2011年03月02日

セーラー万年筆の中島社長にお会いしました

半月ほど前、友人から、その友人が所属する異業種交流会で、セーラーの中島社長が講師としてお話しされるのだがゲスト参加しますか?というメールが届いた。

メーカートップの方の肉声などめったに聞けるものではないので、大喜びで参加表明した。

昨晩がその異業種交流会だった。通常異業種交流会といえば、若手が多いものだが、今回は平均年齢が60歳近く、拙者と同年代の方も多かった。

受付で名刺をわたし、会場に入っていたら、【たこ吉さんですよね。名前が全く同じなのでびっくりして”ペン!ペン!ペン!・・・”を確認したら同じお顔だったので・・・】とおっしゃった方の名刺を確認したら、桐山勝氏!そう【万年筆国産化100年---セーラー万年筆とその仲間たち】の著者。聞けば、その異業種交流会の事務局をやられており、桐山氏が講師を決めていらっしゃるとか。

これでこの異業種交流会と中島社長が繋がった!中島社長は、企画のK部長といっしょにいらっしゃったので、さっそく名刺交換させていただき、【ペン!ペン!ペン!・・・】をお渡しすると非常に喜んでいただいた。

官僚出身の企業再生のプロ!といえば【冷酷無比の豪腕】というイメージだったが、いたって温和で快活な紳士だった。なにより人を惹き付ける魅力がある。

すごいなぁ・・・と感じたのは、名刺交換しただけで、相手の名前と名刺の図柄が頭にインプットされていること。ある女性が2時間後に別の名刺を差し出されたとき、【アレ?先ほどの名刺と違うのですね】と聞かれていた。

約1時間にわたるお話の中では、ご自身が中学1年以来の万年筆愛好家であること、東大紛争の時の副委員長で、委員長が江田五月法務大臣だったことなどをお話いただいた。

一番印象的だったのは、【厳しい査定や、厳しい評価をする時ほど、真摯に相手の言い分を聞かなければならない】ということ。そういう不都合な場面を部下に丸投げする上司のなんと多いことか!

参加者の2/3が萬年筆でメモをとっているという近年珍しい場面に出会えて幸せであった。参加者数は30人前後と、フランクな雰囲気だったこともあり、中島社長のお話が終わったとたん質問合戦が始まった!こんなに活発な異業種交流会は初めて!もっとも拙者にとっては異業種とは言えないかもしれないが(笑

異業種交流会が終わった後、地下のバーで二次会が始まったのだが、拙者は中島社長の正面という最高の席を主催者から与えられ、1時間ほど萬年筆談義を楽しませていただいた。

そこでも心温まる話を聞いた。国産萬年筆会社としてはライバルではあるが、業界の集まりで三社の経営陣が同席する事が意外に多いらしい。

”そういう場で、プラチナの中田社長は【中島さんは、まだこの業界に入られて2年ほどなので、状況がわからないでしょう】といっていろんな人を紹介してくれた。またパイロットの経営陣の方々からは、【セーラーさん、がんばってね!いっしょに業界をもり立てて行きましょう】とエールをおくられた” とおっしゃった。

【ライバルだからこそ解り合える!】のかもしれないが、こういうメーカー側の信頼関係があり、販売店側の協力関係が出来れば、利用者である我々は居心地の良い萬年筆ライフを楽しめる。そういう日が早く来ることを願いたい。

Posted by pelikan_1931 at 13:13│Comments(7) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 
この記事へのコメント
Dahlia しゃん
プロフィット80はお元気ですかな?
名古屋大会でお会いしましょう!
Posted by pelikan_1931 at 2011年03月06日 22:04
5
お久しぶりです。ライバル同士競い合って助け合う経営者とは実にいいお話でした(^O^)

セーラーには、得に思い入れがあって書き味は一番好きなんですよね。

長くセーラーには頑張ってもらいたいもんです。
Posted by Dahlia at 2011年03月04日 15:33
カメラの世界では、ニコンがジウジアロー、キャノンがルイジ・コラーニを使った。

そういえばPelikanのルイジ・コラーニを使った。

なぜ国産筆記具メーカーは一流デザイナーで冒険しないのだろう?

日本では突飛なものはみな失敗している気がする。それはデザイナーのせいではないかなぁ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2011年03月03日 18:23
本当に心温まる話ですね。
昨秋あたりから、国産万年筆に再び目を向けるようになりました。
競い合うだけでなく、互いに協力し合う…
国内にこんな素晴らしいメーカーが3社もあることを誇りに思います。
Posted by KEN at 2011年03月03日 12:30
海外主要メーカーが次々と生産設備を持たないブランド会社化していくので、国産万年筆メーカーさんには頑張ってもらいたいですね。
日本製万年筆愛好家待望のAndreas Lambrouの新著 Fountain Pens of Japan が今年の8月に刊行されるとのアナウンスがFPNに表紙見本を添えて掲載されており、サンプルページがPDF形式でダウンロードできます。すなみまさみちさんの秘蔵コレクションのお宝写真満載のようです。
Posted by Mont Peli at 2011年03月03日 07:50
国産万年筆は世界一と常日頃から思っています。松下電気の創業者が自分の会社だけ儲かってもダメで家電業界全体の売り上げが上がることを経営者は考えなければならない。ウロ覚えですが、思い出しました。
自分の所有する万年筆の殆どが国産万年筆なのが誇らしく思えました。
Posted by モンブラン32年目 at 2011年03月02日 19:01
三社の関わり合い、心温まるお話でした。
ライバル同士が協力し合えているということは、これから更なる万年筆ブームがやってくる予感がヒシヒシと感じられます。

未来が楽しみになりますね。
Posted by さにう at 2011年03月02日 13:36