こちらは懐かしのOmas L.L. Ercolessi。ずっと前にアメ横で入手以来保管していて、4月のペントレでお嫁入りしていたものだが、ペン先がぐらつくということで、実家に帰ってきたところ。
この軸色の美しさと、首軸先端部のキャップネジというのが実に良い。たしかもう1本あるはずだ、最近みかけないけど・・・
試し書きするためか、拙者が調整した痕跡が残っている。
拡大画像におけるスリットを見ると、調整したときの拙者がどういう気持ちでいたかがよくわかる。インクフローのドバドバは押さえつつも、通常よりはインクフローを良く!と考えていたのであろう。
当時のオマスはガチガチに硬いペン先だったはずなのだが、それよりは心持ち柔らかい。こんなに刻印が入っているのに不思議じゃ・・・通常は、刻印が複雑で深くて広いほど硬くなると言われているのだがな。
ペン先とペン芯の首軸への収まり具合も、ペンポイントの研磨も誰に合わせるでもなく調整されているように見える。お嫁に行ったのがペントレだったので個人向け調整しなかったのかな?
不具合はペン先がぐらつくと言うこと。これは先日紹介したガリレオ・ガリレイと似た症状なので、もしやと思ってソケットを外してみると・・・
なんと!ソケットが裂けてるじゃん!こちら側だけではなく向こう側も!真っ二つ一歩手前じゃ、こりゃ!
それにしてもErcolessiも、この貧弱なソケットとは!最近のは問題なさそうだが、1990年代のモノには危ないのがいっぱいある。手元にある物では、同じくペン先がぐらぐらになっていたItalia '90のソケットは真っ二つに裂けていた。これは自分の手に負えない!
早速購入した販売店にOmas E.E. Ercolessiを持ち込むと・・・
【ああ、この時代のオマスに頻発しているトラブルです。本国送りになりますよ】とおっしゃる。当時と輸入代理店が変わっているので、メーカー送り以外に解決策は無いであろう。
やはりメーカーの経営状態が悪いときや、コストカッターのような雇われ経営者が社長の時には、良い萬年筆は作れないということかな?
今回は修理は出来ず、メーカー送りになった・・・
【 今回執筆時間:2時間 】 画像準備1h 修理調整0.5h 記事執筆0.5h
画像準備とは画像をスキャ ナーでPCに取り込み、向きや色を調整して、画像ファイルを作る時間
修理調整とは分解・清掃・修理・ペンポイント調整の合計時間
記事執筆とは記事を書いている時間