもいつでも完全洗浄できる!最高のDemonstratorになるであろう。金ペン先ユニットの登場に強く期待する!それとBroadのペン先ね!出来ればBBも!

Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 萬年筆調整 
この記事へのコメント
Keny_Suzuki しゃん

残念ながら国内では販売していない。
米国からなら、Posted by の後の下線の部分をクリックされたし!
eBay Store から購入できる。
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月21日 21:12
はじめまして。
いつも楽しくブログを拝見しております。
この万年筆を購入したいのですが、日本国内での販売はされていますでしょうか?
Posted by Keny_Suzuki at 2010年07月21日 12:47
port123miguel しゃん

見落としてました。Thank you!
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月17日 21:28
TomCat しゃん

情報ありがとしゃん!ゴミ箱に捨てたケースに尻軸をはずす器具がはいっておるのを発見。帰京したら拾わねば!
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月17日 21:27
しゅーちゃん しゃん

機構は非常に良く出来ている。改良点があるとすれば、ピストンの弁をOリングだけにして、インク吸入量を稼ぐことかな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2010年07月17日 21:26
こんにちは。

尻軸ユニットを外す専用の工具とシリコングリースが
ペンケースの底に入ってなかったでしょうか?


Posted by port123miguel at 2010年07月17日 13:53
メーカーのブログを見ていましたら、2010年5月6日付けで「ドイツから18金ニブのサンプルが届いたが、Diamond 530には大きすぎてDiamond V7用の物だ」と有りました。

師匠がメーカーの背中を押せば、Diamond 530金ニブが製品化されかも知れませんね。

http://twsbi.wordpress.com/
Posted by TomCat at 2010年07月16日 22:57
実に参考になりました。ありがとうございます。実を言いますと、今日か明日にこの萬年筆が届く予定です。
書き味はあまり期待しない方がいいのかも知れませんね。確かに金ペン先ユニットが発売されれば良いのにと思います。
Twsbiは次回作でバキューマチック式を開発中との事で、結構、面白いメーカーになりそうです。
Posted by シューちゃん at 2010年07月16日 18:11