aurora_88しゃんの〔萬年筆研究会【WAGNER】第1回韓国大会＠ソウル予告〕

http://blog.livedoor.jp/aurora_88/archives/51627028.html

本日、初日のスタッフ会合、観光、宴会終了！

予想していたより韓国のレベルは遙かに高い。残念ながらWAGNERの調整師が束になっても歯が立たないほど。週に一日研究室（工房）を開き、そこで修理調整を受け付けているが、対面調整を除いて週に20〜50本をこなす。Parker51氏一人でじゃ。10歳で修理に目覚め、40歳の現在までに修理・調整した萬年筆は1万本以上とか！

【アマチュアに妥協はない！】という台詞も拙者と一緒。【修理は２ヶ月特訓すれば教えられるが、調整は一生かかる。まだまだ私も勉強中！】という言葉、さらには、萬年筆の構造やインクの流れを完璧に把握していない者が調整をすべきではない】という言葉にも感銘を受けた。

さらには、【細字でペン先のスリットを拡げると減りが早まり長持ちしない】など拙者が考えた事もない事実や、【ペン先の裏を磨くのは、プレス刻印によって出来た凸凹を平たくするため。それによってペン先とペン芯の密着度が上がり、インクフローが安定する】などという実験結果なども教えていただけた。

朝10時から夜10時まで、食事の間も移動中も、ずっと萬年筆の話を10人でやっていた・・・非常に濃い一日であった。しかもその内容の深さは、今までに経験したことにないレベル！

明日は一般の人もたくさん入るので、こんな濃い話は出来ないだろうが、韓国の萬年筆事情を知るには良いチャンス。

韓国では米国製ParkerやSheafferが人気がある。一方日本では独逸、伊太利亜製が人気がある。韓国は朝鮮戦争でUSAと同盟を組んだし、日本は第二次世界大戦で独逸、伊太利亜と同盟を結んだ。このあたりが影響しているのかもね・・・という話もあったが、日本だって一時はParkerやSheafferの方が人気はあったので、企業努力のたまものと考える方が良いであろうな。

いずれにしても、日本からの本日の参加者５人は、来年も是非！という気持ちになった。

それにしても通訳してくださった、ユウしゃん、シャルンしゃん、GARBOしゃんありがとしゃん！おかげで楽しく過ごせました。もっと楽しむには、韓国語を勉強するしかないなぁ・・・

Comments

syokubutsuen99しゃん、パコしゃん

そのあたりを含め、恵比寿では調整師勉強会をやることにしました。日本側も調整師間の情報共有が必要と痛感しました。

ちなみに､韓国の若人は極端に寝かせ、手首を90度捻って書く人がいます。これでハングルを書くには丸研ぎしかありません。しかも360度、どの方向に書いても線巾が一緒という要望も強いです。20人の調整でしっかり鍛えられました！

Posted by pelikan_1931 at 2010年10月12日 00:24

細字調整で工夫を重ねている身の上としては大変興味があります。
「細字でペン先のスリットを拡げると減りが早まり長持ちしない」は、言葉通り受け止めると物理的にはおかしいですね。ペン先の圧力は面で受けていますが、スリット左右各々の面積（１／２）を二つで受けていれば、結局、スリットをつめているのと同じ面積で受けている事もなりますから。
たぶん、おっしゃりたいのは、内エッジが減り馬尻状態になりやすいという事なのかも知れません。でも、最近のガチニブなら、あまり影響はないでしょうね。ビンテージの様な柔らかい細字ニブを捻って書く人なら、おっしゃる様な現象は起きる可能性があると思います。ペンと書き手の組み合わせで影響は大きく異なると言う気がします。
韓国では、細字を丸研ぎにするのか、太字の相似形でスポットをしっかり作るのか、その辺りを聞いていただけるとうれしいです。

Posted by パコ at 2010年10月10日 22:10

細字でペン先のスリットを拡げると減りが早まり長持ちしない・・・・
以下の話は興味が尽きない。
経験的には、細字はスリット先端が触れるか触れないか程度が良いようだが
細字はイリジウムの形がいい加減のものが多く（最近のものは別だが）
いわゆるヨリとインクフローと先端形状にの関係についてはどう考えるのだろう。

ペン芯とペン先裏面の関係は、ペン芯断面形状が円形であるのに対し、ペン先は連続的に曲率が変化し首軸より先は、理論的には面で接する事は無い。
その他・・・・。

どう考えているかをきいてみたいですね。

Posted by syokubutsuen99 at 2010年10月10日 20:54