かなり期待して待っていたFaber-Castell 250 周年記念モデルが発売され、即入手した。
240周年記念モデルはペン先がM800より小さかったためパスしたが、今回はM800と同じと言うことで心待ちにしていた。当然ペン先もM800と同じ設計と思い込んでいたのだが、大きな間違いだった・・・
まず店頭で持ち上げてみて・・・【軽い!】というのが第一印象。スネークウッドは71.7gあったが、このオリーブウッドは39.7gほど。これが軽い!と感じた原因。クリップの重さが32.7g vs 17.5g、胴体の重さが39.0g vs 22.2gとなっている。ちなみにスネークウッドもオリーブウッドも定価は15万円(税抜)。もっとも時代はだいぶ違うが、EUROの値段の変移を考えれば、とっても割高に感じてしまう人もいよう。
ペン先の大きさはM800と同じだが設計は別物。大きな違いはハート穴が無いこと。それと最近のPelikanと違い、ペンポイントが大玉のままではなくちゃんと成型されている。これは大きなプラスポイント。最近のPelikanのペンポイントの不細工さを嘆く諸氏には朗報じゃ。
木目自体は240周年記念モデルよりもはるかに美しい!木目を生かす加工技術もずいぶんと上達したのであろう。ペン芯はまったく違う。なんせこいつは回転吸入式ではない。不覚にも先ほど開封するまで回転吸入式だと信じていた。よく考えればわかりそうなものだが、思い込みっていうのは恐ろしい。M800と同じ(大きさの)ニブ=回転吸入式と思い込んでいたわけじゃ・・・
ペン芯を比べてみると、オリーブウッドはコンバーター用の突起がある。またインク溝が一本しかない。M800用ではインク溝は2本ある。インクフローは大丈夫かな?トホホ!
M800とペン先を裏側から比較してみた。上がオリーブウッド。ペン先の後ろ側の形状が違うのがわかるかな?実はオリーブウッドはペン先とペン芯の位置が決まっている。そのためペン芯のニブストッパーにピッタリと止まるよう、ペン先後端部のえぐりが深い。それに比してペン先とペン芯の位置が固定されていないM800ではその部分がなだらかな曲線になっている。
ペン先の全長はオリーブウッドがやや長い。これは穂先の長さが多少長いから。
実際にインクをつけて書いてみると、M800よりはいくらか柔らかい書き味に思えた。とはいえM800よりは10g以上重いので、拙者にはその差まで加味して書き味比較できる感覚は持ち合わせていない・・・
実際に20分ほど筆記してみたが・・・コレは良い!キャップしない状態で書くとM800と同様軽やかに筆記できるし、タッチも秀逸。何よりウッド軸の美しさを楽しみながら書けるので書いていて楽しい感じになる。書き味にさえ溺れなければだが・・・パンフレットを読むと、萬年筆は2,500本だがペンシルは世界で250本しか販売されない。もしコレクションするならペンシルの方が良いかもしれない。先日のアンケートにもあるようにペンシルを使わない拙者にはペンシルの購入意欲は湧かないがな。
このオリーブウッドは回転吸入式ではないので、拙者のストライクゾーンからは外れている。しかし非常にバランスが良く、重量級のスネークウッドなどと比べれば実用ペンとして使える。そこでコレクション・ケースに入れるのは止め、インクを入れて机の上で使うことにした。すぐに飽きてしまわないよう、書き味はそこそこの状態で留め置いてある。